2022年10月06日

お品書き

現実世界に非科学的要素あり。

長編


・元不良少年の話(習一篇)……疑り深い少年と異国風の教師の交流。下の長編の後日
・新しい教師と転校生がきた話(拓馬篇)……高校二年生になった少年少女の危険な体験
1章 1-1 1-◇ 1-2 1-3 1-4 1-5 1-6  2章 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 2-6
3章 3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 3-6  4章 4-1 4-2 4-3 4-4 4-5 4-6
5章 5-1 5-2 5-3 5-4 5-5 5-6  6章 6-1 6-2 6-3 6-4 6-5 6-6
7章 7-1 7-2 7-3 7-4 7-5 7-6  

長編補記


新任教師がくる前の話(拓馬篇前記)……2月〜3月のこと。素性不明の人物が町に現れる
拓馬1 拓馬2 拓馬3 習一1 習一2 習一3 拓馬4 拓馬5    ──主人公格の男子高校生
校長1 校長2 校長3 校長4 八巻1 八巻2 八巻3 八巻4 八巻5──学校関係の大人
実澄1 実澄2 実澄3 実澄4 実澄5 実澄6 実澄7 実澄8 実澄9 実澄10 実澄11─女子高生の母親
校長5 新人1 新人2 新人3 新人4 新人5 新人6 校長6 校長7 校長8 新人7─学校の大人・後半
美弥1 美弥2 美弥3 美弥4 美弥5 美弥6 美弥7 美弥8 美弥9 美弥10 美弥11─訳あり女子
posted by 三利実巳 at 20:05 | TrackBack(0) | 目次・説明

2018年01月22日

拓馬篇−1章6

 昼休みになった直後、名木野が同じ写真部のヤマダの席へ逃げてきた。男子の転校生は苦手のようだ。拓馬と千智も二人と一緒に昼食をとる。三郎だけは行方をくらましていた。
「ナギちゃん、災難ね。ああいうスケコマシのとなりじゃ落ち着かないでしょ」
 千智が気遣うとナギは軽く首を横に振った。
「いまの席は後ろにチサちゃんと根岸くんがいるから平気」
「そうねぇ、なにかあったら拓馬が彼氏だって言っときゃ大丈夫よ」
「二次被害が出るからやめろ」
 拓馬の指摘を千智は気に留めず、新たな話題を口にする。
「転校生は大体どんな子かわかったからいいとして……次は英語の先生ね!」
 千智は入学式で見かけた銀髪の教師の話を切りだした。黙々と英語の教科書を眺めていたヤマダが反応を示す。その隣りに座るジモンも話に加わる。
「始業式も入学式もハンパに出ておった先生か。昼イチの授業に出るんかの」
 ヤマダが本摩から聞いた新任教師の情報はすでに仲間内に伝えた。それ以外のことは今日わかるかもしれない。拓馬は教師よりヤマダが英語の勉強をする光景が気になった。
「ところでなんで英語の本を見てるんだ?」
「えーと、先生情報の整理」
 教科書にはメモ用紙が数枚はさんである。一枚のメモに長いアルファベットが一行書かれていた。人名らしき羅列の大文字の箇所だけ丸が付いている。
「この長い単語、先生の名前か?」
「うん、そう。頭文字であだ名ができそうでね。先生がお堅い人だったらお蔵入り」
 ヤマダがあだ名を付けることは多々ある。例えばジモンの本当の名は実門(みかど)という。天皇を意味する「帝」と同じ音が彼の雰囲気に合わないとヤマダが感じて「ジモン」と命名した。本人もこの名称は気に入り、以後彼の身近にいる者は彼をジモンと呼ぶ。今回もヤマダは相手が度量の広い者だった場合、新たな名前を付ける気だ。
「へー、それでなんて言うの──」
 千智が質問しかけた時、教室の戸が荒々しく開いた。戸口には息を荒くした三郎がいる。拓馬は普段と異なる様子の三郎を興奮させないよう、細心の注意を払って声をかける。
「三郎、どこ行ってたん──」
「職員室だ! 例の先生、かなりできるぞ!」
 三郎が嬉々として答える。興奮している三郎の言う「できる」の意味は一つだ。
「初対面で喧嘩ふっかけたのか?」
「端的に言えばそうなる。だが! オレの攻撃は相手の力量を見定めるためのもの。決して暴力ではない! そこを勘違いしないでほしい」
「やられる側にとっちゃ同じだ」
 拓馬のつっこみに三郎はひるまず、職員室で起こした事件を回想する。
「オレが職員室に入った時、その先生は優雅にコーヒーを飲んでいた。居住まいだけで並みならぬ強さを感じ、そこでオレは背後から手刀を放った!」
「ふっかけるどころか不意打ちか」
「茶々を入れてくれるな! ……先生は見事にオレの攻撃を受け止めた。そしてオレの顔を見ることなく言ったんだ、勝負は場所を改めてしよう、と」
「不意打ちを食らっても怒らなかったのか。いい人だな」
「着眼点が違う! あの先生は普通の武芸者じゃないぞ。ぜひとも指南を受けるべきだ。空手家のお前にはうってつけだろう」
 三郎は新任の教師が強者であることに歓喜している。その感性は三郎と同じ剣道部所属のジモンだけが理解しており、爽快な笑顔を浮かべる。
「剣術もできる先生ならわしらにちょうどいいのう!」
「体術を学ぶだけでも剣道に活かせると思うぞ!」
 剣道部員の二人は盛り上がっている。見かねた千智が三郎に言う。
「それで、その先生は午後の英語の授業に出るの?」
「そうらしいぞ! おっと、いまのうちに英気を養っておかないとな」
 三郎はそそくさと自席に着き、新しい教師の話題は止んだ。実物を目にすれば早いと皆が思ったのだ。残りの休み時間は千智がアイドルのドラマ初出演などを話して過ごした。

タグ:拓馬
posted by 三利実巳 at 23:59 | Comment(0) | 長編拓馬 
プロフィール
長編の習一篇は他サイトで大部分が投稿済(未完)です。ネタバレOKの方は下記リンク先へお訪ねください。
三利実巳の画像
三利実巳
ncode.syosetu.com/n9660dk
お知らせ
18-1/1,年が明けました。
最新記事
<< 2018年01月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
検索
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ
2022年10月【1】
2018年01月【8】
2017年12月【21】
2017年11月【21】
2017年10月【21】
リンク集