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2017年12月30日

クロア篇の裏設定

本編では全容が解明できてない設定群。
気になる項目をクリックすると隠れた文章が表示できます。
クロア篇は今の調子だと1作かぎりになりそうなので思いきって公開します。
2020年10月7日から掲載開始。この記事は過去に投稿したページを再利用しています


クロアが正統な公女でないと気づく者との遭遇率を下げるため。
領内の官吏にも気づける者はいるが、他言しないよう口裏を合わせてきた。
クロア個人の勝手な外出のみ規制がかかっており、公的な外出やお忍びの家族旅行などは行けていた。
このような対策はクロアの魔人の血が強くなってから実施した。
そのせいでクロアの顔を知らない領民は多い。
本編終了後はクロアが事実を公表したので自由に外出できる。

おもに近隣住民に被害を出す何者かの討伐にいくこと。
兵力事情と住民の要望とヒロイックサーガにあこがれたクロア(小)の需要が合わさり、公女みずから悪者退治にしばしば出かけた。
最初は正規の救援部隊にクロアとお供二人(この頃はダムトとエメリ)がついていく形式で、実績が上がると三人のみで任される救援も増えた。
このときクロアの身分は伏せ、顔も兜で見えにくくした。
公女の身柄をねらう悪党を出さないため──は表向きの理由で、前述のとおりクロアが魔人と半魔の子だと気づける者と会っても公女がそうだとバレないようにするため。
あとあと公女だとバレて、それからは兜装備が任意になった。



クロアの幼少期、実父の血の影響で急に腕力が強まってしまい、クロアの不注意で侍女にケガをさせた。
そのせいで下男下女はクロアを怖がるようになり、クロアの世話をしたがらなくなる。
これでは不便なので度胸のある女子をクロア専属の従者に求め、武官の娘のエメリが登用された。
豪胆な侍女のほか、万一クロアが暴走した際の抑止力となる者も必要だと判断され、条件に合うダムトが見いだされた。
エメリが退官するころにはクロアが自分の怪力を制御できるようなったため、度胸の有無は採用条件から外される。

幼少時から父のような武人になるのだと思って心身を鍛えてきた。
武芸にはげむ折に、公女の侍女役の話が持ち上がる。武人を志していたエメリは自分が戦わない役目に就いていいの?と最初はとまどった。
侍女が公女の身辺を守れれば尚よいと大人に言われ、誇りをもってクロアに仕えた。
クロアが危険に首をつっこみたがる性格なおかげで、エメリは鍛えた武芸と療術を発揮する機会に恵まれ、充実した日々を送れた。

若いうちから貴人に仕える側近の中には独身をつらぬく者がおり、エメリもそんなふうに独り身で仕事に専念しようかと思っていた。
だが優秀な武官の家系が繁栄しないとあとあと戦力面で困るので、周囲は婚姻を勧めた。
その結果もともと親交のあった男性と結婚し、周囲の期待通りに出産もした。
女性としての幸福は授かれたが、武人としての意義が見いだせない日々に物足りなさを感じていて、なにかしらクロアと関われる仕事に就こうとした。
厩舎の配属になったのはクロアが何者かの討伐に行く際によく厩舎にいる生き物を使うから。
そこでクロアに同行すれば護衛の役目も果たせるかと少し期待した。
ベニトラ捕獲時にエメリがついていかなかったのは非番の時間帯だったため。昼からの出勤が多い勤務時間割。


大家族の家計を支えるため、療術が得意だったこともあり10歳から医官へ従事。
だが年齢の低さのせいで就業時間が短く、思ったほど生活費に余裕が出なかった。
公女の女性従者が退任するにあたり、後継にレジィが候補にあがり、合格した。
レジィは給金が激増する職務によろこんで従事するものの、最初はクロアの高価な私財(装飾品や財布)の管理を任されたときに邪念が湧いた。
ちょろまかしたいという誘惑に勝てた要因は、従者の給金の破格さ。
下っぱ医官時代と比べて拘束時間は長く、家に帰れる日もめっきり減ったが、それらを差し引いても労働の対価がよかった。
もし盗みが露見すれば解雇されて今の稼ぎがなくなり、悪評判が立ってどこにも雇ってもらえなくなるかも、といった不利益の大きさゆえに思いとどまれた。
また、領主やクロアがレジィに優しく接するのも「期待を裏切りたくない」との発想に至った。



ダムトは過去に、ヴラドの強さに惹かれて彼の身辺の世話を手伝っていた。
ヴラドが長年寝てばかりいたせいで次第に退屈になり、しばしばヴラドの館から離れてすごすようになる。
名を変え姿を変えて人里で用心棒もどきの居候をしていたとき、旅行中の幼いクロアとその家族を見かけ、クロアにヴラドと同じ力を感じとる。
この出会いの後、ダムトはアンペレの領主の屋敷で雑用係として働き、ヴラドに似た公女の成長を見届けようとした。
下男のまますごすつもりが、上司からの指示と要請に応えるうちにクロアの護衛役に抜擢される。



クロアの護衛を登用する折、クノードは接近戦での戦闘技術が高くて若い武官から選ぼうとした。
集めた候補者がみなクロアの母・フュリヤにデレデレしてしまい、将来的に不倫問題を起こしかねないので全員不合格にした。
そこで審査対象を変え、フュリヤを異性として意識しない者をまず選出し、該当する者に戦うすべを叩きこむ方向になる。
多くの候補者が腕力の弱い女性ぞろいになる中、若い男性はダムトひとりが残る。
候補者に武芸を習わせたところ、ダムトは実力が十二分に備わっていたため最有力候補になる。
その後ダムトに面談を重ね、クノードがダムトを信用してクロアの護衛に登用した。
この際、クノードはクロアの実父のことを知る。だが妻にはなにも言わず、接し方も以前と変わらないようにした。
またダムトが生粋の人ではないこともクノードは把握し、その血筋については不問とするよう一部の官吏に言いつけた。



先祖が建国者の一族につらなる貴族。ルッツの呼び名は愛称。
由緒正しい家の出身ゆえに少年の時分からゴドウィン王の側近を務めた。
王子時代のゴドウィンが足しげく隣国に遊びに出かける際にも同行した。
その副産物で、経由地の領主や高官とは顔見知りになる。
そのほか、隣国の戦士には数少ない穏やかな性分が隣国の王族女子にこのまれた。

王族女子の保護者はゴドウィンの来訪のたびに女子がよろこぶ姿を見て、女子がゴドウィンを好いているのだと思い、縁組を働きかけた。
女子は自分の気持ちがどちらの男子に向かっているのか自覚できないまま、周囲の後押しでゴドウィンに嫁いだ。
結婚後、ゴドウィンも別系統の好漢ではあったので夫婦仲がよかった。
ただ、王妃となった女子はやはりルッツのほうが好きだと感じ、二心にさいなまれるようになる。
そうと知らないルッツはひたむきにゴドウィンたちに誠意を尽くしてきて、近年王妃の胸の内を知る機会があった。
現在なお慕情が消えていないと知ると、王妃によからぬ噂が立たないようにと職を辞した。

退任後のルッツは自国に寄りつかないように各地を放浪した。
だが放浪先にて、自国内で凶暴な石付きの魔獣が出没する噂を聞く。
同一個体の事件がなかなか解決しないのを放っておけなくなり、アンペレへ向かう。
なしくずしにクロアに雇われ、諸問題の収束後もしばらく滞在することとなる。
内心では王妃に自分の所在を知られるまえに早く国を離れたいと思っている。



種類は大元の先祖がベニトラと同じ、猫科魔獣。
小さく変化した姿はかわいらしい。それゆえ寮暮らしをする下の兄弟にゆずり、家族と離れる寂しさをまぎらわせた。
ベニトラとは特徴が異なるせいで、クロアは以前の招獣とベニトラが同種の魔獣だとは気づかなかった。
おもな相違箇所は毛皮の色,人と会話を交わさないこと,飛行能力の低さ。
飛行能力はもともと初代の魔王によって子孫に付与されたもの。
世代を経るうちに飛行能力の低い者が生まれ、その個体が交配を繰り返したために飛ぶのが下手な個体が散見するようになった。
そういった個体は飛び続けることが苦手だが、跳躍力は高い。



老人めいた口調でいて実際年齢も高いが、本来の気質はノリがよくて若々しい。
成獣になっても落ちつきがなかったせいで他の魔獣から威厳を持つようにとうながされ、以降言動に気をつけるようになった。
発言はお高くとまっているような印象を与えるものの、他人がよろこぶなら子どもの遊びに付き合わされたり、好みでない格好を強制されたりしてもかまわない性分。
普段は小さい姿ですごすのも、その姿が多くの人に好かれやすい形態だとわかっているから。

人好きなくせにクロアと出会う直前は人との接触を減らしていた。
原因は人版のペットロスになったこと。
以前は寂しさを抱える貴婦人のもとで婦人が亡くなるまですごしていた。
婦人の死後は喪失感が湧き、悲しみが癒えるまで人とは距離を置くようにした。
しかし人恋しさはあり、石付きの魔獣になる材料を捕獲しにきた人が現れると、相手が自分をかわいがりたい人かと期待して無警戒で捕まった。
その後救出してくれたクロアを一目みて、彼女なら寿命で死ぬことがなさそうだと思い、クロアの希望通りにそばにいると決めた。
貴婦人との生活は閉鎖的で、貴族のクロアもそういう生活を強いてくるかと不安だったが、案外自由なので現環境に満足している。



裕福な家庭で育つ。上の兄弟が家業を継ぐのでマキシ自身はどう生きてもよい立場にいる。
勉強はできておいて越したことはないという教育方針のもと、幼少時から勉強漬けになり、順調に学業成果を出してきた。
まだ進学できる行き先はあるが、現在の年齢が進学先の学生平均を下回っているため、進学をいそぐ時期でないと自己判断。いまは本人の興味のある分野に手を出している。
クロアの所有するベニトラと希少個体のトカゲ魔獣の二体にいたく関心があり、それを理由にアンペレの官吏になる。
希少個体の繁殖は学術的に意義のあることだと自負する。
一方でベニトラへの関心は「もふもふかわいい飛獣なので自分も欲しい」という私欲から端を発する。できればベニトラと同等の飛行能力をもった個体が欲しいと。
うまくベニトラと同種のメスを見つけて交配できないものかと考えるが、計画は難航中。

クロア本人のことも気になっている。
会ったときからクロアに好感をもっていて、これはクロアの母方由来の魅了効果が発揮されたのだと解釈する。
だがほかの男性たちがクロアを異性として意識するそぶりを見せなくて、変だと思いはじめる。
特定の個人にだけ発揮する魅了効果とはなんぞや、と疑問を感じ、その力の実態を大真面目に研究する。
謎を解き明かしたときにはマキシが赤っ恥をかきそうだ、とダムトは予想しており、マキシには「他人に気づかれないよう調べてほしい」と依頼の体をした忠告をしてある。



築千年以上の古い館。何度か改築した。
ヴラドが自分の睡眠を邪魔されない場所をさがして放浪中、襲撃を受けている商人をたまたま助けた。
商人はヴラドに護衛をしてくれるよう交渉し、雨風にビクともしない丈夫な家なら快眠できる、と力説したのでヴラドが話に乗った。
商人の仕事がうまくいき、用心棒をふんだんに用意できるようになったころに契約完了。館に移り住む。
寝るばかりでは館が荒れていくため、館の管理ができる者を知人にたのんで配備してもらい、安住の地となった。
だがときどき旅人が迷いこんできたり、商人が立てた噂からヴラドへ依頼をもちかける人がきたりして、起こされることもある。
気軽に起こされるのは嫌なので、高い報酬しか受け付けないことやヴラドが怖い魔人だということも知人に広めてもらった。

善意でヴラドの世話を焼く魔人が一人おり、年数を経るにつれ、その者が館を空けることが増えた。
拘束する理由がないのでヴラドは自由にさせていたが、こうなると自分の世話を丁寧にやってくれる者がいないことに気づく。
家事をしてくれる兎魔人たちは館内の管理に一生懸命で、ヴラド自身の身支度は自分でやれるだろというスタンスでいた。そういうふうに造られた存在。
この状況をヴラドは不便に感じ、ちゃんと自身のそばにいて世話をする動機のある者が欲しいと考える。
長寿で素朴なフュリヤが報酬になる話がくると、ちょうどよかったので依頼を受けた。



女好きのわりに現世絡みの男性とよく関わる。
拓馬篇等の現世話に登場するシズカとは仲間な関係。
同じく現世話に毎回登場するシドと、拓馬篇後記に登場する稔次の武術の師匠。
シドへの指南は他人に依頼されたものだったせいで初めは乗り気でなかった。
教え子が女だとやる気が上がるのに、とぼやく。
するとシドが真に受けて、鍛錬の片手間に女性へ変化できるよう努力した。
この女性形態の参考元がチュールの飛竜の人形態。
シドの努力に免じて、指南は剣術と体術のみならず広範囲の武術を教えた。


タグ:クロア
posted by 三利実巳 at 21:30 | Comment(0) | 目次・説明
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