2017年11月03日
コンクリート構造物に発生するひび割れの抑制について
コンクリートのひび割れの抑制についてよくまとめられているので、
品質問題の対策として参考まで
問題)
コンクリート構造物に発生するひび割れの抑制について、あなたの専門の立場から記述しなさい。
( 32字 × 25行 = 800字 )(H09)
【方針】
・ひび割れの原因
・対象とするひび割れ
・抑制の重要性
・抑制対策
・効果
・まとめ
の順で記述する
【解答例】
コンクリート構造物に生じるひび割れの原因は、
A 材料(反応性骨材など)、
B 施工(かぶり不足など)、
C 使用・環境(炭酸ガスや外部塩化物など)、
D 構造・外力(不同沈下など)
がある。
これらの原因によるひび割れは構造物に重大な影響を与えるが、特にコンクリート中の塩化物および外部塩化物による塩害によるコンクリートのひび割れ、さらに剥離は、社会的にも重大な問題となっている。
塩害では、塩化物イオンが閾値を超えて鉄筋近傍に蓄積することにより、鉄筋の不動態皮膜が破壊され、水分と酸素があると錆が発生する。錆は、元の鉄の体積の2〜3倍となるので、鉄筋周辺に引張応力が発生し、鉄筋軸方向にひび割れが発生する。これによりさらに腐食が促進され、かぶりコンクリートの剥離や鉄筋断面の減少が起り、使用できなくなる。また、断面修復などの補修では、再補修の必要があり、結局ライフサイクルコストが高くなる。このため、事前の抑制対策が必要である。
抑制対策としては、基本的には低水セメント比、混和材(高炉スラグ微粉末、フライアッシュなど)の利用により、耐用期間内に塩化物イオンが閾値を超えないようにかぶりを設定する。環境条件等が厳しくこの対策では十分ではない場合には、塗装鉄筋や防食型枠の使用、さらには電気防食の適用を検討する。
低水セメント比や混和材の使用によって、塩化物イオンの拡散係数が低くかつ塩化物イオンが固定化され、鉄筋の不動態皮膜が破壊されるまでの年数が数倍から10倍にもなる。また、塗装鉄筋は普通鉄筋と比べて腐食し難く、防食型枠により塩化物イオンの侵入が抑えられる。このため、ひび割れ発生までに要する年数を極めて長くうることができる。
ひび割れが発生すると、結局ライフサイクルコストは高くなるので、当初に十分な抑制対策を行うことが重要である。
※品質問題記述の参考
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