05節 鋼製軽量建具
16.5.1 適用範囲
「標仕」では、屋内の出入口に使用する標準的な建具(幅 950mm × 高さ2,400mm程度)を対象としている。なお、戸見込み寸法は 35mm以上である。
建具の幅 950mm程度及び高さ2,400mm程度と想定しているのは、16.4.1と同様である。
16.5.2 性能及び構造
(a) 「標仕」16.5.2 (b)で水密性が規定されていないのは、取付け場所を屋内に限定しているため、雨水等の影響を受けないからである。
(b) 遮音性は、気密材が装着されている枠を使用する場合で、透過損失15〜20dB(500Hz)程度である。
(c) 鋼製軽量建具には、「標仕」で要求する品質を満たすものとして、(-社)公共建築協会の「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」(1.4.4(e)参照)で評価した製品があるので参考にするとよい。
16.5.3 材 料
(a) 鋼板類
(1) 鋼板は、亜鉛めっき鋼板でめっき付着量は、「標仕」16.5.3(a)(1)を満足すればよい。
(2) 出入口のくつずりはステンレス製(16.6.3参照)とし、くつずりにレールを取り付ける場合は、16.2.4 (f)を参照する。
(3) ビニル被覆鋼板及びカラー鋼板は、表面仕上げした材料であり、現場での塗装を必要とせず工期の短縮に寄与する。平成25年版「標仕」では、ビニル被覆鋼板及びカラー鋼板の下地鋼板のめっき付着量について、(1)の亜鉛めっき鋼板と整合させ、F04をF06に、E16をE24とされた。
(4) カラー鋼板は、PCM(プレコートメタル)とも呼ばれ、鋼板製作所で仕上げ塗装された材料である。品質が安定しており、ビニル被覆鋼板同様に工期の短縮と塗替え等のメンテナンスが不要であるなどの利点があるが、ロール発注のため、色調は建具製作所の標準色となる。
現在、内装材に適した電気亜鉛めっき鋼板を下地としたカラー鋼板のJISは制定されていない。そのため、「標仕」では下地の電気亜鉛めっき鋼板のめっき付着量を規定している。
また、平成25年版「標仕」では、耐食性に優れた JIS G 3317(溶融亜鉛ー5%アルミニウム合金めっき鋼板及び鋼帯)及びJIS G 3321(溶融55%アルミニウムー亜鉛合金めっき鋼板及び鋼帯)は、鋼製軽量建具が屋内の使用に限定されているため、高い耐食性は必要ないことから削除された。
(b) その他
水酸化アルミ無機シートコアとは、紙状無機質材料で作られたコアを水酸化アルミニウム溶解液に浸したのち、乾燥させ燃えにくくした製品である。
16.5.4 形状及び仕上げ
(a) 表面板の厚さは、標準では 0.6mmに統一されている。また、召合せ、縦小口包み板等も 0.6mm以上であるため、表面板との意匠合わせが可能である。
(b) 出入口の枠類で、丁番、ピボットヒンジ及びドアクローザー等が取り付く部分には、2.3mmの補強板が必要である。
(c) 接着剤を使用する表面板の裏面は、接着性が悪くなるので、錆止め塗料塗りは行わない。
(d) 内装建具であるため、ガラス溝の寸法及び形状は建具製作所の仕様でよい。
(e) くつずりの板厚は、鋼製建具と同様に1.5mmである。
16.5.5 工 法
{a) 枠等の組み方は、16.4.5 (a)による。
(b) 内装建具であるため、戸の組み方は、建具製作所の仕様でよい。
また、戸の順位調整器のローラー等が接する部分及び錠のハンドル部等へこみ防止の補強板は、厚さ1.6mm以上の鋼板を使用する。
(c) 取付けは.16.2.5(b)に準ずる。
16.5.6 標準型鋼製軽量建具
16.4.6 標準型鋼製建具により、以下の表16.4.3による。
表16.4.3 標準型鋼製建具と標準型鋼製軽量建具一覧表