なお、6問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.7 ]
換気に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.機械換気における第3種機械換気方式は,自然給気と排気機による換気方式で,浴室や便所等に用いられる。
2.室内外の温度差による自然換気の換気量は,他の条件が同じであれば,流入口と流出口の高低差に反比例する。
3.自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。
4.必要換気量が一定の場合,室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
第3種機械換気方式は,自然給気と排気機によって室内の空気を排出する換気方式で,台所、浴室、便所、給湯室等に室内を負圧にする場所に用いられる。
2.×
自然換気は、自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持管理が安い等の特徴がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い外気は下降する。上下の開口の垂直距離が大きいほどこの効果は大きい。
3.◯
室内外の温度差による自然換気で、上下に大きさの異なる開口部を用いる場合、自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。
4.◯
換気回数は換気量を室容積で除した値のことで、必要換気量が一定の場合,室容積が大きなほど換気回数は小さくなる。そのため、室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。
[ No.8 ]
音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい,音圧レベルが一定の場合,100Hzの音よりも1,000Hzの音のほうが大きく感じる。
2.残響時間とは,音源が停止してから音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいう。
3.1つの点音源からの距離が2倍になると,音圧レベルは3dB低下する。
4.マスキング効果は,マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど大きい。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [dB]の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は phonを用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に100Hzの音よりも1,000Hzの音の方が大きく感じる。
2.◯
残響時間とは,音源が停止した後、音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいい、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。
3.×
点音源からの距離が 2倍になると、音の強さのレベルは約 6dB (デシベル)減衰する。
4.◯
マスキング効果とは,目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう。それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなる。
[ No.9 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.ねじれ剛性は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。
2.耐震壁に換気口等の小開口がある場合でも,その壁を耐震壁として扱うことができる。
3.腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する。
4.柱は,地震時の脆性破壊の危険を避けるため,軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ねじれ剛性(ねじれの力に対して歪まない性能)は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。
2.◯
耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置する。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも,所定の条件下ではその壁を耐震壁として扱うことができる。
3.◯
鉄筋コンクリート構造の構造計画において、腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する必要がある。
4.×
柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。
[ No.10 ]
鉄骨構造の設計に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。
2.梁のたわみは,部材断面と荷重条件が同一の場合,材質をSN400AからSN490Bに変更しても同一である。
3.柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには,根巻き形式ではなく露出形式とする。
4.トラス構造を構成する軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものとする。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けた時、横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる長さをいう。柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。
2.◯
梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤング係数は、材質に関係なく、2.05 × 105 N/mm2で一定あり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400AとSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一であれば、梁のたわみは同一である。
3.×
柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ。
4.◯
トラス構造とは、直線の鋼材をピン節点で組み上げた骨組構造のことである。この軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものである。
[ No.11 ]
表に示す角形鋼管柱の座屈荷重の値として,正しいものはどれか。
ただし,図に示すとおり,支点は両端固定とし水平移動は拘束されているものとする。


1. 600π kN
2. 600π2 kN
3. 2,400π kN
4. 2,400π2 kN
答え
4
[ 解答解説 ]
水平移動の拘束されている、両端固定の座屈長さは 0.5ℓで与えられる。
(ℓは材料の長さ)
座屈荷重Pは
P = π2×E× I /ℓ2
で与えられる。
よって、π2×2.0 ×105×3.0×108/(0.5×10×103)2
=π2×2400 kN
よって、解答枝4が正解である。
[ No.12 ]
図に示す梁のAB間及びAC間に等分布荷重wが作用したときの曲げモーメント図として,正しいものはどれか。ただし,曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。





答え
1
[ 解答解説 ]
梁部材ABは等分布荷重により下部引張が生じる
よって、2と4は不正解
キャンティ梁部材CAは等分布荷重により梁上部に引張が生じる
よって3は不正解
∴ 選択肢1が正解となる。
[ No.13 ]
鋼材に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.鋼は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,靱性は低下する。
2.SN490BやSN490Cは,炭素当量の上限の規定がない建築構造用圧延鋼材である。
3.鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。
4.低降伏点鋼は,制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮する。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
鋼材は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,伸びや靱性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。
2.×
SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無、板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。
3.◯
鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。焼入れとは、鋼材を加熱後、水などで急冷して硬度を大きくする熱処置である。焼戻しとは、焼入れ後に再加熱して、じん性を高める熱処理でである。焼ならしとは、加熱後、空冷し、鋼の組織の均一化を図る熱処理である。
4.◯
低降伏点鋼は,添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼材である。従来の軟鋼に比べ強度が低いが、延性が極めて高いため、制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮させる。座屈補剛ブレース等に用いられる。
[ No.14 ]
左官材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.消石灰を混和材として用いたセメントモルタルは,こて伸びが良く,平滑な面が得られる。
2.ドロマイトプラスターは,それ自体に粘りがないため,のりを混ぜる必要がある。
3.メチルセルロースは,水溶性の微粉末で,セメントモルタルに添加することで作業性を向上させる。
4.適切な粒度分布を持った細骨材は,セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
セメントモルタルの混和材として、消石灰、ドロマイトプラスターを用いると、こて伸びが良く,平滑な面が得られる。また、貧調合とすることで、保水性は向上し、ヤング率を減少させることで収縮によるひび割れ、発生応力を低減させる等の目的で一般に用いられる。
2.×
ドロマイトプラスターは、一般に粘度が高く、のりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。
3.◯
メチルセルロースは,水溶性の微粉末でセメントモルタルに添加すると水量を減らすことができ、作業性がよくなる。吸水の大きい下地や、平滑な下地面の処理に用いる。
4.◯
セメントモルタルは、普通セメントと細骨材(砂)に水を加えて練り混ぜて作られる。細骨材が適切な粒度分布の場合、セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。
[ No.15 ]
日本産業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として,不適当なものはどれか。
1.スイングドアセットでは,日射熱取得性が規定されている。
2.スイングドアセットでは,気密性が規定されている。
3.スライディングドアセットでは,遮音性が規定されている。
4.スライディングドアセットでは,ねじり強さが規定されている。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
スイングドアセットの性能項目には、日射熱取得性が規定されている。
日射熱取得性は JIS A 4702(ドアセット)及びJIS A 4706(サッシ)の性能値として令和3年2月の改正において追加されている。(建築工事監理指針)
2.◯
スイングドアセットの性能項目には、気密性が規定されている。
3.◯
スライディングドアセットの性能項目には、遮音性が規定されている。
4.×
スライディングドアセットの性能項目には、ねじりの強さは規定されていない。
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