6節 金属成形板張り
14.6.1 適用範囲
(a) この節は,建築物の天井の金属成形板張りを対象としている。
(b) 作業の流れを図14.6.1に示す。
図14.6.1 金属成形板張り工事の作業の流れ
(c) 施工計画書等
(1) 施工計画書の記載事項は、おおむね次のとおりである。
なお、赤文字を考慮しながら品質計画を作成する。
@ 工程表(必要に応じて場所別の工程表の作成)
A 製造所名、施工業者及び管理組織
B 使用材料の材質(あと施工アンカーも含む)、寸法
C 施工手順及び養生方法
D 作業のフロー、管理の項目・水準・方法、品質管理体制・管理責任者、品質記録文書の書式とその管理方法等
(2) 施工図の検討は、次について行う。
(i) 場所別割付け図
(ii) 各部取合いの納まり
(3) 見本品又はカタログを提出させ、設計担当者と打ち合わせて決定する。
14.6.2 材料
(a) 金属の成形板〈モールディングスパンドレル〉には、通常、鋼板製、ステンレス板製、アルミニウム板製があるが、最も一般的なものは、アルミニウム板製である。
ステンレス板、アルミニウム板の場合の表面処理は、2節に示されたようなもののうちから選定することになるが、鋼板製の場合は、各種の仕上げを施したものが、既製品として市販されている。
(b) 小ねじは特記なき場合、「標仕」14.6.2(b)で使用材料に適したものと定められている。成形板が材質、着色仕上げ等多様化されているため取付け方法、化粧として適切なものを選択する。
14.6.3 工 法
(a) 取付け下地は、一般に軽量鉄骨下地材である。下地材の材料・工法は.設計図書に指示されるものであるが、指示のない場合、「標仕」14.4.2及び4では屋内と屋外に分けて、野縁の材料及び工法を定めている。
なお、野縁の間隔は、屋内では360mm程度と定められている。しかし、屋外については、建築基準法で風圧力に対して安全であることを構造計算により確認することが義務付けられており、野縁の間隔は、設計図書で指定することとしている。
(b) 成形板は、定尺の既製品であるから、必ず割付けを行い、途中に半端な材料が入らないように配置する。
(c) 現場で成形板を切断することが多いが、切り粉が材料に付約したままにしておくと、そこから腐食を起こすことがあるので、切り粉はすべて除去しなければならない。
(d) 成形板の留付けは、目地底で目立たないように小ねじ留めとする。
(e) 納まりの関係で、板継ぎ部分から雨水が浸入して腐食を起こすおそれのある部分は、シーリングの必要があり、設計図書で指示するのがよい。
(f) 金属は伸縮が大きいので、製品の長さに応じて伸縮調整継手が必要になる。しかし、伸縮調整継手からは漏水のおそれがあり、意匠にも関係するので「標仕」 14.6.3(e)には納まりも含めて設計図書で指定するように定められている。
(g) タイル張りあるいは石張りに隣接して取り付けられている金属面では、タイルや石張りの清掃に用いられる塩酸等が付着し、仕上げ面が汚染、あるいは腐食するおそれがあるので、十分注意する必要がある。