もう既に、寒中コンクリートの適用期間にはいってる地域も多いと思いますが、コンクリートの構造体補正強度 S値の変更を忘れてはいませんか?
一般的には、通常期間 S値 3N/mm2のところ、寒中コンクリートは S値 6N/mm2に設定されていて、寒中コンクリート適用期間になれば、設計基準強度に加算する構造体補正強度は +6 N/mm2になるので、注意が必要です。
(例)
設計基準強度 Fc = 24 N/mm2の場合、
通常の時期の調合管理強度
24 + 3 = 27 N/mm2
寒中コンクリートの時期
24 + 6 = 30 N/mm2
寒中コンクリートの最長の適用期間は以下のとおりですが、
細かくは地域によって異なるので、詳しくは構造設計図により確認が必要です。
北海道 10/11頃 〜 4/10頃
東 北 11/21頃 〜 3/31頃
関 東 11/1 頃 〜 4/10頃
中 部 11/1 頃 〜 4/10頃
近 畿 12/21頃 〜 2/28頃
中 国 12/11頃 〜 2/28頃
九 州 11/21頃 〜 2/28頃
S値を加えた調合管理強度で管理(28日)することになります。
また、寒中コンクリートの打込み時の荷卸し時のコンクリート温度は、10℃以上、20℃未満となるように、プラント工場と運搬時間等を考慮して、調整する必要があります。
その他、重要なポイントは初期養生です。
コンクリートが凝結中に凍結すると、その後の強度の上昇・回復は期待できないので、工期、経済性等を十分に検討して決定する必要があります。
「標仕」6.11.4(2)では、初期養生期間は圧縮強度が 5N/mm2に達するまでとなっています。・・・・@
寒中コンクリートの保温養生には
被覆養生、断熱養生、加熱養生などがありますが、施工計画書等にて、@の計画値を達成するように、工事時期の気象条件を考慮して適切に設定する必要があります。
(イ) 被覆養生:
シートなどでコンクリートの露出面、型枠面を覆い、打込まれたコンクリートからの水分の蒸発と風の影響を防ぐ、簡単な養生方法。
(ロ) 断熱養生:
断熱型枠、断熱シート、マットなど断熱性のある材料でコンクリートを隙間なく覆い、コンクリートの水和発熱を利用して養生する方法。
(ハ)加熱養生:
養生上屋をもうけて内部空間を加熱したり、あるいはコンクリート中に発熱体を埋め込んでコンクリートを養生する方法。