(午前の部)令和4年6月 12 日(日)
※ 問題番号 [ No.1 ]〜 [ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No. 1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。
2. 温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。
3. 全熱交換器は、冷暖房を行う部屋で換気設備に用いると、換気による熱損失や熱取得を軽減できる。
4. 室内の効率的な換気は、給気口から排気口に至る換気経路を短くするほうがよい。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。なお、必要換気量とは、室内空気の衛生を保つために、換気時に求められる必要な空気量のことを示す。
2.◯
温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。なお、中性帯とは、ある高さにおいて室内外の圧力差がゼロになる部分をいう。
3.◯
全熱交換器とは、換気により失われる熱エネルギーの一部を回収するもので、全熱交換器を用いると、冷暖房時に換気による熱損失や熱取得を軽減できる。
4.×
令和2 No.1と類似の解答選択肢
給気口から排気口に至る換気経路を短くすると、取り込んだ新鮮な外気が空間内に行き渡ることなく、そのまま排出されるため換気効率は悪くなる。換気経路は長くするほうがよい。
[ No. 2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 熱放射は、電磁波による熱の移動現象で、真空中においても生じる。
2. 壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は小さくなる。
3. 壁体の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和の逆数を、熱貫流率という。
4. 物質の単位体積当たりの熱容量を、容積比熱という。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。
2.×
壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は大きくなる。含湿率は、含水率ともいい、材料に含まれる水分の割合を示す。また、熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを示す値である。熱伝導率が大きいと断熱性が低くなる。(熱を通しやすくなる)水分は熱を通しやすい。
3.◯
熱伝導抵抗とは、熱の伝わりにくさを示す値のことである。また、熱伝達抵抗とは、熱の伝達のしにくさを表す値のことである。熱貫流率は、壁体の熱の通しやすさを示す値である。熱貫流率は、室内外の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の合計の逆数で表される。
4.◯
ある物体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量 [ J/K ]を熱容量という。
熱容量 = 比熱 [ J/g・K ](単位質量当たりの物質の熱容量)× 質量 (g)
で求められる。熱容量が大きいと熱しにくく、冷めにくいため、熱容量の大きな建物は、外気温度の変動に対する室内温度の変動が緩やかな変化となる。コンクリート造のような壁が厚く重いものほど熱容量は大きくなる。
[ No. 3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 音波は、媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。
2. 音速は、気温が高くなるほど速くなる。
3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、低い周波数よりも高い周波数の音のほうが回折しやすい。
4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
音波は、音の波を指し、媒質粒子(波動を伝搬する粒子)の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。
2.◯
音速は、気温が高くなるほど速くなる。
1気圧下での乾燥空気で、0℃〜30℃付近ではおおよそ、次の式がなりたつ。
音速 [ m/s ] = 331.5 + 0.6T
T 温度 [ ℃ ]
3.×
音波が波の性質によって障害物の裏側まで回り込んで伝わる回折現象は、すき間の間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいと起こりやすい。また、高い周波数の音よりも低い周波数の音の方が回折しやすい。
4.◯
マスキング効果とは、目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう、それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなり、低い音は高い音をマスキングしやすい。
[ No. 4 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. ねじれ剛性は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。
2. 壁に換気口等の小開口がある場合でも、その壁を耐震壁として扱うことができる。
3. 平面形状 が極めて長い建築物には、コンクリートの乾燥収縮や不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。
4. 柱は、地震時の脆性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ねじれ剛性(ねじれの力に対する剛性)は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置するほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。
2.◯
耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置することとある。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも、定められた条件では、その壁を耐震壁として扱うことができる。
3.◯
平面形状が極めて長い建築物には、不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。エキスパンションジョイントは、一般的には異なる構造計算による建物をつなぐものである。
4.×
柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。
[ No. 5 ]
木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 同一の接合部にボルトと釘を併用する場合の許容耐力は、両者を加算することができる。
2. 2階建ての建築物における隅柱は、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、通し柱としなくてもよい。
3. 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。
4. 直交集成板(CLT)の弾性係数、基準強度は、強軸方向であっても、一般的な製材、集成材等の繊維方向の値と比べて小さくなっている。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
ボルト接合では、材がすべってボルト軸にぶつかるまで(初期すべり)、ボルトは効かない。一方釘接合では、材が動かなくても初めから効いている。釘とボルトを併用すると、材がすべらずにボルトが効かない恐れがある。よって、単純にボルトと釘の耐力を足し算することはできない。
2.◯
階数が2以上の建築物における隅柱またはこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においてはこの限りでない。(建築基準法施行令第43条第5項)
3.◯
燃えしろ設計とは、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証する方法である。
4.◯
直交集成板(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向に並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料である。一般的な製材の繊維方向の値と比べ、弾性係数や基準強度は小さい。
[ No. 6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 梁の材質をSN 400A からSN 490B に変えても、部材断面と荷重条件が同一ならば、構造計算上、梁のたわみは同一である。
2. 節点の水平移動が拘束されているラーメン構造では、柱の座屈長さは、設計上、節点間の距離に等しくとることができる。
3. トラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。
4. 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤンク係数は、材料に関係なく、2.05 × 105 N/mm2で一定であり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400A とSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。
2.◯
座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けたとき、限度を超えて横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる部分の長さをいう。節点の水平移動が拘束され、回転に対して両端自由なラーメン構造の柱の場合、座屈長さは設計上、節点間の距離となる。
3.◯
鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。
4.×
柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ。
[ No. 7 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 圧密沈下の許容値は、独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。
2. 粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により長時間かかって土中の水が絞り出され、間隙が減少するために生じる。
3. 直接基礎の滑動抵抗は、基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが、基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も期待できる。
4. 地盤の液状化は、地下水面下の緩い砂地盤が地震時に繰り返しせん断を受けることにより間隙水圧が上昇し、水中に砂粒子が浮遊状態となる現象である。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい。
2.◯
圧密沈下とは、粘性土地盤が荷重を受け、土中の水が排出されて体積が減少することにより沈下する現象をいう。直接基礎下における粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により、長時間かかって徐々に土中の水が絞り出されて、間隙が減少するために生じる。
3.◯
滑動抵抗とは、基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすることにより、基礎底面の摩擦抵抗が大きくなり抵抗力があがるとともに、基礎側面の受動土圧も期待できる。
4.◯
地盤の液状化は、地震時に地下水面下の緩い砂地盤が振動を受け、地盤が液体状になる現象である。地盤上の比重の大きい構造物が倒れたり、比重の小さい構造物が浮き上がったりする。
[ No. 8 ]
建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。
2. 雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。
3. 劇場、映画館等の客席の単位床面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、固定席のほうが固定されていない場合より小さくすることができる。
4. 速度圧の計算に用いる基準風速は、原則として、その地方の再現期間 50年の 10分間平均風速値に相当する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
風力係数Cfは、次式により求める。
Cf = Cpe ー Cpi
Cpe:建物の外圧係数
Cpi:建物の内圧係数
風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)
2.◯
雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。(建築基準法施行令第86条第6項)
3.◯
例えば、床の構造計算に用いる積載荷重は、劇場、映画館等の固定席の場合、2,900N/m2、その他の場合3,500N/m2であり、客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい。
4.◯
建築基準法施行令第87条第2項に基づいた告示に、速度圧の算出等に用いる基準風速V0は、その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて、毎秒30mから46mの範囲内に定められている。これは、その地方の50年再現期間(1年間の発生確率が 1/50)の10分間平均風速値に相当する。
[ No. 9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の AD間及び DC 間に集中荷重 が同時に作用するとき、支点B に生じる水平反力 HB 、鉛直反力 VB の値 の大きさの組合せとして、正しいものはどれか。
1. HB = 2kN、VB = 6kN
2. HB = 3kN、VB = 9kN
3. HB = 4kN、VB = 12kN
4. HB = 5kN、VB = 15kN
答え
1
[ 解答解説 ]
点Aにおけるモーメントは
MA = −6kN × 2m − 6kN × 4m + VB × 6m = 0
−12 − 24 − 6VB = 0
6VB = −36
VB = −6 kN(上向き)
点Cにおける右側モーメントは
Mc右 = VB × 2m − HB × 6m= 0
2VB − 6HB= 0
6HB=2VB
VB = −6 より HB=2 kN(左向き)
ゆえに、正答は1となる。
[ No.10 ]
図に示す単純梁 AB のCD 間に等分布荷重 w が、点Eに集中荷重 P が同時に作用するときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは、材の引張側に描くものとする。
答え
2
[ 解答解説 ]
力は合成・分解することができる。
等分布荷重 w= 2kN/mによる力と
集中荷重 P = 6kN
とに分けて考えると次のようになる。
ゆえに、解答は2番が想定される。
[ No.11 ]
鋼材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1. ある特定の温度以上 まで加熱した後、急冷する焼入れ処理により、鋼は硬くなり、強度が増加する。
2. 鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、靱性は低下する。
3. SN 490B やSN 490C は、炭素当量等の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。
4. 低降伏点鋼は、モリブデン等の元素を添加することで、強度を低くし延性を高めた鋼材である。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
鋼材の熱処理には、焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならしがある。焼入れは、ある特定の温度以上まで鋼を加熱した後、急冷する方法である。効果は鋼が硬くなり。強度が増加する。
2.◯
鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、伸びや靭性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。
3.◯
SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無、板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。
4.×
低降伏点鋼(LY100,LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟鋼に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる。
[ No.12 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. しっくいは、消石灰を主たる結合材料とした気硬性を有する材料である。
2. せっこうプラスターは、水硬性であり、主に多湿で通気不良の場所の仕上げで使用される。
3. セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加した材料である。
4. ドロマイトプラスターは、保水性が良いため、こて塗りがしやすく作業性に優れる。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
しっくい(漆喰)とは、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする建築材料で、気硬性を有し、左官材料などに使用される。
2.×
せっこうプラスターやドロマイドプラスターは空気中の湿気を吸い取る性質があるため浴室や外壁にはむかない。また、せっこうプラスターは、自硬性セメントに属し、主成分は焼せっこうである。したがって、硬化が早く、比較的強度もあり、収縮ひび割れが生じにくい。
3.◯
セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加し、セルフレベリング性を付与し、これを床面に流し簡単に均すだけで平坦・平滑で精度の高い床下地をつくるものである。
4.◯
ドロマイトとは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを主成分とした鉱物をいい、左官材料に用いられる。ドロマイトを用いたドロマイトプラスターは、粘性があり、保水性がよい。そのため、こて塗りがしやすく作業性に優れる。
[ No.13 ]
建築用板ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて製板する透明、かつ、平滑なガラスである。
2. 複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、断熱効果のあるガラスである。
3. 熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いガラスである。
4. 倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、強度を約2倍に高めたガラスである。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて(フロートさせて)製板する透明、かつ、平滑なガラスである。一般的な板ガラスを指し、1.9mm、2.5mmなどの薄いガラスから、22mm、25mmなどの厚いガラスが製板できる。
2.◯
複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、冷房負荷の軽減、結露防止、断熱効果のあるガラスである。
3.×
熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。
4.◯
倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、ガラス表面に適切な大きさの圧縮応力層をつくる。強度を約2倍に高め、かつ、破損した時に細片となるようにしたガラスである。
[ No.14 ]
建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. シーリング材のクラスは、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。
2. 1成分形シーリング材の硬化機構には、湿気硬化、乾燥硬化及び非硬化がある。
3. 2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。
4. 2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
シーリング材のクラスは、JIS(日本産業規格)により、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。(JIS A5758)
2.◯
1成分形シーリング材は、あらかじめ施工に供する状態で調整されている成分形シーリング材である。硬化機構には、湿気硬化(シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系)、乾燥硬化(エマルションタイプ(アクリル系、SBR系)、溶剤タイプ(ブチルゴム系))及び非硬化(油性コーキング)がある。
3.◯
2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。2面接着はワーキングジョイントに適しており、バックアップ材やボンドブレーカーが用いられる。
4.×
2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。
[ No.15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率を高くした床タイルである。
2. 段通は、製造法による分類では、織りカーペットの手織りに分類される。
3. ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料 とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。
4. 強化せっこうボードは、せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率(含有量)が低い。バインダー含有率は、単層ビニル床タイルが30%以上、コンポジションビニル床タイルが30%未満である。バインダーとは、ビニル樹脂に可塑剤と安定剤を加えたものである。(建築工事監理指針)
2.◯
段通とは、厚手の手織りで作られた織物で、カーペットの一種である。なお、織りカーペットは手織りと機械織りがある。
3.◯
ロックウール化粧吸音板は、人造鉱物繊維のロックウールを結合材及び混和材を用いて成形し、表面を化粧加工した吸音板をいう。
4.◯
強化せっこうボードは、せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている
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