※ 問題番号[ No.31 ]〜[ No.39 ]までの9問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
[ No.31 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.絶縁工法において、立上り部の補強布は、平場部の通気緩衝 シートの上に 100 mm 張り掛けて防水材を塗布した。
2.平場部の防水材の総使用量は、硬化物密度が 1.0 Mg/m3 だったため、3.0 kg/m2とした。
3.コンクリートの打継ぎ箇所は、U 字形に斫り、シーリング材を充填した上、幅 100mmの補強布を用いて補強塗りを行った。
4.絶縁工法において、防水層の下地からの水蒸気を排出するための脱気装置は、200m2に1箇所の割合で設置した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
立上がり部、ドレン回り及びパイプ回りなどでは、補強布の重ね幅は 100mmi以上とする。
2.◯
ウレタンゴム系防水材の立上がり部の総使用量は、硬化物密度 1.0 Mg/m3のものを使用する場合は 2.0 kg/m2とし、平場部では 3.0 kg/m2 とする。
3.◯
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は 100mm以上、補強布の重ね幅は 50mm以上とする。したがって、コンクリートの打継ぎ箇所は、U字形に斫り、シーリング材を充填した上、幅 100 mm以上の補強布を用いて補強塗りを行う必要がある。
4.×
絶縁工法は、通気緩衝工法ともいい、一般に、脱気装置を50〜100m2ごとに設置し、屋上の構造、用途、防水下地の乾燥状況等によっては増設する場合がある。
[ No.32 ]
乾式工法による外壁の張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.石材の形状は正方形に近い矩形とし、その大きさは石材1枚の面積が 0.8 m2 以下とした。
2.下地のコンクリート面の寸法精度は、± 10 mm以内となるようにした。
3.厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ孔の端あき寸法は、60mm とした。
4.石材間の目地は、幅を 10 mm としてシーリング材を充填した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
外壁乾式工法に用いる石材の寸法は、幅及び高さ 1,200mm以下、かつ、面積で0.8 m2以下とし、重量については 70kg 以下とする。また、石材の形状は正方形に近い矩形とする。
2.◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10mm以内とする。
3.×
石材のだぼ孔の端あき寸法は、石材の厚みの3倍以上の90mm以上とし、石材幅の辺長の1/4程度である125mm程度の位置にバランスよく設ける。(JASS9)[ 平成27年 問題36 ]
4.◯
石材間の目地には、シーリング材を充填する。目地幅は特記がなければ、6mm以上とする。なお、シーリング材の目地寸法は、幅、深さとも 6mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)
[ No.33 ]
金属製折板葺き屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.タイトフレームの割付けは、両端部の納まりが同一となるように建物の桁行き方向の中心から行い、墨出しを通りよく行った。
2.タイトフレームの受梁が大梁で切れる部分の段差には、タイトフレームの板厚と同厚の部材を添え材として用いた。
3.水上部分の折板と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際の立上りを 150mm とし、雨押えの先端に止水面戸を取り付けた。
4.軒先の落とし口は、折板の底幅より小さく穿孔し、テーパー付きポンチで押し広げ、10 mm の尾垂れを付けた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
タイトフレームを取り付けるための墨出しは、山ピッチを基準に行い。割り付けは建物に桁行き方向の中心から行う。(JASS12)
2.◯
タイトフレームの受梁が大梁できれる部分の段差の添え材には、タイトフレームの板厚と同厚以上の部材を用いる。
3.×
止水面戸は、折板の水上端部に堅固に取り付ける。止水面戸の周囲は、不定形シーリング材でシールする。(JASS12)[ 平成23年 問題37 ]
また、水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際で150mm程度立ち上げる。(JASS12)
4.◯
折板の底に設ける雨水の落とし口は円形にし、孔の周囲に 5〜15mm程度の尾垂れを付け、裏側への雨水の回り込みを防止する。
[ No.34 ]
特定天井に該当しない軽量鉄骨天井下地工事に関する記述 として、最も不適当なものはどれか。
1.下地張りがなく、野縁が壁に突付けとなる場所に天井目地を設けるため、厚さ 0.5 mmのコ形の亜鉛めっき鋼板を野縁端部の小口に差し込んだ。
2.屋内の天井のふところが 1,500mm以上ある吊りボルトは、縦横方向に間隔 3.6mで 補強用部材を配置して水平補強した。
3.吊りボルトの間隔が 900 mm を超えたため、その吊りボルトの間に水平つなぎ材を架構し、中間から吊りボルトを下げる2段吊りとした。
4.下地張りのある天 井 仕上げの野縁は、ダブル野縁を 1,800 mm 程度の間隔とし、その間に4 本のシングル野縁を間隔を揃えて配置した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
軽量鉄骨天井下地の下地張りがなく野縁を壁に突き付ける場合で天井目地を設ける設けるときは、厚さ0.5mm以上のコ形またはL形の亜鉛めっき鋼板を野縁端部の小口に差し込むか、または添え付けて留める。(公共建築工事標準仕様書)
2.×
天井ふところが 1.5m以上ある場合は、特記による。特記がなければ、天井のふところが 3m以下の場合、吊りボルトの水平補強、斜め補強を行う。水平補強は縦横方向に間隔 1.8m程度に配置し、振れ止め補強材は相対する斜め材を1組とし、縦横方向に間隔 3.6m程度に配置する。振れ止め補強材は、丸鋼または溝形鋼を吊りボルトに溶接する。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
野縁受、吊りボルト及びインサートの間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内とする。ただし、屋外の場合は、特記による。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編)したがって、吊りボルトの間隔が 900mmを超える場合は、その吊りボルトの間に水平つなぎ材を架構し、中間から吊ボルトを下げる2段吊りとし、支持間隔が900mmを超えないようにする必要がある。
4.◯
下地張りのある場合の野縁の間隔は、シングル野縁 360mm程度、ダブル野縁 1,800mm程度とする。ただし、屋外の場合は、特記による。(公共建築工事標準仕様書 建築工事編)記述は、ダブル野縁 1,800mm程度の間隔であり、ダブル野縁の間隔に4本のシングル野縁の間隔を添えて配置すると、シングル野縁の間隔は、 1,800 ÷ 5 = 360 mmとなり、適当と判断できる。
[ No.35 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.中塗りや上塗りの塗厚を均一にするため、下塗りの後に、むら直しを行った。
2.モルタルの塗厚は、下塗りから上塗りまでの合計で 30 mm とした。
3.下地処理をポリマーセメントペースト塗りとしたため、乾燥しないうちに下塗りを行った。
4.下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1:砂 2.5 とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
むら直しとは、塗厚または仕上げ厚が大きいとき、あるいは塗りむらが著しいときに下塗りの上にモルタルを塗りつけることをいう。これにより中塗り、上塗りの塗り厚が均一となる。セメントモルタル塗りの工程は、下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの順で行う。
2.×
内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値は 20mmとする。
3.◯
セメントペーストは、一度乾くとはく離しやすくなるので、塗った後、乾かないうちに追いかけて下塗りモルタルを塗る必要がある。
4.◯
下塗り用モルタルの調合(容積比)はセメント1対砂2.5、むら直し、中塗り、上塗りはセメント1対砂3とする。
[ No.36 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく攪拌して使用した。
2.亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。
3.コンクリート面のアクリル樹脂系非水分散形塗 料 塗りにおいて、下塗り、中塗り、上塗りともに同一材料を使用し、塗付け量はそれぞれ 0.10 kg/m2 とした。
4.せっこうボード面の合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗り後3時間経過してから、次の工程に入った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用することを基本とし、希釈はしない。
2.◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りには、変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。(JASS18)
3.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順の同じ塗料を用い、塗付け量はともに0.10kg/m2とする。(JASS18)
4.◯
合成樹脂エマルションペイント塗りでは、各塗装工程の標準工程間隔時間は、気温20℃においては 3時間以上である。
[ No.37 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.床シートの張付けは、気泡が残らないよう空気を押し出し、その後 45 kg ローラーで圧着した。
2.床シートの張付けは、下地に接 着 剤を塗布した後、オープンタイムをとってから張り付けた。
3.防湿層のない土間コンクリートへの床シートの張付けには、ゴム系溶剤形の接着剤を使用した。
4.熱溶接工法において、溶接作業 は、床シートを張り付けた後、12 時間以上 経過してから行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
床シートの張付けは、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45kgローラーで圧着する。
2.◯
ビニル床タイルの張付けは、接着際と塗布し所定のオープンタイムをとり、溶剤の揮発を適切に行い張り付ける。所定のオープンタイムをとらずに張り付けると初期粘着ができないだけでなく、溶剤が床材で密封され、床材を軟化させたり、ふくれの原因となる。
3.×
湯沸室や洗面所等の湿気及び水の影響を受けやすい箇所に用いる接着材は、耐水性に優れたエポキシ樹脂系、またはウレタン樹脂系接着材を用いる。ゴム系溶剤形の接着剤は水の影響を受けない箇所に用いるもので、防湿層のない土間コンクリートへの床シートの張付けには使用できない。
4.◯
溶接作業は、床シートの張付け後12時間以上経過し、接着剤が硬化してから行う。
[ No.38 ]
鉄筋コンクリート造の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、ウレタンフォームが厚く付きすぎて表面仕上げ上支障となるところは、カッターナイフで除去した。
2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、ウレタンフォームは自己接着性に乏しいため、吹き付ける前にコンクリート面に接着剤を塗布した。
3.押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、セメント系下地調整塗材を用いて隙間ができないようにしてから、断熱材を全面接着で張り付けた。
4.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの施工が困難な部分には、現場発泡の硬質ウレタンフォームを吹き付けた。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、厚く付き過ぎて仕上げ上支障となる箇所は、ウェーブナイフまたはカッターナイフで表層を除去し、表面仕上げ材の施工が可能な空間を保持するようにする。(建築工事監理指針)
2.×
現場発泡の断熱材の場合は、自己接着性があるので、接着剤が不要である。(建築工事監理指針)
3.◯
押出法ポリスチレンフォーム張付け工法においては、断熱材と躯体との境界面に隙間が生じるとその部分に結露が生じやすくなるため、接着は全面接着とし、密着させて張り付ける。したがって、押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、セメント系下地調整塗材等を用いて隙間ができないようにしてから、断熱材を全面接着で張り付ける。
4.◯
押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りに防水剤入りモルタル詰めを行った場合は、曲面や窓枠回り等の複雑な形状には硬質ウレタンフォームを充填する。(建築工事監理指針)したがって、押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの施工が困難な部分には、現場発泡の硬質ウレタンフォームを吹き付けて充填する。
[ No.39 ]
ALC パネル工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.パネルの取扱い時に欠けが生じたが、構造耐力 上は支障がなかったため、製造業者が指定する補修モルタルで補修して使用した。
2.外壁パネルと間仕切パネルの取合い部には、幅が 10〜20 mm の伸縮目地を設けた。
3.外壁の縦壁ロッキング構法の横目地は伸縮目地とし、目地幅は 15mm とした。
4.耐火性能が要求される伸縮目地には、モルタルを充填した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
取扱い時に欠けが生じたパネルは、直接構造耐力上の支障がない場合、製造業者の指定した補修モルタルで補修して使用する。
2.◯
間仕切パネルの出隅部、入隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、20mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS 21)
3.◯
外壁の縦壁ロッキング構法の横目地は、伸縮目地とし、目地幅は10mm以上とする。
4.×
耐火性能が要求される間仕切り壁の伸縮目地には耐火目地材を用いる。一般に、耐火目地材は、JIS A9504に定めるロックウール保温板に適合するものとする。(建築工事監理指針)[ 平成24年 問題44 ]
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