(午前の部)令和4年6月12日(日)
※ 問題番号 [ No.16 ] 〜 [ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
[ No.16 ]
構内アスファルト舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 設計CBR は、路床の支持力を表す指標であり、修正CBR は、路盤材料の品質を表す指標である。
2. 盛土をして路床とする場合は、一層の仕上り厚さ 300mm 程度ごとに締め固めながら、所定の高さに仕上げる。
3. アスファルト混合物の締固め作業 は、一般に継目転圧、初転圧、二次転圧、仕上げ転圧の順に行う。
4. 初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とし、その転圧温度は、一般に 110〜140 ℃ の間で行う。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
設計CBR(California Bearing Ratio) は、アスファルト舗装やコンクリート舗装を決定するために用いられる路床の支持力を表す指標であり、修正CBR は、最大乾燥密度の95%に締め固めたものに対するCBRで路盤材料の品質を表す指標である。
2.×
切土の施工においては、路床表面から30cm程度以内の木根/転石などの不均質な物質を除去し、山側からの浸透水などを考慮して、山側に地下排水施設を設置する。
盛土の施工においては、1層当たりの敷均し厚さは25〜30cm程度、締固め後の仕上がり厚さは200mm以下とされている。
3.◯
アスファルト混合物の締固め作業 は、継目転圧→初転圧→二次転圧→仕上げ転圧の手順で実施する。
4.◯
初転圧は、ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とし、その転圧温度は、一般に 110〜140 ℃ の間で行う。なお、二次転圧終了温度は 70〜90℃、交通解放時の表面温度は50℃以下で行う。
[ No.17 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 受雷部は、保護しようとする建築物の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。
2. 避雷設備は、建築物の高さが 20mを超える部分を雷撃から保護するように設けなければならない。
3. 危険物を貯蔵する倉庫は、危険物の貯蔵量や建築物の高さにかかわらず、避雷設備を設けなければならない。
4. 鉄骨造の鉄骨躯体は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
避雷設備は、受雷部システム、引下げ導線システム、接着システムで構成される。雷撃を受ける受雷部システムの配置は、保護しようとする建築物の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに適合しなければならない。(JIS A4201)
2.◯
高さが 20mを超える建築物は、原則として、雷撃から保護するように避雷設備を設けなければならない。(建築基準法第33条)
3.×
指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではないと規定されている。(危険物の規制に関する政令第10条第1項第十四号)なお、総務省令に定める避雷設備とは、JIS A 4201(建築物等の雷保護)に適合するものである。
4.◯
受雷部システムで受けた雷撃を接着システムに導く引き下げ導線システムは、被保護物に沿って避雷導線を引き下げる方法によるもののほか、要件を満たす場合には、被保護物の鉄筋または鉄骨を引下げ導線の構成部材として利用することができる。
[ No.18 ]
空気調和設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 空気調和機は、一般にエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、送風機等で構成される装置である。
2. 冷却塔は、温度上昇した冷却水を、空気と直接接触 させて気化熱により冷却する装置である。
3. 二重ダクト方式は、2系統のダクトで送られた温風と冷風を、混合ユニットにより熱負荷に応じて混合量を調整して吹き出す方式である。
4. 単一ダクト方式におけるCAV方式は、負荷変動に対して風量を変える方式である。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
空気調和機は、室内に湿温度を調整した空気を送る機器をいう。一般にエアフィルタ、空気冷却器、空気加熱器、加湿器、送風機等で構成される装置である。
2.◯
冷却塔は、冷凍機内で温度上昇した冷却水を、空気と直接接触させて、一部の冷却水を蒸発させ、気化熱により残りの冷却水の温度を低下させる装置である。
3.◯
二重ダクト方式とは、冷風ダクトと温風ダクトの2系統のダクトで送られた冷風と温風を、吹出し口近傍の混合ユニットにより混合し、各所に吹き出す方式である。
4.×
単一ダクト方式におけるCAV方式は、室内に吹き出す空気量が一定で、冷房負荷に応じて吹き出す空気の温度を変えることにより室温を調整する方式である。吹出し風量が一定のため、各室ごとの負荷変動に対しては対応できない。設問は、VAV方式の説明である。
[ No.19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 屋内消火栓設備は、建物の内部に設置し、人がノズルを手に持ち、火点に向けてノズルより注水を行い、冷却作用により消火するものである。
2. 閉鎖型ヘッドを用いる湿式スプリンクラー消火設備は、火災による煙を感知したスプリンクラーヘッドが自動的に開き、散水して消火するものである。
3. 不活性ガス消火設備は、二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈作用や気化するときの熱吸収による冷却作用により消火するものである。
4. 水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから微細な霧状の水を噴霧することにより、冷却作用と窒息作用により消火するものである。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
屋内消火栓設備は、建物の内部に設置され、人がノズルを手に持ち、火点に向けてノズルより放水することにより、水の有する冷却作用により消火するものである。
2.×
スプリンクラーは、火災の際の熱等によって自動的にヘッドから散水し消火を行うものであり、煙感知とは関係がない。
閉鎖型とは水の出口が常に閉じられているものをいい、湿式、乾式、予作動式の3種類がある。
湿式(一般ビル向)
配管内に水が充満している方式で、スプリンクラーヘッドの感熱部の可溶片が、熱のために溶けてシール部分が開き、湿式流水検知装置が作動して放水する。冬期配水管の凍結の恐れのない部分に使用する。
乾式(寒冷地工場向)
乾式流水検知装置の二次側の配管部を加圧空気で満たし、スプリンクラーヘッドの感熱部の作動により加圧空気を放出し、乾式流水検知装置が作動して放水する方式。冬期凍結のおそれのある部分等に用いられる。
予作動式(病院、共同住宅、重要文化財、建電算機室など)
火災感知器等の作動により、予作動式流水検知装置が開放し、スプリンクラー配管中に圧力水を送り、更に加熱によるスプリンクラーヘッドの作動により放水を開始する。
※予作動式とはヘッドと火災感知器等の両方が作動しない限り放水しない。
開放型は劇場の舞台部などに使用され、火災感知器等と連動して作動するか、又は手動によって一斉開放弁を開いて放水する方式である。
3.◯
不活性ガス消火設備は、二酸化炭素等の消火剤を放出することにより、酸素濃度の希釈作用や気化するときの熱吸収による冷却作用により消火する設備である。消火剤がガスなので消火後の汚損は少なく、電気や油火災及び水損を嫌うコンピューターや電気通信機室あるいは図書館や美術館等に設置される。
4.◯
水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから微細な霧状の水を噴霧することにより、冷却作用と窒息作用により消火する消火設備ある。汚損や腐食性ががあり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。
[ No.20 ]
積算に関する次の工事費の構成において、[ A ] 、[ B ] に当てはまる語句の組合せとして、「公共建築工事積算基準(国土交通省制定)」 上、正しいものはどれか。
1. A.工事原価 B.共通仮設費
2. A.工事原価 B.直接仮設費
3. A.現場工事費 B.共通仮設費
4. A.現場工事費 B.直接仮設費
答え
1
[ 解答解説 ]
公共建築工事算定基準
工事費は、工事価格と消費税等相当額とに分かれ、工事価格は、工事原価と一般管理費等に分別される。また、当該工事原価は、純工事費と現場管理費に分かれ、純工事費は、直接工事費と共通仮設費に分別される。
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