コンクリートはひび割れるものとはわかっているものの、一般の方がコンクリートのひび割れをみつけると、
「大丈夫かな?・・・」
と思うのもの当然だと思います。
その際に説明できるようにしておきたいものです。
RC造のひび割れの形
■せん断は X(エックス)方向、曲げは縦横方向
「選抜野球のカーブは縦横のみ」(原口氏のスーパー記憶術)
せ× 曲げ タテヨコ
■収縮ひび割れの形はハの字
「歯に字書く人は少なくなってきている。」(原口氏のスーパー記憶術)
ハの字 収縮
・その他、付着ひび割れは、主筋、あばら筋、帯筋にそって割れが生じます。
また、地中梁などの断面の大きな部材は、水和熱により表面に十字(++++)にひび割れが生じます。
なお、コンクリートは乾燥により収縮するので、ひび割れの発生を完全に防止することは極めて困難なので、収縮ひび割れを特定の部分に集めて発生させるために
「外壁には、3.6m以下、かつ、柱心から約1.8以下ごとに壁の内外にひび割れ誘発の縦目地を設ける」
という規定があります。
「標仕」 11.1.3では、外壁には打増しを行い、ひび割れ誘発目地の深さは打増したコンクリート厚さとするとされていますが、躯体部分に目地を設ける場合もあります。
その際は、断面欠損率が 2割以上必要とすることが多いので、壁厚200mm以上の場合は注意が必要です。
壁の両側に深さ 20mmの目地を入れる場合、壁の中に断面欠損材(L型アングル)などを挿入する必要があります。
施工中に発生したひび割れは、乾燥収縮が止まるまで(環境によりますが、7〜10年程度)広がり続けるので、そのことを見越して、発生時点のひび割れ幅を管理する必要があります。
ひび割れ幅の規定は特記仕様書によることになりますが、ない場合は以下のようになっています。
要求性能 部位 許容ひび割れ幅
耐久性 屋外(雨がかり) 0.3mm
(雨がくれ) 0.4mm
屋内 0.5mm
漏水 常時水圧部位 0.05mm
常時水圧のない部位 0.2mm
なお、管理許容値を超えた場合は、そのひび割れ幅などに応じて補修が必要となります。
例)
a)被覆工法:表面被覆材による
b)注入工法:
こて塗り又は型枠使用
ポリマーセメントモルタル、エポキシ樹脂モルタル等を充填の上、ポリマーセメントペーストを塗布する。
c)Uカット充填工法:
型枠を設置し、コンクリート打設の上、仕上げはあご部斫りとる。