※ 問題番号[ No.46 ]〜[ No.50 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No.46 ]
建築工事における事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨工事の計画に当たり、周辺道路の交通規制や架空電線について調査した。
2.セメントによって地盤改良された土の掘削に当たり、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水することとしたため、水質調査を省略した。
3.解体工事の計画に当たり、近隣建物の所有者の立会いを得て、近隣建物の現状について調査した。
4.工事車両出入口、仮囲い及び足場の設置に伴う道路占用の計画に当たり、歩道の有無と道路幅員について調査した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
鉄骨工事の施工計画に際しては、周辺道路の交通規制や電気・ガスなどの埋設物、道路幅員や電柱・架空電線の状況、電波障害などの周辺環境への影響などにについて、あらかじめ調査・確認しておかなければならない。
2.×
セメントによって地盤改良された土の掘削においては、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水する場合でも、水質調査を行って、pHの値が水質基準を満足していることを確認し、必要がある場合は中和処理を実施してから排水処理をする。
3.◯
解体工事に伴い、境界杭の変動、地盤の沈下、既存構造物の損傷などのおそれがあるため、事前に近隣建物の所有者の立会いのもと、近隣建物の現状について調査を行う。
4.◯
工事用の車両出入口計画は、通行人や安全な交通の妨げにならないように配慮し、建築物敷地の前面道路の電柱その他の設備や交差点の位置などを確認して計画する。
[ No.47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.女性作業員用の仮設便房数は、同時に就業する女性作業員 20人以内ごとに1個を設置する計画とした。
2.工事用使用電力量の算出に用いる、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、 1.0 として計画した。
3.工事用使用電力が 60kW 必要となったため、低圧受電で契約する計画とした。
4.アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり10 m3/h として計画した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
便所の設置に関しては以下のように労働安全衛生規則第628条に定められている。
・男性用と女性用に区別すること。
・男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1箇所以上とすること。
・男性用小便器の箇所数は、同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1箇所以上とすること。
・女性用便所の便房の数は、同時に就業する女性労働者20人以内ごとに1箇所以上とすること。
2.◯
工事用使用電力量の算出において、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、0.7〜1.0とする。(JASS2)
3.×
工事用電力は、電力会社に申し込むことになるが、供給約款では、一般に、契約電力が 50 kW未満の場合は低圧受電、50kW以上-2,000kW未満の場合は高圧受電、2000kW以上の場合は特別高圧受電となる。
4.◯
アースドリル工法による掘削は、ドリリングバケットを回転させて地盤を掘削、バケット内部に収納された土砂を地上に排土する方法で行う。孔壁は、表層部では表層ケーシングを用い、それ以深は安定液で保護する。掘削時に使用する水量の目安は、1台当たり 10 m3/h として計画する。
[ No.48 ]
鉄筋コンクリート造建築物の躯体解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体することとした。
2.階上作業による解体では、解体重機の移動にコンクリート塊を集積したスロープを利用するため、解体重機と合わせた最大荷重に対して補強することとした。
3.地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保することとした。
4.地上外周部の転倒解体工法では、1回の転倒解体を高さ2層分とし、柱3本を含む2スパンとした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体を行う。外壁の転倒工法等を用いる場合は、同時に解体する部分の一体性を確保するとともに、過度な力を加えず内側に安全に転倒させる。
2.◯
階上作業による解体では、解体に重機等を使用する場合は、重機、コンクリート塊等の重量、振動または衝撃に対して、床・はり等にサポートジャッキ等を使用し適切な補強を行い、安全性を確保する。
3.◯
地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保する。
4.×
外壁の転倒解体は、安全上、転倒体の大きさが過大とならないように、高さは1層分以下とし、1回の転倒解体部分は、原則として、柱2本以上を含み、幅は1〜2スパン程度とする。また、転倒体の壁の縁切り、柱脚部の転倒視点の欠き込み等に当たっては、事前に転倒防止措置を講ずる。(建築物解体工事共通仕様書第3章第8節)
[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強にかかる躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1.壁上部と既存梁下との間に注入するグラウト材の練混ぜにおいて、練上り時の温度が 10 〜 35 °C となるように、練り混ぜる水の温度を管理することとした。
2.既存壁に増打ち壁を設ける工事において、シアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用することとした。
3.柱の溶接閉鎖フープ巻き工法に用いるフープ筋の継手は、溶接長さが 4d の両側フレア溶接とすることとした。
4.柱の連続繊維補強工法に用いる炭素繊維シートの水平方向の重ね継手は、柱の各面に分散して配置することとした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
耐震改修工事における現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁の施工においては、現場施工時に水温管理を十分に行い、水温10℃以上の水を用いてグラウト材を練り上げ、練り上げ時の温度が10〜35℃の範囲のものを注入する。
2.◯
既存壁に増打ち壁を設ける工事において、アンカーとして用いるシアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用してよい。
3.×
溶接閉鎖フープ巻き工法のフープの継手は、溶接長さが片側10d以上もしくは両側 5d以上のフレア溶接とる。
また、端部は共に2d以上の余長が必要である。鉄筋径D16以下に使用できる。(標準仕様書)※ 建告1463号では D25以下
>> 配筋検査のつぼ >> 継手及び定着
4.◯
連続繊維補強工法において、炭素繊維シートの重ね長さは、母材破断を確保できる長さとし、200mm以上とする。また、重ね継手位置は各面に分散させる。
[ No.50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.外壁コンクリートに生じた幅が 1.0 mm を超える挙動しないひび割れは、可とう性エポキシ樹脂を用いた Uカットシール材充填工法を用いることとした。
2.タイル張り仕上げ外壁の改修工事において、1箇所の張替え面積が 0.2 m2 であったため、タイル部分張替え工法を用いることとした。
3. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しすることとした。
4. 防火認定の壁紙の張替えは、既存壁紙の裏打紙の薄層の上に防火認定の壁紙を張り付けることとした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
Uカットシール充填工法は、コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどで U字型にカッティングして弾性シーリング材等を充填する工法で、挙動しない 1.0mmを超えるひび割れ、及び挙動する 0.2mm以上 1.0mm以下のひび割れに適用する。挙動のおそれのあるひび割れには可とう性エポキシ樹種、軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動しないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。(※設問では、「挙動しないひび割れに可とう性エポキシ樹脂を用いることとした」となっているが、一般的に可とう性エポキシ樹脂は「挙動するひび割れに用いる」。最も不適当なもののは「4」であるので、正解は「4」となる。
2.◯
タイル部分張り替え工法は、既存の下地モルタル等がある場合及び1箇所当たりの張替え面積が 0.25m2程度以下の場合に適用する。
3.◯
既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材で塗り重ねる場合は既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒らしして接着性を高める。
4.×
防火認定の壁紙の張替えは、既存の壁紙を残さず撤去し、下地基材面を露出させてから新規の壁紙を張り付けなければ防火材料に認定されない。裏打紙の薄層は、水を塗布し糊を溶解させて残さず撤去する。
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