※ 問題番号[ No.46 ]〜[ No.70 ]までの 25 問題は、全問題を解答してください。
[ No. 46 ]
建築工事における事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.揚重機の設置計画に当たって、敷地周辺の電波障害が予測される範囲について調査を行った。
2.既存建物の解体工事については、建物の高さが 30m なので、建設工事計画届は提出しないこととした。
3.コンクリートポンプ車を前面道路に設置するので、道路使用許可申請書を道路管理者に提出した。
4.敷地内及びその周辺の地形、地質及び地層の状態の調査を行った。
答え
3
コンクリートの打設ではコンクリートポンプ車等を道路上に一時駐車するため、施工者は道路使用許可申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。(道路交通法第77条,78条)
1 ◯
揚重機の設置計画に当たり、電波障害を生じるおそれのある場合は、現状を調査し受信状況の写真記録などを作っておく。事前に近隣の了解を得て、テレビなどへの影響範囲には対策を立てておく必要がある。
2 ◯
建築工事計画届は、次の場合等に提出が必要である。
@高さが 31mを超える建築物または工作物の建設、改造、解体または破壊の仕事
A掘削の高さまたは深さが 10m以上である地山の掘削の作業を行う仕事
B耐火建築物または準耐火建築物で、石綿等の除去をの作業を行う仕事
(労働安全衛生規則第90条)
4 ◯
山留め及び土工事の施工は、敷地内外の地盤の状況を工事に先立って調査しておく必要がある。(山留め設計施工指針)
[ No. 47 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.仮囲いは、通行人の安全や隣接物を保護するとともに、周辺環境に配慮して設置することとした。
2.施工者用事務室と監理者用事務室は、同一建物内でそれぞれ独立して設けることとした。
3.工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量の山積みによる計算負荷の 50 %を実負荷とすることとした。
4.仮設の危険物貯蔵庫は、作業員休憩所や他の倉庫と離れた場所に設置することとした。
答え
3
工事用の動力負荷は、工事用電力使用工程表に基づいた動力電力量の山積みによる計算負荷の60%を実負荷として計画する。(建築工事監理指針)
1 ◯
仮囲いは、工事現場と外部との隔離、盗難の防止、通行人の安全、隣接物を保護等のために設置する。(建築工事監理指針)
2 ◯
監理者、施工者の両事務所は工事の規模・内容・敷地などの条件によって、その面積や部屋数・仕様などを決める。また、両事務所の職員同士が工事のための打合せを頻繁に行う必要があるため、相互に行き来しやすい配置とする。(建築工事監理指針)
4 ◯
仮設の危険物貯蔵庫(ガソリン、灯油、ペンキ、ガスボンベ等)は、関係法規(消防法、労働安全衛生法等)に準拠し、作業員詰所や他の倉庫と離れた場所に設ける。(建築工事監理指針)
[ No. 48 ]
工事の着手に先立ち作成する総合施工計画書に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.現場の構成員と社内支援スタッフとの関わり方を記載した。
2.主要品質のつくり込み方針や主要な工事の流れに関わる制約条件を記載しなかった。
3.工程管理計画として、総合実施工程表は記載したが、工種別の工程表を記載しなかった。
4.工事関係図書の周知徹底の方法や工種別の施工計画書及び施工図などの作成の有無を記載した。
答え
2
総合施工計画書には、主要品質のつくり込み方針、主要な工事の流れに関わる制約条件等、重点施工管理項目、特殊な工法を記載する。
1 ◯
請負者は、総合施工計画書に当該現場の施工管理組織、指示系統、社内支援スタッフとの関わり方を記載する。
3 ◯
工程管理計画として、総合実施工程表を記載することがあげられているが、工種別工程表そのものは要求されていない。
4 ◯
品質管理については、設計図書・工事関係図書の周知徹底の方法、施工管理の手順、確認・検査の計画、施工計画書及び施工図などの作成の有無を記載する。
[ No. 49 ]
材料の取扱いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.被覆アーク溶接棒は、吸湿しているおそれがあったので、乾燥器で乾燥してから使用した。
2.発泡プラスチック系保温板は、長時間紫外線を受けると表面から劣化するので、日射を避け屋内に保管した。
3.日射熱吸収の大きいガラスへの養生材の張付けに当たっては、ガラスが熱割れしないことを確認した。
4.フタル酸樹脂エナメル塗料が付着した布片は、塗装材料と一緒に保管した。
答え
4
フタル酸樹脂エナメル塗料が付着した布片等で自然発火を起こすおそれのあるものは、塗装材料の保管場所には置かず、水の入った金属製の容器に入れるなどの措置が必要である。(JASS18)
1 ◯
被覆アーク溶接棒は、吸湿、変質するとブローホールが発生したり、水素量が増加して割れのような欠陥が生じやすくなり、作業性も落ちるので十分な管理を要する。特に低水素系の溶接棒については、保管場所に十分注意し、その日の使用量分だけを取り出すようにする。(鉄骨工事技術指針)
2 ◯
発泡プラスチック系保温板は、日射を受けると表面から徐々に劣化し、水や湿気に晒されると断熱性能が低下するので、原則として屋内に保管する。(JASS24)
3 ◯
熱銭吸収板ガラスには、熱銭吸収フロート板ガラス、磨き板ガラス、熱銭吸収網入り板ガラス等があり、ガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄、セレンなどを入れて太陽放射の吸収、色彩表現、防眩性を付加したものがある。養生材の張付けでは、ガラスが熱割れしないことを確認する。(建築工事監理指針)
[ No.50 ]
工事の記録などに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事の施工後、目視による検査が不可能となるおそれのある部分については、施工の記録、 工事写真などを整備することとした。
2.現場に搬入する加工された異形鉄筋が、所定の規格の異形鉄筋であることを証明するため、 ミルシートと荷札の照合を行うとともに、圧延マークを確認し、写真で記録した。
3.トルシア形高力ボルトの本締め完了確認において、ピンテールの破断を確認したボルトは、 本締め完了確認の記録を省略した。
4.デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲で有効画素数を設定して記録した。
答え
3
監理者による検査は、施工者の提出した本締め完了確認の記録に基づいて行うため、記録は省略できない。(建築工事監理指針)
1 ◯
工事の施工等により、後日の目視による検査が不可能または容易でない部分の施工は、工事の記録、 工事写真などを整備しておく。(公共建築工事標準仕様書)
2 ◯
別の場所で加工された鉄筋加工品は、所定の規格品であることを確認するため、鉄筋材料のミルシートと荷札を照合するとともに圧延マークを確認し写真で記録する。
4 ◯
デジタルカメラによる工事写真は、黒板の文字や撮影対象が確認できる範囲とする。
[ No. 51 ]
労働基準監督署長への計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.掘削の深さが 10 m 以上の地山の掘削の作業を労働者が立ち入って行う場合は、当該仕事の開始の日の 14 日前までに、届け出なければならない。
2.つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、当該工事の開始の日の14日前まで に、届け出なければならない。
3.耐火建築物に吹き付けられた石綿等を除去する場合は、当該仕事の開始の日の 14日前までに、届け出なければならない。
4.高さ及び長さがそれぞれ 10m 以上の架設通路を 60 日以上設置する場合は、当該工事の開始の日の 30日前までに、届け出なければならない。
答え
2
つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合、工事開始日の30日前までに機械等設置届を提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第2項)
1 ◯
掘削の高さまたは深さが 10 m 以上の地山の掘削の作業を行う仕事は、建築工事計画届を作業開始の 14 日前までに労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、規則第90条第四号)
3 ◯
耐火建築物または準耐火建築物で、石綿等が吹き付けられているもににおける石綿等の除去の作業を行う仕事等は、建設工事計画届を作業開始日の 14日前までに、労働基準監督署長に提出する。(労働安全衛生法第88条第3項、規則第90条第五号の二)
4 ◯
高さ及び長さがそれぞれ 10m 以上の架設通路で存続日数が 60 日以上の場合には、工事開始日の 30日前までに機械等設置届を提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第1項、規則第85,86条、別表第7)
[ No. 52 ]
仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.塗装工事において、亜鉛めっき鋼面の素地ごしらえの化成皮膜処理は、りん酸塩による処理とすることとした。
2.タイル工事において、二丁掛けタイルの改良積上げ張りの1日の張付け高さの限度は、 1.5 mとすることとした。
3.シーリング工事において、ALC パネル間の目地には、低モジュラスのシーリング材を使用することとした。
4.金属工事において、海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりが塗装を行わず亜鉛めっきのままの仕上げとなるので、電気亜鉛めっきとすることとした。
答え
4
海岸近くの屋外に設ける鋼製手すりは、電気亜鉛めっきを避け、溶融亜鉛めっきとする。
1 ◯
塗装工事における化成皮膜処理は、亜鉛にりん酸塩溶液あるいはクロム酸塩溶液を作用させ、化学的に結合して安定なりん酸亜鉛あるいはクロム酸亜鉛の皮膜を形成させる。このような処理をりん酸処理といい、この皮膜が亜鉛めっき鋼面の発錆を抑え亜鉛めっきと塗料との反応を抑制して塗膜の付着性を向上させる。(公共建築工事標準仕様書)
2 ◯
改良積上げ張りは、張付けモルタルをタイル裏面に所定の厚さで塗り、タイルを張り付ける工法で、1日の張付け高さの限度は 1.5 m程度とする。(公共建築工事標準仕様書)
3 ◯
ALCパネル等の表面強度の小さいものには、高モジュラスのシーリング材を使用すると、ムーブメントにより被着体を損傷することがある。このような場合、低モジュラスのシーリング材を使用する。
[ No. 53 ]
建築工事の工期とコストの一般的な関係として、最も不適当なものはどれか。
1.最適工期は、直接費と間接費の和が最小となるときの工期である。
2.総工事費は、工期に比例して増加する。
3.直接費は、工期の短縮に伴って増加する。
4.間接費は、工期の短縮に伴って減少する。
答え
2
総工事費は、直接費と間接費を合わせたものであり、直接費は施工速度を速めると増加するが、間接費は逆に減少するため、工期に比例して増加するとは限らない。
1 ◯
直接費と間接費を合わせた総工事費が最小となる最も経済的な施工速度を経済速度といい、この時の工期を最適工期という。
3、4 ◯
労務費、材料費、仮設費(共通仮設を除く)等の直接費は施工速度を早めると、超過勤務、割高な材料の使用等のため増加するが、管理費、共通仮設費、金利等の間接費は施工速度を速めると逆に減少する。
[ No. 54 ]
工程計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画の準備として、工事条件の確認、工事内容の把握及び作業能率の把握などを行う。
2.工程表は、休日及び天候などを考慮した実質的な作業可能日数を算出して、暦日換算を行い作成する。
3.工期の調整は、工法、労働力、作業能率及び作業手順などを見直すことにより行う。
4.山積工程表における山崩しは、工期短縮に用いられる手法である。
答え
4
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない。
1 ◯
工程計画の準備としては、一般に次のようなことを行う。
@工事条件の確認
A工事内容の把握
B市場の情報
C作業能率の把握
などである。
2 ◯
工程表は、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出して、延べ日数と暦日との換算を行い作成する。
3 ◯
計算した工期が超過した場合や進度管理を進めていく中で工期の短縮が必要になった時の工期の調整は、工法・作業方法の変更、作業員の増員、工事用機器の台数の増加や作業能率のよい機種への変更、作業手順の見直しをして行う。
[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、当該作業の作業期間をタクト期間の2倍又は3倍に設定する。
2.作業の進捗に伴い生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮又は作業者の人数を削減する必要が生じる。
3.各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れは全体の作業を停滞させる原因となる。
4.集合住宅の仕上工事は、各種専門工事の一定の繰り返し作業となるので、タクト手法では管理できない。
答え
4
集合住宅の仕上工事は、各種専門工事の一定の繰り返し作業となるので、タクト手法による工程管理に適している。
1 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定することによって、切れ目のない工程を編成することができる。
2 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でタクト期間を短縮したり、作業者の人数を削減することが必要になる。
3 ◯
各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える。
[ No. 56 ]
図に示すネットワーク工程表に関する記述として、不適当なものはどれか。
1.作業C→Gの最遅終了日は、20日である。
2.作業F→Gの最早開始日は、17 日である。
3.作業B→Dのフリーフロートは、2日である。
4.作業E→Hのトータルフロートは、2日である。
答え
1
作業C → Gの最遅終了日は、21日である。
ネットワーク工程表における各作業について最早開始日、最遅終了日及び作業の余裕時間を求める。
(1)最早開始時刻 [ E.S.T ]
結合点 j の [ E.S.T ]
=結合点 i の最早結合時間 + 所要時刻
(2つ以上の場合は結合点での最大値とする。)
(2)最遅終了時刻 [ L.F.T ]
結合点 i の [ L.F.T ]
= 結合点 j までの所要時間 ー( i→j)の所要時間
(2つ以上の場合は結合点での最小値とする。)
(3)作業の余裕時間の計算
(i - j )のT.F.
= j の最遅終了時間 ー (i の最早開始時刻 + 所要時間)
(i - j )のF.F.
= j の最早開始時刻 ー (i の最早開始時刻 + 所要時間)
[ No. 57 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.誤差とは、観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた値である。
2.層別とは、1つの集団をなんらかの特徴によりいくつかの層に分割することである。
3.母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数である。
4.抜取検査方式とは、定められたサンプルの大きさ、及びロットの合格の判定基準を含んだ 規定の方式である。
答え
1
誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である。
2 ◯
層別とは、データの特性を適当な範囲別に、いくつかのグループ分けをすることをいい、ヒストグラムなどを書くときに行われる。
3 ◯
母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数をいう。 なお、母集団とは考案の対象となる特性を持つすべてのものの集団と定義されている。
4 ◯
抜取検査方式とは、製品またはサービスのサンプルを用いる検査方式で、ロットからあらかじめ定められた方式に従ってサンプルを抜き取り、測定や試験などを行う。
[ No. 58 ]
鉄骨工事における品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なもの はどれか。
1.鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3 mm とした。
2.通り心と鉄骨建方用アンカーボルトの位置のずれの管理許容差は、±5 mm とした。
3.鉄骨の建方における柱の倒れの管理許容差は、柱1節の高さの1/500以下、かつ 20 mm 以下とした。
4.スタッド溶接後のスタッド仕上り高さの管理許容差は、±1.5 mm とした。
答え
3
鉄骨の建方における柱の倒れの管理許容差は、JASS6の鉄骨精度検査基準では、柱1節の高さの1/1000以下、かつ 10 mm 以下である。
1 ◯
鉄骨柱据付け面のベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3 mm とする。(JASS6)
2 ◯
通り心とアンカーボルトの位置のずれの管理許容差は、±5 mm とする。(JASS6)
4 ◯
スタッド溶接後のスタッド仕上り高さの管理許容差は、指定した寸法の ±1.5 mm以内 、限界許容差 ±2.0 mm以内である。傾きについては管理許容差 3度、限界許容度 5度である。
[ No. 59 ]
品質管理等に用いる図表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.パレート図は、観測値若しくは統計量を時間順又はサンプル番号順に表し、工程が管理状態にあるかどうかを評価するために用いられる。
2.ヒストグラムは、計量特性の度数分布のグラフ表示の1つで、分布の形や目標値からのばらつき状態を把握するために用いられる。
3.特性要因図は、特定の結果と原因系の関係を系統的に表し、重要と思われる原因の究明と対策の手を打っていくために用いられる。
4.散布図は、対応する2つの特性を横軸と縦軸にとり、観測値を打点して作るグラフ表示の 1つで、相関関係を調べるために用いられる。
答え
1
パレート図とは、不良品、欠点、故障等の発生個数を現象や要因別に分類し、数値の大きい順に並べるとともに、累積和を示したもので、問題点がどこにあるかを見出すために用いる。
2 ◯
ヒストグラムとは、ばらつきを持つデータの範囲をいくつかの区間に分け、各区間を底辺とし、その区間での出現度数を高さとして長方形に並べた図で、柱状図と呼ばれる。
3 ◯
特性要因図とは、問題としている特性と、それに影響を与える要因との関係を一目でわかるように体系的に整理した図で、図の形が似ていることから「魚の骨」と呼ばれている。
4 ◯
散布図とは、関係のある2つの対になったデータの1つを縦軸に、他の1つを横軸にとり、両者の対応する点をグラフにプロットした図をいう。
[ No. 60 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム─基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.有効性とは、計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度をいう。
2.是正措置とは、検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置をいう。
3.手直しとは、要求事項に適合させるための、不適合製品にとる処置をいう。
4.トレーサビリティとは、設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動をいう。
答え
4
トレーサビリティとは、「考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できること」と定義されており、「設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動」とはレビューのことである。
1 ◯
有効性とは、「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」と定義されている。
2 ◯
是正措置とは、「検出された不適合又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置」と定義されており、再発防止のために行うことをいう。また、予防処置とは、「起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置」である。
3 ◯
手直しとは、「要求事項に適合させるための、不適合製品にとる処置」である。
[ No. 61 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.検査とは、品物の特性値に対して、測定、試験などを行って、顧客満足度と比較して、適合しているかどうかを判定することをいう。
2.非破壊検査とは、非破壊試験の結果から、規格などによる基準に従って合否を判定する方法をいう。
3.受入検査は、依頼した原材料、部品又は製品などを受け入れる段階で行う検査で、生産工程に一定の品質水準のものを流すことを目的で行う。
4.中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないように事前に取り除くことによって損害を少なくするために行う。
答え
1
検査とは、品物の特性値に対して、測定、試験等を行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定することである。
2 ◯
非破壊検査とは、「非破壊試験の結果から、規格などによる基準に従って合否を判定する方法」である。非破壊試験は、素材や製品を破壊せずに傷の有無やその存在位置等を調べる試験で、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験などである。
3 ◯
受入検査とは、搬入した製品や材料を工事現場などに受け入れて使用して良いかどうかを規定要求事項に基づいてその適当性を判断する検査である。
4 ◯
中間検査とは、制作途中の不良なロット類が次の工程に渡らないように、事前に排除することにより損害を防ぐための検査である。
[ No. 62 ]
コンクリートの試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.構造体のコンクリート強度の推定試験において、1回の試験に用いる3個の供試体は、複数の運搬車のうちの1台から採取する。
2.マスコンクリートにおいて、構造体コンクリート強度の推定のための供試体の養生方法は、 標準養生とする。
3.スランプ 18 cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、±2.5 cm とする。
4.構造体のコンクリート強度の推定試験では、材齢 28 日までの平均気温が 20 °C以上の場合、 1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とする。
答え
1
構造体のコンクリート強度の推定試験において、1回の試験に用いる3個の供試体は、適当な間隔をおいた3台の運搬車から1個ずつ採取する。
2 ◯
マスコンクリートは、部材断面の最小寸法が大きく、かつ、セメントの水和熱による温度上昇で有害なひび割れが入るおそれがある部分のコンクリートに適用する。又、コンクリートの強度管理の材齢におけるコンクリート養生は標準養生とする。
3 ◯
コンクリートスランプ 18 cm のスランプの許容差は、±2.5 cm とする。スランプ 8 cm以上 18cm以下の場合は、スランプの許容差は、±2.5 cm である。(JASS5)
4 ◯
コンクリート強度は、材齢 28 日までの平均気温が 20 °C以上の場合、 現場水中養生の3個の供試体の材齢 28 日における1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とする。
[ No. 63 ]
仕上工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工場塗装における鉄鋼面の錆止め塗装の膜厚は、硬化乾燥後に電磁微厚計で確認した。
2.外壁タイル張りの引張接着強度は、0.3 N/mm2以上であることを確認した。
3.現場搬入時の造作用木材の含水率は、15 % 以下であることを確認した。
4.防水形の仕上塗材仕上げの所要量は、単位面積当たりの使用量を基に確認した。
答え
2
外壁タイル張りの接着力試験は、施工後2週間以上経過してから実施し、その判定は、0.4N/mm2未満のものを不合格とする。0.3N/mm2以上のものを合格としたことは不適当である。(公共建築工事仕様書)
1 ◯
工場塗装における鉄鋼面の止め塗装の塗膜厚は、硬化乾燥後、測定器の電磁微厚計で計測する。(鉄骨工事技術指針)
3 ◯
木材は、使用後の割れや変更を防止するため、建設時に使用する部位の気乾状態にしておくおことが必要で、造作材の含水率は特記がなければ 15 % 以下とする。(公共建築工事標準仕様書)
4 ◯
防水形の仕上塗材仕上げの所要量は、塗布面積の使用量を基にする。
[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。
2.労働災害における労働者とは、所定の事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
3.労働災害の災害発生率として、年千人率や度数率などが用いられる。
4.労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。
答え
1
労働災害とは単なる物的災害を含まず、労働者の生命及び身体にかかる災害に限られるものである。(労働安全衛生法第2条第一号)
2 ◯
労働基準法第9条に規定する労働者をいい、職業の種別を問わず、事業または事業所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働安全衛生法第2条第二号)
3 ◯
労働災害の災害発生率としては、年千人率、度数率、強度率などが用いられる。
4 ◯
労働災害の区分として、一時に3名以上の労働者が業務上の死傷または罹病した災害を、重大災害としている。
[ No. 65 ]
作業主任者の職務に関する記述として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
2.木造建築物の組立て等作業主任者は、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。
3.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。
4.足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。
答え
2
「労働安全衛生法」上、木造建築物の組立て等の作業主任者の職務には、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くことは定められていない。
1 ◯
土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くことを職務とする。(労働安全衛生規則第566条)
3 ◯
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮することを職務とする。
4 ◯
足場の組立て等作業主任者は、作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視することを職務とする。
[ No. 66 ]
鋼管足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、2m以下とする。
2.高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下とする。
3.単管足場の地上第一の布の高さは、2m 以下とする。
4.単管足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 5m 以下、水平方向 5.5m 以下とする。
答え
1
高さ20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は1.85m以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第七号)
2 ◯
高さが 5 m 以上の枠組足場の壁つなぎの間隔は、垂直方向 9m以下、水平方向 8m以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号)
3 ◯
単管足場の地上第一の布は、2m 以下の位置に設けなければならない。(労働安全衛生規則第571条第1項第二号)
4 ◯
単管足場の壁つなぎは、垂直方向 5m 以下、水平方向 5.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号)
[ No. 67 ]
事業者が行わなければならない点検に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤って いるものはどれか。
1.積載荷重が 0.25 t 以上で、ガイドレールの高さが 10m以上の建設用リフトを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、ワイヤロープが通っている箇所の状態について点検を行わなければならない。
2.つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、突りょうとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能について点検を行わなければならない。
3.土止め支保工を設けたときは、原則として、その後 14日をこえない期間ごとに、切りばりの緊圧の度合について点検を行わなければならない。
4.作業構台の変更の後において、作業構台における作業を行うときは、作業を開始する前に、支柱、はり、筋かい等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態について点検を行わなければならない。
答え
3
土止め支保工を設けたときは、7日を超えない期間ごとに各部の異常の有無の点検を行う。(労働安全衛生規則第373条)
1 ◯
積載荷重が 0.25 t 以上で、ガイドレールの高さが 10m以上の建設用リフトを用いて作業を行うときは、ワイヤロープが通っている箇所の点検を行わなければならない。(クレーン等安全規則第193条)なお、定期自主検査に1月以内ごとに1回、定められて事項について自主検査を行う。(クレーン等安全規則第192条)
2 ◯
つり足場における作業の開始前に、チェーンの亀裂、変形、錆、伸び、曲がり、開き等を点検しなければならない。(労働安全衛生規則第568条)
☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在では、この部分も誤りとなる。
4 ◯
作業構台の変更後に作業を行う場合は、その前に、支柱、はり、筋かいなどの緊結部、接続部及び取付部の緩み状態をくまなく点検する。(労働安全衛生規則第575条の8第2項第四号)
[ No. 68 ]
移動式クレーンを用いて作業を行う場合に事業者の講ずべき措置として、「クレーン等安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.つり上げ荷重が 3 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、その移動式クレーン検査証を、当該クレーンに備え付けた。
2.つり上げ荷重が 0.5 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、運転に係る合図を行う者に当該作業に係る労働者の配置及び指揮の系統を定めさせた。
3.つり上げ荷重が 1 t 以上の移動式クレーンの玉掛けの業務は、玉掛け技能講習を修了した者に行わせた。
4.つり上げ荷重が0.5t以上の移動式クレーンを用いて作業を行うので、その移動式クレーンの上部旋回体の旋回範囲内に労働者が立ち入らないようにした。
答え
2
移動式クレーンを用いて作業を行うときは、事業者が作業に係る労働者の配置及び指揮の系統を定める。(クレーン等安全規則第66条の2第1項第三号)
1 ◯
移動式クレーンを用いて作業を行うときは、当該作業を行う場所に当該クレーンの移動式クレーン検査証を備え付けておかなければならない。(クレーン等安全規則第63条)
3 ◯
つり上げ荷重が 1 t 以上のクレーンを使用する玉掛け作業には、玉掛け技能講習を修了した者でなければ当該業務に就かせてはならない。つり上げ荷重が 1t 未満のクレーンの玉掛け業務には、特別教育終了者でも就くことができる。(クレーン等安全規則第221,222条)
4 ◯
つり上げ荷重が 0.5t以上の移動式クレーンに係る作業を行うとき、上部旋回体との接触により労働者に危険が生じる恐れのある箇所に労働者を立ち入らせてはならない。(クレーン等安全規則第74条)
[ No. 69 ]
ゴンドラを用いて作業を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。
2.つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行うときは、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けさせなければならない。
3.ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。
4.ゴンドラについて定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。
答え
4
ゴンドラについて定期自主検査を行ったときは、事業者は原則として、1月以内ごとに1回その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。(ゴンドラ安全規則第21条第3項)
1 ◯
ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)
2 ◯
ゴンドラの作業床において作業を行うときは、当該作業を行う労働者に安全帯等を使用させなければならず、また、つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラにあっては、安全帯等を当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならない。 (ゴンドラ安全規則第17条)
3 ◯
ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。(ゴンドラ安全規則第20条)
[ No. 70 ]
有機溶剤等を用いた作業や貯蔵を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「有機溶剤中毒予防規則」上、誤っているものはどれか。
1.屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤等の取扱い上の注意事項について労働者が見やすい場所に掲示しなければならない。
2.屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置について労働者が見やすい場所に掲示しなければならない。
3.有機溶剤濃度の測定を必要とする業務を行う屋内作業場については、6月以内ごとに1回、定期に、濃度の測定を行わなければならない。
4.有機溶剤等を屋内に貯蔵するとき、有機溶剤等が発散するおそれのないふた又は栓をした 堅固な容器を用いる場合は、有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備を設けなくてもよい。
答え
4
有機溶剤等を屋内に貯蔵するときは、有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備を設けなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第35条第二号)
1 ◯
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤等の人体に及ぼす作用、有機溶剤等の取扱い上の注意事項を作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第一、二号)
2 ◯
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置を見やすい場所に掲示しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第24条第1項第三号)
3 ◯
有機溶剤を扱う屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に当該有機溶剤の濃度の測定しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第28条第2項)
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