6節 アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NAD:Non-Aqueous-Dispersion)
18.6.1 一般事項
この節は、コンクリート、モルタル等で構成される建築物内部の平滑な着色仕上げを対象としている。
18.6.2 アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り
(1) 材 料
JIS K 5670(アクリル樹脂系非水分散形塗料)に規定されており、アクリル樹脂系非水分散形ワニスを主要な塗膜形成要素とする、分散粒子融着乾燥形の塗料である。一般的に、水を媒体として樹脂を分散安定化させたものなどをエマルションと呼ぶが、有機溶剤を媒体として樹脂を分散させたものが非水分散形ワニスで、通‘常 NAD (Non Aqueous Dispersion)等と略称されている。塗料は溶剤系塗料に比べ溶剤臭が少なく、常温で比較的短時間で硬化し、耐水性や耐アルカリ性に優れた塗膜が得られる。アクリル樹脂系非水分散形ワニスには、有機溶剤中毒予防規則の第三種有機溶剤等が用いられており、関係法令等に基づいた保管や塗装作業等に十分な配慮が必要である。
なお、有機溶剤中毒予防規則については、18.1.4を参照されたい。
(2) 塗 装
(ア) 下塗り、中塗り、上塗りには同一材料を使用する。
(イ) 使用するシンナーが不適切であると、塗装作業性が低下して、仕上りに欠陥を生じるため、塗料の製造所が指定するシンナーを使用する。
(ウ) 塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り又は吹付け塗りとし、吹付け塗りの場合は、塗料に適したノズルの径や種類を選定する。
(エ) 各塗装工程の標準工程間隔時間及び標準最終養生時間を、表18.6.1に示す。
表18.6.1 アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの標準工程間隔時間及び標準最終養生時間