2021年03月03日
1級建築施工管理技士 過去問 解説 令和2年度 実地1
実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題1
建築工事の施工者は、設計図書に基づき、施工技術力、マネジメント力等を駆使して、要求された品質を実現させるとともに、設定された工期内に工事を完成させることが求められる。
あなたが経験した建築工事のうち、品質を確保したうえで、施工の合理化を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記述したうえで、次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。
[ 工事概要 ]
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、
延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、
主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、建物規模、
主な改修内容及び施工数量
ニ.工期 (年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
1.工事概要であげた工事において、あなたが実施した現場における労務工数の軽減、工程の短縮などの施工の合理化の事例を2つあげ、次の@からCについて記述しなさい。
ただし、2つの事例のAからCは、それぞれ異なる内容を具体的に記述するものとする。
@ 工種又は部位等
A 実施した内容と品質確保のための留意事項
B 実施した内容が施工の合理化となる理由
C Bの施工の合理化以外に得られた副次的効果
解答試案
工事の概要 [ 略 ]
1)事例1
@ 工種又は部位等:鉄筋工事、型枠工事
A 実施した内容と品質確保のための留意事項:
躯体工事の工程短縮と品質確保のため、鉄筋工事において、梁鉄筋先組工法を採用した。また、型枠工事においては、床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用した。デッキプレート工法は所定の方法で十分に固定され安全であるか確認できるように留意した。
B施工の合理化となる理由:
鉄筋を先組みすることにより、現場作業が軽減できるので、作業効率が上がり工期短縮につながる。また、トラス筋付きデッキプレートを使うことにより、現場での配筋作業・型枠解体作業が軽減できる。
C 副次的効果:
地組で配筋できるため、施工精度を高くすることができ、各梁の配筋検査も余裕をもって行え、配筋の品質確保につながる。
2)事例2
@ 工種又は部位等:木工事(内部間仕切り壁下地)
A 実施した内容と品質確保のための留意事項:
仕上げ工事の工期短縮のため、内部間仕切り壁下地に、パネル枠(壁の長さ、高さに合わせた材木枠内に胴縁を組み込んだもの)を採用した。必要なピッチで胴縁が入っているか、施工図にて十分に確認を行った。
B 施工の合理化となる理由:
工場内生産品の間仕切りを取り付けるだけなので、造作大工の手間が省略化でき、工期短縮につながる。
C 副次的効果:
内部間仕切り壁の品質が均一に保たれ、作業員の技量によるばらつきがなくなるため品質が確保できる。
3)事例3
@ 工種又は部位等:コンクリート工事
A 実施した内容と品質確保のための留意事項:
最上階屋根パラペットのプレキャストコンクリート化を行った。屋根スラブには水勾配があるので、パラペットの部位によって鉄筋の差筋に注意した。
B 施工の合理化となる理由:
予め工場にて製作することにより、現場での配筋工程を大幅削減することができた。
C 副次的効果:
プレキャスト工場で製作することにより、現場で施工するよりも高い品質を確保するできた。
4)事例4
@ 工種又は部位等:型枠工事、鉄筋工事
A 実施した内容と品質確保のための留意事項:
型枠工事、鉄筋工事において床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用して施工の合理化を実施した。品質確保のため床開口の大きさ、補強等はメーカーの仕様に従うこと、コンクリート打設前に、上端筋、下筋筋、ラチス材等を切断しないことなどに留意した。
B 施工の合理化となる理由:
トラス筋付きデッキプレート工法は、デッキプレートとトラス筋が一体となっているので、コンクリート打設時には型枠として、硬化後にはトラス筋がスラブ主筋となる構造であり、型枠工事と鉄筋工事を同時に施工できるので合理化となる。
C 副次的効果:
鉄筋と型枠デッキの一体化により、配筋の乱れが少なく、かぶり厚さが一定で精度のよい配筋が可能となる。
2. 工事概要にあげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、施工の合理化 の取組みのうち、品質を確保しながらコスト削減を行った事例を 2つあげ、@工種又は部位等、A施工の合理化の内容とコスト削減できた理由について具体的に記述しなさい。
なお、コスト削減には、コスト増加の防止を含む。
ただし、2つの事例は、1.AからCとは異なる内容のものとする。
解答試案
事例1)
@【 工種 】:外壁石張り工事
A【合理化の内容】
湿式石張り工事を乾式石張り工事に切り替えて施工した。
【コスト削減できた理由】
外壁石張り工事の工期を大幅に短縮できたので、総合的にコストの削減につながった。
事例2)
@【 工種 】:内装工事
A【合理化の内容】
外壁内側の仕上げについて、壁のモルタル塗りを石こうボード直張り工法に変更した。
【コスト削減できた理由】
モルタル塗りと比較して材料の搬入、養生期間が少なく工期短縮がはかれてコスト削減につながった。
事例3)
@【 工種 】:外壁改修工事
A【合理化の内容】
集合住宅の修繕工事における外壁改修工事において、枠組み足場による足場工法からゴンドラによる無足場工法に変更して、施工の合理化を実施した。
【コスト削減できた理由】
足場の組立て、解体の作業が不要となり、ゴンドラの設置費用に比較して、過大な足場の組立て、解体費用がなくなることによるコスト削減ができた。
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