※ 問題番号[ No.55 ] 〜 [ No.60 ]までの6問題は応用能力問題です。全問題を解答してください。
[ No.55 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.車輪付き裸台で運搬してきた板ガラスは、屋内の床に、ゴム板を敷いて平置きで保管した。
2.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段の俵積みで保管した。
3.高力ボルトは、工事現場受入れ時に包装を開封し、乾燥した場所に、使用する順序に従って整理して保管した。
4.防水用の袋入りアスファルトは、積重ねを 10段以下にし、荷崩れに注意して保管した。
5.プレキャストコンクリートの床部材は平置きとし、上下の台木が鉛直線上に同位置になるように積み重ねて保管した。
答え
1,3
[ 解答解説 ]
1.×
車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する。
2.◯
ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平らな床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。
3.×
高力ボルトは、工事現場受入時には包装を開封せずに、規格、種類、径、長さ、ロット番号ごとに整理して乾燥した場所に保管し、施工直前に包装を解く。
4.◯
防水用の袋入りアスファルトを屋外で保管する場合は、シート等を掛けて雨露に当たらず、土砂等に汚れないようにする。なお、積み重ねて保管するときは、荷崩れに注意して 10段を超えて積まないようにする。(建築工事監理指針)
5.◯
プレキャストコンクリートの床部材を積み重ねて平置きとする場合は、水平になるよう台木を2本敷いて、上部の部材の台木と下部の部材の台木が同じ平面位置になるようにする。
[ No.56 ]
型枠工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.支保工以外の材料の許容応力度は、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とした。
2.コンクリート打込み時に型枠に作用する鉛直荷重は、コンクリートと型枠による固定荷重とした。
3.支柱を立てる場所が沈下するおそれがなかったため、脚部の固定と根がらみの取付けは行わなかった。
4.型枠の組立ては、下部のコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始した。
5.柱型枠の組立て時に足元を桟木で固定し、型枠の精度を保持した。
答え
2,3
[ 解答解説 ]
1.◯
材料の許容応力度は、支保工以外のものについては、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とする。(JASS5)
2.×
コンクリート打設時の鉛直荷重は下記により算出する。
鉛直荷重(設計荷重)=固定荷重 + 積載荷重(作業荷重+衝撃荷重)
・固定荷重=(鉄筋コンクリート比重24kN/m2×コンクリート厚さm)に(型枠重量0.4kN/m2)を加えた値
・積載荷重=1.5kN/m2(ポンプ打込工法の場合)
3.×
「 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること」(労働安全衛生規則第242条 第2号)
4.◯
配筋、型枠の組立てまたはこれらに伴う資材の運搬、集積等は、これらの荷重を受けるコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始する。(建築工事監理指針)
5.◯
支柱は垂直に立て、上下階の支柱は、可能な限り平面上の同一位置とする。また、地盤に支柱を立てる場合は、地盤を十分締め固めるとともに、剛性のある板を敷くなど支柱が沈下しないよう必要な措置を講ずる。(建築工事監理指針)
[ No.57 ]
コンクリートの養生に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。ただし、計画供用期間の級は標準とする。
1.打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。
2.コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、圧縮強度が3N/mm2 に達するまでとする。
3.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm以上 のコンクリート部材においては、コンクリートの圧縮強度が 10N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。
4.コンクリート温度が 2℃ を下回らないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後2日間である。
5.打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。
答え
2,4
[ 解答解説 ]
1.◯
打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。
2.×
コンクリートの圧縮強度による場合、柱のせき板の最小存置期間は、短期及び標準の場合、5 N/mm2以上に達するまでとする。長期及び超長期の場合は、10 N/mm2以上に達するまでとする。(JASS5)
3.◯
短期及び標準の計画供用期間の級で、早強・普通及び中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18cm以上の部材は、10 N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)厚さ15cm以下の部材は、コンクリート強度による養生打ち切りができない。
4.×
コンクリート打ち込み後の温度が2℃を下らないように養生しなければならない期間は、原則として、コンクリート打込み後 5日間と定められている。
5.◯
打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。建築工事監理指針の湿潤養生の項目では、「打込み後のコンクリートは、透水性の小さいせき板による被覆、養生マットまたは水密シートによる被覆、散水または噴霧、膜養生剤の塗布等により湿潤養生を行う。」と記載されている。
[ No.58 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間が 15 mmとなるように切断した。
2. ランナーは、 両端部を端部から 50mm 内側で固定し、中間部を 900mm 間隔で固定した。
3. 振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。
4.スペーサーは、スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm 程度に留め付けた。
5.区分記号 65形のスタッド材を使用した袖壁端部の補強材は、垂直方向の長さが 4.0 mを超えたため、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したものを用いた。
答え
1,5
[ 解答解説 ]
1.×
スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端との隙間が 10 mm 以下となるように切断する。(建築工事監理指針)
2.◯
軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、 両端部を端部から 50mm 内側とし、中間部は 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。 (建築工事監理指針)
3.◯
振れ止めは、床面ランナーより間隔約1,200 mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。
4.◯
スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔 600 mm 程度に留め付ける。
5.×
そで壁端部や開口部の補強材、スタッド、ランナー等の種類はスタッドの高さにより区分がある。65形は、スタッドの高さ区分が4.0m以下で、スタッド65×45×0.8、ランナー67×40×0.8、開口部の補強材は、C-60×30×10×2.3であるので、65形スタッドでは、厚さが薄すぎて補強材とならない。スタッドの高さが4.0mを超え4.5m以下では90形を、4.5mを超え5.0m以下では100形とする。(公共建築工事標準仕様書)
[ No.59 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が 20 ℃ であったため、中塗りの工程間隔時間を2時間とした。
2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、下塗りはローラーブラシ塗りとした。
3.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を調合して使用した。
4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。
5.つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下となるおそれがあったため、施工を中止した。
答え
1,4
[ 解答解説 ]
1.×
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cのときは、中塗り工程間隔時間は3時間以上とする。
2.◯
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹抜け塗りとする。ただし、下塗りは、素材によく浸透させる目的で、はけ塗り、ローラーブラシ塗りも用いるが、中塗りや上塗りは、原則として吹付け塗りとしている。
3.◯
2液形ポリウレタンエナメル塗りは、主剤と硬化剤を混合して用いる。2液形ポリウレタンエナメル塗りは、製造所が指定する可使時間内に使い終える量を調合して使用する。
4.×
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)
5.◯
つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が5℃ 以下、湿度が85%以上、換気が不十分で塗料の乾燥に不適合な場合は原則として、塗装を行わない。
[ No.60 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り外壁面の調査方法と改修工法に関する記述として、不適当なものを2つ選べ。
1.打診法は、打診用ハンマー等を用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。
2.赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。
3.タイル陶片のひび割れ幅が 0.2 mm 以上であったが、外壁に漏水や浮きが見られなかったため、当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修した。
4. 外壁に漏水や浮きが見られなかったが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2 mm以上で一部目地の欠損が見られたため、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修した。
5.構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.2 m2 程度、浮き代が 1.0mm 未満であったため、アンカーピンニング全面セメントスラリー注入工法で改修した。
答え
2,5
[ 解答解説 ]
1.◯
打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。
2.×
赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部と健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける。
3.◯
外壁に漏水や浮きが見られず、タイル表面のひび割れ幅が 0.2 mm 以上のものは、美観上当該タイルを斫って除去し、外装タイル張り用有機系接着剤によるタイル部分張替え工法で改修するか、樹脂注入工法にて改修する。
4.◯
外壁に漏水や浮きが見られないが、目地部に生じたひび割れ幅が 0.2mm以上で一部目地の欠損が見られた場合、不良目地部を斫って除去し、既製調合目地材による目地ひび割れ改修工法で改修する。
5.×
小口タイル張り仕上げにおいて、1箇所当たりの下地モルタルと下地コンクリートとの浮き面積が 0.25m2未満の部分は、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修する。アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法は、構造体コンクリートとモルタル間の浮き面積が1箇所当たり 0.25m2以上、浮き代が1.0m以上の時に適用される。
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