※ 問題番号[ No.21 ]〜[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.21 ]
墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.建物四隅の基準墨の交点を上階に移す場合、間違いや誤差を避けるために4点とも下げ振りで移す。
2.仕上げ部材を取り付けるための墨は、近接する既に出された他の部材の仕上げ墨を基準として墨出しを行う。
3.鉄骨鉄筋コンクリート造では、一般に鉄骨柱を利用して躯体工事用の基準高さを表示し、 これによりレベルの墨出しを行う。
4.床面の通り心などの基準墨は、一般に 1 m 離れた位置に返り墨を設ける。
答え
2
仕上げ部材を取り付けるための墨は、基準墨(地墨や陸墨)を基準として墨出しを行う。近接する他の部材の仕上げ墨にも誤差があるため、それを基準とすると誤差が大きくなる。(JASS26)
1.◯
基準墨の上開への移動は、次のような方法で行われる。
(1)上階の床スラブのコンクリートを打つ際に、建物四隅の基準墨または逃げ墨の交差する場所に15p角程度の孔をあけ、コンクリート打込み後この孔から下げ振りを下階の基準墨まで下げ、その位置を上階の床スラブ上にうつす。
(2)四隅に出たXY方向の交差を、トランシット等を用いて結ぶことにより、基準墨を床面にうつす。
3.◯
各階基準高さ(陸墨)は、水平高さ変動のない比較的剛強なものを利用する必要があるので、鉄骨柱を利用したり、柱の主筋を利用したりして躯体工事用の基準高さを上階に移動していく。
4.◯
基準墨とは、各階の通り心と高さの基準になるレベルを示す墨をいう。通り心は床の上に出すが、通常は柱や壁の心になることが多く、通り心から 1m離れたところに通り心と平行に返り墨を打っておくのが一般的である。
[ No.22 ]
地盤調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。
2.電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。
3.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。
4.常時微動測定により、地盤の卓越周期を把握することができる。
答え
1
一軸圧縮試験は、粘性土の一軸圧縮強さや変形係数を求めるための試験である。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
2.◯
電気検層(比抵抗検層)によって、地下水面以深にある軟弱地盤から岩盤までのすべての地盤を対象とすることができる。
3.◯
粒度試験は、土の粒度組成を数量化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
4.◯
常時微動とは、工場機械、交通機関等の人工的な振動源で引き起こされ、変位振幅が数μm以下、振動周期が0.05秒ぐらいから数秒ぐらいまでの雑振動である。
その卓越周期は同じ場所での地震動の卓越周期と一致するという性質がある。したがって、常時微動を測定することにより、地震動の周期特性を知り、それを建物の耐震設計や設計用地震波の作成に利用できるとともに、卓越周期から地盤種別が判断できる。
[ No.23 ]
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.山留め壁の頭部の変位を把握するために、トランシットやピアノ線を用いて計測を行った。
2.油圧式荷重計は、切梁の中央部を避け、火打梁との交点に近い位置に設置した。
3.山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁に近接した地盤面に設けた。
4.H形鋼を用いた切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置した。
答え
3
基準点(不動点)は、掘削に影響のない箇所に設ける。通常、レベル測定の場合には根切り山留め工事の影響を直接受けない位置に建つ支持杭基礎の建物に設けることが多い。(山留め設計施工指針)
1.◯
山留め壁の頭部の変位は、挿入傾斜計等の機器を用いても計測できるが、トランシットとピアノ線を用いた簡易な方法でも計測できる。なお、ピアノ線は常に緊張しておく必要があるのでターンバックルを取り付けておく。(山留め設計施工指針)
2.◯
油圧式荷重計(盤圧計)を切梁の中央に設置すると、切梁にかかる軸力が端部より中央部の方が低くなるため、正確に軸力を計測できず、また安全上の点からも好ましくない。火打梁の基部に設置するのが好ましい。
4.◯
切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置する。(山留め設計施工指針)
[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.先端が開放されている杭を打ち込む場合、杭体内部への土や水の流入が原因で杭体が損傷することがある。
2.中掘り工法では、砂質地盤の場合、緩みがはげしいので、先掘り長さを少なくする。
3.杭に現場溶接継手を設ける場合、原則としてアーク溶接とする。
4.埋込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より 10 cm 程度小さくする。
答え
4
埋め込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より100mm程度大きくする。(公共建築工事標準仕様書)
1.◯
杭先端が開放の場合は、中空部に土が入り空気が圧縮されたり、水が入りウォーターハンマー現象等で杭が破損する場合があるので、杭内の土及び水の上昇に対応し十分な空気抜き孔を設けたキャップを使用する。(建築工事監理指針)
2.◯
中堀り工法では、杭の掘削中、必要以上に先掘りすると、周囲の地盤を緩めることになるため、施工中は先端の長さの調整管理が必要である。特に、砂質地盤の場合には緩みがはげしいので、先端の長さを少なくし、杭径以内に調整することが望ましい。(JASS4)
3.◯
杭の継手処理について、溶接とする場合は、原則としてアーク溶接を用いて接合する。(JASS4)
[ No.25 ]
普通コンクリートを用いる構造部材における鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.屋内の梁の最小かぶり厚さは、仕上げの有無にかかわらず 30 mm とする。
2.直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、30 mm とする。
3.設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに 10 mm 程度を加えたものとする。
4.杭基礎の基礎筋(ベース筋)の最小かぶり厚さは、杭天端から確保する。
答え
2
直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、40mmとする。(建築基準法施行令第79条)
1.◯
土に接しない柱・梁・耐力壁の最小かぶり厚さは、屋外仕上げなしを除いて30mmとする。(建築基準法施行令第79条)
3.◯
柱・梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた値を標準とする。(JASS5)
4.◯
杭基礎の場合の最小かぶり厚さは、杭天端からとする。(JASS5)
[ No.26 ]
鉄筋(SD 345)のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置は、400 mm 以上ずらした。
2.同一径の鉄筋のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。
3.圧接器に鉄筋を取り付ける際、鉄筋突合せ面のすき間は 2 mm 以下とした。
4.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、細い方の鉄筋径の 1.2 倍以上とした。
答え
4
ガス圧接継手のふくらみの直径は、原則として鉄筋径の1.4倍以上として、片ふくらみがないものとする。なお、鉄筋径が異なる場合は、細い方の径とする。
1.◯
ガス圧接継手の位置は、隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置と400mm以上ずらす。
2.◯
同一径のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上とし、なだらかで、垂れ下がらないものとする。
3.◯
圧接端面のすき間は、2mm以下とし、かつ、偏心及び曲がりのないものとする。
[ No.27 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スラブ型枠の支保工に用いる鋼製仮設梁のトラス下弦材の中央部を、パイプサポートで支持した。
2.柱型枠の組立てにおいて、型枠の精度の保持を目的のひとつとして、足元は桟木で固定した。
3.コンクリート表層部をち密にするため、余剰水の排水ができるように透水型枠を採用した。
4.コンクリート表面に残る丸型セパレーターのねじ部分は、ハンマーでたたいて除去した。
答え
1
鋼製仮設梁のトラス下弦材の支柱は、所定の支点以外のところに立てて用いない。(型枠の設計・施工指針案)
2.◯
柱型枠の足元は、型枠の垂直精度の保持、変更防止、セメントペーストの漏出防止のため、金物や桟木などを用いて根巻きを行う。(型枠の設計・施工指針案)
3.◯
透水型枠は、せき板に細かい孔などをあけ、セメント粒子を通さない特殊な織布を張った型枠を使用し、コンクリート中の気泡や余剰水を排出するので、打ち上がったコンクリート表層部の気泡やあばたが少なくなる。(JASS5)
4.◯
両面仕上げ用丸型セパレーターは、型枠取り外し後、コンクリート表面に座金およびねじ部分が残って露出するので、ねじ部分はハンマーでたたいて除去する。(建築工事監理指針)
[ No.28 ]
普通コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.球形に近い骨材を用いる方が、偏平なものを用いるよりもワーカビリティーがよい。
2.水セメント比を低減すると、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.コンクリートの単位水量は、一般に 185 kg/m 3 以下とする。
4.コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に 250 kg/m3 とする。
答え
4
単位セメント量は、水和熱および乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からできるだけ少なくすることが望ましいが、ワーカビリティの観点からは過少になるとコンクリートの水密性、耐久性が低下するため、最小値が定められており、普通コンクリートでは270 kg/m3である。(JASS5)
1.◯
骨材の形は、できるだけ球形に近いものが理想で、偏平細長のもの、角立っているもの等はコンクリートのワーカビリティを悪くする。(建築工事監理指針)
2.◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.◯
コンクリートの単位水量の最大値は、185kg/m3とする。(JASS5)
[ No.29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生は、ブリージングが終了した後に行う。
2.普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後3日間である。
3.大断面の部材で、中心部の温度が外気温より 25 °C 以上高くなるおそれがある場合は、保温養生により、温度ひび割れの発生を防止する。
4.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、計画供用期間の級が標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が 10 N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。
答え
2
コンクリートの打込み中および打込み後5日間は、乾燥・振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。(建築基準法施行令第75条)
1.◯
膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生はブリージングの終了後に行う。(JASS5)
3.◯
大断面の柱や基礎梁など、コンクリート打込み後セメントの水和熱により部材断面の中心温度が外気温より25℃以上高くなる恐れがある場合、温度ひび割れの発生を防止するために、マスコンクリートの養生の方法で保温養生を行う。(公共建築工事標準仕様書)
4.◯
短期および標準の計画供用期間の級で、早強・普通および中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18p以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)
[ No.30 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.裏当て金を用いる柱梁接合部のエンドタブの取付けは、母材に直接溶接した。
2.クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工した。
3.溶接を手溶接とするので、エンドタブの長さは、自動溶接より短くした。
4.完全溶込み溶接の両端に、継手と同じ開先のエンドタブを取り付けた。
答え
1
柱梁接合部エンドタブを取り付ける場合、裏当て金に取り付け、直接柱梁フランジに溶接は行わない。(鉄骨工事技術指針)
2.◯
エンドタブは、特記のない場合は切断の必要はないが、クレーンガーター(走行クレーンのレールを支えるための梁)のような低応力高サイクル疲労を受ける場合には、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工しなければならない。
3.◯
エンドタブは溶接の始端と終端の欠陥を防ぐために付ける。エンドタブの材質は一般に母材と同等以上とし、同厚、同開先のものが使用される。長さについては自動溶接70mm以上、手溶接35mm以上とする。
4.◯
完全溶込み溶接および部分溶込み溶接の場合は、原則として、溶接部の始端および終端部に適切な材質・形状および長さを持った鋼製エンドタブを用いる。(公共建築工事標準仕様書)
[ No.31 ]
鉄骨の耐火被覆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.柱の耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて、各面に1箇所以上差し込んで確認した。
2.高層建物の耐火被覆材の吹付けは、ロックウール、セメント、せっこう、水を混合して圧送する乾式工法で行った。
3.巻付け工法において、耐火被覆材の取り付けに用いる固定ピンは、鉄骨にスポット溶接により取り付けた。
4.耐火板張り工法において、繊維混入けい酸カルシウム板は、一般に吸水性が大きいため、雨水がかからないよう養生を行い、接着剤と釘を併用して取り付けた。
答え
2
吹付けロックウールの乾式工法はロックウールとセメントを工場配合した材料と水を別々に圧送して、ノズルの先端で混合して吹き付ける工法である。(建築工事監理指針)
1.◯
耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて確認する。スラブ及び壁面については 2m2程度につき1箇所以上、柱は1面に各1箇所以上、梁は1本あたりウェブ両側に各1本、下フランジ端部両側に各1本差し込んで確認する。なお、確認ピンは、そのまま存置しておく。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
巻付け工法とは、高耐熱ロックウール、セラミックファイバーブランケットまたはそれらを複合したものを現場で鉄骨に巻き付け、ワッシャー付き鋼製の固定ピンを鉄骨にスポット溶接して留める工法であり、化粧仕上げも可能である。(建築工事監理指針)
4.◯
耐火被覆成形板は一般に吸水性が大きいため、建築物の外周部に当たる鉄骨架構の耐火被覆に使用する場合には、施工時に雨水が掛からないよう養生する必要がある。また、接着剤のみに頼ると施工後の時間経過に伴い耐火被覆成形板のはく落を生じる恐れがあるので、釘やかすがい等の金物で機械的に十分緊結することが重要である。(建築工事監理指針)
[ No.32 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷のつり上げに用いられる。
2.ジブクレーンの定格荷重は、フック等のつり具の重量を含めたものである。
3.ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下である。
4.建設用リフトの停止階には、荷の積卸口の遮断設備を設ける。
答え
2
ジブクレーン等ジブを有するものの定格荷重は、負荷させることのできる最大の荷重から、フック等の重量を控除した荷重のことである。(クレーン等安全規則)
1.◯
傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。
3.◯
ロングスパン工事用エレベーターは、昇降速度 10m/分以下で、数名の人員と長尺物の材料の運搬ができ、設置が簡単である。積載荷重は1t前後の機種が多い。(建築工事監理指針)
4.◯
建設用リフトの停止階には、安全上、荷の積卸口の遮断設備を設置する。(労働安全衛生規則)
[ No.33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における柱補強工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.溶接金網巻き工法において、溶接金網に対するかぶり厚さ確保のため、溶接金網は型枠建込み用のセパレーターに結束して固定した。
2.溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手は、溶接長さが片側 10 d(d はフープ 筋の径又は呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とした。
3.鋼板巻き工法において、 コ形に加工した2つの鋼板を 形に一体化する際、接合部の溶接は部分溶込み溶接とした。
4.連続繊維補強工法のシート工法において、シートの切り出し長さは、柱の周長にラップ長さを加えた寸法とした。
答え
3
角形鋼板や円形鋼板補強では、鋼板を2つ割以上に分割して工場製作し、現場にて完全溶込み溶接で一体化する。(建築改修工事監理指針)
1.◯
溶接金網は、型枠立て込み用セパレータ等に結束して、かぶり厚さを確保する。(建築改修工事監理指針)
2.◯
フープ等の継手は、溶接長さが片側10d(dはフープ筋の径または呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とする。(建築改修工事監理指針)
4.◯
シートの切り出しは、シートの割付け図にしたがって、連続繊維シートを切り出す。切り出し長さは、柱の周長にラップ長さ(200mm以上)を加えた寸法とする。(建築改修工事監理指針)
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image