第一次検定問題(午後の部)令和4年6月 12日(日)
※ 問題番号[ No.45 ] 〜 [ No.54 ]までの 10問題は、全問題を解答してください。
[ No.45 ]
工程計画及び工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。
2.工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材等の投入量の均等化を図る場合に用いる。
3.工程表は、休日や天候を考慮した実質的な作業可能日数を暦日換算した日数を用いて作成する。
4.基本工程表は、工事の特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程等を示したものである。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
工程計画には、大別して作業ごとにかかる日数を積み上げていく積上方式と、工期を決めて作業ごとの日程を割り付けていく割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、一般に、割付方式を採用する。
2.◯
工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のために山均しによる均等化を行う。
3.◯
工程表は、延べ日数(作業に実際に必要な日数)に対して、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出し、暦日換算を行い作成する。
4.×
基本工程表は、主要な工事項目の進捗とともに、各工事の作業手順と工期などを示したものである。特定の部分や職種を取り出し、それにかかわる作業、順序関係、日程などを示したものは、部分工程表や職種別工程表である。
[ No.46 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮や作業者の人数の削減を検討する。
2.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定しておく。
3.各作業は独立して行われるため、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。
4.一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるため、各工程は切れ目なく実施できる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中で、所要日数の短縮や作業者数の削減を検討する。
2.◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、タクト期間内で終わるように、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定して計画する。
3.×
各作業が連続して行われているため、1つの作業に遅れがあると、タクトを構成する工程全体への影響が大きい。
4.◯
一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる。
タクト工程
[ No.47 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。
1.品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行う。
2.品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。
3.品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。
4. 品質管理は、計画段階より施工段階で検討するほうが、より効果的である。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.×
品質管理の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行うことは適当ではない。品質計画はその目標のレベルに合わせた品質管理を行う必要がある。
2.×
品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない。
3.◯
品質管理では、品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。
4.×
品質管理は、施工段階より計画段階で検討するほうが、より効果的である。上流管理または川上管理という。
[ No.48 ]
鉄筋コンクリート工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スランプ 18cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、± 2.5 cmとした。
2.鉄筋圧接部における超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。
3.鉄筋圧接部における鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えたため、再加熱し加圧して偏心を修正した。
4.空気量 4.5 % のコンクリートの荷卸し地点における空気量の許容差は、± 1.5 %とした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
コンクリートスランプ 18cm のスランプの許容差は、± 2.5 cmである。(JIS A5308)
JIS A 5308 荷卸し地点でのスランプ許容差
2.◯
超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格となった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないかを超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編5.4.11(2)(ア))
3.×
主な不良圧接の補正は、下記のとおりである。
圧接部における相互の鉄筋の圧接面のずれ及び鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合等は、圧接部を切り取って再圧接しなければならない。再加熱により修正を行うのは、ふくらみの径・長さが足りない場合、著しい折れ曲がりが生じた場合に限られる。
不良圧接の補正
4.◯
コンクリートの空気量の許容差は、4.5%の場合、± 1.5 %である。(JIS A5308)
[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の解体工事における振動対策及び騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラを床部分に敷き、クッション材として利用した。
2.振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとの指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。
3.振動ピックアップの設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定した。
4.周辺環境保全に配慮し、振動や騒音が抑えられるコンクリートカッターを用いる切断工法を採用した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
壁等を転倒解体する際の振動対策として、先行した解体作業で発生したガラ(コンクリート破片)を床部分に敷き、クッション材として転倒する位置に敷くことは、振動、騒音の発生抑制、に有効である。
2.×
振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動する場合、変動ごとの指示値の最大値の平均を求め、その値を振動レベルとする。
3.◯
振動ピックアップとは、解体作業等の振動を検知し電気信号に変換する機器である。設置場所は、緩衝物がなく、かつ、十分踏み固めた堅い場所に設定する。
4.◯
鉄筋コンクリート造建築物の解体工事におけるコンクリートカッターを用いる切断工法は、振動や騒音の発生を抑制できるので、周辺環境保全に配慮した工法である。
[ No.50 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.労働災害における労働者とは、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。
2.労働災害の重さの程度を示す強度率は、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表す。
3.労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が業務上死傷又は罹病した災害をいう。
4.労働災害には、労働者の災害だけでなく、物的災害も含まれる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働基準法第9条)
2.◯
強度率とは、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数の割合で表すもので、災害の重さの程度を示す。
強度率 = 延労働損失日数 / 延労働時間数 × 1,000
3.◯
労働災害における重大災害とは、不休災害を含む一時に3名以上の労働者が死傷または罹病した災害をいう。
4.×
労働災害とは、労働者が労務に従事したことにより、負傷、疾病、死亡することをいう。労働災害には、物的災害を含まれない。(労働安全衛生法第2条第一号)
[ No.51 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋コンクリート造建築物の解体工事において、防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置した。
2.建築工事を行う部分の高さが地盤面から 20 m のため、防護棚を2段設置した。
3.外部足場に設置した防護棚の敷板は、厚さ 1.6 mm の鉄板を用い、敷板どうしの隙間は3cm 以下とした。
4.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るため、当該敷地所有者の許可を得た。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
建築解体工事においる防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音シートを設置する。
2.◯
防護棚は、建築工事を行う部分が、地盤面からの高さが10m以上の場合にあっては1段以上、20m以上の場合にあっては2段以上設ける。(建築工事公衆災害防止対策要綱建築工事編第28の1)
3.×
防護柵(朝顔)の敷板は、厚さ30mm程度のひき板、合板足場板または厚さ1.6mm以上の鉄板を用い、足場板または鉄板は、隙間のないようにする。(JASS2)
4.◯
発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。
[ No.52 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生規則」 上、定められていないものはどれか。
1.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状 況を監視すること。
2.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。
3.地山の掘削作業主任者は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。
4.土止め支保工作業主任者は、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することと規定されている。(労働安全衛生規則第247条第三号)
2.×
事業者が行うべき事項として、作業の方法及び順序の作業計画を定めることと規定されている。(労働安全衛生規則第517条の2及び5)
3.◯
地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定されている。(労働安全衛生規則第360条第一号)
4.◯
土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことと規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)
[ No.53 ]
事業者の講ずべき措置に関する記述 として、「労働安全衛生規則」 上、誤っているものはどれか。
1.強風、大雨、大雪等の悪天候のため危険が予想されるとき、労働者を作業に従事させてはならないのは、作業箇所の高さが3m以上の場合である。
2.安全に昇降できる設備を設けなければならないのは、原則として、高さ又は深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う場合である。
3.自動溶接を除くアーク溶接の作業に使用する溶接棒等のホルダーについて、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。
4.明り掘削の作業において、掘削機械の使用によるガス導管、地中電線路等地下工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、掘削機械を使用させてはならない。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
事業者は、高さが 2m 以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業に労働者を従事させてはならない。(労働安全衛生規則第522条)
2.◯
事業者は、高さまたは深さが 1.5m をこえる箇所で作業を行う時は、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設けなければならない。ただし、安全に昇降するための設備等を設けることが作業の性質上著しく困難な時は、この限りでない。(労働安全衛生規則第526条第1項)
3.◯
事業者は、アーク溶接等(自動溶接を除く。)の作業に使用する溶接棒等のホルダーについては、感電の危険を防止するため必要な絶縁効力及び耐熱性を有するものでなければ、使用させてはならない。(労働安全衛生規則第331条第)
4.◯
事業者は、明り掘削の作業を行う場合において、掘削機械、積込機械及び運搬機械の使用によるガス導管、地中電線路その他、地下に在する工作物の損壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、これらの機械を使用してはならない。(労働安全衛生規則第363条第)
[ No.54 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務に関する記述として、「酸素欠乏症等防止規則」 上、誤っているものはどれか。
1.酸素欠乏危険作業については、衛生管理者を選任しなければならない。
2.酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは、その記録を3年間保存しなければならない。
3.酸素欠乏危険場所では、原則として、空気中の酸素の濃度を 18%以上に保つように換気しなければならない。
4.酸素欠乏危険場所では、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、又は容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
事業者は、酸素欠乏危険作業については、第1種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、第2種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏作業主任者を選任しなければならい。(酸素欠乏症等防止規則第11条第1項)
2.◯
事業者は、労働安全衛生法施行令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第2種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあっては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。事業者は、測定を行ったときは、そのつど、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果などを記録して、これを3年間保存しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第3条)
3.◯
事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を 18%以上(第2種酸素欠乏危険作業に係る場所にあっては、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下)に保つように換気しなければならない。ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合または作業の性質上換気することが著しく困難は場合は、この限りでない。(酸素欠乏症等防止規則第5条第1項)
4.◯
事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、空気中の酸素の濃度測定を行うため必要な測定器具を備え、または容易に利用できるような措置を講じておかなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第4条)
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