※ 問題番号[ No.21 ]〜[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No. 21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.構台の大引材や根太材の構造計算は、強度検討のほかに、たわみ量についても検討した。
2.乗入れ構台は、車の通行を2車線とするため、幅を 5 m とした。
3.乗入れ構台の支柱と山留めの切梁支柱は、荷重に対する安全性を確認したうえで兼用する計画とした。
4.乗込みスロープは、構台への車両の出入りに支障がないようにするため、勾配を 1 / 8とした。
答え
2
使用する施工機会、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4〜10mである。最小限1車線で4m、2車線で6m程度は必要である。
1 ◯
大引材や根太材の構造計算は、強度検討のほかに、たわみ量の検討をしなければならない。強度的には問題がなくとも、たわみが垂直方向の揺れとなって、作業に支障をきたすおそれがあるので注意しなければならない。
3 ◯
山留めの支柱と構台支柱をやむを得ず兼用する場合は、切梁から伝達される荷重・構台自重、その上に作用する積載荷重を合わせた荷重に対して、十分安全であるように計画、施工する。
4 ◯
乗込みスロープの勾配は、1/10 〜 1/6 程度である。使用する重機・車両の種類によって腹を擦らないように事前に調査を行う。
[ No. 22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ボイリングとは、掘削底面付近の砂地盤に上向きの水流が生じ、砂が持ち上げられ、掘削底面が破壊される現象をいう。
2.パイピングとは、粘性土中の弱い所が地下水流によって局部的に浸食されて孔や水みちが生じる現象をいう。
3.ヒービングとは、軟弱な粘性土地盤を掘削する際に、山留め壁の背面土のまわり込みにより掘削底面の土が盛り上がってくる現象をいう。
4.盤ぶくれとは、掘削底面やその直下に難透水層があり、その下にある被圧地下水により掘削底面が持ち上がる現象をいう。
答え
2
パイピングとは、水位差のある砂質地盤中にクイックサンドが発生し、これが地盤中に拡大して地盤内にパイプ状の孔や水みちができる現象をいう。
1 ◯
ボイリングとは、砂質地盤中を上向きに流れる地下水の圧力により、砂粒子が掘削底面kら沸き上がるような状態でその付近の地盤が破壊する現象をいう。
3 ◯
ヒービングは、軟弱な粘性土地盤を掘削する際に、山留め壁の背面土の重さにより、背面土留め壁の下をまわり込んで、掘削した底面の土が押し上げられて盛り上がる現象である。
4 ◯
盤ぶくれは、掘削した底面やその直下に不透水層土層があり、その下に透水性土層があると、不透水性土層の下面に上向きに地下水の圧力がかかり、掘削した底面が持ち上がる現象である。
[ No. 23 ]
地下水処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ウェルポイント工法は、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層程度の地盤に用いられる。
2.ディープウェル工法は、透水性の低い粘性土地盤の地下水位を低下させる場合に用いられる。
3.リチャージ工法は、排水に伴う周辺の井戸枯れの防止に有効であるが、水質が問題になることがある。
4.釜場工法は、根切り部への浸透水や雨水を、根切り底面に設けた釜場に集め、ポンプで排水する重力排水工法の1つである。
答え
2
ディープウェル工法は、砂層や砂礫層など、透水性の高い地盤の水位を低下させるのに用いられる。
透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層程度の地盤に適用可能である。
3 ◯
リチャージ工法は、周辺の井戸枯れや地盤沈下等を生じる恐れのある場合の対策として有効である。ただし、揚水時に空気に触れて酸化するなど化学変化が発生し水質が問題になることがある。
4 ◯
釜場工法は、根切り部への浸透、流水してきた水を、釜場と称する根切り底面よりやや深い集水ピットに集め、ポンプで排水する最も簡便な工法で、重力排水工法の1つである。
[ No. 24 ]
場所打ちコンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として溶接により接合する。
2.オールケーシング工法における孔底処理は、孔内水がない場合やわずかな場合にはハンマーグラブにより掘りくずを除去する。
3.アースドリル工法の掘削深さの確認は、検測器具を用いて孔底の2箇所以上で検測する。
4.リバース工法における2次スライム処理は、一般にトレミー管とサクションポンプを連結し、スライムを吸い上げる。
答え
1
鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として鉄線で結束して組み立てる。
2 ◯
オールケーシング工法の1次スライム処理は、ドライ掘削や孔内水位の低い場合は、掘りくずや沈殿物の量が少ないので、掘削完了後にハンマーグラブで静かに孔底処理(孔底のさらい)を行う。
3 ◯
アースドリル工法の掘削深さは、検測テープにより深度を検測する。その場合、孔底の2箇所以上で行う。
4 ◯
スライムの2次処理のサクションポンプ方式は、トレミー管とサクションポンプを連結し、スライムを吸い上げて排水する。プランジャー方式のプランジャーは、水中でコンクリートを打ち込む場合にトレミー管を用いて使用する小型の部品で、コンクリートの打込み前にトレミー管の中に入れておく。
[ No. 25 ]
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、d は 異形鉄筋の呼び名の数値又は丸鋼の径とする。
1. D35 の異形鉄筋を用いる梁主筋を L 形に加工する際に、一辺の加工寸法の許容差を±20 mm とした。
2. SD345、D25 の異形鉄筋を 90°折曲げ加工する場合の内法直径は、3dとした。
3. 梁の片側がスラブと一体となる L 形梁において、U 字形のあばら筋とともに用いるキャップタイは、スラブ付き側の末端部を 90°曲げとし、余長を 8 d とした。
4. 梁せいが2m の基礎梁を梁断面内でコンクリートの水平打継ぎとするので、上下に分割したあばら筋の継手は、180°フック付きの重ね継手とした。
答え
2
SD345において、D25の折曲げ内法の直径は、4d(dは鉄筋径)以上とする。(JASS5)
1 ◯
D29以上 D41以下の梁主筋を L 形に加工する際に、一辺の加工寸法の許容差を ±20 mm とする。
3 ◯
L形梁のあばら筋を U字形とする場合、上部のキャップの末端部は、折曲げ角度 90° 、余長 8d 以上とする。
4 ◯
基礎梁の梁せいが 2m以上となり、基礎梁断面内のコンクリートの水平打継ぎを設ける際、あばら筋に重ね継手を設ける場合は、異形鉄筋でフック付きとする。
[ No. 26 ]
異形鉄筋の継手及び定着に関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1. 梁の主筋を重ね継手とする場合、水平重ね、上下重ねのいずれでもよい。
2. 一般階における四辺固定スラブの下端筋の直線定着長さは、10 d 以上、かつ、150 mm 以上とする。
3. 梁の主筋を重ね継手とする場合、隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの 1.0 倍ずらす。
4. 柱頭及び柱脚のスパイラル筋の末端の定着は、1.5 巻以上の添巻きとする。
答え
3
重ね継手は、1箇所に集中することなく、相互にずらして設けることを原則とする。重ね継手の長さ分ずらすと、継手の端が1箇所に集中し、コンクリートのひび割れの原因となるので避ける。
1 ◯
梁主筋を重ね継手は、水平重ね、または上下重ねとする。
2 ◯
四辺固定スラブの下端筋の直線定着長さは、10 d 以上、かつ、150 mm 以上とする。
4 ◯
スパイラル筋の末端部は、1.5 巻以上の添巻き及び重ね継手部は 50d の重ね長さとする。
[ No. 27 ]
厚さ 20 cm の鉄筋コンクリートスラブを通常のポンプ工法で打ち込む場合の型枠の設計に用いる鉛直荷重として、最も適当なものはどれか。 ただし、鉄筋を含んだコンクリートの単位容積重量を 23.5 kN/m3、型枠の自重は 400N/m2 とする。
1. 4,700 N/m2
2. 5,100 N/m2
3. 6,200 N/m2
4. 6,600 N/m2
答え
4
スラブ型枠設計用荷重(T.L)は、通常のポンプ工法の場合、次式により算出する。
T.L = D.L + L.L
D.L(固定荷重):
コンクリート、型枠の自重で、出題分より23.5kN/m3 × 0.2m
に型枠の質量として400 N/m2を加える。
L.L(作業荷重 + 衝撃):
「労働安全衛生規則」により、1,500N/m2とする。
したがって、鉛直荷重の合計Wは、
W = 23,500 N/m2 × 0.2 + 400 N/m2 + 1,500 N/m2
= 6,600 N/m2
となる。
[ No. 28 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.調合管理強度が 21 N/mm2の普通コンクリートの場合のスランプは、21 cm を標準とする。
2.計画供用期間の級が標準供用級において、普通ポルトランドセメントを用いる場合の水セメント比の最大値は 65 % とする。
3.単位水量の最大値は、185 kg/m3 とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。
4.構造体強度補正値は、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢 28 日までの期間の予想平均気温の範囲に応じて定める。
答え
1
調合管理強度が21N/mm2の普通コンクリートのスランプは、18p以下とする。(JASS5)
2 ◯
水セメント比とは、セメントに対する水の質量比である。すなわち、水/セメント = W/C(%)で表す。水セメント比の最大値を示す。一般的には、65%以下とする。(低熱ポルトランドセメント、混合セメントB種は 60%以下)
3 ◯
コンクリートの品質を確保するために、単位水量は一般に、185 kg/m3 以下とし、所要の品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。単位水量が大きくなると乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、特に耐久性上好ましくない。
4 ◯
構造体強度補正値は、特記による。特記のない場合は、セメントの種類及びコンクリートの打込みから材齢 28日までの予想平均気温の範囲に応じて定める。
[ No. 29 ]
コンクリートの打込み及び締固めに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.同一区画のコンクリート打込み時における打重ね時間は、先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内とした。
2.打継ぎ面のレイタンスを高圧水洗により取り除き、健全なコンクリートを露出させてから打ち継いだ。
3.梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は、梁及びスラブの端部に設けた。
4.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて、加振時間を1箇所 10 秒程度とした。
答え
3
梁及びスラブの鉛直打ち継ぎ部は、一般に応力の小さい、スパン中央付近または端からスパンの1/4〜1/3付近に設ける。
1 ◯
同一区画の打込み継続中における打重ねる時間は、コールドジョイントを発生させないために、先に打ち込まれコンクリートの再振動可能時間以内とする。
2 ◯
打継ぎ面は、レイタンスが溜まって、ぜい弱なコンクリートになりやすい。その上に新しいコンクリートを打ち込んでも付着性が十分得られないので、高圧水洗等によりこのような部分を取り除き、健全なコンクリートを露出させてから打ち継ぐ。
4 ◯
コンクリート内部振動機で締め固める場合の加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、1箇所 5〜15秒の範囲とするのが一般的である。
[ No. 30 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.呼び径が M22 のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 25 mmを加えた値を標準とした。
2.高力ボルトの締付け後の余長の検査において、ナット面から突き出たねじ山が、1〜6山の範囲にあるものを合格とした。
3.呼び径が M24の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約 200 N・m とした。
4.ボルト頭部又はナットと接合部材の面が 1/20を超えて傾斜している箇所には、勾配座金を使用した。
答え
1
呼び径がM22のトルシア形高力ボルトの長さは締付け長さに35mmを加えた値を標準とする。
2 ◯
ボルトの余長は、ねじ山の出が 1〜6山のものを合格とする。
3 ◯
呼び径が M24の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約200 N・m(約20,000 N・cm)とする。
4 ◯
ボルト頭部またはナットと接合部材が 1/20 を超えて傾斜している場合は、勾配座金を使用する。また、勾配座金は通し座金にするのが良い。
[ No. 31 ]
鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁の高力ボルト接合では、梁の上フランジのスプライスプレートをあらかじめはね出しておき、建方を容易にする。
2.ウェブを高力ボルト工事現場接合、フランジを工事現場溶接接合とする混用接合は、原則 として高力ボルトを先に締め付け、その後溶接を行う。
3.建方時の予期しない外力に備えて、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。
4.柱の溶接継手のエレクションピースに使用する仮ボルトは、普通ボルトを使用して全数締め付ける。
答え
4
柱の溶接継手のエレクションピースの仮ボルトは、建方に必要な本数だけが設けられているので、高力ボルトを使用して全数締め付ける。
1 ◯
柱のブラケットに梁を接合する場合、梁の上フランジの上側スプライスプレートをブラケット側に伸ばし、つり下げた梁の位置を決めると組立てが容易になる。
2 ◯
ウェブを高力ボルト接合、フランジを工事現場溶接接合とする混用接合は、原則としてウェブの高力ボルトを先に本締めまで行った後、フランジ溶接を行う。
3 ◯
建方直後の鉄骨軸組は、仮ボルトのみによって架構の安全が保たれている。建方中のクレーンブームやつりへの荷の接触、または強風・突風等の予想外の外力に対して最低限の安全を確保するため、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。
[ No. 32 ]
建設機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.クラムシェルは、垂直掘削深さが 40 m 程度までの軟弱地盤の掘削に用いられる。
2.最大混合容量 4.5 m3 のトラックアジテータの最大積載時の総質量は、約 20 t である。
3.ブルドーザーの平均接地圧は、全装備質量が同程度の場合、普通ブルドーザーより湿地ブ ルドーザーの方が大きい。
4.油圧式トラッククレーンのつり上げ性能は、アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最短にし、ジブの傾斜角を最大にしたときにつり上げることができる最大の荷重で示す。
答え
3
全装備10tの場合、湿地ブルドーザーの接地圧は約0.3kgf/p2であるのに対し、一般ブルドーザーは約0.6kgf/p2である。湿地ブルドーザーの平均接地圧は、普通ブルドーザーより小さい。
1 ◯
クラムシェルの最大掘削深さは 40 m 程度であり、軟弱地盤の掘削に適している。
2 ◯
トラックアジテータは、トラックシャシの上にミキサー装置を架装したものである。最大混合容量が 4.5 m3 のミキサー装置には 10tのトラックシャシが使用され、普通コンクリートの重量は約 2.3 t/m3 × 4.5 m3 = 10.35 t となるので、最大積載時の総重量は約 20 tとなる。
4 ◯
油圧式トラッククレーンのつり上げ性能は、アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最短に、傾斜角を最大にしたときに負荷させることができる最大荷重に、フック等のつり具の質量を含んだつり上ゲ荷重で示される。
[ No. 33 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の躯体解体工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.圧砕機の地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、オペレーターの視界を確保した。
2.圧砕機の階上作業による解体に先立ち、解体したコンクリート塊を下部に落とすための開口部をハンドブレーカにより各階に設けた。
3.大型ブレーカの階上作業によるスラブや梁など水平材の解体作業は、大型ブレーカの走行階の部材を後退しながら解体した。
4.外壁の転倒解体工法において、1回の転倒解体部分は、柱2本を含み、幅は1〜2スパン 程度とし、高さは2層分とした。
答え
4
外壁の転倒解体は、安全上、転倒体の大きさが過大とならないように、高さは1層分以下、幅を1〜2スパン程度とし、また、原則として、柱2本以上を含むようにして、転倒時のねじれ発生を防止する。
1 ◯
圧砕機により地上にて解体する場合は、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、オペレーターの視界を確保する必要がある。
2 ◯
圧砕機により階上作業を解体するのに先立ち、解体したコンクリート塊を下部に落とすための開口部をハンドブレーカにより各階に設けるようにする。
3 ◯
大型ブレーカの階上作業によるスラブや梁など水平材の解体作業は、大型ブレーカの走行階の部材を後退しながら解体する。
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