(午前の部)令和4年6月 12 日(日)
※ 問題番号 [ No.31 ] 〜 [ No.39 ]までの9問題のうちから、7問題を選択し、解答してください。
[ No.31 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 加硫ゴム系シート防水の接着工法において、平場部の接合部のシートの重ね幅は 100mm以上とし、立上り部と平場部との重ね幅は 150mm 以上とした。
2. 加硫ゴム系シート防水の接着工法において、出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。
3. 塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において、下地が ALC パネルのため、プライマーを塗布した。
4. エチレン酢酸ビニル樹脂系シート防水の密着工法において、接合部のシートの重ね幅は、幅方向、長手方向とも 100 mm 以上とした。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
加硫ゴム系シート防水の接着工法において、重ね幅は平場部の接合部は 100mm以上、立上り部と平場部の接合部は 150mm 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.4.4(6)(エ))
2.×
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)
3.◯
下地ALCパネル面に塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法で施工する場合に、ALC パネル面にプライマーを塗布する。
4.◯
エチレン酢酸ビニル樹脂系シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場の接合幅は、長手、幅方向とも100mm以上とする。(JASS8)
[ No.32 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 外壁ALCパネル張りに取り付けるアルミニウム製建具の周囲の目地シーリングは、3面接着とした。
2. 先打ちしたポリウレタン系シーリング材に、ポリサルファイド系シーリング材を打ち継いだ。
3. シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとした。
4. コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは、2成分形変成シリコーン系シーリング材を用いた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
一般に、ALCパネルに取り付けるサッシ回りの目地はワーキングジョイントであり、目地シーリングは2面接着とする。
2.◯
ポリウレタン系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリサルファイド系等がある。(JASS8)
3.◯
シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとする。シーリング材の打始めは、原則として、目地の交差部あるいは角部から行う。(公共建築工事標準仕様書建築工事編9.7.4(4)(キ))
4.◯
コンクリートの水平打継ぎ目地のシーリングは、ノンワーキングジョイントのため、3面接着とし、塗装がない場合、1・2成分形変成シリコーン系シーリング材または2成分形ポリサルファイド系シーシング材を用いる。
[ No.33 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 密着張りの張付けモルタルは2度塗りとし、タイルは、上から下に1段置きに数段張り付けた後、それらの間のタイルを張った。
2. モザイクタイル張りの張付けモルタルは2度塗りとし、1層目はこて圧をかけて塗り付けた。
3. 改良積上げ張りの張付けモルタルは、下地モルタル面に塗り厚4mm で塗り付けた。
4. 改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りとし、その合計の塗り厚を5mmとした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
密着張りの張付けモルタルは2度塗りとし、タイルは、上から下に1段置きに数段張り付けた後、それらの間のタイルを張る。
2.◯
モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗り付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこするように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張り付けモルタルが食い込むようにし、次いで張り付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし、定規を用いてむらのないように塗厚を均一にする。(建築工事監理指針)
3.×
改良積上げ張りは、張付けモルタルを塗厚7〜10mmとしてタイル裏面に塗り付けた状態で張り付ける。(JASS19)
4.◯
改良圧着張りの下地面への張付けモルタルは2度塗りとし、その合計の塗り厚を4〜6mmとする。タイル側への塗付けの場合、1〜3mmとする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編11.2.6(3)(ア))
[ No.34 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを 45mm とした。
2. 通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリルねじで、下葺材、野地板を貫通させ母屋に固定した。
3. 棟部の納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設け、棟包みを取り付けた。
4. けらば部の溝板の幅は、瓦棒の働き幅の 1/2以下とした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
水上部分と壁との取合い部に設ける雨押さえは壁部で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)
2.◯
通し吊子はマーキングに合わせて平座金を付けたドリルねじで、下葺材、野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)
3.◯
棟部の納めは、溝板の水上端部に八千代折とした水返しを設ける。当該部分に棟包みを取り付けて覆い被せる。(建築工事監理指針)
4.◯
けらば部の溝板の幅は、心なし瓦棒の働き幅の 1/2 以下とする。(建築工事監理指針)
[ No.35 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 上塗材は、0.3 kg/m2 を2回塗りとした。
2. 主材の基層塗りは、1.7 kg/m2 を2回塗りとした。
3. 出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に行う増塗りは、主材塗りの後に行った。
4. 主材の凹凸状の模様塗りは、見本と同様になるように、吹付け工法により行った。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
上塗材は、0.25 kg/m2 以上を2回塗りで、色むらが生じないように塗り付ける。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1(その3))
2.◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は、1.7 kg/m2 以上とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 表15.6.1(その3))
3.×
入隅、出隅、目地部、開口部まわりなど均一に塗りにくい箇所は、はけやコーナー用ローラーなどで、主材塗りの前に増塗りを行う。
4.◯
主材の凹凸状の模様塗りは、見本と同様になるように、吹付け工法により行う。
[ No.36 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 連窓の取付けは、ピアノ線を張って基準とし、取付け精度を2mm 以内とした。
2. 建具枠に付くアンカーは、両 端から逃げた位置にあるアンカーから、間隔を 500 mm 以下で取り付けた。
3. 外部建具周囲の充填モルタルは、NaCl 換算 0.04 %(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。
4. 水切り及び膳板は、アルミニウム板を折曲げ加工するため、厚さを 1.2 mm とした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
アルミニウム製建具の取付け精度は ±2mmとする。連窓の取付けの基準は、ピアノ線を張って施工する。
2.◯
アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)
3.◯
充填モルタルに使用する砂の塩化物量は、NaCl 換算 0.04 %(質量比)以下とする。海砂等を使用する場合は除塩する。
4.×
アルミニウム板を加工して、枠、框、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)
[ No.37 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 薬品を使用する実験室の塗床は、平滑な仕上げとするため、流し展べ工法とした。
2. 合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの乾燥後に行 った。
3. エポキシ樹脂系コーティング工法のベースコートは、コーティング材を木ごてで塗り付けた。
4. エポキシ樹脂系モルタル塗床の防滑仕上げは、トップコート1層目の塗布と同時に骨材を散布した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
流し展べ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)
2.◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルでの下地調整を行う場合は、プライマーを塗布し乾燥後に行うのが一般的である。(建築工事監理指針)
3.×
コーティング工法は一般に、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂に着色剤、充填剤、溶剤または水、仕上調整剤などの添加剤を配合した低粘土の液体(ベースコート)を、ローラーあるいはスプレーにより1〜2回塗布する工法である。(JASS26)
4.◯
エポキシ樹脂系モルタル塗床の防滑のための骨材散布は、トップコート1層目の塗布と同時に行う等、上塗り1回目が硬化する前に製造所が指定する骨材をむらのないように均一に塗布する。(建築工事監理指針)
[ No.38 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. テーパーエッジボードの突付けジョイント部の目地処理における上塗りは、ジョイントコンパウンドを幅 200 〜 250 mm 程度に塗り広げて平滑にした。
2. せっこう系接着材による直張り工法において、ボード中央部の接着材を塗り付ける間隔は、床上 1,200 mm 以下の部分より、床上 1,200 mm を超える部分を小さくした。
3. せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は、厚さ9.5 mm のボードで 20 mm 程度、厚さ 12.5 mm のボードで 25 mm 程度とした。
4. ボードの下端部は、床面からの水分の吸上げを防ぐため、床面から 10 mm 程度浮かして張り付けた。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
テーパーエッジボードの突付けジョイント部における目地処理の上塗りは、幅 200 〜 250 mm 程度にジョイントコンパウンドを塗り広げて平滑にする。(建築工事監理指針)
2.×
せっこう系接着材直張り工法における張付け用接着材の塗付け間隔は、ボード周辺部を150〜200mm、床上1.2m以下の部分を200〜250mm、床上1.2mを超える部分を250〜300mmとする。したがって、ボード周辺部の方が塗付け間隔は小さくなる。
3.◯
せっこう系接着材による直張り工法において、躯体から仕上がり面までの寸法は、厚さ9.5 mm のボードで 20 mm 程度、厚さ 12.5 mm のボードで 25 mm 程度とする。
4.◯
ボードの下端部は、床面からの吸水を防止するため、床面から 10mm 程度浮かして張り付ける。(建築工事監理指針)
[ No.39 ]
外壁の押出成形セメント板(ECP)張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 縦張り工法のパネルは、層間変形に対してロッキングにより追従するため、縦目地を 15mm、横目地を8mm とした。
2. 二次的な漏水対策として、室内側にはガスケット、パネル張り最下部には水抜きパイプを設置した。
3. 幅 600 mm のパネルへの欠込みは、欠込み幅を 300 mm 以下とした。
4. 横張り工法のパネル取付け金物(Z クリップ)は、パネルがスライドできるようにし、パネル左右の下地鋼材に堅固に取り付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
長辺の目地幅は 8mm以上、短辺の目地幅は15mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)したがって、縦張り工法のパネルは、縦目地を 8mm以上、横目地を15mm以上とする。
2.◯
漏水に対する対策が特に必要な場合は、シーリングによる止水のみだけでなく、二次的な漏水対策として、室内側にはガスケット、パネル張り最下部には水抜きパイプを設ける。(建築工事監理指針)
3.◯
欠込み幅の限度は、パネル幅の 1/2以下、かつ、300mm 以下とする。
4.◯
層間変形に対して、縦張り工法の場合はロッキング、横張り工法の場合はパネルのスライドにより変位を吸収する。また、横張り工法のパネル取付け金物(Z クリップ)は、パネル左右の下地鋼材に堅固に取り付ける。(JASS27)
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