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基本事項
海水の作用を受けるコンクリート
海水、海水滴又は飛来塩分の影響を受けるおそれのある
部分のコンクリートに適用される。
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JASS5の区分によると塩害環境の区分は以下のようになる
有害環境の区分
@重塩害環境
・飛来塩分量 25mD・D
・地域と立地条件の例
日本海側、沖縄県全域等の地域で
汀線から 20m 程度の範囲
A塩害環境
・飛来塩分量 13を超え25mD・D以下
・地域と立地条件の例
日本海側、沖縄県全域等の地域で
汀線から 20〜70m 程度の範囲
B準塩害環境
・飛来塩分量 4を超え13 mD・D以下
・地域と立地条件の例
日本海側、沖縄県全域等の地域で
汀線から 20〜150m 程度の範囲
※ mD・D:飛来塩分の単位
mg/dm2/day、 1dm=0.1m
重塩害環境、又は塩害環境に位置する場合の塩害対策は、
次の@からBのいづれか、又はその組み合わせによる。
@コンクリートの表面に
塩化物イオンの透過性が小さい表面皮膜材を施し、
コンクリート中への塩化物イオンの浸透を抑制する。
A鉄筋を防錆処理する、又は耐食鉄筋を使用する。
Bその他、特殊な鉄筋防食抑制方法を採用する。
なお、許容最大ひびわれ幅は 0.2mm
水セメント比の最大値は
塩害環境、準塩害環境で
普通ポルトランドセメントの場合、 45%及び 55%以下
高炉セメントB種の場合で、 50%及び 60%以下
かぶり厚さは
塩害環境では計画供用期間 短期の場合
50 (普通 Fc=36、BB Fc=33)
60 (普通 Fc=33、BB Fc=30)
準塩害環境では計画供用期間 短期の場合
40 (普通 Fc=36、BB Fc=24)
50 (普通 Fc=33、BB Fc=21)
供用期間 標準の場合
40 (普通 Fc=36、BB Fc=33)
50 (普通 Fc=33、BB Fc=30)
60 (普通 Fc=30、BB Fc=24)
供用期間 長期の場合
50 (普通 Fc=36、BB Fc=33)
60 (普通 Fc=33、BB Fc=30)
その他、海洋の作用を直接うける場合の注意点
◆打継目は塩化物イオン等の侵入において弱点となるため、
干満部に打継目を設けるのはできるだけ避け、
最高潮位から上 60 pと最低潮位から下 60p との間の
干満部には打継目を設けないように
連続作業でコンクリートを打ち込む。
◆海水が凍結融解作用に及ぼす影響(メカニズム)
については多くの諸説があり、現在もなされているが、
海水がコンクリートに浸透して凍結融解作用が生じると、
淡水の場合よりも凍害の劣化が激しくなること
が知られている。
◆海水中の硫酸マグネシウム ( MgSO4 )は、
セメントの水和生成物である
水酸化カルシウム ( Ca(OH)2 )と反応して、
膨張性の二水石こうと水酸化マグネシウム ( Mg(OH)2 )を生成する。
さらに、二水石こうの一部は
セメント中のアルミン酸三カルシウム ( C3A )と反応して
エトリンガイドを生成し、
そのエトリンガイドが吸水膨張することで、
コンクリートが破壊する。
◆JASS5では
セメント種類・塩害区分に応じて、
土木学会示方書では
現場施工か工場製品か等の施工条件・環境区分に応じて、
水セメント比の最大値を定めている。
この規定によれば、塩害環境下である飛沫帯では
45%以下とする必要がある。
ただし、土木学会示方書では、
実績、研究成果により確かめられたものは
最大の水セメント比を 5〜10%大きくしてもよいとあり、
55%とすることを認めている。
◆コンクリート中の鋼材腐食は、
海水に含まれる塩化物イオン( CL- )が
コンクリート中に侵入し、
鋼材位置の塩化物イオン濃度が
ある濃度以上に達したときに、
鋼材周囲の不動態皮膜が破壊されることで開始する。
つぎに、コンクリートの体積膨張によるひび割れは、
海水に含まれる硫酸マグネシウム ( MgSO4)が、
セメントの水和生成物である水酸化カルシウム ( Ca(OH)2 )と反応して、
膨張性の石こうの結晶と水酸化マグネシウム ( Mg(OH)2 )を生成し、
さらに石こうの一部がセメント中のアルミン酸三カルシウム ( C3A )
と反応して膨張性のエトリンガイドを生成することで生じる。
つまり、鋼材防食の原因物質は、
硫酸マグネシウム ( MgSO4)という化学物質である。
コンクリートの多孔質化は、海水に含まれる ( MgCl2 )が
セメントの水和生成物である水酸化カルシウム( Ca(OH)2 )
と反応して、水溶性の塩化カルシウムを形成することで生じる。
つまり、( MgCl2 )が該当する化学物質である。
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