工事現場溶接A
【 タイトフレーム溶接 】
折板屋根で、小梁上のタイトフレーム取付けに際して溶接長さの規定
タイトフレームの幅、板厚および必要溶接長は、想定される風荷重に対する必要強度で決定される。
参考として、(一社)日本金属屋根協会のHPに、「タイトフレームを溶接する」というタイトルの テクニカルレポートが公開されており、その中にタイトフレーム耐風強度計算について記述されている。
タイトフレームの形状
ただし、小梁などの母材に直接タイトフレームを溶接する際には、ショートビートにならないよう溶接長40mm以上を確保すること。
溶接長さが短い例
出典:(一社)日本金属屋根協会 テクニカルレポート
「(8)タイトフレームを溶接する」
【 タイトフレーム溶接 】
さび止めペイントの上から行なうタイトフレームの溶接
さび止めペイントは、溶接のアークの熱により消失しますので強度的な影響は、ほとんどないと考えらるが、製作工場でさび止めペイントの塗装を行なう場合は、塗膜厚が厚い場合があるので、その場合は、ケレンを行う。
いずれも、溶接後のアンダーカット、ピット、割れ等の外観検査は十分に行う。また、溶接後のさび止めペイントのタッチアップを忘れずに行う。
さび止めペイントの上から溶接を行った例
【 風養生 】
ノンブラケット梁の工事現場溶接における効果的な風養生方法
防風設備に用いる養生シートは、ガス溶断、ガウジングによる火花から着火しない不燃性のものとし、これをユニット足場などの溶接足場設備の周りや建物外周に沿って取り付ける。
また補助的な防風対策としてフランジに左右からプレートで作成された防風装置をはめ込むなどの方法がある。 工事現場溶接業者と協議して検討を行う。
溶接部近傍のみを囲う防風装置の例
出典:(一社)日本建築学会_鉄骨工事技術指針・工事現場施工編、2018
【 材料保管 】
溶接材料の保管に関して注意すべき点
工事現場溶接を対象とした溶接ワイヤ、溶接棒や副資材は、雨水がかからないように保管する必要がある。保管方法としてコンテナが最適であるが、無い場合は直置きはせず、木製すのこなどの上に置き、シートを掛ける、特に被覆棒はビニールでしっかりとくるみ、溶接するときは携帯用乾燥器を使用する。
被覆アーク溶接棒の携帯用乾燥器
出典:(一社)日本建築学会 鉄骨工事技術指針・工事現場施工編、2018
【 電磁波 】
工事現場溶接時の電磁波が、既存の病院の機器類に与える影響
一般のガスシールドアーク溶接では電流は200~300A程度あり、影響が懸念される場合の対 策として以下の方法などがある。
@電気の流れ道(キャブタイヤケーブル)から機器までの離隔を大きくする。
A電流を小さくする。
Bアースを溶接位置に近づける。
ちなみにスタッド溶接は1回あたりの電流が2000A前後となり、影響が大きくなる。 磁気センサを用いた離隔距離、アース長を各々変えて、溶接時の磁気雑音の大きさを磁気セン サーなどで測定する実験等で、確認をするのが望ましい。
離隔距離(アース長)と磁気雑音の大きさの関係
(注) JEITA:(一社) 電子情報技術産業協会
イミュニティレベル : 特定の機器、装置、またはシステムにおいて、それらが要求される程度の性能で動作しうる電磁妨害の最大印加レベル
【 示温塗料 】
示温塗料がパス間温度を管理できる原理
示温材とは、温度チョークのように所定温度で融解するものとは異なり、物質の組成が熱により変 化する現象を利用して温度を視覚で感知できるようにしたもの。こうした示温材の中で、いった ん変色すると元に戻らない不可逆性を利用して開発されたものが、示温塗料。
示温塗料はその目的とする温度および加熱時間と加熱速度などに応じて変色する。従って同じ 温度といえども、その温度を何度も繰り返すほど、変色域が長くなります。 このように示温塗料は 変色する長さを制限することで、「熱の総量」を管理するものであり、各パスでの具体的なパス間温 度を確認・管理するものではないので注意が必要である。各パスのパス間温度の確認・管理 には各種温度計や温度チョークを用いる。
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