令和元年6月建設業法改正に伴い、1級建築施工管理技術検定試験は、令和3年4月1日より大きく変わりました。
■学科試験 + 実施試験 → 第一次検定 + 第二次検定
これまでは、学科試験と実地試験に分かれていましたが、令和3年度より形式が変わり、第一次検定と第二次検定になりました。第一次検定では、施工技術のうち基礎となる知識及び能力を有するかどうかを判定し、第二次検定では、施工技術のうちから実務経験に基づいた技術上の管理及び指導監督に係る知識及び能力を有するかどうかを判定することになりました。
また、1級の第一次検定に合格した者には1級技士補という称号が付与され、このうち主任技術者の資格を有する者は監理技術者補佐となることができます。第二次検定に合格した者には1級技士の称号が付与されます。
■問題の内容の変更
実地試験で求められていた応用能力の問題の一部が第一次検定に追加され、学科試験で求められていた知識の問題の一部が第二次検定に移行されています。
【 令和3年度の出題傾向 】
■午前の部
@環境工学(問題1)
日照・日射・日影、伝熱、採光・照明、色彩、換気、湿度、音響などから換気・熱で1〜2問、日照・採光・照明・音・色彩で1〜2問と毎年3問が出題。
A建築構造(問題1)
鉄筋コンクリート造、鉄骨構造、杭基礎などが必ず4問以上出題され、免震構造は令和3年度、令和元年度、平成29年度に出題。
B構造力学(問題1)
荷重とモーメントについて3問が出題(3問)
C建築材料(問題1)
基本的には各材料から5問程度出題。金属材料、鋼材、内装材料はほぼ毎年、その他、石材、左官材料、シーリング材、塗料などが多く出題。
(5問)
D建築設備等(問題2)
毎年、3問程度出題。令和3年度は電気設備、給水設備、昇降設備、令和2年度は避雷設備、空気調和設備、消火設備、令和元年度は電気設備、給水設備、昇降設備、平成30年度は避雷設備、空気調和設備、消火設備が出題。(3問)
E契約図書(問題2)
令和3年度は測量、請負契約、令和元年度、平成30年度には「公共工事標準請負契約約款」が出題(2問)
F躯体工事(問題3)
各種工事ごとに出題。仮設工事(乗入れ構台)、コンクリート(型枠)工事、鉄骨工事、鉄筋工事、改修工事などは、ほぼ毎年1問づつ出題。令和3年度は、鉄筋のガス圧接、鉄骨の溶接・建方、コンクリートの調合・運搬及び打込み、大断面集成材、建設機械などが出題。(13問)
G仕上工事(問題4)
各種工事ごとに出題。改修工事として耐震改修、防水工事、内装工事など幅広く、また融合問題として各工事を合わせた問題が出題。令和3年度は金属製折板葺き屋根工事、軽量鉄骨天井下地工事、ウレタンゴム系塗膜防水工事、石工事、塗装工事、断熱工事、ALCパネル工事などが出題。(13問)
H施工計画(問題5)
基本的な問題が5題ずつ出題。令和3年度は事前調査、材料の取扱い、工程計画、施工計画が出題、令和2年度は、元年度、平成30年度、29年度は材料の保管に関して出題(5問)
■午後の部
@工程管理(問題6)
工程計画、ネットワーク工程表など2問が出題。令和元年度はQC工程表、令和2年度、平成30年度はタクト手法(2問)
A品質管理(問題6)
令和3年度は3問出題。内容は用語、品質試験・検査、品質マネジメントについて(4問)
B法規(安全管理)(問題6)
令和3年度は災害防止対策、労働安全衛生法、労働安全衛生規則、クレーン等安全規則を含め5問出題。(5問)
C応用能力問題(問題7)
令和3年度から第一次検定になったことにより、施工技術の基礎及び能力を有するかどうかの判定のための6問。初回の問題は、異形鉄筋、型枠支保工、耐震改修、防水工事、鋼製建具工事、内装工事。
D法 規(問題8)
建築基準法、建設業法、各3問ずつの出題。労働基準法は1問。労働安全衛生法は2問出題。その他の法規は、令和3年度は廃棄物の処理及び清掃に関する法律、宅地造成規制法、振動規制法が出題。今後、令和2年度で出題された酸素欠乏症等防止規則、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律、騒音規制法、道路交通法の出題。
【令和4年度の試験対策】
技術検定制度が変わり、出題のパターンが変更されましたが、実際に試験で問われる内容は、全体で見ればそれほど大きくは変わってません。合格のための対策は、過去問題をしっかりと習得しておくことです。過去問題を繰り返し解くことが、学習のポイントとなります。
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