(午前の部)令和5年6月11日(日)
※問題番号[ No.40 ]〜[ No.44 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.40 ]
事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.地下水の排水計画に当たり、公共下水道の排水方式の調査を行った。
2.タワークレーン設置による電波障害が予想されたため、近隣に対する説明を行って了解を得た。
3.ベンチマークは、移動のおそれのない箇所に、相互にチェックできるよう複数か所設けた。
4.コンクリートポンプ車を前面道路に設置するため、道路使用許可申請書を道路管理者に提出した。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
地下水の排水計画に当たっては、公共下水道の排水方式等の必要な調査を行う。
2.◯
鉄骨工事計画に当たって、タワークレーンによる電波障害が予想される場合には、近隣に対する説明を行って了解を得る必要がある。
3.◯
ベンチマークは、建物の高さ及び位置の基準となるものであり、敷地付近の移動のおそれのない箇所に設置し、監理者の検査を受ける。またベンチマークは通常2箇所以上設け、相互にチェックを行う。
4.×
コンクリートの打設ではコンクリートポンプ車等を道路上に一時駐車するため、施工者は道路使用許可申請書を所轄警察署長に提出しなければならない。(道路交通法第77条第1項第一号)
[ No.41 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.作業員の仮設男性用小便所数は、同時に就業する男性作業員40人以内ごとに1個を設置する計画とした。
2.工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、上下交通の中心で最終工程まで支障の少ない階段室に計画した。
3.仮設電力契約は、工事完了まで変更しない計画とし、短期的に電力需要が増加した場合は、臨時電力契約を併用した。
4.仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、1人1日当たり50Lを見込む計画とした。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者 60人以内ごとに1個以上、男性用小便所数は、同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上とする。
2.◯
工事用電気設備の建物内幹線の立上げは、できるだけ最終工程まで支障の少ない場所で計画する。
3.◯
仮設電力契約は、工事完了まで変更しない計画とするが、短期的に電力需要が増加する場合は、工事に影響がでないよう臨時電力契約をして、使用する電力の量を増量する。臨時電力契約は、通常の電力供給契約に比べて割高となる。
4.◯
仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、40〜50L/ 人・日を目安とする。
[ No.42 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管した。
2.砂付ストレッチルーフィングは、ラップ部(張付け時の重ね部分)を下に向けて縦置きにして保管した。
3.フローリング類は、屋内のコンクリートの床にシートを敷き、角材を並べた上に保管した。
4.木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みにして保管した。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に、直射日光を避けて縦置きする。(JASS26)
2.×
砂付ストレッチルーフィングは、接着不良にならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ね部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。
3.◯
フローリング類は、木質材の湿気を含むと変形するので、保管には十分に注意する。やむを得ずコンクリートの上の置く場合は、シートを敷き、角材を並べた上に保管する。
4.◯
木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。(JASS 16)
[ No.43 ]
建築工事に係る届出に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.高さが31mを超える建築物を建設する場合、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
2.共同連帯として請け負う際の共同企業体代表者届を提出する場合、当該届出に係る仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に届け出なければならない。
3.つり上げ荷重が3t以上であるクレーンの設置届を提出する場合、その計画を当該工事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
4.耐火建築物に吹き付けられた石綿を除去する場合、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
高さ31mを超える建築物または工作物の建設、改造、解体または破壊の仕事を行う場合は、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条第一号)
2.◯
二以上の建設業に属する事業の事業者が、一の場所において行われる当該事業の仕事を共同連帯として請け負った場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、そのうちの一人を代表者として定め、届出に係る仕事の開始の日の14日前までに、届書を、当該仕事が行われる場所を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならない。届書の提出は、当該仕事が行われる場所を管轄する労働基準監督署長を経由して行うものとする。(労働安全衛生法第5条第1項、同規則第1条2,4項)
3.×
つり上げ荷重が 3 t 以上のクレーンを設置する場合は、工事開始日の 30日前までにクレーン設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第1項、クレーン等安全規則第5条)
4.◯
耐火建築物で石綿等の除去の作業を行う場合は、仕事の開始の日の14日前までに、労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条第五の三号)
[ No.44 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工程計画では、各作業の手順計画を立て、次に日程計画を決定した。
2.工程計画では、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくした。
3.工期短縮を図るため、作業員、工事用機械、資機材等の供給量のピークが一定の量を超えないように山崩しを検討した。
4.工期短縮を図るため、クリティカルパス上の鉄骨建方において、部材を地組してユニット化し、建方のピース数を減らすよう検討した。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
工程計画を作成するためには、まず各作業をどのような手順で行うかの手順計画を立て、次にその手順をいつ実施するかの日程計画を決定して作成する。
2.◯
工程計画の立案においては、工事用機械が連続して作業を実施し得るように作業手順を定め、作業量を平準化し、工事用機械の不稼働をできるだけ少なくする。
3.×
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない。工程圧縮できるのは、フォローアップによる工程の見直しである。
4.◯
クリティカルパスとは、工程上、最も重要な経路で、クリティカルバスの工程経路が遅れると、工程全体が遅れることとなる。また、鉄骨工事の地組とは、鉄骨躯体に用いられる柱や梁をあらかじめ地上で組み立てることで、鉄骨躯体組立て時の作業量を減らすことができる。そのため、工期短縮を図る上で、クリティカルバス上の鉄骨建方は、部材を地組してユニット化し、建方のピース数を減らすよう検討する。