(午前の部)令和5年6月11日(日)
※問題番号[ No.16 ]〜[ No.20 ]までの5問題は、全問題を解答してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.16 ]
植栽に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.枝張りは、樹木の四方面に伸長した枝の幅をいい、測定方向により長短がある場合は、最短の幅とする。
2.支柱は、風による樹木の倒れや傾きを防止するとともに、根部の活着を助けるために取り付ける。
3.樹木の移植において、根巻き等で大きく根を減らす場合、吸水量と蒸散量とのバランスをとるために枝抜き剪定を行う。
4.樹木の植付けは、現場搬入後、仮植えや保護養生してから植え付けるよりも、速やかに行うほうがよい。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
枝張り(葉張り)は、樹木の四方面に伸長した枝の幅をいい、測定方向により長短がある場合は、最長と最短の平均値とする。(平成24年 No.17 変形)
2.◯
支柱は、中高木を新植する際に、樹木の風による倒れや傾きを防止、根部の活着を助けるために用いられる。
3.◯
樹木を移植に際は、樹木が移植に耐え得る状態としなければならない。根巻き等で大きく根を減らすと、養分や水分の吸収量が低くなるため、枝抜き剪定を行い、吸水量と蒸散量のバランスをとるようにする。枝抜き剪定とは、太めの枝を付け根から切り、形を良くすることである。これにより、風通しが良くなることや、養分を効率よく利用することで成長を促進する。
4.◯
樹木は、現場搬入後速やかに植え付ける。なお、搬入日に植え付けが不可能な場合は、仮植えまたは十分な保護養生により乾燥などによる傷みを防止する。
[ No.17 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.合成樹脂製可とう電線管のうちPF管は、自己消火性があり、屋内隠ぺい配管に用いることができる。
2.電圧の種別で低圧とは、直流にあっては600V以下、交流にあっては750V以下のものをいう。
3.低圧屋内配線のための金属管は、規定値未満の厚さのものをコンクリートに埋め込んではならない。
4.低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合における金属製の電線接続箱には、接地工事を施さなければならない。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
合成樹脂製可とう電線管には、CD管やPF管が用いられている。PF管は、自己消火性がある(耐熱性)ため、屋内隠ぺい配管に用いることができる。
2.×
電圧の種別における低圧とは、直流にあっては750V以下、交流にあっては600V以下のものをいう。(電気設備に関する技術基準を定める省令第2条第一号)
3.◯
低圧屋内配線に使用する金属管の厚さは、コンクリートに埋込む場合、規定値(1.2mm)未満のものを用いてはならない。(電気設備の技術基準の解釈第159条第2項第二号イ)
4.◯
低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合における金属製の電線接続箱には、原則として、C種接地工事を施さなければならない。(電気設備の技術基準の解釈第159条第3項第五号)
機械機器の区分による設置工事の適用
(機械器具の区分) (設置工事)
300V以下の低圧用のもの D種設置工事
300V超えの低圧用のもの C種設置工事
高圧用のもの A種設置工事
[ No.18 ]
給排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高置水槽方式は、一度受水槽に貯留した水をポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、高置水槽からは重力によって各所に給水する方式である。
2.圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。
3.屋内の自然流下式横走り排水管の最小勾配は、管径が100mmの場合、1/100とする。
4.排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって1/100とする。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
高置水槽方式(高置タンク方式)は、上水や井水を一度受水槽に貯留し、ポンプで屋上等の高置水槽に揚水し、この水槽から重力によって各所に給水する方式で、中層、中規模以上の建物の一般的な給水方式である。
2.◯
圧力水槽方式は、上水や井水を一旦受水槽に貯水し、これをポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力により各所に給水する方式である。建物の意匠上や地下街等の理由で、高置水槽を設けることができない場合等に設置する。
3.◯
横走り排水管設備は、汚水・雑排水、雨水に分類される。配管勾配は、緩勾配にすると排水の流下が悪く、急勾配にすると水だけが流下して固形物が残る。標準的な勾配は、管径75〜100mmの場合、1/100以上とする。
4.×
排水槽の底の勾配は、吸い込みピットに向かって1/15以上1/10以下とする。また、下り勾配とし、排水・汚泥の排出及び清掃が容易かつ安全に行える構造とする。
[ No.19 ]
建築物に設けるエレベーターに関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、特殊な構造又は使用形態のものは除くものとする。
1.乗用エレベーターには、停電時に床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置を設ける。
2.乗用エレベーターには、1人当たりの体重を65kgとして計算した最大定員を明示した標識を掲示する。
3.火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを最寄階に停止させる機能である。
4.群管理方式は、エレベーターを複数台まとめた群としての運転操作方式で、交通需要の変動に応じて効率的な運転管理を行うことができる。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
乗用エレベーターまたは寝台用エレベーターにあっては、停電時に置いても、床面で1ルクス以上の照度を確保することができる照明装置を設けなければならない。(建築基準法施行令第129条の10第3項第四号ロ)
2.◯
乗用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を65kgとして計算する。最大積載量750kgのエレベーターの場合は、750 ÷ 65 ≒ 11.54 となるため、最大定員11名と明示する。(建築基準法施行令第129条の6第3第五号)
3.×
火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを避難階に呼び戻す機能である。この装置は防災センターで切換スイッチによる火災報知器の防炎信号によってすべてのエレベーターを一斉に避難階に呼び戻し帰着させるものである。(機械設備工事監理指針)
4.◯
エレベーターの群管理方式とは、絶えず変動するビル内の交通需要に応じて、エレベーター運転方式を適応的に選定し、複数台あるエレベーターを効率的に運転することを目的とする。
[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1.設計図書とは、図面及び仕様書をいい、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書は含まない。
2.発注者は、工事の完成を確認するために必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3.工期の変更については、発注者と受注者が協議して定める。ただし、予め定めた期間内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
4.工事の施工に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、原則として、発注者がその損害を負担しなければならない。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑応答書をいう。(公共工事標準請負契約約款第1条)現寸図その他これらに類する物(施工図・施工計画書等)を除く。
2.◯
発注者は、工事完成の通知を受けたときは、通知を受けた日から14日以内に受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、工事の完成を確認するための検査を完了し、当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。(公共工事標準請負契約約款第32条第2項)
3.◯
工期の変更については、発注者と受注者が協議して定める。ただし、あらかじめ定めた期間内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。(公共工事標準請負契約約款第24条第1項)
4.◯
公共工事標準請負契約約款第29条第2項により正しい。ただし、その損害のうち工事の施工につき、受注者(請負者)が善良管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものについては、受注者(請負者)が負担する。