(午前の部)令和5年6月11日(日)
※問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの15問題のうちから、12問題を選択し、解答してください。
ただし、12問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.1 ]
日照及び日射に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.北緯35°における南面の垂直壁面の可照時間は、夏至日より冬至日のほうが長い。
2.日影規制は、中高層建築物が敷地境界線から一定の距離を超える範囲に生じさせる、冬至日における日影の時間を制限している。
3.水平ルーバーは東西面の日射を遮るのに効果があり、縦ルーバーは南面の日射を遮るのに効果がある。
4.全天日射は、直達日射と天空日射を合計したものである。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
可照時間とは、障害物のない水平面であれば晴れた日の日の出から日没までの時間に日照があるべき時間をいう。北緯35度における南面の垂直壁の可照時間は、太陽が東西軸より南側にある時間となる。夏至(約7時間)よりも春分または秋分(約12時間)の方が長くなり、冬至はそれよりも長くなる。
2.◯
日影規制とは、中高層建築物により生ずる日影を一定の時間な内に抑えることで、周辺の居住環境を保護する規制である。中高層建築物の敷地境界線から定められた距離を越える範囲(5m及び10m)で、冬至日における日影の時間を制限する。
3.×
羽根が水平に並ぶ水平ルーバーは、日射を遮るために南側の開口部に取り付けると、太陽の高度が高くなる夏季に南面の日射を防ぐのに効果がある。羽根が垂直に並ぶ縦ルーバーは、冬季の高度が低くなった西日を遮るのに効果がある。
4.◯
日射とは、地表面または大気中における太陽放射の総称である。大気層を通り抜けて直接地表面に達する太陽光線の日射量を直達日射量、途中で乱反射されて地上に達する太陽光線の日射量を天空放射量といい、直達日射量と天空放射量を合計したものを全天日射量という。
[ No.2 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.横幅と奥行きが同じ室において、光源と作業面の距離が離れるほど、室指数は小さくなる。
2.設計用全天空照度は、快晴の青空のときのほうが薄曇りのときよりも小さな値となる。
3.照度は、単位をルクス(lx)で示し、受照面の単位面積当たりの入射光束のことをいう。
4.光度は、単位をカンデラ(cd)で示し、反射面を有する受照面の光の面積密度のことをいう。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
室指数とは光源から出た光束がどれぐらい作業面に達するかを示す計算方法の一つで、光源の距離が被照面(作業面)から離れるほど、室指数は小さくなる。室の形による指数で、照明率を求めるために用いられる。
室指数(k) =( X × Y ) / ( H ×( X × Y ) )
X:室の間口 [ m ]
Y:室の奥行き [ m ]
H:被照面から光源までの距離 [ m ]
2.◯
設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りのときよりも小さな値となる。全天空照度とは、直射日光を除いた全天空の照度をいう。
晴れ 10,000 ルクス
曇り 30,000 ルクス
雨 5,000 ルクス
覚え方:俳句もさまになる雨の甲子園(原口秀明氏より)
晴 1 雲 3万 雨 5千
3.◯
照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位はルクス(lx)で示す。
4.×
光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)で示す。反射面を有する受照面の光の面積密度とは輝度であり、単位はカンデラ毎平方メートル [ cd/m2]で示す。。
[ No.3 ]
吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。
2.多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。
3.単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。
4.室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
壁面に音が入射されると、入射音エネルギーは、反射、吸音等により減少し、一部が透過する。
透過率 = 透過音エネルギー/入射音エネルギー
反射率 = 反射音エネルギー/入射音エネルギー
上記の公式により、音を吸収する吸音材は、透過率が高いため、反射音エネルギーは少なくなり、遮音性能は低くなる。
2.◯
多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の方が吸音率(音を吸収する程度を表す指数)は大きい。すなわち、低い音よりも高い音の方が吸収されやすい。
3.×
透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの単位面積あたりの質量(面密度)と、周波数が大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。
4.◯
室間音圧レベル差とは、音が発生している室の音圧レベルと音が透過する側の室の音圧レベルの差をいい、この差が大きいほど、遮音性能が高い。したがって、室間音圧レベル差の遮音等級を表すD値は、その値が大きいほど遮音性能が高い。
[ No.4 ]
免震構造に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アイソレータは、上部構造の重量を支持しつつ水平変形に追従し、適切な復元力を持つ。
2.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる。
3.地下部分に免震層を設ける場合は、上部構造と周囲の地盤との間にクリアランスが必要である。
4.ダンパーは、上部構造の垂直方向の変位を抑制する役割を持つ。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
アイソレータは、地震入力に対して絶縁機能を持つもので、地震の水平方向の動きに対して縁を切り、上部構造を動かないようにする。水平方向の変位を抑制する役割はダンパーが受け持つことが多い。
2.◯
ねじれ応答とは、地震時に建物全体がねじれるような挙動をいう。免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる。
3.◯
大きな地震動を免震構造が受けた場合、上部構造は長周期で大きく水平移動するため、上部構造と周囲の地盤との接触、衝突を避けるため十分なクリアランスが確保することが必要である。設計で考えられる変位量の1.5 〜 2.0倍程度の離隔寸法を確保する。
4.×
免震構造におけるダンパー(減衰器)の役割は、免震層の過大な変形を抑制し、地震時の応答を安定化させることである。
[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、その構造耐力上主要な支点間の距り離の1/15以上とする。
2.耐震壁とする壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.25%以上とする。
3.床スラブの配筋は、各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合を0.1%以上とする。
4.梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の内法寸法)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)
2.◯
鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ0.0025(0.25%)以上とする。
3.×
床スラブの配筋は、温度応力や収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面に対する割合は、0.2%以上をする。
4.◯
梁に貫通孔が設けられると、梁断面の欠損によりせん断強度が低下するので、適切に補強を行う必要がある。鉄筋コンクリート構造の場合、円形孔の直径は梁せいの1/3以下とし、梁端部への配置は避ける。
[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
2.H形鋼は、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じにくい。
3.シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい。
4.部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きい。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
角形鋼管柱(BCPとBCR)と梁との仕口部には通しダイアフラム方式と内ダイアフラム方式とがある。柱サイズに対して、梁フランジの幅が小さく、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等には、内ダイアフラム方式とする。
鋼管柱とダイヤフラム、梁フランジとダイヤフラム若くは鋼管柱は、一体とするため、完全溶け込み溶接とする必要がある。梁せいが異なるときに通しダイアフラムとすると、その間隔が狭い部分が発生し、完全溶け込み溶接の検査に必要な超音波探傷試験ができなくなる箇所が生じる。
内ダイヤフラムと鋼管内側の溶接も完全溶込み溶接にする必要があるが、溶接の工程を分けることにより、超音波探傷試験を行うことができる。
2.×
H 形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、部材形状に対し板厚が薄いということになり、局部座屈を生じやすくなる。
3.◯
シアコネクタとは、2つの部材を一体化するための接合部材をいう。シアコネクタでコンクリートスラブと結合された鋼製梁は、梁の上端が圧縮となるような曲げ応力に対して、梁の水平方向への座屈である横座屈が生じにくい。
4.◯
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するため、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合が、ボルトの支圧力ではなく、スプライスプレート(添え板)の摩擦力で支持するため、普通ボルト接合と比較すると小さくなる。
[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、支持杭より摩擦杭のほうが大きい。
2.杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、埋込み杭のほうが打込み杭より小さくすることができる。
3.杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
4.杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向きの摩擦力が働くが、摩擦杭は杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる。
2.◯
杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径2.0倍以上、打込み杭の場合は、その杭頭部の径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。よって、埋込み杭の方が打込み杭より、中心間隔を小さくすることができる。
3.◯
杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力を加算したものとする。
4.◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜きに抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
tRa = 1/3 × tRu + Wp
tRa:杭の長期許容引抜き抵抗力
tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力
Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)
[ No.8 ]
図に示す柱ABの図心Gに鉛直荷重Pと水平荷重Qが作用したとき、底部における引張縁応力度の値の大きさとして、正しいものはどれか。ただし、柱の自重は考慮しないものとする。
1.3N/mm2
2.7N/mm2
3.10N/mm2
4.13N/mm2
答え
2
[ 解答解説 ]
組合わせ応力度の問題
鉛直荷重 P による 応力度 P/A
P/ 300×200 = P/6 ×104
= 180k /6 ×104
= 3
水平荷重 Qより
M/Z = Q×ℓ/bD2/6
= Q × 2,000 / 200 × 3002/6
= Q × 2,000 / 3,000,000
= Q × 2 / 3,000
= 15kN × 2 / 3,000
= 10
P/A < M/Z であるので、
引張側の縁応力度は、
P/A - M/Z となり、
10 − 3 = 7 N/mm2
ゆえに、正答は2となる。
(補足)
Z:断面係数( bD2/6)
曲げ応力度を求めるときに使う
※柱の縁応力度の問題は、1級建築施工管理技士の試験では、初出題である。
[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構のDE間に等分布荷重wが作用したとき、支点Aの水平反力HA及び支点Bの水平反力HBの値として、正しいものはどれか。ただし、反力は右向きを「+」、左向きを「−」とする。
1.HA=+9kN
2.HA= –6kN
3.HB= 0kN
4.HB= –4kN
答え
4
[ 解答解説 ]
A点及びB点における垂直反力をVA、VBとする。
点Aについてのモーメント(ΣMc = 0)を考える
等分布荷重は点Aから 3m離れた集中荷重と考える。
MA = 3 [ kN/m ] × 3 [m] − VB × 6 [m] = 0
これを解くと VB = 9[ kN ]
等分布荷重は、合計で 18 [ kN ] であるから
VA = 9[ kN ]
となる。
点Cについての右側のモーメントを考える
Mc右 = 3 × 2 × 1 – HB × 3 – 2 × 9 = 0
これを解くと、
HB = 4 [ kN ]
水平方向のつり合いより
HA + HB = 0 なので、
HA = –4 [ kN ]
題意より、反力は右向きを「+」、左向きを「−」
とあるので、
HA = 4 [ kN ]
HB = –4 [ kN ]
ゆえに、正答は4となる。
[ No.10 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Dにモーメント荷重Mが作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。
答え
2
[ 解答解説 ]
点Dのモーメントは梁材DC及び柱材DAを伝わり、ピン節点であるC及びAでゼロになる。
ゆえに、3番ではない。
「曲げモーメントは材の引張側に描くものとする」
とあるので、梁DC材は下側、柱DA材は外側になる。
ゆえに、正答は、2番となる。
[ No.11 ]
コンクリート材料の特性に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.減水剤は、コンクリートの耐凍害性を向上させることができる。
2.流動化剤は、工事現場で添加することで、レディーミクストコンクリートの流動性を増すことができる。
3.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より硬化初期の水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。
4.高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より耐海水性や化学抵抗性が大きく、地下構造物に適している。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
コンクリートなどの中にある多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させてワーカビリティ及び耐凍害性を向上させるために用いる化学混和剤は、AE剤である。減水剤は、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いる化学混和剤である。
2.◯
流動化剤は、あらかじめ現場で練り混ぜられたコンクリートに添加する混和剤で、流動性(流れやすさ)を向上させることが目的であり、スランプロスを低減させる効果がある。
3.◯
早強ポルトランドセメントは、粒子の細かさを比表面積(ブレーン値(単位:cm2/g))で表し、粒子が細かいほど質量当たりの表面積が大きい。ブレーン値の値が大きくなるほど細かく、早期強度が得られる。水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。
4.◯
高炉セメントB種は、耐海水性、化学抵抗性が大きいので、海水の作用を受けるコンクリートや、地下構造物に使用される。普通ポルトランドセメントと比較するとセメントの水和反応時に生成する遊離石灰が少ないので、次のような特徴がある。
@アルカリ骨材反応の抑制に効果がある。
A耐海水性や化学抵抗性が大きい。
B初期強度はやや小さいが、4週以降の長期強度は同等以上。
[ No.12 ]
建築に用いられる金属材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど耐食性が良い。
2.銅は、熱や電気の伝導率が高く、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
3.鉛は、X線遮断効果が大きく、酸その他の薬液に対する抵抗性や耐アルカリ性にも優れている。
4.チタンは、鋼材に比べ密度が小さく、耐食性に優れている。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量の少ない、耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で耐食性がよい。
2.◯
銅は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。
3.×
鉛は、X線・放射線の遮断効果は大きいが、他の金属と比べると錆やすい。
4.◯
チタンは、比重が4.51と鋼材に比べて軽い密度が小さい。また、極めて腐食しにくく、耐食性が高い。
[ No.13 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.花崗岩は、結晶質で硬く耐摩耗性や耐久性に優れ、壁、床、階段等に多く用いられる。
2.大理石は、酸には弱いが、緻密であり磨くと光沢が出るため、主に内装用として用いられる。
3.粘板岩(スレート)は、吸水率が小さく耐久性に優れ、層状に剥がれる性質があり、屋根材や床材として用いられる。
4.石灰岩は、柔らかく曲げ強度は低いが、耐水性や耐酸性に優れ、主に外装用として用いられる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
花崗岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性、耐久性に優れた石材として、建築物外部の壁、床、階段等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る。
2.◯
大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分ある。しかし、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができないため、主に内装用の材料として用いられる。
3.◯
粘板岩(スレート)(変成岩)は、吸水性が少なく、耐久性に優れていることに加えて、剥がれる際は層状となる性質があるため、屋根材や床材として用いられる。
4.×
石灰岩(堆積岩)は、軟らかく、加工が容易なため、コンクリートの骨材や、セメント材料に用いられる。一方で、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく、耐水性、耐酸性に劣る。
[ No.14 ]
日本産業規格(JIS)に規定する防水材料に関する記述として、不適当なものはどれか。
1.2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。
2.防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点の温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。
3.ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
4.改質アスファルトルーフィングシートは、温度特性によりT類とU類に区分され、低温時の耐折り曲げ性がよいものはT類である。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ウレタンゴム系防水材は、湿気硬化形の1成分形、反応硬化形の2成分形がある。2成分形のウレタンゴム系防水材は、主剤と硬化剤を施工直前に配合する。必要に応じて硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。
2.◯
フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製したアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラースぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることなく変形する、低温特性のよいアスファルトである。
3.◯
ストレッチルーフィングの種類及び品質はJIS A 6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表ている。
4.×
改質アスファルトルーフィングシートにはT類とU類にがあり、U類の方が低温時の耐折り曲げ性がよい。(JIS A6013)
[ No.15 ]
屋内で使用する塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。
2.クリヤラッカーは、木部に適しているが、コンクリート面には適していない。
3.つや有合成樹脂エマルションペイントは、鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。
4.2液形ポリウレタンワニスは、木部に適しているが、ALCパネル面には適していない。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面やせっこうボード面には適していない。(下地処理が必要となる)
2.◯
クリヤラッカーは、顔料の入っていない透明な塗料である。自然乾燥で、短時間に溶剤が蒸発して塗膜を形成するもので、木部面に適していることが特徴である。コンクリート面には適していない。
3.×
つや有合成樹脂エマルションペイント(EP-G)は、木部(屋内)、鉄鋼・亜鉛めっき鋼面(屋内)、モルタル・プラスター面(屋内外共)、コンクリート・ALCパネル・押出成形セメント板面(屋内外共)、せっこうボード・その他ボード面(屋内外共)に適している。
4.◯
2液形ポリウレタンワニスは、主剤と硬化剤を混合させて作る塗料であり、顔料が入っていない透明な塗料である。クリヤラッカーと同様、木部面に適していることが特徴である。ALCパネル面には適していない。
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