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2020年01月10日
税金を払わずに生きてゆく逃税術
税金を払わずに生きてゆく逃税術【電子書籍】[ 大村大次郎 ] 価格:1,100円 |
■小泉純一郎内閣時代に総務大臣を務めた竹中平蔵氏も、かつてアメリカで研究をしていた時期があり、そのときにアメリカに住所を移していた。しかし当時、彼は日本の大学で教鞭をとっており、日本で仕事をしていた。竹中氏は住民票をアメリカに移しているので、当然、日本で住民税は払っていなかった。大臣になったとき、国会で「アメリカにはときどき滞在していただけではないか」「実質的には日本に住んでいたのではないか」と追及された。・・・
竹中氏は国会で「住民税は日本では払っていないが、アメリカで払った」と主張した。それを聞いた野党は「ならばアメリカでの納税証明書を出せ」と追及した。でも竹中氏は、最後まで納税証明書を国会に提出しなかった。(P23)
■海外に住民票がある人で、日本から収入がある人には「源泉徴収税」だけでよい。日本国内に住んでいる日本人であれば、年末にすべての所得を計算しなおして、所得の総額に対して所得税が課せられる。
たとえば、売れっ子作家などはこの仕組みによって大幅に税金が安くなる。著書の印税の源泉税というのは、原則として20%である。だから、海外に住んで数億の収入があっても、20%の源泉徴収だけでいいのだ。
2007年、「ハリーポッター」シリーズの翻訳者が居住地をスイスにして、日本で確定申告をしていなかったことがある。しかし、この人物は「実際は日本に住んでいる」とされ、国税当局から約7億円の追徴課税をされた。(P16)
■少子高齢化は政府の無策の結果だ(P205)
現在、日本は世界第3位の経済大国であり、国民一人当たりの外貨準備高は、ダントルの世界一である。
これだけお金を稼いでいるのの、なぜ我々の生活は苦しいのか?
ほとんどの日本人は、夫婦で共働きをしても、子どもを一人か二人育てるのがやっとである。夫しか働いていない場合は、子供一人がギリギリである。
頑張って子供をつくっても、預ける保育施設さえ、ままならない。こんな国は、世界にほとんど存在しない。
世界中のほとんどの地域では、夫婦のうちどちらかが普通に働いていれば、子供の一人や二人は育てれれる。発展途上国や、貧しいとされている国でも、そうである。
日本がこのような生きづらい国になったのは、社会のシステムが壊れているからである。
少子高齢化問題も、実は政府の無策がもっとも大きな要因であり、「人災」とさえ言えるものなのだ。・・・
男性の場合、正社員の既婚率は約40%だか、非正規社員の既婚率は約10%である。
派遣社員の男性のうち、結婚している人は1割しかいない。「派遣社員ではなかなか結婚できない」のだ。
「派遣社員が増えれば増えるほど未婚男性が増加し、少子化も加速する」
この「派遣社員の急増」という現象は、実は経済界の要請を受けて政府が労働法などを改悪したために生じたのである。
95年、経団連は「新時代の"日本的経営"」として、「不景気を乗り切るために雇用の流動化」を提唱した。
「雇用の流動化--というと聞こえはいいが、要は「いつでも正社の首を切れて、賃金も安い非正規社員を増やせるような雇用ルールにして、人件費を抑制させてくれるということである。
これに対し政府は、財界の動きを抑えるどころか逆に後押しをした。
99年には、労働派遣法を改正した。それまで26業種に限定されていた派遣労働可能業種を、一部の業種を除外して全面解禁したのだ。
2006年には、さらに派遣労働法を改正し、製造業でも解禁された。
これにより、非正規雇用が爆発的に増大したのである。
90年代半ばまでは20%程度だった非正規雇用の割合が、現在では35%を超えている。
先進国の中でこれほど非正規雇用が増えているのは日本だけなのだ。フランスでは非正規雇用の割合は20%以下であり、イギリス、ドイツなどもほぼ同じ水準だ。
競争社会のアメリカでさえ、総労働に占める割合は27%である。先進国の中では、日本だけが突出していると言える。
それは、政府が「非正規雇用を増やすこと」を容認したからののである。
2019年11月09日
お金の流れで読む 日本と世界の未来
お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する (PHP新書) [ ジム・ロジャーズ ] 価格:1,012円 |
■歴史は韻を踏む(P5){作家マーク・トウェインの言葉}
世界の出来事のほとんどは、以前にも起きている。まったく同じことが起きるわけではないが、何かしら似た形の出来事が、何度も繰り返されている。戦争、飢餓、不況、外国人迫害、貿易戦争、移民問題----。
現在と類似した問題が以前どのようにして起きたのかを理解すれば、現状がある程度把握できる。それがどのような結末になるかもわかる。よく、「歴史は繰り返す」というが、まったく同じことを繰り返すのではない。韻を踏むように、少しずつ形を変えながら反復をし続けるのだ。
■いつか「安倍が日本をダメにした」と振り返る日が来る(P53)
いまの日本の状態は、「紙幣を刷れば株価が上がる」という市場の原理に則っているだけだ。過去のアメリカ、イギリス、ドイツの例をみたらわかる。アべノミクスが成功することはない。いつかきっと「安倍が日本をダメにした」と振り返る日がくるだろう。とはいえ、皮肉なことに私のような投資家にとっては、株価が上がるので、最高の状態と言える。
■日本の対外純資産は世界第一位の300兆円(2018年5月)。一方、国内の財政は、地方を除いて国だけでも約898兆円の大赤字(2017年末)。しかも、その額は年々増える一方だ。借金を返すために公債を発行し、その借金を返済するためにまた公債を発行と、どうでもない悪循環に陥っている。
債務が大きい国は、常にひどい姿になって終焉する----。こういうことは、すべて歴史が教えてくれる。(P30)
■もし私が日本の総理大臣になったなら(P83)
@歳出を大幅カット
A関税を引き下げ、国境を開放
B移民を慎重に受け入れる。(日本には労働力人口が少ないため。しかし、ドイツ、シンガポールのように一度に受け入れると失敗する。)
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2019年01月30日
銀行消滅
価格:1,760円 |
■ビットコインBitcoin(P120)
ビットコインという仮想通貨は、国家と国境線と税金制度を超えていく思想から始まった。だが次々に捕まって、国家や権力(体制)の檻の中に入れられつつある。しかし、またそこから脱出して生き延びていく動きもある。
コインcoinとは鋳造された貨幣(硬貨)のことだ。金貨や銀貨、銅貨だ。このコインを鋳造して発行する業者がコイナーcoinerである。通貨の発行権者は、国家や中央銀行である。だが、必ずしも国家の独占物ではない。大きな信用さえあれば、そこが発行できる。
14世紀のベネチアで、コイナーたちが鋳造した金貨がダガット金貨だ。このダカット金貨が、ヨーロッパ中で通貨として使われていた。18世紀まで流通した。ヨーロッパで一番の金持ちはベネチア共和国なのであって、各国の国王たちではなかった。
ベネチア共和国は自治都市であり、王様も貴族もいない。通貨は国家が発行しなくてもよいのである。信用があるものが発行する。それを皆が使う。
「日本国政府と、日本銀行が発行した通貨しか強制通用力はない」と、国家が法律で勝手に決めただけだ。この威張り腐った国家発行の通貨を法貨(リーガル・テンダーlegal tender)という。だが、国家や政府、官僚はとにかく偉いのだ、という考えがどんどん崩れつつある。信用をなくしつつある。
■リバータリアンの思想からビットコインは生まれた。(P135)
ビットコインの出現の恐ろしさは、このヘンなお金が各国の通貨当局の「外側」にいることだ。すなわち各国の政府、財務省である。ある事情で中央銀行は民間企業でなければいけないという強烈な仮想をやっているのだ。ビットコインは、国家が管理できるお金以外のお金である。各国の通貨当局は困惑している。必死で研究している。
外国にビットコインのまま送金すると為替が立たない。外国為替公認銀行の法律を無視する。
また、国内でビットコインが勝手に流通すると、自分たち通貨当局のお金の統計数値の中に入らない。そして税金をごまかして逃がす、あるいは蓄える手段として使われるという恐怖感を当局は持つ。さらには投機の手段になる。
ところがお金は人間の便利のために生まれたものであって、何でもかんでも国家が威張って管理すればいいものではない。人々の信用さえあれば、それが通貨なのである。「リバータリアンLibertarianの思想からビットコインは生まれた」のだ。
リバータリアンとは、1950年代にアメリカで生まれたリバータリアニズムLibertarianismという新型の政治思想の信奉者たちのことだ。このリバータリアンの勢力が米大統領選挙でトランプを育てて支えたのである。私、副島隆彦は、このリバータリアンである。この思想を日本に広めるために、もう20年頑張っている。
リバータリアニズムは、簡単に言うと@反国家統制、A反官僚支配、B反税金、C反過剰福祉、そしてD反グローバリズム(外国支配)を掲げるアメリカ民衆の保守思想である。現在のアメリカでこのリバータリアンの勢力が大きくなっている。
ビットコインは、私が唱えてきた「国家から逃がせ隠せ」思想の実験場として始まったので、投機のための新しい金融市場として始まったのではない。
2019年01月10日
国富喪失
「国富」喪失 グローバル資本による日本収奪と、それに手を貸す人々 (詩想社新書) [ 植草一秀 ] 価格:1,012円 |
■日本を売り渡す「いまだけ、金だけ、自分だけ」の人々(P19)
国土、環境、伝統、文化、そして和を以て貴しとなす、平和を重んじる、平和を愛するこの国の国是自身が大きな揺らぎに直面している。津々浦々に行きわたる目に染みるような鮮やかな田園風景、清らかな水に包まれる青々とした山岳地帯、そして万葉の時代から脈々と受け継がれてきた伝統と文化が、いま根底から失われようとしている。
かけがえのない財産、豊かな国土とそこに根を下ろしている国民生活が根底から破壊されようとしている。見落とすことができないのは、その破壊を企て、そして破壊を推進しているものが、外部のものだけでないという事実だ。私たちの同胞の一部が外部のものと結託し、私たちの国富を失わせようとしている。いましか考えぬ人々、金銭的な欲望だけに突き動かされて動く人、そして他者を願みず自己の利益だけを追求するもの。東大農学部の鈴木宣弘教授はこれを、「いまだけ、金だけ、自分だけ」の「三だけ主義」と表現するが、この三だけ主義に身も心もつかり切ってしまった私たちの同胞が、国富喪失の主役を担っている。
■「食料は武器」と考える米国と、外資の言いなりになる日本(P113)
米国では、「食料は武器」という認識が浸透している。軍事、エネルギーに並ぶ国家を支える三本の柱の一つが食料である。イラクに対する侵略戦争を指揮したジョージ・ブッシュ大統領は「食料需給はナショナルセキュリティの問題だ。アメリカは、これが常に保たれている。これに対して食料自給ができない国を想像できるか。それは国際的圧力と危険にさらされている国だ」と述べた。米国には食料を外交上の戦略物資と明確に位置付ける考えがある。食料は米国にとってはミサイルと同様に重要な武器である。他の国の食料を米国で賄えば、戦わずにして支配することができる。こうした考え方が存在している。そのために独立国家は食料確保のための方策、すなわち農業政策に全力を注ぐ。
例えばコメの生産一つをとってみても、アメリカのコメの生産コストはタイやベトナムと比べて大幅に高い。しかしきわめて低価格で輸出を行っている。その背景には米国政府が輸出戦略物資としてのコメの目標価格とコメ生産者の差額をコメ、小麦、とうもろこしの穀物三品だけで、多い年には年一兆円もの補助金を注いでいるからである。
他方、日本の輸出補助金はゼロである。安倍政権はTPPで日本の農業が輸出産業に生まれ変わるなどと寝ぼけたことを述べているが、どんなにおいしくても、圧倒的に高い価格で補助金もゼロであれば、輸出市場によって競争することなど不可能である。
■NAFTA(北米自由貿易協定)によってメキシコ農業が壊滅した先例(P130)
日本政府が日本農業を守らずに外国資本の要求を丸のみにし、農業生産分野の関税率の引き下げ撤廃の方向に進めば、日本農業は壊滅的な打撃を受けるだろう。
そのことを示唆する重要な先例がある。メキシコ農業がNAFTAによって崩壊した歴史の事実があるからだ。NAFTAは北米において自由貿易を促進するための枠組みである。メキシコではNAFTAにより、「主食であるトルティ−ヤ(とうもろこしの粉で焼いたパン)が安く食べれるようになる」などの期待が持たれたが、現実はまったく異なるものになった。
NAFTA発行後、米国から、メキシコへの穀物輸出が激増した。米国が安い価格で穀物輸出を行えるのは政府が輸出奨励のための巨大な補助金を付与しているからである。安価な穀物がメキシコ市場に流入したことにより、メキシコの農家は崩壊してしまった。メキシコの農家は失業者に転落し、この失業者が大量に米国への不法移民者として流出したのである。メキシコの農業生産が激減し、メキシコ人の主食が米国の生産者に委ねられるようになったが、今度は逆に米国が供給する穀物価格が跳ね上がる。米国ではエネルギー原料としてのとうもろこしが見直され、とうもろこしの供給が減少、価格が跳ね上がる事態が生じた。その結果、メキシコでは主食のトルティ−ヤが食べられなくなる事態が発生し、一部の市域では、武力蜂起さえ発生したのである。
そして米国から供給されるとうもろこしの大半が遺伝子組み換えに切り替えられた。メキシコの生産者も遺伝子組み換え種子に依存する状況になったが、これは多国籍企業に壮大な陰謀にもとづく行動であった。メキシコの農業従事者が、ひとたび、このモンサント社が供給する遺伝子組み換え種子による生産に依存し始めると、この構造から抜けることができなくなる。強力な除草剤グリホサート=ランドアップを使用した土地においては通常の種子は使用不能となる。遺伝子組み換え種子は知的所有権保護によって守られており、農家は高額の種子の購入を義務づけられることになる。
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2018年11月17日
あらゆる領収書は経費で落とせる
あらゆる領収書は経費で落とせる完全図解版 [ 大村大次郎 ] 価格:1,320円 |
■利益が多すぎると、思った以上に税金がかかってしまいます。逆に、税金を払わないというのも、銀行などの信用を得られないので、若干は払ったほうがいいでしょう。「会計にとって最も大事なことは計画通りに利益を出すこと」です。
■経費として認められのは、「事業に関連するかどうか」です。薄型テレビ購入が来客のためで、自宅にあれば認められないが、事業研究のためだと「事業に関連する経費」になる?(P25)
■接待交際費は、将来取引をしてくれるかもしれない相手にも使える。(P51)
■慰安旅行は、従業員の50%以上が参加すること。4泊5日以内であること(P74)
2018年04月25日
国貧論
価格:1,540円 |
■「資本主義は本当に終わるのでしょうか?次の大きな時代に転換していくであろうことは理解できます。しかし、資本主義は姿を変えながら存続していくのではないでしょうか?」講演会では必ずこの質問が発せられる。私は、こう答えることにしている。
「もっともな質問であると思う。たいていの方は感覚的に資本主義を市場経済とまったく同義に捉えておられるし、資本主義をどう定義するかによって、結論も変わってくるだろう。私は、資本主義とは本質的に資本の自己増殖と利潤の極大化を目指すものであるとする立場である。投資して、回収する。その運動を単純に永遠に繰り返すものだと考える立場であった。そうである以上、日本を始めとする先進資本主義国のほとんどが、「ゼロ金利・利潤率ゼロ」となっている現実を眼前にしては、資本主義の死亡診断書を書かざるをえない。
イエス・キリストがゴルゴタの丘に貼りつけにされた当時の原始キリスト教と現在のものとは大きな隔たりがある。それでも「キリスト教」として一般には認識されている。ガウタマ・シッダールタがインドで悟った当初の仏教の教えと今日の日本の仏教にも同じことが言える。その伝で言うなら、資本主義は今後も市場経済とともに存続できると強弁できるかもしれない。だがそのとき、資本主義は誕生した当初から本来的に備えていた本質をもはや失ってしまっている。これをもし、「変化変容した資本主義」と捉えるか否かは、観る者の知的背景にも因るだろう。繰り返すが、私はその立場はとらないのである」(P105)
2018年04月20日
資本主義の終焉と歴史の危機
資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書) [ 水野和夫 ] 価格:814円 |
■利子率の低下は資本主義の死の兆候(P14)
利潤率の低下は、裏を返せば、設備投資をしても、十分な利益を生み出さない設備、つまり「過剰」な設備になってしまうことを意味します。
■1970年代前半が資本主義終わりの始まり(P19)
近代資本主義は、販路を拡大するために「地理的・物的空間」を拡大すること、資源を安く手に入れ、効率的に工業製品を高い値段で輸出し高い利潤を得ることの二つが成立することが、大前提です。
1974年にイギリスと日本の10年国債利回りがピークとなり、1981年にはアメリカの10年国債利回りがピークをつけました。
1973年、79年のオイルショック、75年のヴェトナム戦争終結がありました。これらの出来事は、地理的に拡大することと「エネルギーコストの不変性」が成立しなくなくなったことを意味します。
■アメリカの資本主義延命策--「電子・金融空間」の創造(P25)
「地理的・物的空間」を拡大することが出来なくなったアメリカは「電子・金融空間」という新たな空間を生み出すことで、資本主義の延命を図りました。
「電子・金融空間」とは、ITと金融自由化が結合してつくられる空間のことを言います。
資本は瞬時にして国境を越え、キャピタル・ゲインを稼ぎ出すことができるようになりました。その結果、1980年代半ばから金融業への利益集中が進み、アメリカの利潤と所得を生み出す中心的な場となっていったのです。
アメリカの「電子・金融空間」の元年は1971年です。この年、ニクソンショックでドルと金は切り離され、ペーパー・マネーになったのです。ドルは自由に目盛りが伸び縮みし、バブルが起きやすくなりました。また同じ年にインテルがCPUを開発しました。
アメリカの金融帝国化が数字で確認できるようになったのは1985年以降です。この前年は金融業の前産業利益に占めるシェアは9.6%にすぎませんでしたが、2002年には30.9%にまで達しました。
この金融業のシェア拡大は、金融のグローバリゼーションと軌を一にしています。債権の証券化などのさまざまな金融手法を開発することで、世界の余剰マネーを「電子・金融空間」に呼び込み、その過程でITバブルや住宅バブルが起こりました。アメリカは世界中のマネーをウォール街に集中させることで、途方もない金融資産をつくり出したのです。
こうして、原油価格高騰に合わせるように、アメリカ主導の金融自由化が推し進められていったのです。
■しかし、こうしてでき上がったアメリカ金融帝国も、2008年に起きた9・15のリーマン・ショックで崩壊しました。(P35)
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2016年01月22日
さらばアホノミクス 浜矩子
価格:1,210円 |
■自国通貨の価値をどんどん下げることに情熱を燃やす中央銀行。事実上の財政破綻に陥っている政府のためにせっせと国債を買い込む中央銀行。そのような日本銀行のあり様が投資家たちの不信感に全面的に火をつけてしまえば、誰も円を買わなくなります。そうなれば、円相場は暴落、崖から転落し、あの世行きということもあります。(P34)
――このまま国の借金が増えると近い将来にありうるだろう。しかし、2016年は、海外の通貨より日本の通貨の方が、信頼があるだるう。――
■経済政策の目的は二つ、第一は崩れた均衡の回復。第二の目的は弱者救済。一国の経済が成長を必要とする場面は二種類あるといえる。その一つが「これから全てが始まろうとする時、飢えや貧困のために早死するような状態から脱却して、インフラを急ぎ豊かな生活を提供していかなければならない。その二が、敗戦後の日本のようにこれまでの全てを失ってしまった時。現在の日本は潜在成長率がほぼゼロ%になってしまった。そのような時代になっても成長しようというところに無理がある。追求すべきは「分配政策」。これまでの成長の果実である豊かさを、いかに上手く、いかに賢く分かち合うか。現在の日本の最大の問題は「豊かさの中の貧困」6人は1人は貧困。先進国で日本より貧困率が高いのはアメリカ、メキシコ、トルコ、チリ、イスラエルの5カ国だけ。世界第3位の経済大国であるわが国の貧困率が高いのが大きな問題。
――分配政策も具体的にどのようにするのか大変むつかしいだろう。しかし、消費税増税、円安誘導、株価の無理やり引き上げはおおいに疑問。(p15〜数頁)