がん患者よ、近藤誠を疑え ベストオピニオンを得るための45のアンサー [ 近藤誠 ] 価格:1,540円 |
■「固形がん」には、「本物のがん」と「がんもどき」の2種類しかなく、体内に最初のがん細胞が発生した時点で、その患者の運命はすでに決まっている。近藤誠医師はこのような斬新な仮説をもとに、「がんの早期発見や早期治療は無意味と主張する。
ただし、がんが「本物」か「もどき」かをあらかじめ知ることはできません。転移があれば「本物」、転移がなければ「もどき」ということになります。この場合の転移は、初発巣以外の他臓器や遠隔リンパ節などへの「遠隔転移」である点に注意が必要です。初発巣の臓器に隣接するリンパ節などへの転移は決定的な要因になりません。
そのがんが「本物であれば、体のどこかに必ず転移が潜んでいますから、いずれ目に見える形で転移が現れてきます。逆に、そのがんが「もどき」であれば、転移によって宿主の命を奪うことはありませんかが、基本的に治療をする必要もありません。(P32)
■実は、固形がんには「本物」と「もどき」の2種類がある、という仮説は、僕が言い出したことでなく、1955年にカナダのマッキノンという統計学者が論文として発表しているのです。
しかし、「がんもどき」の存在を指摘したマッキノン説は、その後、がん治療の権益を守りたい医療界によって延々と無視され続けられました。
そして、マッキノン説からおよそ40年後に、日本でこれを紹介して、有害無益ながん治療の実態に警鐘を鳴らした僕もまた、がん医師らによって無視、あるいは非難され続けることになりました。(P42)
■「転移はがん細胞が発生して間もなく起こる」とのことですが、とすれば、転移が起こる前に初発巣を取り除くことで、「本物」を治すことはできないのでしょうか。?
残念ながらそれは不可能なのです。
がん細胞の直径は約10ミクロンですから、たとえば1ミリ大の初発巣でさえ、がん細胞はおよそ100万個も含まれている計算になります。
そして、その初発巣が「本物のがん」であった場合、がん細胞が100万個も存在していれば、その時点で転移はすでに生じていると考えるのが妥当です。(P46)
■手術によって「局所転移」が起こる人がすくなからず存在する(P78)
局所転移は初発巣や腹膜、皮膚など、外科医が手術でメスを入れたとこのに次々と再発巣が現れるという再発の仕方(P67)
■「術後サーベイランス」を無意味とする根拠はどこにあるのでしょうか。
術後サーベイランスには、患者の寿命を延ばすというエビデンス(医学的根拠)は存在していないということです。
病院の収入は国の診療報酬制度にもとづく保険点数で決められており、手術は手間や人手がかかる割には儲けが少なく、手術だけで患者に逃げられたのでは、「骨折り損のくたびれ儲け」になってしまうのです。
そのため、大学病院などの大病院の中には、それぞれの診療科が、外来や入院でどれだけ売り上げることができたのかの「営業成績」を一覧表の形で作成し、医師らにハッパをかけているところもあります。(P105) 実は、外科医らが術後サーベイランスに固執するのは、それが有害無益であることを患者に知られると、最初の切除手術までも有害無益であることが露見して、やがて自分たちが職を失うことになるからなのです。(P112)
■多くの人が不安に思っているのは、「見つかったがんを放置すると、がんがどんどん大きくなっていって、すぐに死んでしまうのではないか」という点なのですが。?
放置がんの運命は、「増大「不変」「縮小」「消失」のいずれです。
このうち、世の中の多くの人は「増大」、すなわち「がんが大きくなっていく」のが一般的だと考えているようですが、実は、「何も変わらない」「少しずつしか大きくならない」といったケースは以外に多く、なかには「小さくなっていく」「消えてしまう」というケースも決して珍しくはないのです。(P240)
■職場健診や住民健診、さらに人間ドッグなどによって、たとえば前立腺がんの発見数(全年齢層)は、ここ40年で41倍にも膨れ上がっています。
これは当然の話で、事故や別の病気で亡くなった男性を解剖してみると、前立腺がんが非常に多くのケースで発見されるのです。
最も高い率を弾き出した報告では、解剖によって前立腺がんが見つかった割合は、60歳で5割、80歳超では実に役9割にも達しています。
解剖によって「前立腺がん」と判定されたこれらの病変のほとんどは「もどき」であるはずです。(P53)
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