![]() | 新型コロナと巨大利権 経済、医療、税金に巣食う4つの強欲集団 [ 大村大次郎 ] 価格:1,430円 |

■欧米諸国では、雇用保険が充実していので、新型コロナ禍対策において手厚い補償ができましたが、日本の雇用保険は、本当に困ったときに役に立たないのです。
今回のコロナ禍で、事業者が休業したり、給料が激減したり、一時帰休となった場合には、雇用保険がもらえるようなことはありません。だから日本政府は新型コロナで経済的打撃を受けた人を補償しようとすれば、そのほとんどを国家予算から、新たに支出しなければならないのです。
日本の雇用保険は、厚生労働省の天下り機関に横流しされ、虫食い状態になっているのです。が、「農家の利権」にもなっているのです。
実は雇用保険には、非常な不可解な制度があります。それは「半年働けば3か月分の給与がもらえるという制度です。
農家などでは、農閑期だけ雇われ仕事をするという人がけっこういます。そういう人は「半年働いて3ケ月分雇用手当をもらう」という夢のような生活を続けている人も多いのです。
毎年、同じ職場で働いて、雇用保険を毎年もらう人もいるのです。これは、もはや雇用保険とは言えません。(172)
■キャリア官僚たちの迷惑な錬金術(P115)
「闇の早期退職制度」という、国民にとっては「無駄で迷惑」として言えない制度があります。
これは「同期の1人が事務次官にまで上りつめたら、他の同期は皆やめる」という制度です。
別に法律でそう定まっているわけではありませんが、慣習上そうなっているのです。
たった1人の事務次官を出すために、数十年競争させ勝者が決まったら、後はみなお払い箱ということなのです。
50歳代で役所から放り出される彼らは、必然的に再就職しなければなりません。
そのための天下りのポストを確保するために、許認可の権利を振りかざして民間企業と癒着したりするのです。
昨今では国民の目を少し気にするようになっていて、さまざまなカモフラージュをしているのです。
その一つが民間企業でなく、「業界団体」に就職するという手です。
キャリア官僚たちが高い報酬を得るだけじゃなく、もっと大きな弊害があるのです。国民の批判を浴びてしまうために、もっともらしい機関を作り、そこの役員におさまるのです。この「自前の天下り」がかなりひどい状態になっているのです。
そして、当然ながらその機関には人員が必要であり、キャリア官僚以外の人件費までが生じてしまうのです。
■キャリア官僚(P110)
各省庁のトップを務め、総理の秘書官などのポストを占めるので、事実上、日本を動かすということになるのです。
20歳そこそこのときに難しい試験に受かったというだけで、将来、日本を動かす地位が約束されるのです。
こんな前時代的なシステムは、先進国どこも採用していません。日本の官僚システムは相当に遅れたものであり、欠陥だらけなのです。
キャリア官僚は、退職して、10年足らずで10億近く稼ぐ人もいるのです。
■経団連という強欲集団(P145)
・自民党は経団連の加盟企業から、毎年20億円の政治献金を受けており、収入のおもな柱となっているのです。当然、自民党は経団連の意向に沿った政策を行うことになります。
・大企業の株式配当、役員報酬は激増。
・消費税を無理やり導入させた経団連(消費税導入とともに、法人税と高額所得者の大減税を働きかけ、これを実現させた。)
■高度成長期の再来を目指す愚者たち(P161)
「高度成長期のような経済成長をすれば、すべてが解決する」このようなことを論ずる人が、相変わらず多い。
そして、そういう考え方が東京オリンピック誘致や観光立国志向を生んだ。
そもそも、「高度成長期の再来を目指す」というのは、まったくナンセンスなことです。
■異常に優遇されている「開業医」P35
「特定疾患医療管理料」は、高血圧、糖尿病、がん、脳卒中などの幅広い病気に関して、療養管理という名目で、治療費を請求できるというもの。国公立などの大病院には認められていない。メタボリック等の危険を植え付けることにより、開業医が儲かる仕組み。
開業医の税金は激安。開業医は相続税もかからない。
日本医師会は「開業医の団体」だが、そう見られることを嫌い、今は、開業医と勤務医が半々。勤務医が日本医師会に入るのは、医療過誤などがあった時の「日本医師会医師賠償責任保険」に加入するためであることが多いとされている。
日本医師会は自民党の有力な支持母体であり、政治献金をたくさん出しているので、とても強い権力を持っている。
新型コロナの最前線で頑張ているのは、勤務医。日本の医療界の中で、勤務医は厚遇されていない。
優秀な人材が医者になれるシステム、ちゃんと仕事をしている人、本当に優秀な人がそれに応じた報酬を得られるシステムにしないと、日本の医療は本当に崩壊してしまう。
■厚生労働省という強欲集団
優秀なPCR検査機器を認めない。
アビガンの新薬承認をしない。