トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える野鳥のひみつ 鳥類学者がこっそり教える野鳥のひみつ [ 川上和人 ] 価格:1,320円 |
■カラスは遊んで生き残る
カラスはよく遊ぶ鳥です。
「遊び」とは実生活にはむだな行動です。遊べば食物を探す時間も、宿題をする時間も減ります。むだな動きで捕食者に見つかりやすくなります。新しいことを考えるには脳にエネルギーが必要ですし、遊びはコストがかかるばかりで利益がないように見えます。一方で、遊びは未知の行動を試す行為で、好奇心の発露ともいえます。もし、環境に大きな変化が起き、いつもの食物やいつもの巣場所がなくなったらどうなるでしょう。経験に固執する保守的な鳥は、そこで死に絶えるかもしれません。しかし、好奇心の強い鳥なら、未経験の食物や行動を試して生き延びる道を開拓するかもしれません。実際、カラスは都市という新たな環境で新たな食物を開発することで繁栄し、イノベーシションの力を見せつけてくれています。
カラスも人間も遊びが大好きです。時間の浪費にも見える姿は、気たるべき変化の時代を生き抜く勇者の姿かもしれません。だから、遊んでいても責めないでください。
キツツキという種名の鳥はいません。それどろか〇〇キツツキという名前の鳥さえ日本にはいません。たいてい〇〇ゲラという名前で、よく見られているのは、アオゲラ、アカゲラ、コゲラなどです。アオゲラは本州、九州、四国しかいない固有種で、わざわあ海外からやって見にやってくるバード・ウォッチャーもいるほどです。