「安い食べ物」には何かがある 生鮮食品、加工品、輸入品、原材料、添加物……ここだけはチェック (単行本) [ 南 清貴 ] 価格:1,430円 |
■「たんぱく加水分解物」や「酵母エキス」は価格を下げるのになくてはならない存在となっています。これらが入ることでアミノ酸のうまみが加わり、食品がおいしく感じられるものに変化するのです。これらは、食品添加物の扱いでなく、食品と分類され、原材料の一部として「アミノ酸等」としていい決まりになっています。たとえ使用していても「化学調味料無添加」と表記できる上、使う量にも規制がないという、メーカー側にとっては非常に便利な物質です。
これらの「たんぱく加水分解物」や「酵母エキス」は劣悪な原材料をおいしくするためにアミノ酸のうまみを加えるのに使われます。洗浄され、色が抜け、栄養分もうまみもまったくない原材料に加えれば「おいしい」と感じるようになります。ありとあらゆる加工食品に使われています。
問題なのは、コストの安い「たんぱく加水分解物」の製造工程でクロロプロパノールという不純物ができ、これは発がん性物質だということです。「酵母エキス」はエキスなのだから体にいいように思われますが、遺伝子組み換えで作れれている酵母が原材料で問題です。(P12)
■約1500品目指定されている食品添加物は「安全です」と許可されているものですが、あくまで「急性毒性がない」という意味です。小さい頃から当たり前のように食べ続けた子供たちが、20年、30年後にはどうなるかわまったくわかりません。
また、安全性をうたっているのは、それを「単体」で摂取した場合のみの話。多くの食品添加物が認可されているのに一つだけ摂取することはありえないでしょう。コンビニのおにぎりを1個たべたら10種類、カップめんを食べたら20種類の食品添加物を同時に取ってしまうことなどざらです。(P20)
■「乳化剤」というと聞こえはいいのですが、同じものがシャンプーやリンス、乳液などの化粧品に使われた場合、「界面活性剤」という名前に変わります。亡くなった入院患者の点滴にこの「界面活性剤」が入れられたという事件もありました。(P24)
■βカロチンもある種のがんを誘発してしまうことが最近の研究でわかりました。サプリメントも大量に摂るのは危険です。(P26)
■安い卵は、「蜜飼い」といって超過密状態で飼育されています。また、窓のない鶏舎で日照時間を調整し、一日を17時間サイクルにし、早く卵を産ませることもしてます。不自然なことをするので、当然病気にかかりやすく、抗生物質をエサに入れ病気を防ぐのです。その卵を食べている人間にも、当然、抗生物質は移行しています。最近、抗生物質が効かない人が出てきているのは、このようなことも一因でしょう。
「液卵」について、安い惣菜や弁当、一部の外食で使われている卵の多くは、すでに液体になった液体です。卵は機械で割られリッター単位で売られています。当然そのままでは腐敗するので、食品添加物をいれます。この液卵は、マヨネーズ、安いケーキ類やプリン、ファミレスの茶碗蒸し、かつ丼や親子丼。惣菜店の卵焼きにも使われています。
黄見の色が濃い卵はエサに合成着色料をいれているため、濃くみえるだけ。(P30)
■安い漬物は、ほとんでが輸入野菜で港で「野ざらし」にされている。それに着色料などを加えて作られる。非常に危険ば食品です。(P37)
■安い味噌・醤油は、発酵させないで。わざわざアミノ酸を加えることでうまみをだしています。「だし入り味噌」は「だし」でなくアミノ酸を加えているにすぎません。(P40)
■大量生産の納豆に使われている納豆菌は、実は「遺伝子操作」されているものがほとんどです。
付属の「たれ」は絶対に食べないでいただきたいと思います。毎日せっせと納豆をたべれば少ない量でも、相当の食品添加物を摂ることになります。(P51)
■野菜に完熟していない堆肥を使うと有機肥料が野菜に悪影響を及ぼすことがあります。その正体が「硝酸態窒素」という存在です。硝酸態窒素は人間の体内に入ると、ニトロソアニンという強力な発がん物質に変化します。ニトロソアニンのもう一つの問題は、すい臓のインスリンを生成する蔡瑁にダメージを与えてしまうことです。つまり、糖尿病の原因になり得るということです。もしかしたら、ニトロソアニンが、日本ががん大国、糖尿病大国になってしまった一因かもしれません。
小松菜やほうれん草に硝酸態窒素が多く含まれている場合、濃い緑色になっている場合があります。(P56)
■農薬の安全基準は、マウスを使った実験結果によって決められています。しかし、マウスと人間が接種する量が同じであるはずがありません。しかも、マウスの寿命は人間に比べれば非常に短いものです。
ちなみに遺伝子組換えもマウスで実験していますが、実験期間は9ケ月と限定されています。ですから9ケ月間で何も起こらなければ安全と断定されています。ところが、継続して実験したマウスでは、その後、体中が腫瘍だらけになるということが起きています。実験そのものの信憑性を考えさせられる話ですが、「9カ月しか実験していません」とは公表はしていません。(P58)
■刺身は「生鮮品」扱いになり、食品添加物は使用してはいけない決まりがあります。ところが、マグロとイカとサーモンなどが一つのパックになったとたん「加工品」扱いになり、食品添加物の使用が認められているので、防腐剤などの添加物が使われている場合もあります。(P75)
■牛肉が安いのは、飼料が安いからです。いってみれば、輸入された遺伝子組み換え大豆とトウモロコシが牛肉に形を変えて、食卓に並んでいることと同じです。(P85)
■加工したはずのハムが、豚肉そのよのより安いというのは何かヘンではありませんか。これは、増量剤、防腐剤、結着剤、香料、着色料といった、食品添加物の力がはたらいているのです。(P103)
■「キャリーオーバー」の問題。キャリーオーバーとは、例えば、「無添加」とうたわれた弁当の中に、かまぼこや卵焼きが入っていて、それを別の会社から仕入れた場合、原材料を作る時点でどれほどの添加物を入れたとしても、最終的に加工した時点で添加物を使っていなければ「無添加」といっていいことになっています。(P115)
■レトルト食品は、120度で加熱殺菌されます。理由は120度で4分加熱すれば、ボツリヌス菌を完全に死滅させることが出来るからです。ちなみに、100度で菌を死滅させようと思ったら、6時間加熱する必要があります。
ただし、高温で加熱殺菌されることによって、食品の栄養価はガタ落ちになってしまいます。また、安価なレトルト食品には、素材が劣悪なものが多く、着色料、香料、たんぱく加水分解物、酵母エキスが大量に入っている場合もあります。(P129)
■缶詰は、内側から重金属が溶け出してくる可能性があるのが、問題です。とくに油を使っているものやトマトをはじめとした酸性が強いものは注意が必要です。また、食品添加物は使用しています。防腐剤は未使用ですが。(P134)
■冷凍食品にとくに多く含まれているのが、加工デンプンです。名はデンプンでも天然のデンプンとは全く異なります。発がん性が疑われ、EUでは使用が制限されています。日本では制限がないばかりか、食品添加物ではないという考えの人さえいます。(P139)
■日本では、「エキストラバージンオイル」と表示することに関しての規制はまったくありません。ですからひまわり油、菜種油などが混合していても責任わ問われません。
国際オリーブオイル協会(IOOC)という団体に加盟している場合は、明確な基準を満たしていないものは「エキストラバージンオイル」と名乗れないのですが、日本はこのIOOCに加盟していません。
本物のエキストラバージンオイルだと500mlで4000円程度します。(P144)
■コーヒーフレッシュの中身は劣悪な植物油と水、そしてその水と油が混ざるように使われている乳化剤、香料や着色料−つまり、水と油で作った白い液体なのです。(P147)
■人工甘味料を体内に入れたら、私たちの体で分解できない物質がそのままの状態で代謝されすに、ずっと私たちの体に残るということです。「排泄できるのではないの?」と思われるかもしれませんが、他の物質に代謝できないものは排泄もできません。
最終的にはおそらく肝臓や腎臓などの臓器の中に化学物質として残ってしまい、免疫力の低下につながっていくでしょう。
日本で使われている多いものを3つあげると、アステルパーム、スクラロース、アセスルファムカリウムです。(P150)
■アイスクリームには3種類あります。アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスです。乳脂肪分が最も多く含まれているのが、アイスクリームで、ミルクの風味が感じられるものです。一般的には大量の食品添加物は使われていません。アイスミルクはアイスクリームに比べて乳脂肪分がすくなく、香料、乳化剤、安定剤などの食品添加物も使われています。
そして最も食べていただきたくないのが、ラクトアイスです。乳脂肪分がほとんど入ってなく、代わりに植物油脂がたっぷり使われています。トランス脂肪酸のことです。ラクトアイスの原材料表示には「植物油脂(ヤシ油、パーム油)」などと書かれています。(P162)
■酸化防止剤の入ってない無添加ワインは確かに無添加ですが、加熱して品質を安定させています。(P191)
■日本は子どもの貧困率は高い国です。このままいくと日本はどうなってしまうのでしょうか。その将来像が創造できる例が今のアメリカにあります。
それが「フードスタンプ」という低所得向けに行われている食料補助対策です。低所得者にICカードが渡されます。そのカードを使ってスーパーなどで食料品が買えるのです。最大で一人当たり100ドル相当が支給されます。「いい制度じゃないか」と思うかもしれませんが、これが大問題をはらんでいます。
2013年時点でアメリカ国民の人口の約15%がこの「フードスタンプ」(正式名称はSNAP:補助的栄養支援プログラム)を必要としている状況です。ウオルマートの総売り上げの20%がフードスタンプの使用者なのです。
低所得者に、国が税金を使って食料を提供しているわけですが、この事態は、実は大手の食品メーカーにはとてもありがたい状況です。なぜなら、彼ら彼女らはほとんどが安い加工食品を買うからです。税金を使って、加工食品を多数発売している大手のグローバル食品企業やカード会社だけが儲かるという皮肉なしくみになっています。
私は遠くない将来、日本版フードスタンプが登場すると想像します。税金を使って一部の大手企業が儲かるというしくみです。品質の悪い加工食品ばかり食べるようになったら、健康的な生活は維持できなくなり大きな危機になります。(P218)
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