自分を休ませる練習 しなやかに生きるためのマインドフルネス [ 矢作直樹 ] 価格:1,100円 |
■神道に「中今」(ナカイマ)という言葉があります。今を生き切ることこそ大切という意味を持つ言葉ですが、マインドフルネスは中今そのものであり、私たちは古来、マインドフルネスを知っているのです。(P5)
■今すぐ決めなくてもいい。やらなくてもいい。(P24)
その理由は体調です。体調は良いときも悪いときもあります。良いときに出した結論ならまだしも、体調の悪いときに出した結論は後ほど後悔する可能性が高まります。
もうひ一つの理由は「日にち薬」です。時間が経つと、人は気持ちが変わります。だからこそ、嫌なことや悲しいことがあっても、前を向いて生きられるのです。
さらに時間をおくことで、とり得る選択しが増えます。考える材料も増えます。
■期待しない、依存しない(P37)
「何かをしてくれたらありがとう、してくれなくてもそれが当然」
「約束を守ってくれたら感謝、守ってくれなかったら忘れよう」
■すこやかなからだを取り戻すためには、各所を動かすことです。その視点でいえば、喉を動かす、飲食物をしっかり飲み込む、これも重要です。ものを食べるときに、ちゃんとごっくんしないと「誤嚥」につながります。機械的に食べないで、ちゃんと、ごっくんすることが大切です。(P81)
■人間の五感には「抽出力」があります。
抽出力とは、五感を通じて入ってくるたくさんの情報の中から、ある音、ある映像、ある匂い、ある温度、そんな特定のものだけを、自分が選び取る能力です。この能力を、誰もが無意識のうちに生活の中で使っています。
抽出力を磨くことのメリットは、自分が「不快だ」と感じるものを、自然と自分に取り込まなくなる点です。
人間は良くも悪くも「慣れてしまう」生き物です。だから今置かれている状況が、快適なのか不快なのかがわからなくなることがあります。
そうならないためにも「好きなもの」への感度を磨きましょう。(P119)
■季節の移り変わりを味わうために役立つ、昔から伝わる考え方があります。「二十四節季」(ニジュウシセッキ)です。食べる、装う、そんな生活全般に至るまで、季節に従って生きると、毎日がイキイキすることを感じられるでしょう。(P130)
■融通無碍という言葉があります。何かにとらわれることなく、あるがままで自由な状態のことです。
この世には、私たちを左右する要素が多々ありますが、それらに左右されることなく、自由自在で、のびのびする。縛られない。これが理想です。
嫌だなあと思うなら、引き受けない。感情を乱されるようなら、付き合わあい。誰かの勝手な思考や感情に、振り回されない。(P158)
■「今の自分」が一番素晴らしい(P167)
昔と今を比べることも、やめませんか?
若いうちは、年を重ねるごとにできることが増えます。中高年になるとできないことが増えます。でもそこで落胆せず、むしろ「今できること」に集中すればいい。
■禅語の「吾唯足るを知る」から生まれた言葉、それが知足です。私たちはすでに満ち足りている、それを忘れているだけ。だから思いだせばいい。自分がすでに何でも持っている事実を、欲するものはすべてあるという事実を、もう何も欲しなくていい事実を。これが知足、つまり「足るを知る」ということです。(P170)