一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識 (PHP新書) [ 長谷川嘉哉 ] 価格:946円 |
■ワーキングメモリー(脳の前頭葉)P30〜
入ってきた情報を一時的に保存して、脳内の他の情報と組み合わせ、思考、計算、判断などの知的生産作業を行います。ワーキングメモリーが同時に処理することができるのは、5〜7つで、その処理能力は加齢によって衰えていき、50代では最盛期の30%ほどに低下するといわれています。
仕事の早い人、記憶力に優れた人は、飛び抜けて優秀なワーキングメモリーを持っているのではなく、一つ一つの作業を終わらせ、ワーキングメモリーを解放するコツを掴んでいるのです。
■短期記憶と長期記憶(P39〜)
短期記憶は情報を一時的に保存しておく能力です。生命に関わる情報(例えば、道路を渡ろうとして車にひかれそうになった経験等)は長期記憶に刻まれます。長期記憶もすべての事柄を覚えているわけではありません。その選別を行っているのが「海馬」です。
海馬は大脳皮質に長期記憶として蓄積するかどうかを判断します。
扁桃核(海馬の近くにある)は感情をコントロールする部位で、喜怒哀楽などの感情は、 扁桃核を刺激し、扁桃核の刺激を伴う記憶について海馬は「重要なもの」と捉え、長期記憶の倉庫へ送るように判断するのです。
■記憶力をよくするには?(P67)
名刺交換した相手のことを自分と関連のある形でインプットしていきましょう。友人と同じ名前、出身地の名産があなたの好物、顔がタレントの誰々に似ているなど、それらの情報が記憶のフックとなり、思い出しやすくなります。
本、映画や講演で、情報をインプットするときは、直後にアウトプットする機会をつくりましょう。入ってきた情報を自分なりに整理して、アウトプットすることで知識が脳に定着します。
■認知症は、大きく分けて二種類があります。アルツハイマー認知症と血管性認知症です。アルツハイマー認知症は、脳細胞そのものが変性していき、多くは70歳以上で発症します。
これに対して血管性認知症は、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病で、それによって脳梗塞や脳出血が引き起こされ、血管性認知症となってしまうのです。60歳を超えると発症リスクが高まります。(P78)
■満腹感や刺激的な味(甘い、辛い)を欲するのは、ストレスによって交換神経が興奮していることの現れです。血管に障害の起こるリスクを抱えている人にとって危険度を高める結果となります。(P79)
■あなたの脳を「一生使えない脳にしてしまう原因(P94)
高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病
喫煙、飲酒(一日:日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本以下)
1カ月に一度も有酸素運動をしたことがない。
言い間違いを指摘されたとき、「私は間違ってない」とカットなる
(理性的な言動を司どる前頭前野の機能低下が疑われる)
■脳のワーキングメモリを向上させる生活習慣
・考えながらの読書、アウトプットを意識してインプットすることでワーキングメモリが働く
・「すぐやる、メモする、書き出す」習慣。一日の最低限クリアしなければならない仕事については、頭を悩ませる必要がなくなる。
・自転車を初めて乗る時は、前頭前野を使うが、慣れてくると小脳が使われるようになる。プロスポーツ選手のファインプレーも、繰り返し練習することにより、小脳を使っている。
・40歳を超えると「あの人の名前、なんだっけ?」ということがふえる。その時、人に教えてもらうか、スマホで調べ、答えをだす。そして、思い出せずに奮闘した「単語、事柄、名前」を記録する。記載される単語が増えてくると、徐々に傾向がわかる。
・日記による「回想療法」で記憶を整理する。日記を書くと感情が動き、扁桃核が刺激される。
・デユアルタスク 歩きながらシリアルセブンをする。マルチタスク(テレビを見ながらの勉強)は逆に低下させる。車を運転しながらの電話は運転能力を低下させる。
■一生使える脳を支える身体づくり
・プロテインスコア(タンパク栄養価を表す指数)満点の卵を食生活に取り入れる
・朝昼晩の三食のうち一食だけ、糖質を制限する
・適切な量の自然塩をとる
(昭和初期のように一日20グラムは摂りすぎ、アメリカの推奨基準5.8グラム、6.7〜12.6グラムという説もある。塩分を摂り過ぎたと感じた時は、カリウムの多い物を食べるとナトリウムと結びついて排出される。)
・口腔内を清潔に保つことが認知症の予防に有効
(歯肉炎によって発生する炎症性サイトカインが口腔内の毛細血管から血中に入りこむと、インスリンの働きを妨げ、糖尿病を引きおこす。)
・噛むことは、一生使える脳を支える身体的行為の一つ
・万能の働きを持つ唾液は、あなたの健康も守ってくれる
・有酸素運動、筋肉トレーニング、柔軟体操、バランス体操の4つの運動習慣
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