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■私が円周率4万桁暗唱でギネスブックに登録されたとき、「すごいですね」「面白い」と多くの方からお声をかけていただきました。その一方「円周率が何の役に立つんだ」と言われたことも数しれず、そんなときは自分を信じてわが道を行く。「何を言われても自分がやりたいのだからいいんだ」という平気の気持ちです。しかし、「何の役に立つんだ」と他人から言われるうちはまだ平気でした。問題は、自分が「こんなことをやって何の意味があるんだ。ばかばかしい」と思ったときです。その途端円周率がまったく覚えられなくなりました。 そこで「今まで記憶トレーニングを続けてよかったことは何だろう、悪かったことは何だろう」と考えたのです。
よかったことは、集中力がついたこと。寝つきも目覚めもよくなったこと。語呂合わせを考えるのが楽しいこと。記憶術に関する話題が増えたこと。人が面白がってくれること。記憶術の講演などを通してさまざまなジャンルの人と交流が広がったこと。などたくさん挙げることができました。次に悪かったことを挙げようとしたのですが、これといって思いつきません。そうしたら、また覚えられるようになりました。このとき、脳は前向きでないと動かなくなるということも知りました。
「ばかばかしい」と思ったときは、よいこと、悪いことを羅列してみてください。「よいことばかり」と気がつけばやる気が大きく確かになり楽しくなると思います。(P53〜)
■記憶トレーニングを続けるうち、コロッと寝ついてすっきり目覚められるようになりました。「年をとってなかなか寝つけない」「睡眠が浅くなった」「途中で目覚める」という話はよく聞きますが、私は深い眠りがえられています。
日中によく活動すると熟睡できる、という経験は誰にもあるはず。おそらく意識して記憶する時間のなかで脳がフル回転して適度に疲れるのでしょう。またヨガや散歩も日課にしていますので、脳と体がバランスよく使われているのだと思います。(P26)