命と人生を決める歯臓と遺伝子 思いとカミアワセが遺伝子をONにする (歯臓革命対談シリーズ) [ 村上和雄 ] 価格:1,100円 |
村上先生のご講演の補足(P220)
■遺伝子に書かれている暗号とは?
生物の基本単位は細胞です。そして細胞の働きは遺伝子によって決定され、遺伝子は同じ一つの原理で働いていることがわかりました。基本原理が同じということは、生物は一つの細胞から始まったと思われます。
ここで、カビも大腸菌も植物も動物も人間も、みんな同じ原理で生きていることが判明しました。遺伝子にはタンパク質を作る暗号が書かれています。タンパク質は20種類のアミノ酸からできています。これは、体の基本要素であると同時に、様々な化学反応に必要な酵素やホルモンなどを作る材料でもあるのです。いうなれば「生命現象の元」になる物質です。
遺伝子の研究はその後も進み、ヒトとチンパンジーのゲノムの違いは、タンパク質をコードする配列ではなく、遺伝子のオンとオフに関与する配列にあったということです。
そして人は心の持ち方や考え方を変えることによって、遺伝子のオンとオフを切り替え、一生涯進化することができることがわかったのです。
■脳の働きを制御するのは心
脳から全身の細胞に指令が出ているために、脳が身体を動かしているかのように思われますが、実際に、脳を動かしているのは、自分の心であり、意識です。
脳はテレビやラジオの受信機のようなもの、そして心や意識が真の創造者といえるでしょう。
ということは、脳は私ちが「できる」と思っていることしかできないわけで、「できない」と考えたら決してできません。このような考え方が遺伝子のスイッチのオンとオフにつながります。つまりDNAは単なる設計図にすぎないということです。
■遺伝子のON/OFFとは
人間の遺伝子情報で現在働いているのは5%からせいぜい10%、そこで遺伝子の指令情報を、遺伝子のON/OFFという言葉で表現しています。
私たちの意識でオンとオフになる遺伝子があるのです。ここで初めて自分の意識や思いが大切になるわけです。
もし良い遺伝子のスイッチをオンにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に向上するでしょう。
■遺伝子がONになるとき
@ある環境で、それまで眠っていた遺伝子が活発に働きだすことがある
A心の変化により、今まで眠っていた遺伝子が活性化することがある
B行き詰まりを感じている時、思い切って環境を変えてみると、遺伝子のスイッチが切り替わることがある
C新しいものに触れること。OFFになっていた良い遺伝子を目覚めさせる絶好の機会になることがある
D情報交換は大切。出会いによって人生が変わることも
Eいい業績をあげるには常に前向きな姿勢が大切
F遺伝子ON型の特徴は、目の前のことに精一杯取り組むこと
Gギブ・アンド・ギブの実践が大切
H失敗とは「失敗」を意識した時から始まる
I熱烈な思いは天に通じ、遺伝子もONになる
J遺伝子は老化しない。いくつになっても自分の才能を開花させる能力は失われない
K遺伝子の働きを阻害するのは否定的な心
■「自然の法則」に合致した生き方とは
A・H・マズローの「人間の可能性を妨げる6つの要因」(以下)は遺伝子の目覚めを妨げる要因と考えられます。
@いたずらに安定を求める気持ち
A辛いことを避けようとする態度
B現状維持の気持ち
C勇気の欠如
D本能的欲求の制御
E成長への意欲の欠如
遺伝子的にみて、自然の法則に合致した生き方、さらに遺伝子のスイッチをONにするために、毎日の暮らしの中で次のことを意識することです。
@常に明るく前向きに考える
A志を高く
B思い切って今の環境の変化を
C人との出会い、機縁を大切にする
D感動する
E感謝する
F世のため人のためを考えて生きる
G決してあきらめない
Hプラス発想
■まとめ
@地球上に存在するあらゆる生き物は同じ遺伝子暗号を使って生きている
A阻害要因をとり除けば人間の能力はスーパーに発揮できる
B人間の能力を抑える最大の阻害要因は、マイナス的なものの考え方
Cマイナス発想は好ましくない遺伝子を働かせる可能性が
D「生命は優勝劣敗で進化してきたのではなく互いに助け合いながら進化してきた」とする進化論をある
Eサムシング・グレートは、「生命の親」のような存在で、我々子どものために愛を注いでいる
F自然は「あれか、これか」と物事を二つに分けで選択する方法をとらずに、両方を生かす「共生」の方法をとる
G心と魂は別のもの。心は意識できる精神、魂は無意識とつながっていてサムシング・グレートに通じている
H心と体はつながっていて、死ねば体と一緒に心も滅びる
I感動で涙をこぼすと人は良い気持ちになり、良い遺伝子が働く
J自分の身に起こることは全部「必然」である
Kあきらめずに続けることが、物事を成就する最大の秘訣
L「つつしみ」の心は自然の法則に合致する
村上先生のご講演
■すべての遺伝子の情報を書いたのは誰でしょう?人間ではない存在です。人間を超える、不思議な力。書いたのは「自然」が書いたとしか思えません。
とはいえ私の知っている自然は、目にみえるものです。しかし、山や川が書いたとは思えない。そんな自然が、あの狭い空間に針の穴を100万等分したような、狭い空間に書くだろうか?
あの狭い空間に書き込んでいる存在を私どもはおろそかにできません。一つは目に見える自然、そしてもう一つは目に見えない自然。、データで見ることができるかもしれませんが、本当に大切なのは目に見えないものです。
例えば愛情。心はどこにありますが? もちろん誰にも見えません。命もそうです。目にみえません。
私たちは、今、目に見えないものの存在をおろそかにしているのではないでしょうか。サン・テグジュベリの「星の王子様」に、「かんじんなことは目にみえない」という台詞があります。その目に見えない自然の働きを「サムシング・グレート」といいます。あなたの遺伝子を書いたのは人間ではありません。サムシング・グレートです。私の定義は、すべての生き物の親ということになります。それは今も働いている。すごい世界があると思い、それについての考察を述べる本を書いたり、講演をしたりしています。(P207)
■DNAの遺伝子情報を読み取り、遺伝子のメッセンジャーRNAをONにする仕組み(P73)
村津 遺伝子がオンになるときは、何かが変わるのですが?
村上 遺伝子そのものは、直接働きません。遺伝子は情報だけもっている。細胞の核の中のご本尊のようなところに入っているわけです。この遺伝子が働くためには伝令が必要です。つまりメッセンジャーがいります。
伝令が核のDNAのところにいって、情報をコピーし、細胞の中でたんぱく質やホルモンといった情報物質を作ります。
このようなメッセンジャーを作らないと働かないわけです。メッセンジャーになると、ほぼ自動的にタンパクが出きます。
オンというのはメッセンジャーがどのくらい作られているかということによってオンがオフかがわかるということです。
村津 メッセンジャーIRNAが働くためのオンにする仕組みは?
村上 ある程度わかっています。
村津 ・・・思いが、どのようにして細胞レベルを動かすのでしょうか?
村上 そのメカニズムはまだ分かりません。
村津 オンにするということは、メッセンジャーRNAが働くということですね?
村上 そうです。
村津 自分の意志によってオンになるのですか?
村上 読み取ってくるのです。
村津 なるほど。自分の意志がメッセンジャーRNAを活性化して読み取ってくるわけですね。つまり探してくるわけですね。
村上 そうですね。