睡眠薬中毒効かなくなってもやめられない【電子書籍】[ 内海聡 ] 価格:730円 |
ストレスチェックに注意!
血圧の基準値を下げたら高血圧の患者さんが増えて、医療機関のお客も増えて、何より製薬会社が儲かるのと同じで、不眠て定義が広がれば、患者さんが増えて睡眠薬の処方が増えるから製薬会社が潤う。
定義を変えて病気をつくり、利益を増やすのは、医者と製薬会社の常套手段だが、なにも医療機関と製薬会社ばかりが悪いわけではない。そもそも、現代人は、何か症状があると、すぐに病気と捉えてしまう。(P27)
2010年3月から、自殺対策の一環として、内閣府が中高年男性をターゲットに「睡眠キャンペーン」を始めた。
不眠はうつの症状のなかでもっとも自覚しやすいサインだから、不眠を早期発見して精神科を受診させることが自殺予防につながるというのが「睡眠キャンペーン」の大まかな筋立てだ。このキャンペーンが始まる前、静岡県富士市で事前試行が行われた。
内容は「2週間以上続く不眠はうつのサイン」と大々的に伝える睡眠キャンペーンとかかりつけ医や産業医から精神科医につなげる「紹介システム」、市販の睡眠薬を購入する人に薬局などで医療機関の受診をすすめる「受診推奨」が主な柱だった。実際この紹介システムによって、2007年1月から09年12月までの間に381件紹介が行われた。
その結果、富士市の自殺者数は.キャンペーンが本格始動した翌年から増える。睡眠キャンペーンを行ったら、逆に自殺者が増えてしまった。同様のことは、滋賀県大津市でも起きている。(P30)
新たなキャンペーンといえば、2015年12月から従業員50以上の事業者に対して、ストレスチェックと高ストレス者への面接指導を行うことが義務付けられたのだ。「あなたは高ストレスですね」と言って精神科の受診を促そうとするのだ。構図はいつも同じだ。(P35)
睡眠薬のいちばんの問題は、皮肉にも、眠れなくなることだ。より正確に書くなら、睡眠薬なしには眠れなくなる。つまり依存の問題である。「最近の睡眠薬は、依存症はあまりないから」そう言って睡眠薬を処方する医者は多い。国内でもっとも売れている睡眠薬であるゾルピデム(商品名「マイスリー」)の添付文書を見ると、「重大な副作用」の一番目に「依存性、離脱症状」と書かれている。
イギリス、フランス、香港や台湾では、4週間を超えてはならないとガイドラインなどで定められている。
しかし、日本のガイドラインには、次のように記載されている。「睡眠薬を服用していると、依存症になってやめられなくなるのではという心配を伺うことは少なくありません。しかし、あなたが、睡眠薬の服用を始めたばかりなら、先々やめられなくなるかどうかを心配するより、まず医師の指示通りに服用して症状を改善させることを最優先にすべきでしょう。現在用いられている大部分の睡眠薬には強い依存性はありません。・・・」(P73)
■睡眠薬の依存から脱するには(P142〜)
睡眠薬が1種類であれが、漸減法といってすこしずつ量を減らしていく。2mg→1.5mg→1.0mg→0.5mg→ゼロという具合に。多剤服用の場合は、「心の病に薬はいらない!」(かんき出版)にくわしく記した。
断薬の過程で、禁断症状は出る。しかし、眠れなくなってまた睡眠薬に手を伸ばす人がいるが、それでは一生やめられない。禁断症状は長い人でも1カ月程度だ。もしそれ以上続く場合は、別の要因が隠れていることがほとんどである。
■不眠に限って食生活を考えると、「何を避けるか」が重要である。具体的に言えば、「興奮性の神経細胞毒をいかに避けるか」がポイントといえよう。普通に食べているもののなかに、こっそり入っていて気づきにくいのが、興奮性の神経細胞毒だ。その代表格が次の3つだ。
・砂糖
・人工甘味料(アステルパーム、スクラロース、サッカリンなど)
・グルタミン酸ナトリウム(化学的なうま味調味料)
グルタミン酸ナトリウムについては、一時期、しきりに「危険だ」という情報が広まったはずなのに、「うま味調味料」「アミノ酸」といった名前でほとんどの加工食品に安易に使われている。
あなたは、寝る前や夜食に、スィーツ、人工甘味料が入った清涼飲料水やスポーツドリンク、グルタミン酸ナトリウム満載のインスタントラーメンやコンビニのおにぎりを食べていないだろうか。それで眠れないのは、当たり前である。(P172)
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image