リンク元より、抜粋
「野菜の種子は30〜40年前まで、伝統的な固定種(親から子、子から孫へと代々同じ形質が受け継がれている種。味や形が固定されたものが育つ)でした。ところが、今では海外で90%を生産。伝統的な固定種のほとんどが海外生産されている。『ホームセンターで売られている243の種子をすべて調べたところ、国内生産の種子は3つしかなかった』というような状況です。
かつては全部、100%国産だった。それが30年の間に海外生産となって、どう変わったか。F1(異なる親を交配させることで親とは違った新しい形質を持つ種子)になって、同時に種子の値段が上がった。たとえば、イチゴやトマトの種子はかつて1粒1〜2円だったのが、今では40〜50円です。どんどん高くなっている」
高価な種子を売りさばき、利益を得ているのは誰なのか。
「今、世界の種子市場は、モンサントを買収したバイエル、ダウ・デュポン、そして中国化工集団に買収された世界最大の農薬会社シンジェンタの3社にほぼ7割を握られています。日本の野菜の種子も、おおよそ押さえられたと言っていい」
「コメと麦と大豆は、野菜と違います。種子法によって政府が種子を管理してきました。今でも国産100%。伝統的な固定種です。日本のコメ・麦・大豆の市場規模は野菜の7倍あります。モンサント、デュポン、シンジェンタがTPP協定で狙ったのはこれだったんです」
2018年12月30日
2018年12月01日
日本が売られる
価格:946円 |
【大竹まこと×堤未果×はるな愛】日本が売られる-YouTube
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第三章 売られたものは取り返せ
■2018年の春から廃止された種子法を、自分たちの地域だけでも元に戻そうと行動を起こしている自治体が、少しだが増えている。廃止からわずか半年の間に、新潟県、兵庫県、埼玉県は独自の種子条例を作り、北海道や長野県も自分たちの種子法条例を作成中だ。(P239)
■2018年6月1日 マレーシア政府は消費税を廃止した。(P240)
■2009年。グローバル水企業ヴェオリア社とスエズ社の本拠地、水道民営化のパイオニアと呼ばれるフランス・パリで水道事業の民間委託に終止符が打たれた。
民営化以来、パリの水道料金は倍以上に跳ね上がり、悪くなる一方のサービスに住民の不満が止まらない。
形態は、自治体が水道の所有権を維持したまま、運営を全て民間企業に委託する「コンセッション方式」(日本政府が推進中の手法だ)だが、経営や料金設定、投資の仕方など全ての決定権はヴェオリア社とスエズ社にあり、市民には何の情報を与えられなかった。(P253)
■2013年7月4日の独立記念日に、全米173カ所で、「遺伝子組み換え食品の表示を求める」デモが起きた。
アメリカには遺伝子組み換え食品の表示義務がない。アメリカでは子供の12人に1人が何らかの食べ物にアレルギーがあり、3人に1人が肥満児で、6人に1人が学習障害、20人に1人が発作性の疾患を抱え、68人に1人が自閉症。
これは、グリホサート(除草剤ランドアップに使用)が大きな原因だと推測されている。(P268)
■2018年8月10日。カリフォルニア州で、ドウェイン・ジョンソン氏が、モンサント社を相手取り、同社のグリホサート系除草剤でがんを発症したとして起訴していた裁判で、勝訴した。
今回の裁判プロセスが世界中に明らかにしたことは、企業と学者の間の不適切な関係と、公文書化された嘘や隠蔽が堂々とまかり通るという、行政の歪んだパターンだった。
WHOの評価を覆す証言をしていたマクマスター大学健康医療科の毒物専門学者が、実は一度もグリホサートの安全性を研究したことがない上に、モンサント社に謝礼をもらっていたことや、ハーバード大学の腫瘍疫学者が、グリホサートの安全性を主張する見返りに同社から10万ドル(約1000万円)受け取っていたことなどが、裁判を通じて暴露されたのだ。
そして何よりも、アメリカのEPAや欧州のEFSAなど、国民の命と安全に奉仕するべき立場の行政が企業に忖度し国民に背任行為をしていたという事実は、アメリカや欧州だけなく、世界の多くの国々で、デシャヴをもたらしたにちがいない。
この間ずっと、それと同じ光景を見せられている、私たち日本国民にも。
食品ジャーナリスト、サンディ・マクドゥーウェル氏は、この評決についてこんなコメントをした。
「株主利益を最優先して企業が倫理を失うケースは珍しくないけれど、それが世界規模の企業だった場合、国境を超えて大勢の人たちや環境を危険にさらさすリスクがあるんです。つまり私たちは、そういう時代に生きている。だから市民は受け身でいてはダメ、自分の頭で考える消費者になることが、唯一巨大企業の暴走にブレーキをかけられるのだから」(P276)
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