老いる意味 うつ、勇気、夢 (中公新書ラクレ 718) [ 森村 誠一 ] 価格:924円 |
■予定がなくなったときのスケジュール表(P146)
私の友人で、入院期間が長引くにつれ、病気は快方に向かっているにもかかわらず、次第に無気力になっていったケースがあった。
そこで私はその彼にスケジュール表をつくることをすすめた。
「入院しているのだから、予定などは何もない」というので、「何時になったら売店を覗くとか、何時になったら病院の周辺を散歩するとか、そういうことでもいいんだ」と言って聞かせた。それでも乗り気でないようだったので、私のほうでスケジュール表を作って渡しておいた。
そてに従って行動するようになった彼は少しずつ気力を取り戻していったのである。
一日の自分のリズムができ、やるべきことがあれば、それだけで張り合いが生まれる。
老後に自由な時間が持てるようになると、縛りがない分、いい加減な生活になりやすい。
易に流されるのが人間である。
ダラダラとした生活を続けていると、やる気も持てず、朝起きる気力もなくなっていく。無気力、自墜落にならないためにもスケジュールによって自分を律するのがいいわけである。(P146)
スケジュールに縛られすぎたくない人は、ある程度アバウトな時間配分にしておくのがいい。あまり細かく組んでしまうと、それにあわせなければならないという焦りから気持ちに余裕がなくなり、スケジュールの奴隷になってしまうからだ。かえってストレスになる。(P151)
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