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■ヨガの目的は、悟りを体得し、人間としてのほんとうの生き方を求め、生きとし生けるものすべてが共存共栄できる世界を建設することにある。そのためにこそ心と体を健やかにするのである。ヨガを学べば、自然心、自然体をもち、自然生活を営むことができる。自然とは、すべてのものが当然あるべき姿なのだ。そして心と体と生活の自然性こそが、あらゆる人が求める、健康、悟り、平和、善と美、そして喜びを生み出す力なのである。(P4)
■丹田のカを強くすると、生命力が高まる。丹田力を高めるにはこうすればよい。まず肛門が引き締まるような状態を工夫すること、それには、上半身の力はぬけるよう(虚)にし、下半身には力が入るよう(実)にする。日本ではむかしから、このことを「上虚下実」とか、「頭寒足熱」と言う。(P39)
■近代生活、文化生活、集団生活の中で生きてゆくためには、人は人としての訓練をしなくてはいけない。
人間は他の動物よりも知恵があるだけ、意識的に自然への適応能力を高める訓練をしなくてはならない。動物は環境に対して自分の心身をありのままにさらけ出しているが、人間は知恵を使って、環境から身を守り、同時に甘やかしている。だから文化が進むほど、訓練は必要になってくる。(P30)
■心と体の疲労や病気は、不自然な姿勢をつづけることによる筋肉と背骨のかたよりやゆがみが原因である。その異常さえとりのぞいてやれば、心身を美しく健康にすることができる。ヨガの基本的ポーズをマスターしよう。(P36)
ポーズをする時の目の動き(P40)
@体を反らすときは、目を上に(上へ向けると脳への刺激)
A体をかげめる時は目を下に(下へ向けると腹部への刺激)
B体を曲げたりねじるときは、目も同じ方向に
ポーズを行う前の注意(P58)
@実施前には、必ず排尿排便すること。食後1時間、お酒を飲んだあとは行わないこと。
A体と心をくつろがせてから行うこと。
B楽しんで行うこと。
C無心で行うこと。何も考えず、体が自然に動くままに、すなおに行う。
D呼吸のリズムに注意を合わせること。
E動作はゆっくり行う。
Fポーズ中は、自分の動さや体位をはっきり頭の中に描いておくこと。ポーズ前は、意識を丹田に集中し、しだいに目的の部位に注意を移していく。
Gポーズが一回終わるごとに、ぼんやりとくつろぐこと。次のポーズに移る前に呼吸の静まるのを待つ。
■座法は、精神を安定させ、集中力を強化する(P92)
@首の後ろを、意識的にぐっと引き上げる。
A胸は左右に広く広げて持ち上げる。
B腹を上下に伸ばしてひっこみぎみにする。お腹のところにある直腹筋を外側から見て上下に伸びた一本の棒のようにする。
自分が正しく座法を行っているかの自己判定法
@自然に深く静かで力強い呼吸になっている。
A上半身の力がぬけ、心がやすらいでいる。
B下半身に力がこもり、体が充実安定している感じ。
丹田に力がこもっていれば大脳は安定し、神経も覚醒する。
■食事より排泄が大事(P130)
食べることばかり考えて、排泄を怠ると、体に必要のない残留エネルギーを増大させる。病気は、エネルギーや体力が不足して起こるのでなく、余ったエネルギーや体力を病気をつくるほうに使っているから起こる。
万人に向いた食べ物というのはない。すべての人に共通な食事の原則があるとすれば、「満腹を楽しむより空腹を楽しめ」「自分に合った食べ物を少な目にたべよ」ということになる。
■「修、破、離」の原則(P244)
芸術や勉強は、まず他人の感じ方、行ない方、考え方を真似することからはじめる。しかし、真似だけに終わってしまっては、自分のものにしたことにならないから、これはあくまで自分の創造を生み出すための「さそい水」として考えておくものだ。
創造性を自分独自のものにする原則を、「修、破、離」という。
「修」・・よい先生のすることを、真似て、自分でも同じようにできるようになる。
「破」・・それはあくまで人の借り物だから、否定して自分の物を生みだす。
「離」・・考えたすえに瞑想すると、よい考えがひらめくのと同じように、他人のものも捨て自分のものも捨てると、からっぽの自分の中に宇宙と直結した感じ方、行い方、考え方が生まれてくる。これが学びの原則である。
ところが、はじめに悪い先生についてしまう場合がある。その時は「断、捨、離」という方法がある。
悪い習慣がついたら断ってしまい(断)てのとどかないところへ捨て(捨)かけ離れたものにする(離)
■器具を使わないボディビル体操(P57)
重い石を高く差し上げるつもりで、腰を低くかがめ、手は石を持ったときのように力をいれる、そしてだんだん腰や腕を伸ばすわけだ、弓を射る、砲丸げをする。エキスパンダーをひっぱる・・・。
筋肉は、毎日ごく少しの規則正しい運動で発達するしくみになっている。一日一回、意識的に約6秒から10秒呼吸を止めて思い切り力を込めると、筋肉は最大速度で発達する。。
■宇宙につながる心をもつ(P239)
一心とは、たったひとつのことだけに、心を集中することである、見るときには見ることにだけ徹する。聞くこと、歩くこと、考えることも、徹してすれば、感じる力が協力してくれるようになる。一心をつづけていると無心になれるのである。
たいていの人は、知恵とは考える力だと思っているが、これはちがう。知恵とは感じる力なのである。
しかし、そうは言っても、人間にいまできることは考えることだけだ。だから、ます考えてに考える。そうして、考えるのをやめて、心を静かにする。
こうすると、感じる世界と、思う世界と、考える世界が、ぴったり一致する状態になれる。
■制感自律行法で自分を見つめる(P251)
制感自律行法とは、とかく外界の刺激に向かいがちな感覚や知覚を、心の内側に向けて、外界からの印象を受けつけないようにする心の訓練である。
意識的に心を統一することをつづけていると、感覚も、考え方も、行動も安定する。
われわれの生活でも、天気がよくて気持ちがいいので、その日一日が充実したものになるということはよくある。たしかにわれわれは、快、不快といった素朴な感覚にずいぶん支配されている。
まず、心を内に向けることからはじめる。しかし、この制感自律行を心だけでやることは、初心者にはむつかしいので、はじめは次の肉体的な方法で練習する。
印法(ムニイ・ムドラ)
@結跏趺坐を組んで座り、息を深く吸い込む。
A両手で目と耳と鼻をふさいで(親指で耳、人差し指で目、中指で鼻、小指で上くちびる)視聴覚の働きを外界から遮断する。
B息を止め、丹田に力を入れる、つまりクンバクする。
C耳の中に音がきこえるので、意識をその音に集中する。そのうちに、その音がいろいろ変化することに気づかされるはずだ。
Dこれを行っている最中に、息をゆっくり吐きながら、ヨガの聖音、「オーム」を唱えるとよい。
E意識は、丹田に集中させる。
F苦しくならないうちに、手を離して息を静かに吐き出す。ここまでを、心が静まるまで続ける。
Gつぎに、耳を開いたままでも同じ音が聞こえるように練習する。想像力でつくり出した、この音に注意を向けることに成功したら、また耳を閉じ、耳の音から心を離して、想像力でつくり出した音に注意を移す。
Hここまでできれば、外界へ向かう心の働きをコントロールして、内側へ自由に向きを変えることができるようになる。
■ヨガの分類(P23)
A.ハタ・ヨガ
第1段階 精神修養法 やってはいけない心と、もたなければいきない心の二つを説く
第2段階 動禅 体の外からの訓練のしかた。静的ポーズと動的ポーズの二つに分けられている
第3段階 体の中からの訓練法 呼吸法、食事法 学習法
第4段階 制感自律行法
B.ラジャ・ヨガ(おもに瞑想行法)
第5段階 統一行法 自然はいつも、変化、調和、安定を繰り返しながらバランスをとっている。これに反すると、心と体は異常になる。心、体、生活、環境を統一して自然にする行法。丹田力と注意集中力をきたえる。
第6段階 禅定行法 心と体が最高にやすらぐ状態を、体の放下行法で体得する。
第7段階 放下行法 心を無にする行法(第7段階までは自己開発、文明におかされた自分をとりもどす。第8段階からは自己啓発訓練で自分の可能性を伸ばす方法
第8段階 三味行法 自他がひとつになり、他と最高に和合協力、生かし合う。
第9段階 仏性啓発行法 人や自然すべてを尊ぶ仏心をもつ。
第10段階 法悦行法 本当の喜びを心と体で観じる練習。
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