小さな町の精神科の名医が教えるメンタルを強くする食習慣 [ 飯塚浩 ] 価格:1,540円 |
■カンナビノイド(医療用大麻)医療(P350)
薬草がなぜ人体に効果を発揮するのか? それは、薬草の成分が、受容体になんらかの影響を与えるからです。
受容体はその刺激(シグナル)を情報に交換して、特定の生体反応を引き起こします。対外から入れた物質であっても、それが内因性物質と同じような形をしていれば作用を引き起こすことができるのです。人間がつくる内因性物質と同様に刺激するものを作動薬、受容体をふさぐような形で内因性物質の邪魔をするものを拮抗薬といいます。
大麻草に含まれる植物性カンナビノイドが人間に効果があることから、人体にカンナビノイドの受容体があること、体内でつくる本物のカンナビノイド(内因性カンナビノイド)が存在することがわかります。
人間の受容体あ1000種類ほど知られていて、800種類以上が「Gタンパク質共役受容体(GPCR)」という構造で、カンナビノイド受容体もGPCRの構造をもち、その数は哺乳類の脳の中でもっとも多い受容体です。種類はいくつかあり、神経細胞におもに分布するCBI受容体や免疫細胞に多く分布するCB2受容体、さらに脳や脾臓、腸管などに多く発現するGPR55などがよく知られています。
これらの受容体はっ全身にくまなく分布しており、睡眠、食欲、性行動、運動機能、認知、記憶、免疫、感情、老化、発達、疼痛など、あらゆる生体の機能を制御しています。
■カンナビノイドは100種類以上もあるポリフェノールです。それらを代表するのがTHCとCBDです。THCは内因性カンナビノイド同様にカンナビノイド受容体と結合します。法的規制のため、日本では使うことができません。
CDBは、カンナビノイド受容体と直接結合することはありません。しかし内因性カンナビノイドの輸送や代謝酵素などに作用することで、その働きを高めたり、一部制御したりするなどしています。
さらにCBDは、セロトニン1A受容体に直接働いて抗不安作用をもたらしたり、疼痛知覚、炎症、体温などを調整するTRPV1受容体と結合して抗炎症作用をもたらしたり、GPR55の阻害に働く(がん・肥満・糖尿病・骨粗鬆症予防)など、多くの働きがあります。(P359)
(CBDオイルには粗悪品も多い:P381)
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