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村田らむ「人怖 人の狂気に潜む本当の恐怖」




はい、村田らむですね。私は裏モノJAPANのイメージが強いですが、この人も息が長いですね。
この本は非常に現代っぽいというか、今っぽいコンパクトな作りです。それこそ2chの洒落怖とか今読むとちょっと冗長に感じてしまうくらいですからね、パッパッと情報が流れていく昨今の傾向なんでしょうね。
正直、元からあまりこの著者にあまりいいイメージを持ってないので否定的になってしまうのかもしれないんだけど、松原タニシの活動を追ってそのままOKOWA出場からの本の出版という感じがあまりに安直な感じというか…あー、こういう風に出版社に企画売り込んで本出すんだなぁって感じ。
発売してすぐkindle unlimitedで読めたんで読んだけど、それにしても発売後すぐだったな。こうする前提だったんだろうね。そうすれば広まるしね。計算通りでしょうね。この界隈の本でkindle unlimitedで読めるのは少ないから、自然とこれ読むよね、ゲスト陣がちょっとずつ書いてるから試し読みな感じで。
いまだに悪しき「鬼畜サブカル」的な要素を持ちながらも、その時々で旬な人にしっかりくっ付いていく感じは、流石だな、とは思いこそすれ尊敬はできないし、キャリアが長いだけあってそつなくまとまってはいるが突出したものは無い。
既出未出もゴッチャで短い話をYouTube用のネタ帳よろしくドンドン連ねていき、松原タニシやぶっちょカシワギ、角由紀子などその界隈では有名なゲストも入れた、そつなくも面白味には欠ける本でした。
商売の上手い人という印象が強くて、いくら特殊でキツい体験をしてきました!って話をしても、取材?ネタ作りっしょ?としか思えないのがね。

そこそこ面白いです。それだけ。もう内容覚えてないや。聞いたことある話はやはりメディアで言ったり書いたりする用の強い話だから知ってたしね。

でもこの感じでずっと一線で活動できてるってのも凄いよな。というか村田らむと中村淳彦が東洋経済オンラインに連載持ってる今ってヤバいよな。

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卯月妙子「鬱くしき人々のうた 実録・閉鎖病棟」




まさかの復活と思えた『人間仮免中』そして続編の『人間仮免中つづき』、過去作の電子書籍での復刊。そしてTwitterやpixivなどでの活動を見ていたので以前ほどの驚きはないものの、実際に本屋に並んでいるところを見るとやはりびっくりした。
17年前に序章だけ掲載され、その後病状が悪化し、描けなくなってしまっていた本作。復活したとしても一番辛い時期だったはずの事を思い出しながら作品にするのは難しいだろうし、pixivでスケッチ的なモノを発表して終わりだろうと思っていたので、一冊の本として出版までいったのは素直に凄いと思った。
さて、内容ですが……うん、うん、こんな感じですよね。
いや、度々名言として出す、クリーンになって曲に刺々しさの無くなったデイブ・ムステインへのダン・リルカの「もう一回ヘロインやれ」じゃないんですけど、まぁ端から見りゃボーダーライン上が面白いわけだけど、一回落っこちて戻ってきた人に「もう一回」ってのはあまりにも酷なわけで、まぁ無事出てよかったな、ここまで回復したんだな、というのがファンである私の心情かな。
前作の感想も好意的では無かった筈なんだけど↓
卯月妙子「人間仮免中」感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/57/0
卯月妙子「人間仮免中つづき」感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/570/0
今作も一読して「絵本か?ってくらいコマがデカいな、細かい絵は書けないんだろうな」「『人間仮免中』が特殊だっただけで、絵がどうのって人でも無かったしな」「長編は無理だろうからコラムっぽいというか短い話で一話完結っぽくなっちゃうよな」という感想になってしまい、良くも悪くも全て丸出し実況中継される現在で、閉鎖病棟は特殊な環境とはいえ既に語られつくしているような現状で、さらに本作で描かれるのが日常エピソード的なモノが大半なので困ってしまう。書きたくなる気持ちはわかるんですけどね、以前の感想で少し書いた、病気だった私の元友達も「閉鎖病棟に入院していた」というのが持ちネタというかアイデンティティみたいになってたんで。
でも正直、ブログ本ブームでイヤってほど「特殊な経験/環境」とやらを見せられたあとでは、そう特別とは思えないんですよね。良くも悪くも絵は普通になったし(後書きを読むと仕上げはアシに任せたっぽいし)。
もちろんファンだし、待望の作品ではあったんだけど、作品としては引っかかるところはほぼ無かったなぁ…。
しかしこう考えてみると凄い時代だね。自殺でもテロでも実況中継されるんだから。



あとは、あとがきで謝辞を述べられている中に太田出版の村上清氏もおり、最近起きたいわゆる「小山田圭吾問題」を思い出してしまったのだが、20年近くに渡ってこうやって辛抱強く著者と付き合っているという事実をとっても、過去の事もただ面白がってただけの悪人だとはやはり思えないんだよな。
もちろん商売っけも、時代なりの配慮の無さも、自己顕示欲も、この著者の卯月さんほどの才能を感じさせない対象への軽い扱いもあっただろうが、やはり私は一方的な非難は違うと思うんですよね。
そういうアレコレも含めて「17年越しの出版」という事で色んな意味での変化を感じた一冊でした。
ファンとしては、現在は落ち着くところに落ち着いて、緩やかでも活動できている、という事がただただ嬉しいです。
ただまぁ、初めて読むなら電子書籍で読めるようになった過去作、特に『新家族計画』の方をやっぱり勧めるなぁ。あれは本当に鬼気迫る作品だったので。

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MASAKI「独裁国家に行ってきた」

以前書店で見て気になったが、チープな表紙に躊躇して、今度見たら買おうと思って忘れてた一冊。数年後の今古本屋でふと目に入ったので今度は迷わず購入。

私は面白く読めました。
と、まず書いたのは、まぁ一応Amazonのレビューくらいは自分の感想を書く前に読んだりするんですが、この本は中々に厳しい言葉が並んでて、そしてそれが納得できる内容だったのでなんともね…。
まずやはりタイトルに惹かれて買ったわけけど、そこやっぱり突っ込まれるよね。この本ではシンガポール、ナウル、ブータンについても書かれているのだけど「それ独裁国家か?」という。
正直文章は個人ブログレベルで、結構不確かな事も書いてあるから、政治や世界情勢とかに詳しい海外ガチ勢にイロイロと突っ込まれている。サラッととんだ私でも首をひねる部分はあったので、当然といえば当然だけど。
初っ端から「204ヵ国を訪問」て書いてるけど、国連加盟国数は193ヵ国じゃんとかね、そのレベルなんで…。
ただまぁ、旅行記なんて個人の感想でね、いい人に会ったら「いい国だったな」ってなっちゃって当然だと思うし、全部を見るなんて不可能ですから。いいんじゃないの、このくらいで、と思うんですけどね。編集者もうちょっと直してあげなよ、とは思ったけど。



というわけで前置きが長くなりましたが、要は旅行記ですよ。で、その中でレアな、危なかったり行きにくかったりする国の話。まぁ大体独裁国家だよね、っていう感じです。
良くも悪くも個人の旅行記、感想って感じなので、小難しい話もなく、あった事や人をそのまま書いてあるのでサラッと読める。ホントにブログ読んでる感じ。
この本の出版が5年前か、まだYouTuberとかもそんなにいないもんな。コロナ前はスラムでボランティアで食糧配りました!寄付よろしく!みたいなYouTuberけっこういて、上手いことやってんなと思ったけど。

そんな感じなんで、あー早く海外行きてーなー、でも面倒臭い国はやっぱりビザとかがなー、でもこの中で特別行きたい国ってキューバくらいだしな、とか思いながら楽しく読みました。
著者がよくわかんないタイミングで感動しちゃったり、ほぼ国に入れなかったり、こんだけ世界中行くと結局アジア系ってだけで安心したりしてるのがリアルでしたよ。
独裁国家ではないけど、元カノが中国に帰った途端にSNSはWeChatしか使えなくなって、YouTubeの面白動画すら共有出来なくなった事とか思い出したりしました。
あと国民はまったく働かなくても生きていけたのに、資源が尽きてしまった元資源大国ナウル共和国をはじめて知って、凄く興味深かったなぁ。
私がそのレベルの知識だから楽しめたのかもしれませんが。
ただ不思議に思ったのは賄賂を払うのをものすごく嫌がる所。お金がふんだんにあるお大尽旅行じゃないにしろ、賄賂は要求されたら払わないとそりゃどうにかされるだろって話で、外国人料金と同じようなもんだろうに、と思ってしまった。実際に危ない目にもあってるし、それだけ経験があれば交渉して安めに済ませるんじゃないの?と。


良くも悪くもちょっと前の本って感じですね。
もう嫌ってほど情報が入ってきてしまう現在で、いきなりコロナで海外行けなくなって、なんでしょうねぇ…ホント、早く海外行きたいっすね。

今気が付いたけど、書籍版では収録されていた北朝鮮の章がKindle版では削除されていますね...

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アンソニー・ロビンズ(著)本田健(翻訳)「No.1カリスマコーチが教える 一瞬で自分を変える法 」




モチベーショナルスピーカーという職業は日本ではほぼ聞かないが、アメリカではけっこうメジャーな仕事らしい。要はポップな自己啓発っしょ?とも思うのだけど、とにかくアメリカの有名モチベーショナルスピーカーによる本。
私は英語の勉強してる時にYouTubeの関連ビデオに出てきて知った。英語の和訳付きビデオを探してたっていうのと、モチベーショナルスピーカー的な言動もあるボディビルダーのビデオとかよく観てたから必然的にって感じなんでしょう。
で、まぁやっぱり怪しいなーと思うわけですが、出てきたビデオが凄く良かったんですよ。

親しみやすい運動部のコーチみたいに汚い言葉なんかも使いつつジョークも交えて、でも真っすぐ目を見つめて情熱的に励まして、「多くの人が、一年でできることを過大評価している。そして、数十年でできることを過小評価している」というパンチラインがきてね、魅力的な笑顔で終わるっていう。
かなり感心したんですよ。この1分40秒のビデオ、超いい出来ですよね。
まぁ今はね、検索すれば色々出てくるんで、経歴の嘘というか誇大広告的な事が多々あるのもわかりつつ、興味が出たので本を購入。翻訳は「ユダヤ人大富豪の教え」とかの本田健さんですね。

まぁ普通の自己啓発本ですよ、基本。そこまで特別な事はないです。人の行動を真似する事で親近感を…とか、スポーツ選手が気分を最高の状態にする為にルーティンを...イチローがバッターボックスでやるやつみたいなのですね、とか、視覚型、聴覚型、体感型の3タイプに人は分かれてて〜とか、そうゆう聞いたことあるような話がもっともらしく書いてあるだけです。
ただね、やっぱり上手いのよ。出してくる例え話とかね、文章が単純に面白いです。岡田斗司夫が「説得力より納得力」って昔言ってましたけど、そんな感じ。詭弁といえば詭弁だし、詐欺師といえば詐欺師だけど、こういう風に商売にするってのは凄いよね。こういう話をデカイ会場でやって、参加者の相談にさっきの動画みたいに答えて、バーンッ!と大音響と演出でロックコンサートみたいにやるのよ。そりゃ気持ちいいよね。テンション上がるよ。
でも現実に戻るとそんなうまくいかないからね。でまたアドレナリンの快感に酔う為にロビンズのセミナーに行くと。麻薬みたいなもんだね。ちょこっとしか見れませんけどけどこういうのですね。

良い本だな、とは思います。色んな自己啓発本からのいいとこ取りで、若くしてスポーツライターの道に誘われたくらいなのでさすが文章も面白い。読みやすいし、いわゆる「自己啓発本」ってのよりポップな感じだし。まぁだからといって、数十万するセミナーだの、それ以上するプライベートコーチングみたいなのに意味があるとは思えないし、結局その入口、釣り針なんだよなーこの本は、とも思ってしまうけど。
なんか前に観た「ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金」を思い出しましたね。こんな感じの自己啓発セミナー出てきたなー、と。↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/373/0

でも絶対気持ちいいいよね。メガチャーチでクリスチャンロックバンドのコンサートとか、こういうセミナーとかさ。日本に無いし、お金あったら行ってみたいんだよな、正直。

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マイケル・フィンケル(著)宇丹貴代実(翻訳)「ある世捨て人の物語 誰にも知られず森で27年間暮らした男」




前にも書いたが、私は隠遁というのにすごく憧れている。
以前、半年ほどほぼ引きこもり状態だった事がある。面倒で何も食べずにひたすら本を読んでいたのだが、数日後にトイレに行くのに起き上がることすら辛くなったので、しょうがなく食べ物の為にスーパーにだけは行っていた。
半年間誰とも会話をしなかったのだが、楽しかった。というかストレスが無かった。
何かの拍子にそこそこまとまったお金が入ったり不労所得が得られるようになったら、今度はフィリピンやベトナムで同じように過ごしたいと思っている。

さて、この本は27年にもわたって隠遁生活を送っていた一人の男の物語だ。「森の隠者」として半ば都市伝説になっていた彼は、実の所は人嫌いなだけのコソ泥でした。
いや、そんなまとめは乱暴すぎるのだが、結局のところ自給自足でもなんでもなく、近くの別荘地から食料や酒や生活用品を盗んで、秘密基地みたいな野営地で盗んだカセットコンロでマッケンチーズ作って酒飲みながらラジオ聞いて本読んでたんですよね。
もうだいぶタイトルから考えるイメージと違うでしょ?
なんというか、その身も蓋もなさ、思想の無さが本当にリアルというかなんというか。
本が好きなだけあっていろんな言葉を使うのだが、結局のところ「一人が好き」という事で俗世間から逃げて見つかりにくい所で野営しながら必要なものは泥棒してたんですよ。
それは「1000件以上も犯罪を犯した凶悪犯」とも「スナックや電池を盗んでいく都市伝説のかわいい森の隠者」「そっとしておいた方がいい事情のあるかわいそうな人」などと地元住民には思われていて、結局捕まった後も意見は分かれている。

そして著者は著者で、捏造記事を書いたためにニューヨークタイムズを解雇されたことで有名な記者だったりもする。そんな自分と孤独なこの男を重ねたのか、執拗に彼に会いに行き、最後には今度来たら警察を呼ぶとまで言われている。
著者は古今東西の隠者や隠遁者について調べたようで、中でも小野田少尉に興味を持ったらしい。「あれはドンコーです」と言って現地人を人扱いせずに殺傷し略奪の対象としていたことを全くもって反省していなかった小野田少尉とかぶるところは確かに少しある。英雄でも仙人でも聖人でもない、人間のみっともない生々しさだ。



気持ちはわかる。「Into the wild」のおぼっちゃんよりも好ましくは思う。
27年はとても長い。しかも、冬にはマイナス30度になることもあった土地での野営は大変だったであろう。
人生で色々やり尽くした後ではなく、20歳でふらっと車を捨てて森に入ったというのも特筆すべき点だろう。
孤独を好み隠遁願望を持つと共に見え隠れする自己顕示欲もまた、成長せずにきた男の姿としてすごくリアルだ。
27年もの長期間このように隠遁生活を送れた例というのはまず無いので、彼の経験というのは貴重なのだが、本人があまり語りたがらなかった為、10回ほどの面会と手紙のやりとりしかできていない。よってこの本の大部分は著者の憶測に過ぎない部分が多く、あげくの果てに想像をたくましくしすぎて何度も押しかけて完全に拒絶されるまでに至る。
とても歪な本だ。

彼のその後を検索してみると、野営をし、そして窃盗をしていた地域の住民と和解し、現在はその地域で野外活動についてレクチャーしたりしているらしい。
それを聞くと余計に、この著者がやった事は余計な事でしか無かったと思ってしまう。
まぁネタになりと思ってはじめたら、予想外にハマっちゃったのかな。
隠遁生活や野営などの詳細はさほど書かれてもいないし、この本に興味を持った人を満足させる内容ではないと思うけど、なにせ貴重な記録ではありますからね。まぁお暇でしたら、くらいの感じ。





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にゃるら(著),お久しぶり(イラスト)「承認欲求女子図鑑 〜SNSで出会ったヤバい女子たち〜」




何というか、今はコレが普通なのだろうか。私も歳を取ったな、と感じる事が増えたがこの本の後読感もそんな感じ。
SNSネイティブとの剥離というか、永沢光雄の「AV女優」のノスタルジーや中村淳彦の「名前のない女たち」の同世代感とは遠く離れてしまった感じを受けた。
「終わりなき日常を〜」とかスカしてるこっちを尻目に、彼女らは裏垢で全てを晒していて、こっちからもそれを覗けてしまう状態だからだろうか?
圧倒的な抜けの悪さが現代的に感じてしまった。「時代の閉塞感」とか言ってた頃の方がまだだいぶマシに思える。「どこにも行けない」どころか、どこにも行く気がない、スマホで完結している状態。コスパや効率の果てのディストピア。最新のスマホで部屋の隅で女優ライト当てて自撮りだ。
みんな口を揃えて繋がる方法は「金」だと言う。身も蓋もなさが息苦しい。



一つ一つの記事は長くもなく、ほとんど仮名(アカウント名を出さない)だし、ほぼSNSを使わない人も居たりして「承認欲求」というテーマで統一も出来ていないように感じてしまった。
著者のにゃるらさんのファンなので読んだのだが、あくまでインタビュアー/ライターとしての役割なのでその色が濃く出るでもなかった点も物足りない。もちろんにゃるらさんだから話してくれたという事はあるのだろうが。
でもやっぱりちょっと物足りないかなー。
SNSを通じて見つけた興味深い人にインタビュー、というのが難しいのだろうか?当然ある程度はそのアカウント名としてのキャラクターがあるわけで、しかもそれを5個も6個とか持ってるんだもんな。どういう人柄とか言ってもな、というのはある。

あとはポンコツ・やよい@gokkundekitane(元「風俗大好きお姉さん」)が強烈すぎて他が霞むってのもあるかな。にゃるらさんのインタビュー記事がキッカケでTwitterでフォローしてるんだけど、今だに色々起こし続けてるからね。

上手くだまし続けてな!そんなに自分がかわいいなら!ですよ。着眼点は悪く無いと思うけど、やよいちゃんのTwitterフォローして、過去ツイ遡って読む方が100倍面白いです、正直。

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「ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる」小出由紀子 (著, 編集)




おそらく最も有名なアウトサイダー・アーティストであるヘンリー・ダーガー。
「アーティスト」というが彼は生前に一切作品を外に出していない。彼を知る誰もが「孤独で貧しい気難しげな老人」で「会話と言えば天気の話ばかり」と言う事から考えれば、一切誰にも作品を見せていない、どころか存在すら知らせたことがない可能性すらある。
彼の死後に片づけに入ったアパートの大家が偶然にも写真家でもあり、審美眼のある人であったので幸か不幸か世界に彼の作品が披露されたのだ。
多くの人がここまでは知っている。
そしてあのインパクトのある絵、特に少女に男性器がついている、カラフルでファンタジックでありながら内臓などを細かく描く残虐性などで強いインパクトを受けるあの絵。それに対して、物語自体はザックリとした「ヴィヴィアン・ガールズが戦争を云々」程度の概要しか知らない。
私も似たようなもので、デカくて高い画集なども買ったりしたし、彼の人生にはとてつもない影響を受けたがその作品については細かく説明できる気はしなかった。

実はこれは当たり前と言えば当たり前でもあって、「1万5千ページを超える世界最長の長編小説」なんて事も言われるが、まぁ「こち亀」とかね、「グイン・サーガ」とか考えると全然読める範囲ではあると思うんですよ、古文書とかではないんで。ヘンリー・ダーガーともなると熱心な研究者もいますからね。
でも全文が刊行された事が無いっていうのはやはり理由があるわけですよ。
内容的には先程も書いた「ヴィヴィアンガールズとグランデリニアの戦争で〜」みたいな概要以上のものはほぼ無く、それも彼が好んだ少年少女向けの空想小説からインスパイアされたものが多かったりもするんですね。研究者によると、膨大な長さの小説だが丸々他の小説を写した部分や、彼が偏執的にこだわった天気や戦争描写に急に千ページ単位で費やされていたりと、読んで得られるものは多くなく、概要が全てだったりするとの事なんです。
絵に関しても、2〜3メートルあるものもあったりするそのサイズには驚かされるし、切り取った広告や新聞の写真を頼りに、それを参考にしたり、足したり、最後にはコピーしてサイズを変えることを覚えたりと、その変換や、異なる手法やクオリティのものが交じり合う異様さはあるが、いわゆる「絵画」としての価値があるとはいえない。
彼の人生、そして死後に見つかった誰にも見せる事のなかった膨大な小説と絵という事から受ける初めの印象というのが、実の所その全てだったりする。



孤独だった彼の人生は謎に包まれている、という伝説が長く信じられてきたんだけど、実は彼は「非現実の王国で」だけでなく、自伝も書いていれば日記をつけていた時期もあるので、彼の視点のみではあるが、彼の人生を追う事はそれほど難しくない。

一番特徴的な点である「少女に男声器が」という部分も、最近の研究では納得できる説明もついてしまっているようだ。端的に言うと彼は抑圧されたゲイで、彼の住む貧しい地域では女装した少年が売春していた、という。
答え合わせというのはあまり意味が無いが、確かに腑に落ちる説明だ。
同様に、彼は孤独で貧しかったが知的障害は無かったようだ。

伝説は全て否定されたし、その膨大な作品群は引用の塊でもある。

孤独な老人の中に秘められた豊潤なイマジネーション、という幻想は消えうせ、荒涼とした世界が浮かぶ。
丹生谷貴志氏の評論でも象徴的に出てくるが、大きな「空白」である。
「アウトサイダー・アート」「アール・ブリュット」というのは随分曖昧で、些かロマンチックに過ぎる定義ではあるのだけど、ヘンリー・ダーガーとその作品はその響きに含まれる幻想というのを全て引き受けえる存在と分量だったんだな、というのは今改めて感じる。

この本は画集にも収録されていなかった絵も収録されているので、すでに画集を持ってた私にも新鮮だったが、とにかく最後に出てくる丹生谷貴志氏の評論だけでも読む価値があると思う。



「もはや壁は無い けれど深い空白が閉じている 世界の結び目はつんつるてんに滑る」





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松原タニシ「事故物件怪談 恐い間取り」




Amazon unlimitedで定額なのでイロイロ読みまくる→あー、これは対象外か。じゃあ、こっちだな→めぼしいのは読み終わったなぁ→無料サンプルだけ...→購入。
ということで、よく出来た仕組みですなー、はっはっは。
ちょうど明日「恐い間取り2」が出版され、映画も公開されるタイミングという事で、いろんなところでインタビューされてて、それらを読んでるうちにフラフラと購入。

そもそも3年前に音楽を止めてから部屋で常に音楽をかけるのをやめたのだけど、私は作業中には何かしら音があった方がいい。ということでyoutubeでいろいろ試していたのだけど、結局怪談が一番フィットした。深夜ラジオは大好きだが笑い声が気になるし、インタビューは自分の興味のある人のロングインタビューとなると少なくて検索が大変だし、英語学習系は流し聞きだとあまり意味が無い。基本静かなトーンでそこそこの長さがあり怪談師は話もうまいので、怪談がちょうどよかったのだ。
ということで検索すると引っかかったのが松原タニシが発案した企画「OKOWA」。恐い話の大会ですね。大会なので出場者も多く時間も長いし、なにより出場者の怪談師たちが上手い人が多くてずっと流してました。おちゅーんOtuneのその他の番組もそのまま流し、やはり司会もこなす松原タニシに興味を持ち、そこから読める限りのネット上のインタビューやAmazon unlimitedで読める漫画などを全部読んだ末、結局今更買いました。

初の著書でありスマッシュヒットとなった今作は、やはり面白い。
番組の企画からはじまった「事故物件住みます芸人」として活路を見出し、心霊スポットにも行きまくり。必ずビデオを撮る、配信するというスタンスで多くの不思議な現象の記録を残しつつ、怪談和尚こと三木大雲に来年「全てを失います」と言われている松原タニシ。
心霊スポットに行くどころか住んでいるというのはやはりインパクトがある。
本作はデビュー作なうえ著者の本業が文章ではない事もあり、あまり練りこまれていない部分も感じられるが、逆にデビュー作故のボリュームでお腹いっぱいにさせてくれる。
この本の時点でまだ5軒しか事故物件に住んでいないのに、凄くコンパクトにまとめていてサクサクと進んでしまうので後半までネタが持つのか心配になるが、最後までテンションが落ちずに読めたのは凄い。
1軒目の事故物件が、番組の企画として24時間部屋でビデオを回した結果数々の不思議な現象が撮れ、自身も物理的にひき逃げに会うという一番強烈なエピソードがあるはずなのだが、そこは番組のDVDや本で触れられているせいか、かなりあっさりと書いている。
そしてそのあっさり加減のまま、自身が日課のように行っている心霊スポット巡りやロケ、知人からの話などがドンドン語られていく。本当にその量にまず驚かされた。
この類の本は内容をうすーくうすーくのばしてのばして、という事になりがちだが、もうとにかく1分の曲が30曲入ったパンクバンドの1stアルバムのような感じ。まだラフで、荒々しいがとにかくポンポン出てくる。
心霊と事故物件というのは定番の組み合わせのはずなのに新しいアイデアに思えるのは、そこに住み続けていろいろなものを受け入れる覚悟によるものだろう。
結果、余命宣告までされているわけだが、逆に呪いのアイテム的だった人形を綺麗に修復した効果かジャニーズ主演で映画化までされたのだから、どうなるかこれからも目が離せない。
とりあえずこれ観るといいかも↓全てのはじまりとなった番組ですね。オーブ飛びまくりの映像は圧巻ですよ。
https://www.dailymotion.com/video/x69uczc

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櫛野展正 「アウトサイドで生きている」

元々アウトサイダーアートには興味を持っていたので各種連載も無料で読めるものは読み漁り、『櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展』も行ったのだが、おそらく最新作である『アウトサイド・ジャパン 日本のアウトサイダー・アート』の印象があまり良くなく、そういえばこのブログでは触れていなかった。
『アウトサイド・ジャパン』そして、まぁ『アウトデラックス』かな。けうけげんの紹介者みたいな感じで出てたんだけど、あまり印象が...まぁテレビは難しいんだろうけど。

なのでまぁ、この本を手に取るのが遅れたのだが、まぁこのご時世ですから。買っておくか、っていう。

でもですね、この本は凄く良かったです。
『アウトサイド・ジャパン』に感じた私の悪印象というのは、簡単に言うと詰め込みすぎてカタログっぽくなっちゃってるな、という感じだったんですよね。もちろん、できるだけ多く紹介したい、という情熱故だとは思うのだけど、バックグラウンドがあまり見えないままで特に老人芸術的なものの写真を見せられても、正直困ってしまう部分はあって...。
ただ今改めて見返してみると、あの本1冊で135人も紹介しているのか...意図的にやってたんだろうな。今さら理解できたわ。

そしてこの本『アウトサイドで生きている』。ここで紹介されているのは18人、当然その分一人一人を深く紹介できているので、その部分では満足。その点は読む前から分かっていた事なのですが、まず「はじめに」で著者の櫛野さん自身の人生が語られている部分で、かなり掴まれた。
現在では後出しで様々な問題が指摘されているいわゆる「90年代サブカル」「90年代鬼畜系カルチャー」に関わった人たちの中で私がやはり否定できない人たちは、傍から嘲笑ったり石を投げて遊んでいたわけではなく、リスクを背負って自身の人生の中で彼らと関わっていた人たちで、それと同じように感じたからだ。

この本の前に『シルバーアート 老人芸術』を出しているせいか、この本で紹介されているのは比較的若い人が多い。もちろん、芸術に年齢は関係ないのだが、やはり親近感がある。私の母親も裁縫が好きで、今でも何かと作り続けているのに辟易している、というのもあるが。
特に、実際に『櫛野展正のアウトサイド・ジャパン展』で作品を見て感銘を受けていた西本喜美子、遠藤文裕、ラーテル(あなぐまハチロー)などの項は、既に知っている情報も多かったが、改めて興味深く読んだ。
いわゆる分かりやすいアウトサイダー・アート然としたものから、老人芸術、武装ラブライバー、ホームレスなど、著者のあらゆる興味の向かう先が見て取れる。
デビュー作、というわけではないのだが、その後の活動の広がりのキッカケとなった一冊なのだろう、「デビュー作にはその作家のすべてが〜」みたいな感じ。
やはり彼の活動に興味を持ったら、まずはこの本を読むべきなのだろう。

TEDx Talks出てた。




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ハルオサン「警察官をクビになった話 」




たぶんTwitterで知ったんだと思う。自分の興味のあるものをフォローしていれば、こういう新しい才能が出てきた時にすぐチェックできるから便利だ。
「半年で警察官をクビになった」という物凄くキャッチー、と言ってしまうのもいかがなものだが、とにかく多くの人の興味をそそるような文句で登場した著者は当然ながら私も気になったのだ。
出自と経歴から察する通り絵は上手くない。漫画かと言われれば、モノローグとイラストという方が正しいかもしれない。いわゆるSNS発のエッセイ漫画などのように特殊な経験一発で書き飛ばした、軽く読み飛ばせるものではなく、暗く、情念にまみれた暗く重いものである。

経験が特殊、というのはさんざん他でも見てきた、というか特殊な経験一発で本一冊みたいな感覚がいわゆる「ブログ本/Twitter本」にはあった。
生まれ、育ち、事故、病気、性癖、職業。なんなら「〜をよく見に行きます」くらいでも本が出ていた。もう特殊、というものも分からなくなってしまってはいる。
そういうものの一つであるのだが、著者は警察官を半年で辞めた以前も以後も特殊といえばずっとそうで、この本で出ている部分は単に一番キャッチーな部分に過ぎない。

しかし、とにかく異様なものを読んでいる、という感覚がとても強くあり、著者のTwitterが更新される度にチェックせずにいられないくらいハマってしまった。
「コミックエッセイ」というものからは遠く離れた、版画のように黒く塗りつぶされた画面の中で白く抜かれた目、ちぎり絵のような不安定な線の中で硬い動きのキャラクター、そしてシンプルで抒情的、そして絶望的なモノローグ。
こういう類の作品では著者の経験より作品自体に惹かれることはほとんどないのだが、この著者の場合は完全にそうだった。そして、もちろん著者の経験自体も物凄く興味深く、しかも底無しに思えるほど引き出しがあった。

今回のこの本は内容が内容なのでたしか一度出版が流れていたと思う。その為、出版が決まり、本屋に並んでいるのを見たらすぐ買った。警察学校内部の暴露、というわけでもないのだが、イジメ、暴力、辞職の強制などは薄々世間の知るところであっても、こうハッキリとは示されると困るのだろう。

今回、出版にあたり全編描き下ろしたという事で私が最初に感じたような異様さはかなり薄れている。だいぶ漫画らしい体裁に近づき、絵も見やすく、多少可愛らしくなっている。
それが残念にも思うのだが、大幅にページ数が増え、抒情的な部分が増えているのでこれはこれでいいのだと思う。Twitterで発見した時と、実際本になる時は違って当然だ。両方を知れた私は幸せなのだろう。

前述したようにネタはいくらでもあるであろう著者なので、これからも出版は続いていくだろうと思う。
うーん、なんか歯切れが悪い感じ。応援はしたいけど、やっぱり洗練されてしまったのは悲しいな。あのインパクトが恋しい。スマホに慣れてる世代でもないので余計に紙で感じたかったかな。

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著者のブログ→https://keikubi.blog.jp/
note→http://note.com/keikubi

警察官をクビになった話

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