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安野モヨコ 「脂肪と言う名の服を着て 完全版」





安野モヨコの裏代表作みたいな感じだろう。『脂肪という名の服を着て』。
初期の代表作『ハッピー・マニア』、ドラマ化もされた『働きマン』、映画化された『さくらん』などの、一般的に言われる代表作とは別に、よく名前の挙がるような作品で、数年前にも改めて文庫化されている。
いわゆる「女の子のリアル」という感じで人気作を連発していた安野モヨコが、よりリアル方面にいった、
というような印象の作品。意地悪な言い方をすれば90年代っぽい、同じ頃に出てきて同じ所でアシスタントもしていた岡崎京子路線とも言える。

勿論、ただただオシャレで元気な女の子だけを描いていた訳でもなく、その裏側にある切なさや儚さ、虚無感や閉塞感・・・って書いてて「うわー、モロ90年代みたいな事書いてる・・・」とうんざりしたわけですが、まぁ私は『ジェリー・イン・ザ・メリーゴーランド』とかが好きですよ、と。『黄泉夜間』の続き書いてほしいけどね、難しいだろうし。

今更読み返すか?と言われれば読み返さないのだけど、この作品は文庫化された時にも買ったし、最近古本屋でまた手にとってしまった。
私はもういい歳の男で、ラッキーな事にダイエットとは縁の無い人生を送ってきているので、この作品のタイトルや裏に書いているあらすじで引っ掛かるような対象ではないのだけど、なんだか何度も読んでいる。青年誌で連載した『花とみつばち』や『働きマン』の方が読みやすいし、いかにも少女漫画なものの方が別世界を覗くという意味では興味深く読んでいたのだけど、今家にあるのはこれだけ。

「怖いほどリアルな、衝撃のダイエットコミック」と裏に書いているが、ダイエットの話だけでも勿論無い。
太ったOL花沢のこが主人公で、彼氏、ダイエット、エステ、過食症、拒食症、みたいな話なのだが、私は全然この
主人公には興味が持てず、周囲の人間にばかり目がいってしまう。
実家に縛られ、安らぎを求めているという言い訳の元に楽なほうに逃げ続け、捻じ曲がった甘えだけの彼氏、デブ専の老人社長、ただただ自分より劣っていると判断したのこを苦しめ続ける同僚OL、正論を吐き続けるスーパースリムセンターのスタッフ、「パソナルーム」的な追い出し部屋の住人達など、いちいち引っ掛かるようなメンツばかりだ。

なんというか、早くから家族を支えて、稼いできた人は強いな、と思ってしまう。『黄泉夜間』を読むまで私も勘違いしていたのだが、初期の漫画のイメージで、若くして成功した「オシャレで元気な女の子」というイメージは、真逆だ。
表面上はオシャレでも安野モヨコはメッセージを書き続ける、「お前の心だろ!お前の体だろ!自分で考えろ!自分で動け!」と。


ただ、男と女で違うなぁ、と思うのは、最近格闘技を齧っている自分からすると、
「頭の中で声がする 食え!! 食って 食って 食いまくれ!! そして力をつけるんだ 食べて力をつけるんだわ 
大丈夫 食べてれば大丈夫」
というのはさほど間違いじゃないと思ってしまうんだけどね。勿論、試合だとそっから体重落とすんだけど、1回増やさないと強くならないから。
筋肉無くてもさ、ぱっと見がデカいってのは男だとちょっとアドヴァンテージなのは確かなんだよね。

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「伊集院光のばらえてぃーぷらす 本当は怖い話だった話の巻」




ちょっと前の記事のやつと一緒にレンタルした。この2つしか無かったんだよなぁ、近所のレンタル屋。
これはラジオでちょこっと話をしていた時から気になっていた企画。

一発ギャグや天然系、肉体派のトーク力に難のある芸人を選び、伊集院が作った怖い話を教え、その芸人がその話を披露する、という企画。
当然、話の順番を間違えたり大事な部分を飛ばしちゃったりしてグダグダになるわけです。
それをちゃんと深夜のお寺でやるという。

超面白そうじゃん!と思って期待して観たのだが、中々どうして・・・うーん。

人選がまず難しいですよ。いうても芸人ですから基本的に一般人よりかは話が上手いですし、ただただぶっ飛んだ人呼んでも訳わかんないだけで面白くないですから。
というわけで1対1の対決×2で4人がこの企画に参加したわけですが、1人は意外と上手く話せてしまい、1人はぶっ飛びすぎ、というか自信満々の話のつまらない天然系の女の子で痛々しくて・・・。
企画通りにいったのは2人だけで、とてもじゃないけど上手くいったとは思えず、そのせいかそのまま終わってしまう。

あとは超怖がりのX-GUNの西尾に怖い話を聞かせる、とか若手の怖い話をより怖くしてみよう、という細かい企画が詰め込まれる。DVD1枚に1企画、もしくは2企画に分かれているとかではなく、なんとなく上手くいかなかったからそのまま場所を変えずにどにかこうにかやった、という印象が拭えない。
最初からこういう構成だったのだろうが、3つの企画が特別繋がっている感じも無く、なんだか中途半端な印象なまま終わっていく。

多くの若手芸人が出演しているのだが話を聞くだけの役がほとんどで、最後にワンエピソード話すのがやっと、という感じでとてももったいない使い方に思う。
伊集院の話芸はわかるのだが、いちいちマトモな怪談風の照明とかにした別カットが入れられるのも、テンポが悪くなっている。
2回目に観る時は全部飛ばしたし。

なんか全体的にもったいない感じだったな。面白くなりそうな企画だったのに。こういうのはジャスティス岩倉やおてんきのGOみたいに基本は超マジメな人が面白いんだけど、なかなかいないわな。

IJPでのほぼ同じ企画。

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「伊集院光のばらえてぃーぷらす ランナーズハイでわっはっはの巻」




伊集院光のDVD。
元々「伊集院光の深夜の馬鹿力」はコンプリートするほど、というか軽く引きこもってた時期に半年ほど誰とも会話しないまま「深夜の馬鹿力」をリピート再生していたくらい好き。
まぁさすがにヤバいのでその後はあえて離れていたのですが、本人主導どころかキャスティングから編集までするテレビ番組がはじまる、ということで「伊集院光のばんぐみ」「伊集院光のしんばんぐみ」「IJP」と楽しく観ていたのだが、「伊集院光のばらえてぃー」は未見だった。
基本路線は変わらず、でも数をこなして評価が上がっていった故にか番組の作り自体が普通のクオリティになっているし、レギュラーメンバーともいえるメンツにもいい意味で安定感が出てきていている。

今回の企画は、伊集院が10km走るうちにランナーズハイになったら、普段笑わない若手芸人のネタでも、その効果で笑うのか?という実験だ。

似たような企画自は以前ラジオでもやってたなー、と思ったのだが観てみるとけっこう面白かった。
お馴染みのメンバーであるイマニヤスヒサ、おてんき、田代32、桐畑トール、田代さやかなどに加え、ロリィタ族。、ばいきんぐ、ジャスティス岩倉、安藤なつなどの最近のレギュラーメンバーとも言える若手がネタ要員として入っていて、参加人数も多くて豪華だし、若手のネタを多く見られる為に顔見せとしても機能していて、その上若手芸人はネタ以外ではあまり映らないので全体としてはスッキリしている。
伊集院光本人が好きな自分としてはいいバランスだ。「やっぱりラジオみたいに多少は伊集院がヒーヒー言ってないとな!」とも思いつつ観る。

確かに伊集院自身がオーディションによって選んだ若手芸人やアイドルは、一癖も二癖もあって皆おもしろいのだが、あくまで「実験」という感じの企画の中ではダレる事も少なくなく、伊集院光の根本的な人の悪さと、それと同時に存在する気の小ささや優しさによって「まぁこんなもんかな」という感じに落ち着くことも少なくない。昔のアンタッチャブルとか凄かったな、とか思ったりするのだが時代も違うし、伊集院も丸くなったが今は今で観てて楽しい。

伊集院が走る距離も、ネタ見せでの点数(お金)も、入る邪魔も、無茶ブリも、全体的にわりとヌルいかなー、とも思ったのだが、なんだかんだで5回くらい観た。
なんかね、いい温度になってきたなぁ、このままずっと観ていたいなぁと思った。
初期の「伊集院光のばんぐみ」の名作「真剣じゃんけん」も何度も観ているし、企画としてはこっちのほうが面白いと思うのだけど、最初に観るならこっちかな。そして結局こっちの方が長く、何度でも観れるかなと思う。

一番好きなシーンはDVD後半の、切畑への変な空気+無茶ブリからの起死回生のにゃんこ祭りかな。若手とは言いつつ年齢も高く、芸風からベテラン感も漂う桐畑の底力を見られてちょっと感動した。

DVD全部集めたいなー、と思うのだけど、全部集めるとなると結構な値段だしなぁ・・・。近所のレンタル屋にはほとんど置いてないし、伊集院のファンはコアな人が多いから中古屋でもあまり見ないんだよね。
うーん、月1本とか買ってくかな。

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「恋するリベラーチェ」





「ジェーン&マイケル・スターン夫妻の『THE ENCYCLOPEDIA OF BADTASTE(悪趣味百科)』をアスピリン代わりにしている。」
という一文からはじまる菊地成孔の『スペインの宇宙食』を何度も読んでいる。
当然『悪趣味百貨』も買って読んだが、やはりリベラーチェの所はとても興味深く読んだ。
そんなリベラーチェの映画。

「5時に夢中」の映画コーナーで、出演者であるドラッグクイーンの方が褒めていたので、じゃあどう考えても好きだろうな、と期待して観たのだが、期待に違わぬとてもいい映画だった。
リベラーチェは、奇人エピソードやそのド派手な衣装や私生活によってバッドテイストものとして扱われて軽く見られる事もあるのだが、素晴らしいショーマンでスターとして、クラシックとポップスの垣根を越えて活躍した第一人者である立派なミュージシャンだ。
この映画は、リベラーチェの全盛期にパートナーであった男性を中心に話が進んでいくのだが、暴露的な内容でも、奇人ぶりを強調して無理に話題作りをしようというのでもなく、非日常の中の日常としてのリベラーチェとの生活が描かれる。
ドラッグクイーンの方が「こういうゲイのカップルいるのよねー」というくらいリアリティのある2人の触れ合いは、時にノンケの私に居心地の悪い気分にさせるほど濃密だが、不快感は無く、リベラーチェの纏う衣装や舞台演出のように、過剰ではあるが美しいものに見える。

もちろん、リベラーチェの奇人でもある。宝石だらけの派手な衣装や舞台演出、デカいカツラ、大量の酒やドラッグ摂取、
恋人を自分の若い頃そっくりに整形、超有名人なのにポルノショップで大はしゃぎなど、書いていても唖然とする事ばかりだ。
しかし、観ていて思うのは、この才能あるミュージシャンの深い孤独であり、欠損、そして不器用な愛情だ。

リベラーチェは最期、エイズ死した初の有名人としてマスコミに扱われる。
いつだって、マイノリティはマジョリティに踏みにじられるのだ。
しかし、確かに彼はスターとして君臨していた。

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CREED「Weathered」




「Metallicaが進んでいたかもしれない道の1つ by Burrn!誌」Godsmack、「メタルの未来 by Ozzy Osborune」DISTURBED、そしてこのCREED。
アメリカに比べ、極端に日本では評価の低いバンドたちだ。CREEDって3000万枚以上アルバム売ってるのに。

なんでこんなにアメリカってミッドテンポでメロディを熱く歌い上げるようなバンドが好きかね?と思ってしまう。
「AC/DCの『THE JACK』ってなんであんなに盛り上がるんだろ?ミッドテンポで地味目な曲だと思うんだけど」というのはハードロックファンなら一度は交わすような会話なのだが、何故かやたらアメリカ人はミッドテンポが好きだ。
そして、バラードも大好物だ。結局、ロックバンドだろうがなんだろうが、バラードを作って、ラジオでガンガンにかかってこそ、一般層にも認知されアルバムが大ヒットするというのだ。

前述のバンドの中でも、このバンドが特に売れたのは、その2つのミックスだからなのかな?と思うのだ。
バックをもっと穏やかに、それこそストリングスとかを入れて、歌い方をドスのきいたものから伸びやかな感じにすると、ほとんどの曲がハッキリとバラードになる。というかむしろ、へヴィーなギターリフに違和感を感じる部分があるくらいだ。
そしてNICKELBACKやHOOBASTANKなどの「どう考えても80年代のヒットチャート大好きでしょ?」というようなラウドロックというのを隠れ蓑にしているように思えるバンドもいるのだが、3つ目にそれらとの違いとして「クリスチャンロックバンド」である、ということだろう。
私自身が小中とカソリックの学校だったので、興味を持ってはいるのだが、いまいち「クリスチャンロックバンド」というのは定義があいまいだ。
wikiに出てくるバンドを片っ端から検索してみたが、「死による償い」というバンド名がまんまなP.O.D.なんか以外は、メンバーへのインタビューで「確かにクリスチャンのメンバーは複数いるけど、クリスチャンバンドって言われてもねぇ・・・」みたいな発言があったりで、なかなかロックバンドにこういう風にラベル付けするのは難しい。

このバンドの場合は、ヴォーカルのスコット・スタップの存在が大きいだろう。厳格なクリスチャンの家庭に育ったがロックが好きになり・・・というのはよくある話なのだが、中退したとはいえクリスチャンカレッジにまで進学したのは珍しい。
あくまでCDの解説に書いていた程度の知識ではあるが、学生時代に親に隠れてDef Leperd聴いたり飲酒したり付き合った女の子の影響でドアーズにはまったりし、結局今でも躁鬱を抱えて波乱の人生を歩みながらも、根っこはハッキリとクリスチャンなのだと思う。というか、だからこそ強く神を求めているのだと思う。
歌詞にもそれははっきりと表れている。例えば「My Sacrifice」は、歌詞カードではyouを「おまえ」と訳しているが、「あなた(神)」とすると、途端にまんまそれらしい歌詞になる。
バンドがこのアルバムを最後に解散したのもそこらへんだと思うし、スコット・スタップが後にソロになったあとの曲を聴くと、より露骨にへヴィなゴスペルのように聴こえる。

さて、このアルバム。
曲単位では好きだったが中々アルバムを買う気にはならなくて、今さら買った。やはり日本であまり売れていないのかタワレコへ行っても輸入盤しかなく、しかしブックオフではあっさり日本盤が280円で見つかる、という変な感じで。
どこを切ってもCREEDでしかなく、ハッキリ言うとほぼ全部同じ曲に聴こえる。そりゃ最初の曲は速めだったりするし、中盤にモロなバラードを入れてきたりはしているのだが、基本路線は最後まで変わらず、ミッドテンポなヘヴィーリフに熱くてネットリしたヴォーカルだ。
このヴォーカルが好きなら、なんだかんだ言いつつも最後まで聴けてしまうのだが、「このリフさっきも聴いたような・・・」「この展開さっきも聴いたような・・・」とはやはり思う。
ただ偉大なるマンネリズムのAC/DCと同じく、同じような曲の中でもやはり確実にいい曲というのはあり、シングルになっている曲なんかはやはり高揚する。
歌詞ははっきりとそう読み取れるものと、それらしいワードが入っているかな?くらいのものまであるが、総じて「クリスチャンロックバンド」だと言われて違和感があったりはしないだろう。

メンバーが際立ってイケメンだったり、ジャケがオシャレだったりもしないんだけどね、こんなに売れるって凄いよねぇ・・・。
でも俺はベスト盤でよかったかなぁ。

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「hide 50th anniversary FILM「JUNK STORY」」





はじめて自分のお小遣いで買ったアルバムはhideのトリビュートアルバムだったんだから、
そんな私がもう29なんだから、
hideの死から17年経っていても当然なのだけど
やはり驚いてしまう。

生誕50周年記念として、そしてボーカルが録られていなかった為に残されたままだった『子ギャル。』(前にチロリンが歌ってたよね?)が音声合成技術の進化によってついに発売、という事とともに公開された映画。

最初に書いた通り、一番最初に能動的に好きになったミュージシャンだったので、ここ何年かは聴いていなかったとしても全部曲は知っている。
いわゆるヴィジュアル系には行かなかったけど、今でもカッコいいと思うし、やっぱり好きだ。
うん、観てて、「あー、俺やっぱりこの人好きなんだなぁ。こういうのが今も好きなのって、きっかけはこれなんだろうなぁ」とかずーーーーっと、思ってた。

中学時代にビデオに録って何度も観て、友達にも貸したりした『知ってるつもり』のhideの回みたいな構成かな、と思っていたのだが、ハッキリとhideの音楽中心、とくにソロワークに焦点を当てていたのが、とても良かった。
X-japanはX-japanの映画が今年公開されるようだし、それはそっちで、というのはわかるのだが、あそこまでバッサリX時代を切れた、というのは英断だったと思う。
ソロ活動時のギタリストでもあったPATAはインタビューがちょくちょく出てくるが、YOSHIKIはチラッと、それ以外のメンバーはライブ映像以外では全く出てこないのだ。
本人の映像、写真。メンバーをはじめ関係者のインタビューで映画は進んでいく。メインは会社の社長も務める弟さんと、ソロでの音楽制作の相方であるI.N.A。
弟さんがあんなに大々的に出て話してるというのは意外だったな。腹を決めたというか、ここでいろんな事をハッキリさせたかったんだろう。当然最も長く、最も近くにいたのだから、話を訊かれるとしたら当然弟さんなのだろうが、あくまで裏方として、ということで今まではいたんだろうからなぁ。
あとはライブ映像もちょうどいい感じに入っていて、映像も綺麗だし、凄くいいバランスだった。
観た事があるような映像なんだけど、おそらく発売済みのビデオ(DVD化されてからは未見)とは別アングルとかいろいろな映像のミックスになっているのが、けっこうライブ映像とかも観てる自分にも嬉しかった。

基本的には明るいトーンで思い出話をするし、ハッキリと「死」や「逝去」という表現は無い。「事故」という表現があるのみ。
もちろん葬儀の様子も入るし、hideのいないツアー、『Ja' zoo』制作も描かれるんだけど、わざと泣かせる構成にはなっていない。
『Ja' zoo』を完成させようと思った事について「築地に集まったファンを見て・・・すいません、思い出して・・・」と声を詰まらせ、目頭を押さえるI.N.Aや、事故当日について「一度上に見に行けば、違う結果になったんじゃないかと・・・」と目を潤ませる弟さんは写されるが、作品を完成させた、ツアーもやりきった、という事が、先に進む意思として描かれているように思う。

とはいえ、十数年経ってから、改めて4ヶ月間も残されたhideの声と向き合い、『子ギャル。』を完成させる、というのは想像を絶するわ。言葉も無い。

とりあえず2回観たけど、これ何回でも観れるわ。スタッフの愛が感じられる、物凄く良い映画だと思う。

あと、今更知ったのだけど、zilchの『3・2・1』って『PSHYENSE』と同時期に出来てたんだね・・・。最初に聴いた時から好きで、今でも好きなんだけど、軽々しく「海外でも通用した」というのもなんだなぁと思っていた。だが、契約の絡みでリリースが遅れず、完成したタイミングでリリース出来ていたら、Jの言う通り「音楽の世界地図は変わっていた」かも知れないな、と物凄く惜しいと思った。
歴史にif・・・は無いのだけど、すぐリリース出来て(メンバー的に海外でも契約取れただろうし)、親交のあったマリリン・マンソンとか、あと例えばロブ・ゾンビとかとツアーが出来ていれば、きっと・・・と考えてしまう。今Dir en greyも成功してるしなぁ・・・。


しかしyoshikiは確実に必要だね。最初と最後、それもエンドクレジット中にしか出てこないけど、「hideと2人でディズニーランド行った事あるなぁ・・・目立ちすぎちゃって・・・おい、俺達ミッキーより目立ってるぜって・・・・オチとかはないですけど」って。

そのエンドクレジット中も、まだいろいろな映像やインタビューが入っているので見逃せないのだが、
その中でほんの一瞬、「From Dusk Till Dawn」がインタビュー場所の1つとして使われた事もあるのだろうが、たぶんトリビュートライブのフライヤーかなんかの絵だったと思うんだけど去年逝去したUNITEDの横山さんの顔が出てきて泣きそうになった、同じ横須賀でバンドをやっていた、同じコンピにも入った戦友が、ミュージシャンはほとんどエクスタシーやLemoned関係しか出ていなかった中で(あ、DEMENTIA/HOWLING BULLの小杉さん出てたな)、ちらっとでも最後に映ったのは嬉しかったな。

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「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン2 」



シーズン1の時点で「おもしろいけど・・・」くらいの感じだったが、最初から全部観る気でいたので、シーズン2も観た。
「13時間の映画」なのにシーズン2あるのかよ、とかも思ったし、にしてもなんだか中途半端なところで終わったような
気がしていたシーズン1で、シーズン2に繋がるほどの興味の持続がもてる感じではなかった。
観る前からの期待が裏切られたって訳ではない。
映画並みの予算が掛かっているのがわかる映像は素晴らしいし、キャストも演技も素晴らしい、なのに何故だかもどかしい感覚のままシーズン1が終わってしまった。

そんな感覚のままシーズン2。
いきなり「やってくれたな!」と思うような展開、というかシーズン2だし、もうレンタル屋で旧作になってる作品なのでネタばれしてもいいと思うが、シーズン1で準主役級の扱いだったキャラクターがシーズン2の1話の最後でいきなり死ぬ。
非常にショッキングだし、ある種やっとストーリーが派手に動いたので、シーズン1は長い前フリでここから怒涛の展開なのかと思いきや、そうでもない。
その後、それに関連して主要なキャラがストーリーからいなくなっていくのを観ながら感じる事は、「単に上手くいかなかったから退場させたんだな」という程度の事。
主役と準主役級の2人の絡みが中心に進んでいったシーズン1で、「なんだか詰め込みすぎている」と感じた大きな原因がここだったんだろうな、とこれで確信に至った。
政治家と記者という関係で、持ちつ持たれつだけどパワーバランスが変化したりする、というのは古典的な関係で、それほどおかしくなる要因でもないと思うのだが、そこにツイッターとか絡めてきたら中々難しいよな、っていうことなのだろう。
今っぽさ→ネット→2ちゃんねる→オタク→猟奇犯罪、みたいになりがちな単純化され、偏った描かれ方に比べれば、はるかにうまくはいっているし、テレビ番組での失言をサンプリングされて曲にされてyoutubeに流されるとか、ファニーな部分での使われ方もあったんだけど、やはり効果的とまではいえず、話を止めちゃってた印象がある。
記者が新聞からニュースサイトの記者に転職しちゃったから、今後もいたらそこに触れないわけにはいかないしね。
シーズン2でも、凄腕ハッカーが家でハードコアテクノをガンガンに鳴らしてたりとか、苦笑しちゃうような陳腐な表現もあるけど、まぁ・・・難しいよね。基本、ネット関連の事でそういうドラマチックな事ってないからね。ドラマチックなのはPCの中なんだから。

そういう意味で、シーズン2は主人公が、どう考えてもそこまでいくだろうと予想できた、「アメリカ合衆国大統領」という頂点まで上り詰めたと同時に、話を少しずつ矯正していき登場人物を絞っていった、という過程の部分だったのだと思う。

この作品を、ワンシーズンで終わる「長い映画」としてのドラマだと思っていたので今まではもどかしかったのだが、シーズン1、2と進むにつれて良い脚本がドンドン売り込まれてきて、シーズン3、4くらいで最高潮になるという、いわゆる海外ドラマの方式だ、と考えれば自然なのかもしれない。
シチュエーションコメディでも、超人的な能力も無しで、特殊な業界物だと考えれば、その舞台が「政治」で「ホワイトハウス」だったから、という理由でなかなか他の海外ドラマみたいには惹かれなかったのかな?と思う。
といいつつ、休みの日に1日にDVD4枚とか観てたけど。会話劇としては面白いんだよな、やっぱ単純に。
もどかしく思っていたので、クレジットとかもけっこうつぶさに見てたんだけど、製作総指揮の中にデヴィット・フィンチャーだけでなく、ケビン・スペイシーやジョディ・フォスターもいたんだよね。それはどのくらい作品と関係があるんだろうか?エピソードごとに違うっぽいけど。

ただ面白いけどさぁ、シーズン2を最後まで観たら、どうもこれまでの主要キャストがほぼいなくなるのよ。お気に入りだった側近キャラすら死亡(っぽい)で。ここまでがドラマとして最高だとはとてもいえなかったから、「じゃあ、大統領就任からはじめればよかったんじゃね?」とも思えてしまう。
あのラストで「実は生きてました!」があっても、そこからどうするのか・・・。
そう考えると、このまま主人公が逃げ切るにしても、暴かれて堕ちるにしろ、今までのことを全て繋げていける気がしないんだよなぁ・・・。

シーズン3はまだビデオ屋になかったけど、そもそも入荷するのか心配だ・・・・そんなに人気があるようには思えないんだよね。
どメジャーなタイトル以外の海外ドラマなんてそんなもんなのかもしれないけど。
まぁ『メンタリスト』のシーズン6が入荷していたので、しばらくはそっちにかかりっきりになるな。

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菊地成孔 「ユングのサウンドトラック: 菊地成孔の映画と映画音楽の本 【ディレクターズ・カット版】」



一通り買ってしまったらしばらく離れて、ある日ふと思い出してまた買い始める。
出来るだけ荷物は少なくしておきたいので、家に置いておくのは『スペインの宇宙食』の文庫だけということにしてなにかにつけて読み返していたのだが、何か物足りなくて『歌舞伎町のミッドナイトフットボール』を買いなおした。
偶然表紙になった号の『KAMINOGE』を古本屋で見つけたので買った。
それでもまだ足りなかったので、本屋に行き、なんか新しいの出てないかなー?と探すと、追悼文を集めたものと『M/D』とこれがあったので、結局これを買って帰った。

「単行本が今度出るのか、読みたいな」と思った記憶があるのだが、いつのまにか文庫になっていてビックリ。文庫になっても千円超えるのか、と貧乏な私は思ったりするのだが、千円以下だったら勢いで『M/D』上下も買っちゃいそうだったからまぁいい。

私は映画は好きだけど、あくまで好きなだけな上に「ミニシアター」という棚にしか行かなかった嫌なガキだったので、『ダイ・ハード』や『ランボー』はパロディでしか観た事がなかったりする事に最近気が付いて今更観たりする感じだし、そもそも2000年代はyoutubeと2ちゃんねるばかりで、ほとんど映画を観なかった。「有名だから」という理由でゴダールは2、3本観てみたという程度だ。
そんな状態なのだが映画の本を読む事自体は面白くて、例えば中原昌也の映画本は何度も読み返しているくらい好きだ。ただ、その本の中で触れられている映画はほぼ観ていないが、別にそれでいいかなと思っている。

この本は凄くザックリ言うと、松本人志、ゴダール、いくつかの作品/作家論と映画音楽ベスト10など、『セッション』騒動、『バードマン』、という感じになっている。
まえがきでの「できれば、まえがきから順番に、総て読んでほしい」という作者のささやかな願いをぶっちぎって、最初と最後だけまず読んだ。

松本人志映画は、『大日本人』で「あれ?俺けっこう好きなんだけど、みんなそんなに嫌い・・・?」というくらいで、『しんぼる』以降は「さすがにこれはちょっと・・・」と避けていた。
この本の最初に『大日本人』で書かれているような評は、「同じ思いをしている人は沢山いるはずだ」と書いてある通りだと思う。私もそう思った、というか怪獣映画や特撮映画ってそういうものだ、という前提で観ていた。しかしそれを、きちんと松本人志監督と結びつけたところはさすがとしか言いようが無い。
というか、たしかにこれは軽はずみに「映画批評」という枠で話したり、雑誌の中の映画評で書ききれる事ではないと思うので、こうやって単行本で書かれる事しか出来ないだろう。
そして、映画評論家なら単行本に入れないよな、とか思って、最初から「この本ならでは」感がありありで、とても面白く読みはじめた。

で、まぁその後「うーん・・・ゴダールねぇ・・・」とちょっと読んで、一気に『セッション』騒動まで飛ばして、となってしまった。
結局順番は入れ替わったとはいえ一度全部読んだんだけど、さらに三度ほど読み返した時は最初と最後だけ読んで間は抜いてしまった。
興味深く読めたのだが、なかなかゴダール全部観るのしんどいしなぁ・・・という感じ。今、家に買っておいて観ていないゴダール映画が2本あるが、バイトから疲れて帰ってきて、ラーメンとか啜りながら観る気には中々ならなくてねぇ・・・・・・・・。

で、まぁ『セッション』騒動ね。これは映画は観ていないけど、リアルタイムでwebで読んでた。
ジャズでラテンな菊地成孔と、ロックでパンクでフォークな町山智浩という対立かなぁ、という感じで見ていたんだけど、音楽映画は難しいよね。
ただ「映画評論家は勉強不足だ。『2001年宇宙の旅』だって、感覚で観ればいい・・・とかばっかりで、ちゃんと台本なり設定資料なり読めよ!全部書いてあるんだから!」という事を言っていた町山さんなんだけど、音楽については書いてても、初歩的な音楽理論や歴史すら知らないと思うんだよね、で、感性が、情念が、生き方が、とかに行っちゃってると思うんだ。というか、あんまり音楽詳しくないんだと思うんだよね。前に映画『BECK』について話している時に、いわゆる「ロックはテクじゃない」的な話で出した例がGuns N' RosesとThird eye blindっていう、疑問の残る上に通じにくいセレクトだったし。ルー・リードとか、もっというとザックリPUNK/NEW WAVE/NO WAVEとかでいいんじゃないか?と。
ロックとパンクとフォークだけならけっこうそれで良かったりもするんだけどね、でもそれ映画で同じことやられたらキレるっしょ?っていう。
今、偶然youtubeにあった、大谷能生がやったイベントの『ニッポンの音楽批評 第ゼロ回』ってやつを聞いてて、小林秀雄についてはっきりと嫌いだと言ってるのを聞いて、わかるわーと苦笑しているんだけど、そういう感じだよね。
ちょっと話変わるけど私も音楽映画は一時期コレクションしてて、その中でも『ガレージ・デイズ』がけっこう印象に残ってるんだよね。最後にフェスのステージで1曲やれる事になって、演奏するんだけど、すごーくイマイチな曲と演奏で、それまで「いいぞー!やれやれー!」ってなってた客がシーンとしちゃうのよ、であっさりステージ降ろされて、ミュージシャンは諦めたけど、今は身内の前でたまに演奏するんだ、これもいい人生さ!みたいな終わり方なんだ。
音楽映画でクライマックスに流れる曲って、大体大盛り上がりになるってパターンなんだけど、そんなにいい曲ってない気がするんだけど、これはちゃんとイマイチな曲を、そのままイマイチな曲として描いて、客も冷めてる感じにビックリしたんだよね。

なんにせよ、「俺は好き!俺はいいと思った!」って言われちゃうとそこで話終わっちゃうんだけどね。

なんか両方好きだから悲しくなった記憶があるんだよな。そして読めば、完全に菊地成孔に同意しちゃうし。またこの場合は比較対象として挙げてるのが音楽映画だからほとんど観ちゃってる分よく解るし。正直、映画の宣伝見た時点で「うわー、観ないだろうなぁ・・・」と思ってたらこの騒動だったからさ。
だからまだ観てないんだけどね。観てないで書いてるんだけど。

で、この本の特徴として、単行本とはかなり違う(らしい。私は単行本は買ってない)ということだ。元々あった部分をビルドアップし、ネット日記の部分をバッサリ落とした、ということらしい。
「映画批評本」としては良くなったんだろうなぁ、と思う。だってたぶん、もしそのままだったら最初と最後とネット日記しか読み返さないもん、俺。
そしたらもう「映画批評本」として読んでないよな、映画についてのエッセイ集だよな、と思う。
思う・・・けど、サイトが新しくなってから日記が読みにくくなって、読むのやめちゃったから、残してほしかったなぁ。

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