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NAS 「Illmatic XX」





バイト先のハタチの同僚に借りた1枚。
というか借りた23枚のCD(内3枚は2枚組)の内の1枚。
メタルでもヒップホップでもそうなのだが、ファンの少ないジャンルのファン同士が出会うとテンション上がるわけで、ヒップホップ、それも現行のより90年代が好き、というナイスガイならなおさらなわけで、徐々に仲良くなって、ちょくちょくCDやDVDの貸し借りをしているのだ。彼は洋ヒップホップ中心、私は邦ヒップホップ中心ということで、いい感じに被らないし。
で、先日、話していると彼がハードコアなWu-Tangファンだとわかったので、17、8年前の来日時の特集が載っている「front」をあげたところ凄く喜んでくれ、前々から「〜さんが持ってないの全部貸しますよ!」と言っていたことを実行してくれたのだ。
まさか、いきなり手さげ袋にギッシリと23枚とは思わなかったけどね!
「全部」って各メンバーのソロも含めたディスコグラフィーとはね!
というわけで、洋ヒップホップは名作は一応一通りは聴いたことはあるけどねぇ、くらいだった私が、いきなりwu-tangとNASにだけやたら詳しくなってしまったので、せっかくだしちょっとずつ書いていこうかと。
まぁそんなこんなでしばらく聴くばっかで書いていなかったんですな。

はい、結局これを一番聴いてます。名作「Illmatic」、20周年記念盤です。ちなみに同僚の彼は10周年記念盤も持ってるらしく、「いやーやっぱり結局illmaticを一番聴いてるわー」なんて言ったら「じゃあもう一個も貸しますよ!」と言ってくれました。
当然5本マイクの名作だということは知っていたしアルバムを聴いたこともあるのだが、なんだか地味だなぁ、カッコいいけど・・・という感じで、敬遠してしまったのだ。「stillmatic」は最初から好きになったのだが、このアルバムは「通向けなのかなぁ?」という感じだった。
そんな感想を持ちつつ久々に借りて聴いたわけだが、これがカッコいいの何の。
ただ、最初に持った感想も理解できるというか、20歳の天才ラッパーのデビュー作であり、いきなりクラシック認定の名作アルバム、というにはわかりやすくキャッチーなフックを持った派手なシングルヒット的な曲がないからだろうな、と思った。
しかし、このアルバムが恐ろしいのは、そういう「ファーストが一番勢いがあって荒々しさも含めて魅力」とか「セカンドが一番わかりやすい」とか「サードが一番成熟している」とかの魅力の全てがいきなりファーストにぶち込まれているということだ。
最初に聴いてから何年も経って、NASのアルバムを何枚も聴いて、ヒップホップが大好きになって漁る様に聴いて、改めて聴くと、「こんなに豊潤だったのか、このアルバムは・・・」と驚かされる。
本当にいきなり名作なのだ。いきなりすぎて面食らうわけです。20歳の青年のファーストアルバムですよ?
わかり易さや時流にのった安易で派手なビートではなく、物凄いビートメイカー達が時代を超えて聴ける研ぎ澄まされたシンプルなビートを奏でる上で、今改めて遡って聴いていくと「まだ多少荒々しさがあるな、この頃はやっぱりトピック的にはそうなるよな」とも考えられるものの、恐ろしくクールなNASのラップがのる、これだけなのだ。
で、これだけで20年聴ける名作なのだ。じっくり聴いてリリックの解析をするもよし、小さな音でオサレBGMとしてもよし、デカイ音でノリノリになるもよし、ずっと流してぼんやり浸るもよし、多方面に使えもする。
最初、名作といわれながらもセールスが伸びなかったのも頷けるし、定期的に再発がされていまだに売れ続けるのも解る。
本当にずーっとこのアルバムをオールループで流してて、飽きないんだよなぁ。
よし、買おう。

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中村淳彦 「新・名前のない女たち~素人女性編」




このシリーズは好きで全部読んでて、たしか一番好きな2冊目の感想を前に書いたと思う。
その時は「名前のない女たち最終章 セックスと自殺のあいだで」を読んでて。これが最終章と名の付くだけある内容で、なおかつ著者がフリーライター→AVの制作会社を経て、介護事業をはじめていた事が書かれていたのでもう続編は出ないだろうと思っていたのだが、数年経って状況はだいぶ変わったようだ。
そもそもは本屋でタイトル買いした本なのだが、簡単に言うと企画物AV女優という、名前の出る単体/専属女優で無い、女優個人の名前では売れない、その他大勢のAV女優のインタビュー集だ。
AV女優は今や普通にテレビでも見るしインタビューなんかもよくあるのだが、ここで語られるのは「昔からエッチ大好きだったんです!今回はハードなプレイにも挑戦しちゃいました!」みたいな事ではなく、生い立ちや本人自身のことで、それはやはりこういう仕事を選んだだけのことはある壮絶なものが多く、どんどんディープな過去が出てきてカウンセリング状態になることが多い。
要は忘れたいような過去の話をさせられるので、それが嫌でブチ切れられて帰られたり、事前に察知されてマネージャーにインタビューを止められたり、ひたすら不自然に明るく過去を振り返らないフリをされたり、逆に「今なら全部話せるから!」と引退後にインタビューを求められたり、本当に会話の出来ない人が来たり、という事が起こる。
それがいかにもアングラ的なドタバタ劇やブラックジョークにされず、著者のモラトリアム感のある身も蓋もなさと洞察力、そして若干自意識過剰なハードボイルド気味な文章と合わさって、実に素晴らしい読み物になっている。
サブカルチャーとエロ本が結びついていた、治外法権だったエロ本白黒ページ仕事が生んだ最後の名作ではないかと私は思っているくらいだ。
同じようなテーマの本に永沢光雄の「AV女優」「AV女優2」があるのだが、こちらは私の好みではない、というかはっきりと時代が変わってしまったんだな、という気分にさせられた。
こちらは酒を飲まないと人と話せないアル中気味の中年ライターが一緒に飲みながら、「なんでこの綺麗な女性がAVなんて出るまでにこの人は堕ちてしまったんだ・・・あぁかける言葉が見つからない」みたいな、その当時のアダルト産業が置かれていた世間からの認識がはっきりと出ているので、私にとっては過去の記録でしかないからだ。
藤木TDCの「アダルトメディア・ランダムノート」で書かれているアダルトメディアの変換でも、インターネットとDVDが出てきて以降の変化の加速っぷりが顕著だったが、やはり同じようにいわゆる「コギャル/援助交際」以降というのは、景気の悪化と共にものすごい変化があったのだ。
さて、コンビニ売りのエロ本のほぼ全てにDVDが付き、むしろそっちがメインになってしまった現在に続編が出ているということで、しばらくスルーしていたのだがようやく買って読んだ。

うーん、時代はまた変わったんだな・・・、と思わざるを得ない内容だった。
永沢光雄の「AV女優」の時代はAVに「堕ちる」、「名前のない女たち最終章」までは多少その影も見えるがギリギリAVを「選ぶ(選ばざるを得ない)」という風に感じられたのだが、とうとう現在は「普通に生きているとアダルト産業に行き着く」というところまで来ているのではないかと思わされた。
それはよく言われる確率の問題で「小学校のときの1クラスで考えると〜」とか言うことではなく、普通に、当然の如くそこに行き着くのだ。
それを著者も感じているのか、文章にも以前のような熱が感じられず、ため息オンリーでの呼吸のような、疲労感とあきらめだけがある。
著者のプロフィールがどう変化したのか検索してみると、『08年から介護事業を始めて、自らが管理者、介護職を勤めた高齢者デイサービスは困難続きで廃止。現在は経営者として2つの事業所を運営しながら、ノンフィクション、ルポルタージュを執筆している。』ということで、「崩壊する介護現場」という本まで出している。
まともな正規雇用/手に職の最後の砦としてよく名前のあがる介護業界も崩壊しているのだ。AV辞めて介護福祉士の資格を〜なんていう「まとも」への第一歩はすでに崩れているらしい・・・。

普通の中流家庭から「選んで」ドロップアウトしてミュージシャン目指す、なんていって気が付けば20代後半の自分には完全に人事ではなく、もう「選ぶ」ことは出来ないのだな、と思った。

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BARBEE BOYS「√5」




かすりもしなかったくらい全然世代的には違うのだが、椎名林檎やSyrup16gがリスペクトを示していたこともあり、興味が無いでもなかった。
とはいえどれから聴いていいかわからないし、「いつか聴こう」くらいだったのだが、いまみちともたかがKei-Teeの旦那だと知ったり(普通逆か。現在は離婚済み)、吉田豪の「バンドライフ」でのインタビューがおそろしく鬱々としていて偏屈な感じで俄然興味が出てきた。ダメ押しはこのアルバムにも収録されている、椿鬼奴とレイザーラモンRGがアメトークで歌っていた「目を閉じておいでよ」で、単純にいい曲だなぁ、と思ったのだ。
自分がギターを弾くのでやはりそこに目が(耳が)いくのだが、ギタリストのいまみちともたかは、布袋寅泰、PERSONZの本田毅らと共に、覚えやすいリフ、8ビートのカッティング、煌びやかなアルペジオ、シャキッとしててエフェクティブな音のイメージが強い。The Policeなんかの、ポストパンク/ニューウェーブのバンドなんかの影響だと思うのだが、このスタイルって日本人に合ってるのかな?と思うほど、同時期に近いスタイルの素晴らしいギタリストが出てきていたように思う。
その三人の中で一番職人っぽいというか、偏屈で闇を抱えている感じがするので、私の一番好みだ。ツインボーカルを抜けば、バックのサウンドはトリオ編成で作っているのに、音数が少なくても成立させているところには確かな技術とクレバーさに加え、美学を感じる。
バービーボーイズは男女のツインボーカル、そしてその内の一人はサックス兼任という変わった編成で、興味を惹かれるような聴き所は多くある。
「15年前の作品とは思えない!」という常套句が出るほどではないかな・・・と後追いの人間的には思うし、そもそも音楽性としてはそこまで好みではないのだが、やっぱりちゃんとしてるバンドのちゃんと作ってあるアルバムは得るものがあるなぁ、と思う。

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「ターネーション」





お金の無いサブカルっ子だった私の憩いの場といえば、ブックオフの100円コーナーとレンタルビデオ屋のミニシアターのコーナーだったので、この作品も当然のように観たはずなのだが、印象が薄くて観たかどうかあいまいだった。
ジャケットには見覚えがあるし、裏に書いてある内容の説明も読んだ事があるような気がする。
けっこう衝撃的な内容の作品のハズなんだけどなぁ、まぁ忙しい時期だったから借りたけど観なかったパターンかな?と思って、安かったこともあって買ってみた。
で、観たのですが、やっぱり観たことがあるかどうか思い出せない。ただ、記憶に無くてもしょうがないかな、と思うような映画ではあった。
ダークサイドオブアメリカ的な作品や、マイノリティを記録したドキュメンタリーというものに慣れてしまったせいだろうか?
例えば、「悪魔とダニエル・ジョンストン」や「Dig!」なんかは対象がミュージシャンとはいえ同じ方向性だし、前に記事を書いた「ピュ〜ぴる」「ミリキタニの猫」は現代美術家/画家だがそうだろう。森達也の「A」とか想田和弘の「精神」なんてそのままだ。
やはりドキュメンタリーというのは対象との距離感が重要で、森達也が「ドキュメンタリーは嘘をつく」と言うように、編集によって監督自身の主張がどうしても出てしまう。
そう考えてみると、自身が監督/主演のドキュメンタリーとなると少ないのかな?本当にインディペンデントな「遭難フリーター」なんかはあるけど、「自分自身」がメインの題材というのはなかなか無いかも。印象が薄いのはそこら辺に原因があるのかもしれない。
凄まじい生い立ちではあるが、冷静に考えると子供時代に自分で撮ったフィルムや録音テープがたくさん残っていることから、「これを残そう」という自意識がはっきりとあったし、そうできる環境があったわけで、というかなんだかんだで両親も祖父も生きてるし、恋人もいるし、ちゃんと映画業界で生きてるし・・・・。
リアル版「ガンモ」って感じかな、というのが率直な感想だが、うーん、本当に「感性」とか「才能」というあやふやで使い方によっては危ない言葉でのみ辛うじて掬えた作品というか、結局、この作品は長い自己紹介でしかないと思うんだよね。ガキの頃から撮りためたものを2万円で編集しました、ガス・ヴァン・サントが涙しました、というのは凄いが、観る側には関係ないし。
・・・という監督がこういう映画を撮りました、っていう「作品」が観たかったかな。次の作品が。
そう思って、検索してみたが監督としては続かなかったようで、何作か俳優として出演し、6年後にやっと監督したのが「ALL TOMORROW'S PARTIES 」というオルタナティヴ・ミュージックのフェスのドキュメンタリーっていう。なんか嫌な感じにサブカル界隈に寄生している人みたいになってる。
日本盤が出ていないので未見だが、その後も1本劇映画やって、また母親ネタのドキュメンタリー撮ったみたいだし。

「感性」や「才能」って言葉は危険だよなぁ。
花村萬月が好んで使う、ある音楽専門学校のキャッチコピーだったという「感性は馬鹿の言い草」という言葉を胸に刻まないと。

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