2014年05月29日
NAS 「Illmatic XX」
バイト先のハタチの同僚に借りた1枚。
というか借りた23枚のCD(内3枚は2枚組)の内の1枚。
メタルでもヒップホップでもそうなのだが、ファンの少ないジャンルのファン同士が出会うとテンション上がるわけで、ヒップホップ、それも現行のより90年代が好き、というナイスガイならなおさらなわけで、徐々に仲良くなって、ちょくちょくCDやDVDの貸し借りをしているのだ。彼は洋ヒップホップ中心、私は邦ヒップホップ中心ということで、いい感じに被らないし。
で、先日、話していると彼がハードコアなWu-Tangファンだとわかったので、17、8年前の来日時の特集が載っている「front」をあげたところ凄く喜んでくれ、前々から「〜さんが持ってないの全部貸しますよ!」と言っていたことを実行してくれたのだ。
まさか、いきなり手さげ袋にギッシリと23枚とは思わなかったけどね!
「全部」って各メンバーのソロも含めたディスコグラフィーとはね!
というわけで、洋ヒップホップは名作は一応一通りは聴いたことはあるけどねぇ、くらいだった私が、いきなりwu-tangとNASにだけやたら詳しくなってしまったので、せっかくだしちょっとずつ書いていこうかと。
まぁそんなこんなでしばらく聴くばっかで書いていなかったんですな。
はい、結局これを一番聴いてます。名作「Illmatic」、20周年記念盤です。ちなみに同僚の彼は10周年記念盤も持ってるらしく、「いやーやっぱり結局illmaticを一番聴いてるわー」なんて言ったら「じゃあもう一個も貸しますよ!」と言ってくれました。
当然5本マイクの名作だということは知っていたしアルバムを聴いたこともあるのだが、なんだか地味だなぁ、カッコいいけど・・・という感じで、敬遠してしまったのだ。「stillmatic」は最初から好きになったのだが、このアルバムは「通向けなのかなぁ?」という感じだった。
そんな感想を持ちつつ久々に借りて聴いたわけだが、これがカッコいいの何の。
ただ、最初に持った感想も理解できるというか、20歳の天才ラッパーのデビュー作であり、いきなりクラシック認定の名作アルバム、というにはわかりやすくキャッチーなフックを持った派手なシングルヒット的な曲がないからだろうな、と思った。
しかし、このアルバムが恐ろしいのは、そういう「ファーストが一番勢いがあって荒々しさも含めて魅力」とか「セカンドが一番わかりやすい」とか「サードが一番成熟している」とかの魅力の全てがいきなりファーストにぶち込まれているということだ。
最初に聴いてから何年も経って、NASのアルバムを何枚も聴いて、ヒップホップが大好きになって漁る様に聴いて、改めて聴くと、「こんなに豊潤だったのか、このアルバムは・・・」と驚かされる。
本当にいきなり名作なのだ。いきなりすぎて面食らうわけです。20歳の青年のファーストアルバムですよ?
わかり易さや時流にのった安易で派手なビートではなく、物凄いビートメイカー達が時代を超えて聴ける研ぎ澄まされたシンプルなビートを奏でる上で、今改めて遡って聴いていくと「まだ多少荒々しさがあるな、この頃はやっぱりトピック的にはそうなるよな」とも考えられるものの、恐ろしくクールなNASのラップがのる、これだけなのだ。
で、これだけで20年聴ける名作なのだ。じっくり聴いてリリックの解析をするもよし、小さな音でオサレBGMとしてもよし、デカイ音でノリノリになるもよし、ずっと流してぼんやり浸るもよし、多方面に使えもする。
最初、名作といわれながらもセールスが伸びなかったのも頷けるし、定期的に再発がされていまだに売れ続けるのも解る。
本当にずーっとこのアルバムをオールループで流してて、飽きないんだよなぁ。
よし、買おう。
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