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吉田豪「吉田豪の空手★バカ一代」




年末休み用に買おうと思ったが、我慢できなくて購入、即読破。
安心の吉田豪クオリティ。これ、路線が変わってしまって読むのをやめていた『BUBKA』で連載してたのね。

えーと、要は前に出ているプロレスラーのインタビュー集の『喋る!!道場破り』の空手家版です。表に出て、言葉やパフォーマンスも含めて表現することが仕事のプロレスラーに比べ、「武道家」というのはインタビューが盛り上がるかわからないし、また事によってはシャレにならない事態も発生するだろうし、なかなか難しい事もあるとは思うが、そこは吉田豪。
そして、表紙に大山倍達が思いっきり載っているので解るとおり、ほとんどが極真空手出身の人間のインタビューだ。極真出身ではないのは風間健と、出版やプロデュースの方の谷川貞治、山田英司のみ。

プロレスラーと違って、派手なパフォーマンスで世間を騒がせるわけではない、とはいえ

「どちらもファンタジーに包まれながら、世の中になめられちゃいけないってルールで生きていた人たち」
-あとがきに代えて より-

という共通点もあり、正直な所、読むまでは半分くらいは知らない人だったのだけど、とても面白かったし、読み終わった後は全員に興味がわいた。さすが吉田豪仕事、という感じ。

『BUBKA』での連載という事もあって、技術論とか無しのわかりやすく面白いインタビューで、そこには「大山倍達/梶原一騎」という太っとい軸があり、更にプロレスやK−1や柔道、少林寺なども関わってくる。
『空手バカ一代』をはじめ、それなりにイロイロ読んだり観たりしているが、そこまで「大山倍達/梶原一騎」にそこまで強い興味が無い私には、読み始めたときには「そのあたりの話ばっかかなぁ?だとちょっとツライかな」と思っていたが、読み進むにつれてドンドン引き込まれ、そこを軸にする意味と言うのも解っていった。

数々の武勇伝も凄かったし、演武(試割り)の裏話とか、大山倍達にニコラス・ぺタスが言われた「空手家は話し合いに向いてないよ!」って話とか最高に面白かったなぁ。

しかしさ、身近に伝統派空手二段の奴がいたんで、イロイロ話を聞いてるんだけどさ、これ別に「極真で、しかも何十年も前の過激だった頃の話」とかじゃないんだよね。そいつは二十歳そこそこなんだけどさ、全然今でもあるっていう。
普通に「この傷は、試合の時に肘ではらったら、相手の歯が何本か腕にくっ付いてきて、こっちもザックリ切れちゃって・・・え?あぁ反則っすよ。相手も反則なのにしつこく掴んできたんでいいんす」とか「小学生のとき、180くらいある外人の女との組手で、踵落としクラって気絶させられましたね。そんなん見えないっすもん」とか、「酒飲んでっからいけるかな、と思って師範に挑んで、金的とか関節蹴りとか狙ったンすけど、やっぱ強いっすねー。無理でした」とか、そんな話いくらでも出てくるっていう。

武道ってやっぱ凄いわ。

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「Mariah Carey - Fantasy ft. O.D.B. (Bad Boy Remix) 」





「ウータンはファーストだけだなー。なんかその後は音が良くなってポップになった感じがして」
みたいに言う人もいて、大体
「まーでも早くからマライヤとやったりしてっからねぇ。しかもO.D.B.が」
みたいな話の流れになるわけですが、そのマライヤとの曲。



最初に観た感想。

「うわー、会わせてもらえてねぇ・・・」

いやー、凄いね、これ。曲はまぁ、マライヤのヒット曲に、Remixでちょっとミスマッチ的にO.D.B.入れて、でも逆にいいっしょ?フックになるっしょ?的な商売人パフ・ダディの面目躍如って感じですが、とにかくこのPVがね、泣ける。

もうね、「おもしろいけど、会わせるのは危険、無理」って感じビンビン。いや、サクッと既存のPVで作ったんだろうけど。まぁ絡ませないよなっていう。「マライヤもやっぱ若い頃はカワイーねーキレイに撮ってもらってんねー、まさにアメリカンスウィートハートって感じ」ってのに対して、よくわかんない海沿い(しかも思いっきり曇り)でO.D.B.1人で固定カメラに向かってるっていう。
でもそれがまたクソカッコいいっていう。マライヤとか関係なく、全くもっていつも通りのO.D.B.。
縛られてるピエロとか、変なカツラとか、まぁツッコミどころは当然いっぱいあるんだけど、なによりもうO.D.B.本人だよね。本当に良い表情なんですよ。ぶっ飛んでて、狂ってながらもとんでもなく悲しそうで。
こんな良い表情の人いないっすよ。何百回って観ちゃうねー・・・。
マライヤの若くてキラキラした感じとの対比っぷり、アメリカって感じだよねー。

全部まとめて、「アメリカ」って感じ。そしてそこにいるO.D.B.ね。泣いちゃうよホント。


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Brian “Head” Welch「Flush」




Brian Head Welchのソロデビュー曲。
発表された当初は「今のKORNよりKORNらしいじゃねーか」と言われていた曲。
私が異常にこの曲に興味を持ってしまうのは「痛々しさ」と「イタさ」、「切実さ」と「無防備さ」が共存している所だと思う。

冒頭「これから24時間で、15006人のティーンが初めてドラッグを使用する」という文章が表示され、元ドラッグユーザーの告白が少し挟まり、指に「JESUS」「LOVE」とタトゥーを彫った指が映されて曲がはじまる。

「嘔吐 俺の顔を見てみろよ やっちまった 一日中寝てたみたいに思える 
 目をつぶると 目の前がグルグル回ってる 最低な気分だ
 流せ! 全部吐いちまう トイレの中なんてクソだ 
 こんなのは成長じゃない ただダメになっていくだけだ
 人生は退屈だ またくだらない繰り返し 飲んで吐いて眠るだけ
 俺には何かあるはずだ 決して無ではない 腐っていく自分を許せない」

1番の歌詞はこんな感じ。

何があったのか?
当時ヘッドは享楽的なライフスタイルに、自滅していく自分に嫌気が差してKORNを脱退し、クリスチャンになったのだ。

曲に関していえばクオリティはちょっと頑張ったデモくらいのものだ。
自分が主にやるギターとボーカルだけがキチンとしていて、ベースも、おそらく打ち込みのドラムもほとんど聞き取れないし、ただ必要最低限の部品としてしか存在していない。曲のスタイルも完全に「1人KORN」でしかない。
本当にとてもパーソナルなものに聴こえる。
そういう意味で音楽的にはKORNとは比べ物にならないのだが、個人としての苦しみをここまで無防備に曝すという意味で、そしてそこまで切実に、とにかく外に出さなければいけない、という情念においてこれは突出している。
その切実さは後にクリスチャンロックバンドとして組んだLove&Deathには無いものだ。

歌詞もものすごく解りやすい、というか稚拙とすら言っていいだろう。メッセージだけが完全に先行していて詩情なんてものは無い。そこまで英語が得意でもない私が初めて聴いた時にほぼ聴き取れて意味も解ったくらいのシンプルな歌詞だ。
自分はドラッグを止める為に信仰に救いを求め、そして成功した!皆、そうするべきだ!という、そのまんま。上からの説教でも、悟りでもない、やっとドラッグを止める事が出来て、しかしそこにまだ自信が持てていないような、現在進行形な感じ。
曲の最後に繰り返しCome on!Get up!Let's change!と叫ぶのは自身にも向けているのだろう。

そんな「痛々しさ」と「イタさ」、「切実さ」と「無防備さ」の共存に、どうしようもなく惹かれる。

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その他、アメリカ、中国のアイドル





韓流アイドルに興味をもったついでに、違う国のも聴いてみました。

アメリカだと



とかメッチャ売れてるアイドル、っつーかガールズグループなんですが、なんというかもう、セクシャリティのあり方の違いにビビルっていう。セクシーっつうかもうモロにセックスじゃねぇかっていう。歌詞もドエロだしね。



アイドルっつうと怒られるか?Iggy Azelliaの『Fancy』のフック歌ってた人ですね。ソロ曲ではコレが良かったなぁ。
なんかどことなく90年代っぽいよね。ちょっと疲れてる感じ。好きっすね。

中国だとこのグループくらいしか観てないんだけど、これも面白かった。



以前やってた曲を聴くと、モー娘。風というかAKB風というか、そういう感じだったんだけど、この今年の新曲はモロに電波ソングっぽく舵を切ってる。歌詞はわからないけど、タイトルからして自虐なのかセルフパロディ(爆買いとかあったじゃん?)なのか。フリも明らかにコミカル。
でも、日本の真似っつうか、普通に同時代に生きてる感じ。以前の曲でセーラームーンのコスプレとかもしてたんだけど、それも日本向けっていうより、中国人同士にも共通認識があるって前提のもとにやってるように見えたし。
曲は、まぁ可愛い掛け声の入った電波ソングなんだけど、なんというか、メタルっぽいドラムやギターが入るにしても、日本だともっとソフトにやるというか、シンセとか被せてもっとキレイにオブラートに包む所を、ゴロッと入れちゃうところが大陸的というか、なんというか。ビートダウンの所とかスクリーム入れたら普通にメタルコアですよ。
あと、PVで拳法着っぽいのを着て、武術みたいな動きをするとやっぱりちゃんと中国拳法っぽく見えるのが面白いなぁ。やっぱ似合うね、こういう動き。

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EXID 「Ah Yeah」「L.I.E」





韓流アイドル。今回で最後です。しばらく掘って、また何年か空くのが私のパターンなんで。
今回は2曲ですね。
なんかね、前も書いたけど、「下手さが可愛い」って文化が無いので、皆、歌もダンスもラップも上手いんですよね。そんな芸達者っぷりに感心しグループ。EXID。
最初ちょっとギョッとしますが大丈夫です。



トラックもカッコいいし、キャラでハッキリとした歌い分けが楽しいし、ラップも上手い。PVも面白い。



はい、全部英語だったらUSのチャートに入ってても違和感無いと思います。
Madonnaのこれ↓聴かないで作ったとは到底思えないけど、ポップスってのはそういうものです。



フィーチャリング入れないで、全部グループ内でやるってところが韓流アイドルだよなぁ。ちゃんと出来てるし。

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AOA 「심쿵해 (Heart Attack)」





前回の流れで韓流アイドルですね。
Red Velvetの『Ice Cream Cake』が超良かったんで、しばらく掘ってました。アレほどドカンとはきませんでしたがこれも良い曲だと思います。
最初の何十年前の少女マンガだ?っていうようなミニドラマで挫折しかけますが、40秒くらいで曲はじまりますんで。



はい、これも全体としてはモロにUSのクリシェ連発ですね。あれなんだっけ?ポロってスポーツでいいんだっけ?みたいなのやって、アメリカの学校っぽくて、チアリーダーで、部室での着替えシーンもありで。
ただ、音もそうなんだけど、全体的にはUSっぽくて、合いの手や擬音っぽいところ、ソロショットの感じが日本寄りに思える。少女時代とかに近いのかな?

で、このグループは日本デビューしてて、日本語ヴァージョンもあるんですが、



うーん、なんでしょう。曲もPVもまんまなんで、比較しやすいと思うんですけど、なんか微妙な感じ。
私は韓国語は解らないんだけど、Heart Attack→胸キュンって訳なんだよね。
ボーカルトラックだけ日本語に変えて乗っけるってなるといろんな制約があるんだろう、と考えさせられる訳で・・・。
なんか無理矢理合うようにハメると、ちょっと古い言葉とかも入っちゃうっていう。
たぶん、意味的には合ってると思うんだけど、例えば日本のアイドルグループの歌詞発注して、サビを「胸キュンすーるーのよー」って書いてきたら、採用する?って話。

難しい問題だけどね。やっぱ原曲の方聴いちゃうんだよね。

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Red Velvet(레드벨벳) 「Ice Cream Cake」





ポップス、それもアイドルの場合に多いのだけど、「この一曲だけ好き」ってのが多い。
昔、Burrrn!誌で藤木さんか誰かが「基本的にベストアルバムは買わないけど、アイドルに関してはその方がいい」というような事を書いていて、それは要は曲ごとに作詞や作曲者が違うから、という事だった。まぁ80年代なんかはもっと、アイドルのアルバムの中に捨て曲が入ってる比率が大きかったとかもあるんだろうけど、それには全くもって賛成する。

現代っ子にしたら、楽曲単位でダウンロードが当たり前なんだろうけど、私みたいな貧乏性のオッサンからしたら、やっぱりアルバム、となってしまう。
そして、「うーん・・・この1曲だけだったかな・・・」と。

はい、ということで、アルバム単位では紹介する気になれずにいた曲を紹介して行きます。

まずね、やっぱりアイドルね。この曲は久々に自分の中で大ヒットでした。



元々、熱心なアイドルファンではないので、有線で流れてるのを聴いた、とかyoutubeの関連動画に出てきた、とかで知る事がほとんどなんだけど、これもそのパターン。
ちょっと前にでんぱ組inc.を好きになった流れでyoutube観てて、アイドルファンのドキュメンタリー→地下アイドル→韓流アイドル、と行き着いた感じ。
もはや自然すぎて、ことさら韓流アイドルだなんて今更感あるんだけど、一番ワッと盛り上がった『冬のソナタ』ブームの頃に、私、コリアン/チャイニーズの彼女と付き合ってまして。なんか逆に、その頃はまったく興味持てなかったんですよね。
日本語が通じない韓国料理屋とか、韓国食材店の奥にビデオデッキが山になってて、韓国のテレビ番組のダビングしたやつを彼女が買ってたりするそんなスマホ以前の時代で、毎日バイト先の中国人と飲み歩くディープな日常だったので、「そんなキレイな上っ面だけ見せられても・・・」みたいな気分。

はい、そこから早12年。日常がクソすぎて「キレイな上っ面」しか見たくない気分でございます。

前置きなげー。
はい、Red Velvet。気まぐれに関連動画をクリックしてみただけで、完全に前知識ゼロで観たから驚いたんだよね。メチャメチャいい曲、いいPVじゃねーかと。
あのね、K-POPってさ、基本的に輸出も考えて作られてると思うのよ。市場規模的に。
で、最近のK-POPってひと昔前の、こうキッチュとかキャンプって感じじゃなくて、完全に現行のUSの音になってると思うわけ。で、やっぱ日本的な「下手なのが可愛い」って文化がなくて、キチッキチッとしてて、全部クオリティ高いわけ。英語も上手いし。
ただ、そこがアイドルっぽくはないなー、とか思ったりしてたんだけど。

そのなかで、この曲が出色の出来だと思うのが、そのバランスなんだよね。
韓国っぽさと、USっぽさと、日本のアイドル文化みたいなもののバランス。どうも日本語の曲が出てこないから、日本デビューもしてないっぽいけど、その色は入ってると思うんだ。
どこにズレても、「じゃあUSの曲聴けば?日本のアイドル聴けば?」ってなるんだけど、その反論が機能しない、素晴らしいバランス感覚。
勿論、曲にしても、PVのテーマや撮影場所なんかは完全にUSベースなんだけど(チアリーダーとか砂漠好きですよねーホント)、グループアイドルのゴレンジャー的なキャラ分けや、セクシーやガーリーとも少し違う感覚でアピールする部分や、ツインテールやCG合成などで日本っぽい感覚も出てる。プラス、光るモコモコとかの新味ね。

曲的には、やっぱり基本USサウンドの上に韓国のガールズグループらしい破綻の無い上手さで、ラップもメンバー自身がする。それもいい感じのフロウで、かなり良い。
サビはいかにも「歌が上手い」って感じだけど、ヴァースの部分は日本のアイドルっぽい崩しというか、声を張らない、自然さみたいなものも盛り込まれている。
コレがデビューミニアルバムのタイトル曲みたいだから、気合入ってたんだろうなぁ、って感じの名曲。

さっさと日本デビューすりゃいいのに、とか思ったりするんだけど・・・それもまた難しい問題があったり・・・次の記事に続けます。

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「ザ・デクラインIII」





その存在を知らなかった『THE DECLINE PartV』。
テーマがパンクに戻ったようなので、まだ期待していたのだけど、これがねぇ・・・音楽ドキュメンタリーでは無くなったような・・・。

いや勿論、パンクバンドは出てくるし、ライブ映像も流れる。最初の方に「オフスプリングを観に」「グリーン・デイのファンだよ」みたいなコメントがあって、あ、そっち?と思ったら、もっと全然アンダーグラウンドな感じで、FINAL CONCLIFTでライブ映像がはじまったのは嬉しかった。その他に出てきたのは女性の権利や差別反対を歌うバンドだったりするのも時代を表しているのだろう。
だからといって、今回はクラスト・コア寄りのドキュメンタリーなのか?というとそうでもなく、スクワッター(不法占拠者)やホームレスのパンクスの話がメインに思えた。
ハッキリと最初に「スクィッド、スティーヴィー、生き延びたガターパンクスに捧げる」って出るし、最後に「この映画の収益を寄付する事により、ホームレスや虐待された子供達を支援します」って出るしね。

勿論今まで通り、インタビューとライブ映像が主なんだけど、今回はバンドの面々より、そのファンであるパンクスたちのインタビューに重きを置いているように見える。
皆、10代前半から20代前半で、早い奴は8歳や9歳からホームレスとして暮らしていると話す。原因はやはり親からの虐待や、素行不良から施設に送られてそのまま家に帰らないのが多い。
反抗の手段としてパンクに魅せられ、パンクスになり、髪の色や髪型や格好がどんどん特異で、NYハードコアのスポーティさとは真逆の、いわゆるパンクっぽい格好がさらに過剰になったようなルックスに皆なっている。
彼らは皆路上にたまり、空き家に忍び込んだり、人の家のソファーで寝たり、それも出来なきゃ路上で寝る。仕事はせず、物乞いをしたり、その特異なルックスを写真に撮りたがる観光客から金を貰う。そして食べ物ではなく酒を買う。
差別に反対するパンクバンドのファンだけあって、人種も様々、セクシャリティも様々な集団なので、しょっちゅうネオナチと喧嘩をする。

もうね、こんな若くしてホームレスっていう事で、もうそりゃこっちに興味いっちゃうよなっていう。ハグレモノ同士、肩を寄せ合って、仲間であり家族であり、みたいに暮らしてるわけです。

そんな感じで、「これはもうどっちかっていうと、若年者ホームレスのドキュメンタリーみたいだなぁ、興味深いけど。うーん、出てきたバンドの印象全然残らねぇ」って感じで観てました。

ただ、映画としてみてみると、ドラマティックという意味では、この3作目が一番ドラマに溢れている。
それぞれの悲惨な人生が語られ、ホームレスの日常が語られる。若いからといったって、ホームレスが安全なわけは無い。仲間の1人は空き家に泊まってたときに家事で焼死する。電気が無くて蝋燭を使っていて火が出て、泥酔していた為に逃げられなかった。
そして映画の最後に、メインキャラクターとしてインタビュー映像が多く使われていた、通称スクィッドが刺殺された事が伝えられる。犯人は、同じくインタビューによく出てきた、よくつるんでいた仲間で(そしておそらく彼女で)あった通称スプーン。
悲しいまでに無名なシド&ナンシー、なんて言い方はあんまりだろう。
一見、貧乏でも、ホームレスの厳しい環境でも、働かずに好きなように生きて、時には友人宅でのパーティやライブを楽しんで、という生活にはちょっと憧れてしまったりする。友達もいなく、マジメに9時5時のクソみたいなバイトをした上でギリギリの生活をするなら、こっちの方がいいんじゃないかなんて。
でも、そんな上手い話は無い。ユートピアは無い。

音楽ドキュメンタリーではなかったけど、いいドキュメンタリーではあったかな。うん。

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「ザ・メタルイヤーズ」





観たかったけど、あくまでネタとして、という感じの『THE DECLINE PartU The Metal Years』。

前作が、ハードコアファンの中では必見と言われているのに対し、こちらは出演ミュージシャンもメタルファンも怒ってたり失笑だったりで、ネタ扱いになっている。

なんせ主に扱われているのがLAメタルなんでねー。
みんなインタビューでアホみたいな事しか言ってないのよ、悲しくなるくらい内容ゼロ。酒、女、ロックンロール。「俺は将来ロックスターになるぜ!」みたいな。ライブ映像は流れても、1曲も歌に歌詞の字幕が付けられないのが象徴していると思う。その価値もないんだ。
しかも前作と違って、実際その後に爆発的に売れたバンドも居なくて・・・もっと早くに取材してたらモトリーやガンズもいたし、RATTやW.A.S.Pもクラブシーンにいたのにって感じ。
メタルファン的に言うと、一番しょうもない、搾りかすのワナビーだらけの終わりかけのLAメタル時代なんですよ。
髪の毛を膨らませてメイクした、クレジットも出ない自称ミュージシャンのインタビュー見せられてもねぇ・・・。ライブ映像はリジー・ボーデンに始まり、POISONにFatser Pussy Cat、ODINなんていうB級(まぁポイズンは売れたけど)ばかり。

何故かプールで、しかも傍らに母親がいる、泥酔状態のクリス・ホームズインタビューやオジーの可愛さとダメっぷりが『オズボーンズ』に先駆ける事15年以上前に記録されてるオジーのインタビューは確かに面白い。
何故かいきなり最後に入るMEGADETHのインタビューやライブ映像は短いながらも良い。でも、この時代はまだどっぷりジャンキーだったくせに、嘘ばっかり言って、マジメでタフな印象になってるのは疑問。LAのヘアメタル勢との比較対象にしたかったのかねぇ?

全体的に、メタルの誤解されてる部分を拡張したような感じで、メタルファン的には酷い映画です。
「ある時期のあるシーンの記録」として「自称ミュージシャンだらけになったしょうもない時代のLAシーン」というテーマならそれはそれで面白いし、ある種貴重な記録なんだけど、ほぼLAメタルなのに表にバーンと出すパッケージとかはMEGADETHだったりするし。全体的に何がしたいかよくわかんないんだよね。
これに「The Metal Years」は勘弁してくれよって。
これは1回観ればそれでいいね。で、メタルファンと「酷かったよねー。でもオジー面白かったね」って言えればそれでいい。
これ、別にLAメタルファンも観て面白くはないと思うよ。脱退組から有名ミュージシャンを多数輩出しながら、本体はパッとしなかったLONDONのライブ映像が、まぁ貴重っちゃ貴重か。それくらい。

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「ザ・デクライン」





やっとDVD化された。
という程には待ってなかったんだけど、まぁすぐ手に入るようになったのは嬉しい。

特にこの1作目は貴重な映像が多く入っているので観たかった。『American Hardcore』の中で「79年か80年頃に始まって、86年には終わった」とされるアメリカのハードコアなので、本当に最初期のハードコア・パンクの貴重な記録だ。
若かりしBLACK FLAG、GERMS、CIRCLE JERKS、FEARなど、インタビューも、キレイで音のいいライブ映像も、全てが貴重だ。youtubeでなんぼでもブートのライブ映像が漁れるといっても、この時代のものはやはり、プロの機材でキチンと撮られたものは別格だ。一部の曲で歌詞に字幕が出てくるのも嬉しい。

この時代の特定のシーンの記録であるので、今観ると「別にこのバンドはいらなくね?」みたいなバンドが入ってるのは確かで、それらの部分ははただ終わるのを待ってるだけだったりするし、基本的にインタビューとライブ映像の繰り返しで構成されているので、特別なドラマも無くあっさりと終わる。
あくまで、「特定の時代の特定のシーンを切り取った記録」という認識は持っておいた方がいいが、やはりハードコア・パンクファンとしては必見。

いやー、いつの年代でも、どのメンバーでも、BLACK FLAGはBLACK FLAGであるところが凄いよなぁ。
グレッグ・ギンの佇まいって、ドレスアップ文化だったパンクとも、ドレスダウン文化だったハードコアとも異質なんだよね、ギターのフレーズも変わってるし、オブリもソロもガンガン入ってくるし。この人本当に凄いよなぁ。

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