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「パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト」





佐村河内守のドキュメンタリーの『FAKE』と比べるのはあまりにもだけど、続けて観ちゃったからどうしてもね。
やっぱり結局音楽の質だよなって思うね。

もう、小学生くらいの時の映像を観て演奏を聴いただけで、本物だってわかるもの。

ちなみに

-1967年、初のリーダー・アルバム『La Fabulosa Guitarra De Paco De Lucia』を発表。そのテクニックは日本でも知られることになるが、パコは楽譜の読み書きができず、ホセ・トレグロサが楽譜の作成を手伝い、共作者としてもクレジットされている。- (wikiより)

なんて記述があったりします。ちょっとした繋がりね。
映画の中で、スーパーギタートリオをやりだした当時は即興演奏が出来なかった、って言ってたし。
それなのに、今聴ける音源なんかで聴けるのは恐ろしく素晴らしい演奏だからね・・・モノが違う。

凄いんだわ・・・神童、しかもそのまま最後まで現役で、クオリティを落とさずにいたからね。

私はやっぱりスーパーギタートリオのイメージが強いけど、元々は完全にフラメンコギタリストなんだよね。
パコの父親もフラメンコギタリストで、この世代のミュージシャンには少なくないけど、やっぱりミュージシャンってのはまだ、貧しくて低い身分の人がなるもので、そこから這い上がってきてるんだよなぁ・・・。
神童なんだけど、そんなに小さい頃から働かなきゃいけなかったって事でもあるわけで。

そして天才ならではの、伝統派からの批判や、孤独。
初期なんて、「ギタリストが踊り手より目立っていいのか」なんて葛藤があったらしいから、驚いてしまった。

勿論、この映画の監督が息子のクーロ・サンチェスで、脚本やプロデューサーも娘なので、それを強調する事も無いかもしれないけど、なんか孤独な感じというか、影があるんだよな。
ツアーを続け、あのレベルの演奏家として一流であり続ける困難さってのは想像に難くないしね。

ただ、映画としては、演奏シーンの素晴らしさや緊張感に比べて、そのほかのシーンは弱いと言わざるをえない。
正直、ちょっと眠かったくらい。
しょうがないけどね、相手があのパコの演奏じゃ。
でもちょっとウトっとして、演奏で覚醒、ってのが2、3度あったからな。悪くはないんだけど。

だからまぁ、これきっかけでもファンにはなるだろうけど、まずはライブ映像とか観て、ファンになってからじゃないとツライ部分はあるかも。

演奏シーン入りの予告編だとこれかな。フィンガーピッキングの正確さが異常だよ・・・↓

「FAKE」




あの佐村河内守のドキュメンタリーを森達也が撮る、というだけで期待が高まる作品。
なんだけど端的に言うと、やっぱりいつもの森達也の映画。
要は「自分で考えろ」って事。
森さんのいつものスタンスだし、本来どれもそういうもので、宗教じゃないんだから。本1冊読んで、映画1本観て、それを全部信じるって方がおかしいわけで。
イロイロ観て、イロイロ読んで、自分で考えるべきですよ。

そもそも「ドキュメンタリーは嘘をつく」だぜ?
原一男の本の帯にも「ドキュメンタリーはフィクションだ」ってあったしねぇ。

森さん自身も何度も言っているし、今回も

-「FAKE」は映画です。そして僕は映画監督です。これまでジャーナリストなどと肩書きを自称したことは一度もないはずです。正式な肩書は「作家・映画監督」。作る人です。伝える人ではありません。 
 映画は表現です。主観です。-
(Facebook 【神山典士氏の発言に対する反論】より)
と書いている。

ご存知の通りの事件、というか騒動があっての作品なわけですが、まず、あの騒動の私の感想って言うのは、「よくあることじゃん。っていうかあの指示書めちゃよく出来てると思うけど」って感じ。
作曲のクレジットなんか権力のある奴が取る、ってのはバンドだとよくある話なんですよね。
ジェイク・E・リーがいた時期のオジーバンドの曲は、クレジットはオジーだけど全部ジェイクが作曲してた、とか。
Fight時代、ロブ・ハルフォードが全部作曲のクレジット持ってったけど、「テープに鼻歌が入ってるだけのやつを、コード進行とかリフ考えて曲にしたのは俺らだよ」ってインタビューでメンバーが苦笑してたり。
それ以外でも、ミリ・ヴァネリなんか歌ってなかったのにグラミー賞の最優秀新人賞を獲っちゃったり。そういうのはけっこうあるんだよねぇ・・・。弟子の曲パクる師匠とか。

「音楽は魔法ではない」(大森靖子)し、作曲っていうのは、完全に無からなにかを生み出すっていうものでも無いし。
新垣さんのwikiに出てる、著作からの抜粋も、おおむねそんな感じの事を書いてるしね。
ここら辺↓

「彼の申し出は一種の息抜きでした。あの程度の楽曲だったら、現代音楽の勉強をしている者だったら誰でもできる。どうせ売れるわけはない、という思いもありました」、「自分が作曲した作品が、映画音楽であれゲーム音楽であれ、多くの人に聴いてもらえる。その反響を聴くことができる。そのことが純粋に嬉しかったのです」などと語っている。

代作の実態については「彼は実質的にはプロデューサーだった。彼のアイデアを実現するため、私は協力をした」、「彼が依頼し、私が譜面を作って渡すという、そのやり取りだけの関係」、「彼と私の情熱が非常に共感し合えた時もあったと思う」などと語った
-新垣隆 wikiより-

佐村河内守さんは勿論なんだけど、新垣隆さんも特異なキャラクターなのがまたね・・・その後のバラエティー番組で観るとメチャメチャ面白いし。
なんというか、やり方はゲスいし、人間的にはアレなんだけど、佐村河内の自己プロデュースは上手くて、話題になりすぎたから、新垣隆さんが先手を打ったって感じだと思うんだよねぇ・・・告発ではなくバレてたら共犯扱いだったろうし。
まぁ、分岐点はやっぱりNHKのドキュメンタリーだろうなぁ・・・あそこでやりすぎた感じ。


で、映画自体は、本当に淡々と現在の日常生活を写しだしながら進む、いつもの森達也のドキュメンタリー。『職業欄はエスパー』を思い出す感じ。
そこにテレビ局の人間が出演交渉に来たり、断ったら新垣さんが出て、笑いをガンガンとってたりするのを見ている所をまた撮る。
私最初はけっこう下世話な感情で観てたし、その下世話な興味も満足出来る、ネタ満載の映画でもあるんだけど、これ、やっぱり考えさせられる作品なんだよね。

とりあえず、私はそりゃ医者でもなけりゃ本人でもないから本当の所はわからないけど、話してる所を見ると、聴覚障がいのある人特有の喋り方だと思うし、そこはもう追求してもしょうがないと思うんだよね。
本人が基本、ナルシストで中二病がかった人だとは思うし、なまじ妻などの理解者がおり、評価されてしまった事で、調子に乗っちゃった部分もあるとは思うんだけどねぇ・・・。詐病も立派な病気っていうかさ、例えば「歩けない」って思い込んで10年歩かなかったら、筋肉も衰えて本当に歩けない人になっちゃう、みたいなもあるしさ。
海外のメディアからのインタビューでも「この文章から音楽になるのがわからない」「何で楽譜の書き方を学ぼうとしなかったのか」という質問があったけど、職業作曲家への発注なんてもっと雑だし(ヒャダインの情熱大陸とか観るとわかりやすい)、楽譜なんて書けなくてもとりあえず問題なく仕事できてりゃ学ぶ気にならない(ブルースやロックのミュージシャンには珍しくない)のも普通だしね。
にしても3年あったら言い訳の為に必死こいて楽譜の書き方もピアノも学んでおけばいいのに・・・ってのをやらないのも佐村河内さんなんだよね。

『職業欄はエスパー』では「(森さんが)信じてる人だと思ってるから(ダウジングが当たった)」に「信じてないですよ」と返すラストだったが、今回は「僕のこと信じてくれますか」に対して「信じてないと撮れませんよ」だったのがちょっとビックリしたかな。でも最後に自分がしていたことは「信じているフリかもしれない」と佐村河内さんに言ってもいるんだよね。

でまぁ、「言わないでください」っていう衝撃のラストが・・・もう結構前の作品だから書いちゃうけど、実際にシンセで曲作るんだよね。カメラの前で普通に弾くし。
実際出来た音楽は、クラシックと言うよりはゲーム音楽に強く影響を受けたものに聴こえるから、そういう意味で共作者として新垣さんって人選も頷けるんだけど。
森さんからの「音楽作りましょうよ。本当に音楽好きなんですか?」という挑発に答えた形だけど、森さんは佐村河内宅へ通い詰めるのをしばらくやめているのとかもね、たぶんワザとだと思うんだよな。ワザと全部撮らないで、ズルをする余地も残す(したかどうかはわからない)っていうやり方。
ある程度シンセ弾けるってのは本に書いていた事だし。
でまた曲が凡庸でねぇ・・・。


なのでこの映画で論争が起きるのは当然の事なんだけどさ、やっぱズレてるんだよね。
意見が対立してるって言うか、ズレてる。
ポップスとクラシックの差とかさ、最初に書いた、ジャーナリストと作家の差とか。全ろうなのか、ちょっとは聴こえているのかとかさ。
途中で、記者会見での記者とのやりとりについて、障がい者団体の方が「あれは全国の障がい者にけんかふっかけてるようなもんだと思う」という所とかもっともな感じなんだけど、ちょっと調べると、ただの個人間の喧嘩な感じだし(あの言い方や、そのやり取りをヘラヘラ笑う周りのメディアは良くはなかったと思うけどね)。
インパクトのある登場と発言だった前川修寛さんという人も、ググってみると「レイキ・ヒーラー」って肩書きもあったりしてなかなかね・・・。

なんにせよ、なんであれそんな二元論で簡単に言える事じゃないのになぁ、って。


ただ1つ確かなのは曲が凡庸だっていう、その一点。
音楽映画や、音楽家の出ている作品なら、そこがよければもうオールオッケーになるんだけどね。
ならなかったねぇ・・・森さんもわかっててエンディングテーマに使ってると思うしね。

当時、音楽本の問屋に勤めてたからさ、一気に売れて、一気に回収になったのは目の前で見てたけど、なんかねぇ・・・これももう何年も前なんだねぇ。



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鈴木智彦「ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記」




なんだろう、完全にタイトル通りなんだけど、「タイトル通りすぎるじゃねーか!」と怒りたい気分。

出た時から気になってたし、ちょっと話題にもなってたんだけど、期待はずれだったなぁ。
最近はイロイロ騒がしいし、興味を持つ人は多いと思うんだけど、なんというか、本当に「日記」なんですよ。いや、タイトルにそうあるし、日記でいいんですよ、勿論、でもマジでただの日記なんですよ。

普通こう、もうちょっとネタ繰っておくでしょ、っていう。
ヤクザ専門のライターなら、ただその日常を描くだけで作品になる、みたいな感じなんだろうけど、そんな甘いもんじゃないよな、と。
本当に日記で、しかもヤクザに厳しい世の中になった為、仕事も減った状態なので、密漁や原発などのヤクザ関連だと思える事にも手を出しているので、なんか散漫な感じだし、当然、ちゃんとした記事は雑誌の記事なり単行本にするので、核心の所は書けない。

だから、ホントただの日記なんだわ。

さすがにそれでは面白くない・・・なんなら単行本の宣伝にしか思えなかったりしてイライラする。面白そうな取材してるな、と思っても内容書いてないんだもん。
で、ずっとおねーちゃんがどうだ、酒飲んでどうだ、ヤクザに怒られたーヤバいー、ってのが書いてるだけなんでねぇ・・・。

フリーライターなので、面白ければ記事に、本にしてお金に換えるってのが当たり前なのは理解できる。
だからって、ダシガラみたいな日記本出されても・・・ってのが正直な感想でした。

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磯部涼(編集) 「新しい音楽とことば」





そのタイトルの通り、音楽と言葉、要は歌詞についてのインタビュー集。
登場するのは、石野卓球(電気グルーヴ)、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、菊地成孔、七尾旅人、前野健太、大森靖子、城晶平(cero)、若旦那(湘南乃風)、ティカ・α(やくしまるえつこ)、じん、の子(神聖かまってちゃん)、三浦康嗣(□□□)、tofubeats。

磯部涼は、『ヒーローはいつだって君をがっかりさせる』では日本語ラップを、『音楽が終わって、人生が始まる』『ゼロ年代の音楽』では日本語ラップとシンガーソングライターを中心に書いている事でもわかるが、この本の「おわりに」にも書いてある通り「歌詞のことばかり考えてきたタイプ」の人だ。
元々ファンで著作は読んできているが、本作は磯辺涼 編ということで、彼が全てのインタビューを行っているわけではない。
なので、人によって熱量に差があるというか、本作のテーマに沿って聞き出していくというよりは、ただ単に新作が出た時のインタビューのようになっているのもある。

特に最悪なのは北沢夏音のティカ・α(やくしまるえつこ)インタビュー。まぁメール・インタビューの再構成って事だし、回答ももったいぶったアレな感じなので大変だったんだろうな、とは思うがいくらなんでもどうかとは思う。
やたら引用をしていて質問の方が長く、あげく「ご教示ください」だの「気がするのですが・・・・・・?」「なんて思ったりして・・・・・・(笑)」なんて事を書いている(挙げたのは全て回答ではなく質問文の文末)。ファンジンかよ。つか今ググッたら、50超えたオッサンじゃん。若い女性かと思ったわ。『Bar-f-out!』誌創刊編集長・・・マジか・・・。


興味のあるアーティストを先に選んで読んでいくと、やはりほとんどが磯部涼が担当したもので、その後に徐々にそれ以外のものを読んでいったんだけど、どうしても差があるよなぁ・・・。
しかも磯部涼の部分でさえ、ちょっと時間を空けて考えてみると、あまり印象に残ってなかったりするんだよね。
磯部涼は元々歌詞にこだわりのある人なので、特別「音楽とことば」に特化した本書でなくてもインタビューなり批評なりでの扱うのは歌詞の話が多いし、さほど「この本ならでは」という事でもない気もするからかな。

という事で、わりと面白く読めたんだけど、ことさらこの本を読む必要があるとも思えないっていうのが本音かな。
同種の本だと、『ラップのことば』の方が深く聞いていたし、技術論もあったりして良かったと思う。

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好きなミュージシャンであれば、当然インタビューもチェックしているだろうから得るものはそんなに無いし、ろくに知らないミュージシャンの語る歌詞の話だけを読むのは中々にツライ。
やっぱり歌詞単体でどうこうではなく、あくまで音楽の一部だからね。

そういう意味で言えば、アジカンの後藤正文や湘南乃風の若旦那など、好きでは無いが興味はある人たちのインタビューは興味深かったかな。特に、若旦那のクレバーさはちゃんとインタビュー読まないとわからないものだと思う。


磯部涼『ヒーローはいつだって君をがっかりさせる』の感想↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/492/0

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石田スイ 「東京喰種トーキョーグール」「東京喰種トーキョーグール:re」





たまにはストレートに話題になっているものを読む。
いや、こう、そんな大上段に構える事もないんだけど、読みました。

普通にちゃんとおもしろいじゃーん!

っていう、普通の感想になりました。

30歳も過ぎると、『ジャンプ』どころか『ヤングジャンプ』すら完全にスルーしてしまうようになるわけで。
いや、面白い漫画はあるんだろうし、単体で読んだりはするんだけど、「もうヤングじゃないし関係ない」感でるよね、っていう。
なんというか、漫画は面白かったけどさ、映画観に行ったり、話題になってたカフェとかも、日参しているハロワの近くなのに行かなかったし、腰が重くなっているのを自覚してるしねぇ。

なんというか、凄く今っぽくて、あらゆる要素を組み合わせた、とても日本っぽい漫画だな、と思いました。音楽で言うと「Fear, and Loathing in Las Vegas」みたいな。

『進撃の巨人』の諌山さんがガッチリとサブカルっ子な事とかもあって、それに似てるけど、それよりも更にいろんな要素が入っている感じ。
漫画のお約束から、ジャパンクール的な様々な要素、格闘技(やる側ではなく見る、語る側)の要素、一見同じようでいて中身が違うという設定(サブカル/おたく趣味)、それによる差別、一見滑稽な修行など。
それでなくても一見するだけでネーミングからビジュアルから中高生に受けそうなV系流れの感じも勿論ね。

90年代は「多チャンネル化されたテレビのザッピング感覚」みたいな事をよく言われてたし、その後はサンプリングとネットの進化、って感じだけど、もう最近はそれも過ぎ去って、ノンリニア編集が完全に個人で自宅で完遂出来るようになったって感じだなぁ。

うわー、いかにも30過ぎのサブカルオジサンの言いそうな事だな。まんまそうなんだけど。

第2部の『:re』になって登場人物が増えすぎて面白さが薄まってしまったように感じていたけど、ここ2巻くらいは盛り返してきたし、このままいくとちゃんと盛り上がって終わりそうなのも凄いわ。

昔、同じ感じで『鋼の錬金術師』読んだ時に、「凄く面白い上に、こんな上手い事最後までいく少年漫画があったのか!」という衝撃があったんだけど、あれは「等価交換」っていう概念が、少年漫画の「努力」っていう要素とうまく合致してて、7つの大罪とかもうまく使って、っていうのがあったからなぁ。

まぁそこまで入れ込んではないんだけど、ちゃんとおもしろいし、凄いね。売れてるものには理由があるよ。

東京喰種トーキョーグール:re 12 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)






瓜田純士「遺書 関東連合崩壊の真実とある兄弟の絆」




いわゆる関東連合本。

以前にも工藤明男著『いびつな絆』『破戒』の感想を書いた↓
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/531/0

その後、ブックオフでこの『遺書 関東連合崩壊の真実とある兄弟の絆』を買ったら、カバーはそうだったものの、中身が『いびつな絆』になっているというミラクルがあり、遠くの店だったので泣き寝入り、そしてしばらく忘れていたのだが、やっと改めて文庫版買って読んだ。

『いびつな絆』『破戒』の感想で、
「当時を知る人からの反論もあると思うけど、誰が書いたって、言えない事も、言いたくない事も、単なる記憶違いもあるだろうから。あとはもう、警察の調書や裁判記録くらいしかないだろうなぁ。」
なんて書いていて、今もそう思っているので、内容については深くは書く気は無い。

ただ、やっぱ瓜田純士って文章力あるな、と思った。
文学的な才能がどう、って事ではないと思うんだけど読ませる文章なんだよね。単純に凄く面白かった。
ご多分にもれずTHE OUTSIDER出場で初めて知って、ワクワクしながらブログを読んで、当日は行けなかった為にF5連打して、「おお、勝ったんか!」とかなってたなぁ・・・それももう10年近く前か。
それからイロイロと、ネット上でもリアルでも事件を起こし続けてて、でも最近は幸せそうっていう・・・10年だもんな・・・。

この本であらためてちゃんと文章を読むとやっぱり面白くて、最初からブログに、私を含めて皆が注目したのも、話題性だけではなくやっぱり文章の面白さなんだよなぁ、と再確認した。

一通り読んでみようかな。本は今まで読んでなかったから。

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小林よしのり「目の玉日記」




目が見えなくなるというのはとても怖い。
私の一番の恐怖かもしれない。
「人は情報の80%を視覚的に得ている」
なんて説もあったりするくらいだしね。

という事で、視覚については考える事も多いんだけど、そんな中で読んだ一冊。

『目玉日記』というタイトルから、エッセイギャグ漫画的なものかと思ってスルーしていたんだけど、全然違っていた。
漫画家の小林よしのりが、自分の白内障の手術経験を漫画にしたものだったのだ。

私はまだ、「まぁギターは目が見えなくなっても弾けるしな」と思えるんだけど、漫画家という職業で視覚に問題が出てくるというのは物凄い恐怖だと思う。
読んでみると、やはり漫画家らしい過酷な仕事の中で目がドンドン悪くなっていき、更にパソコンでの書き物なんかが多くなったのも影響して更に酷くなっていった挙句の・・・ということらしい。
傍から見れば「そんなに酷くなってるならさっさと病院行けばいいのに」とも思うが、病院、とくに眼科となると仕事が忙しいとどうしてもおっくうになってしまうのも理解できる。
歯と違って、痛くて我慢できないような事は稀だしね。

悪くなっている、徐々におかしくなっているのは自覚しつつ、病院に行ったり、通うのをやめたり。絵を描く上で支障が出るかもしれないから手術は避けたい・・・なんて思っているうちに限界が来て、手術を決断。そして、良くなってこの漫画を描いているのだから、結果的によかったのだろう。

「白内障の入門書ではない」「楽観的な闘病記」なんてあとがきで書いてあるが、その通りで、「変わった体験をしたから漫画に描きたい」という欲求によって書かれた感じの漫画で、いつもの小林よしのりらしい視点とギャグの入ったおもしろい漫画だった。

「白内障の入門書ではない」とはいえ、自覚症状が無い場合も含めると50歳代で半数近くが加齢性の白内障になる、という事も知れたし、それだけ誰にでもある病気なだけに手術も一般的で、恐れる事は無いという事もわかったのはとても勉強になった。

「体験記として普通にいい本だったな」と思ってたら、最後の最後に骨法の堀辺正史が出てきてビックリ。それも白内障と緑内障を漢方で治すというまた怪しげな事をしてて・・・。
小林よしのりはプロレス好きだったし、そりゃ繋がりはあるか。病院に行ったほうがいいっていうアドバイスを受け入れて手術したみたいね。

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「テッド」「テッド2」





評価も高く、レンタル屋でもベスト20とかに入っていたので、そのうち観るだろうと放っておいたのをやっと観ました。
町山さんが字幕監修をしていて、ラジオでも紹介していたのでサブカルっ子として興味があったが、ベストに入るほど人気作になっていてビックリしました。
でもそれだけ人気があるのも頷けるくらい、実際、観てみると面白かったです。


なんかね、お話自体は凄く普通なんだわ。
いわゆる、昔からの男友達がいて、彼女が出来てお前は変わっちまっただの、お前は成長しろだのって喧嘩して、でも彼女のピンチを2人で解決してハッピーエンドっていう。
ただそれがね、その友達がぬいぐるみなわけですよ。
しかも、本当に生きていて、それによって有名になったっていう、周知の事実なわけです。隠すとか、他人から変な目で見られるとかないわけ。
なので、普通の話なのに相方がぬいぐるみっていう。
でもそれがね、いい感じにクッションになってるんだよね。
やっぱおっさん2人だとね。しかも、生活がムチャクチャな不潔そうなオッサンだとさ、観ててツラいから。
下ネタを言おうが、ハッパ吸おうが、スーパーの同僚のおねぇちゃんを仕事中にコマそうが、かわいいクマのぬいぐるみだからね。
クライマックスに向けての喧嘩シーンもさ、ぬいぐるみと戯れてるように見えるし。

上手いなぁ、って思うよね。勿論キャストもお話も凄くよかったし。
普通に面白い、その上にアイデア賞っていう。

人によってはひどく嫌っている字幕も良かったけどね。まぁ吹き替えでやるような事を字幕に持ち込んだ感じはあるけど、ぜんぜんありな範囲でしょ、元ネタが日本人に馴染みの無いものばっかだもの。

『テッド2』も一緒に観たんだけど、これもよかった。
ぬいぐるみだって事は重々わかった上で、周知されていても、やはり困難が降りかかることもあり、前作やコミコンなんかのネタも入れつつ、ハッピーエンド。
これもね、まぁ、不妊治療、養子、差別とかさ、重くしようとしたり、政治的な皮肉を満載にも出来るようなネタなんだけど、ぬいぐるみっていうのがあるし、さらっと観れるようなお話にしてるしね。


この2本ともさ、すげーぶっ飛んでいるようでいて、実はなにか革新的なものがあったり、大爆笑って感じではないんだよね。
よくある話を、生きてるぬいぐるみっていうアイデアで、サブカル層以外にも届けたっていう。
観たら観たで、フラッシュゴードンネタやらハッパネタ、過激な下ネタてんこ盛りで、観たら嫌がる人も多いので、賛否両論で余計話題になって・・・っていうさ、やり方が上手いよ、うん。

正直、コメディー映画ってこのくらいの感じでいい、ってのもあるんだよね。
『ハングオーバー』とか、衝撃的におもしろいものもそりゃたまーには欲しいけど。
寝っ転がってヘラヘラ笑って、なにも引きずらない感じ。
これが欲しい事も多いわな。

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「伊集院光のばらえてぃーぷらす おぼえておぼえて6ヶ月の巻」





ずっと観てるこのシリーズだけど、Amazonなんかで見ると、中古価格がだいぶバラけている。
だからといって高いほうが面白いとか言うわけではないんだろうけど、なんか高い方のこの作品。

既にテレビで観ていたので、「あぁ、あれか」という感じで後回しにしていた。
いわゆる、超頑張らせた上でスカすやり方で終わっていたんだけど、その後もずいぶんと進めていたという、DVD独自企画。

タイトル通り、色んなことを覚えさせ、その最中にいつもの通り邪魔や変な映像なんかも盛り込み、結果、覚えさせただけでクイズも何もやりませんよ、というのがテレビ放送分。

その後、「だってお前らクイズやりたいっていってたじゃん」と1ヶ月にいきなり再度集められてクイズ。
そして、そこで負け残った2人が更に5ヵ月後に対決、という流れ。

最初のを6ヵ月後まで覚える、ということではなく、最後の対決は違うお題を与えられるので、本当に思いつきで延長していった印象。
スポンサーや協力企業が徐々に増え、それに関わるクイズになったりする感じ。

最初に覚えた事をずっと覚えてなきゃいけないわけではないので、あんまり6ヶ月っていう期間に意味は無いし、罰ゲームも嫌だろうけどとってつけたようなものなので、今までほどシリアスな感じも無い。

元々はテレビ放送初回で、出演者紹介のような企画だったので、そこからそんなにぶっ飛んだ方向に行きようも無いんだけど、正直行き当たりバッタリ感は否めない。

ただ、じゃあ面白くないかというと、けっこう面白い。
出演者紹介を、いつもの伊集院の悪ふざけを交えながらやっていくので各々のネタや特徴がわかるし、最後に入る唐突な女子会もけっこう楽しく観れた。

あんまり企画(実験)も、罰ゲームのシリアスさも無い、ある種普通に楽しめる作品でした。
「楽しく観れる」って感じですね。

以前書いたこのシリーズの感想↓
「伊集院光のばらえてぃーぷらす ランナーズハイでわっはっはの巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/397/0
「伊集院光のばらえてぃー だるまさんが動いたらみんなバラバラの巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/596/0
「伊集院光のばらえてぃー 体内時計でぴったんこの巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/418/0
「伊集院光のばらえてぃー 酩酊ドミノ ハイパーの巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/417/0
「伊集院光のばらえてぃー ノンアルコールドミノ毒入りの巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/608/0
伊集院光のばらえてぃーぷらす 本当は怖い話だった話の巻」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/398/0

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「神様なんかくそくらえ」





思い起こされるのはやはり『KIDS/キッズ』『クリスチーネF』『マイ・プライベート・アイダホ』、あとちょっと『真夜中のカウボーイ』あたり。

こういう映画は、昔なら熱狂的な支持をしたのかもしれないけど、オッサンになった今は、「可愛くってよかったね。結局映画に出れて、復学できたわけだし」という醒めた感想を持ってしまった。
ただ、凄く真摯に、正直に作っているとは思う。
嫌な言い方をすると、クレイジーさで若い時に一瞬カリスマ性を持つような奴はあっさり死に、タフぶる男はプッシャー、女は万引きと物乞いくらいしか出来ず結局男にすがる。
ラストにプッシャーのマイクの所に戻っていると言うのは凄くリアルですよ。
出来るのは万引きと物乞いくらいなので、強い男にすがらないとホームレスはやっていけない。
安く住まわしてくれる女性からの、真っ当な路上販売も無視し、ドラッグを打ち、やる事といえば物乞い。
そのドラッグでさえ、彼氏に教わり、プッシャーに恵んでもらう。
まともな男友達を拒絶するが利用はする。

なんかね、やっぱこういうのって全然同情できないよな、って。
私も、昔は好きだったのよ、こういうの。私立に通うお坊ちゃんで冷房の効いたマンションで観てる時はね。
でもこう、実際にホームレスを家に泊めたり、ホームレス寸前のバンドマンとバンドやったり、自分もそう変わらない環境にいた事もあったりするとね、同情の余地がないな、って思うんだわ。ジャンキーも一緒。なんにせよ依存してるって事は、それ以外の事が出来なくなるって事だから、単純に迷惑なんだわ。

「オレはリスク背負ってドラッグを売ってるんだ!」
って、それが一番真っ当なセリフだよ。

主演を務めたアリエル・ホームズの実体験に基づいたお話らしいけど、この主人公は本当に何にもやってないんだよね。自己決定すら放棄してる。
そのくらい苦しんだんだ、って事なんだろうけど、結局、スクリーンにアップになっても耐えられるくらい美形だったから監督に拾われて、女優として主演して、何本か出て今後は学校に戻りますってさぁ・・・なんかね。

たしかに魅力的ですよ。そりゃホームレスなんてやってたら助けます。
でもホームレス時代もずっとそうなわけじゃん。
売春すらせず(描いてないだけかもしれないけど)、あなたがいないと生きていけないって言いながら、死んだ後はあっさりプッシャーの所にいるわけ。

そこがさ、人間の悲しさだよね。
そう考えると、腑に落ちるけど、この映画はそれが描きたいわけでもなさそうだしなぁ。
イライラすんなぁ、でも美形だしな、っていう、それがずっと続きました。
これもね、嫌って程わかったけど、結局そこだったりするしね・・・。
アリエル・ホームズのプロモーションビデオって感じだね。

あ、音楽は良かった。冨田勲なんだよな。

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