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菊地成孔 「CDは株券ではない」



この時代すら牧歌的だったと言わざるを得ないくらい、今はもうドン底というか、底が抜けてしまっているのにも慣れてしまった感がある。一応私は、腐ってゾンビ化していてもミュージシャンもどきっぽいし、バイトも音楽関係(のモノをひたすら箱に詰める)だ。
実感としてリアルにここ10年くらいどうしようもない。
「ミリオンヒットが出ない」なんつっても、いまや「でしょうね」としか言いようがない。AKBは好きだが、100万枚売れましたって言われてもそこに音楽的な価値を感じたり分析したりする気にはならない。むしろ社会学的な興味だ。あと若い子は可愛いっていう。今や自分の下半身と関係がない可愛さだと諦めてしまっているところが悲しいが。

CDの売り上げ予想なんて、売れたらミリオン、コケたら全然、という状況があってこそのもんで、この本はリアルに売り上げを考えるのではなく曲だけを聴いて考える実験なのだが、だといっても今は幅が狭すぎるだろう。

例によって3回目くらいの買いなおしで、風呂でぼんやり読んでいただけなのだが、なんかもう隔世の感がある。

ファンとしては菊地成孔の変化の途中経過を見たりするのがちょっと面白かったかな。意地悪っちゃ意地悪な見方だけど。
山下洋輔のバンドにいた若干ふっくらした頃や、QJに載りだした頃のノベルティのTシャツそのまま着てるようなダサっぷりから、第2期SPANK HAPPYでのキャラクターがそのまま移ったようなセレブっぽい感じになり、ハイファッションだけどテンガロンみたいな崩した感じになり、今はキャラクター的にもa.k.a.な感じでB系にもなっているのだけど、加藤ミリヤ「ディア・ロンリーガール」を分析!の回で

(『SAMURAI-MAGAZINE』でのインタビューで使われなかった部分として)

「僕は今42で、金もあるし、地位もそこそこある。フードも被らない。靴はドルチェ&ガッバーナだ。でも、僕はブラック・ミュージックに強いリスペクトがあるし、自分で、自分がヒップホップだと思ってるんだ。」

と言った。と書いている。
時は過ぎていくもんだなぁ、とか思ったり。

内容の事書いてねー。
えーとね、単純に言って悪ふざけ。うん。タイトルそのままな感じのコンセプトがありーので、要はJ-POP売り上げ予想。
ミリオンが年に1曲あるかないかくらいになってきた頃。2003年後半〜2005年頃です。約十年前ですね(遠い目。来月で俺30かぁ・・・)。
ハロプロの勢いがなくなって、オレンジレンジや歌謡ヒップホップが売れてて、一昔前ならそれなりに売れたはずの企画物が一切カスリもしなくなった頃です。

風呂で読んでてねぇ、「この頃でもまだ全然マシなんだよなぁ・・・まだ希望はあった・・・自分自身にも・・・」ブクブクブクーッなんつってね!
文庫化はしないだろうから、古本屋で100円とかで買ったらいいんじゃん?ファンなら面白いよ。ファンで30代なら。

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藤木TDC 「アダルトビデオ革命史」



「噂の真相」での連載をまとめた『アダルトメディア・ランダムノート』という名著がある作者が、これ以上書く事あるのかな?と思いつつ、購入。
そんな認識の甘さを、冒頭の

「ポルノビデオのおかげでビデオデッキが普及した。そう信じる人々には、それだけでないことが理解していただけると思う。」

という文章で思い知らされた。
完全にそういう感じでAVの歴史を書いていく本だと思っていた。名作といわれる作品を紹介して、監督の証言があって、というようなものだと思っていた。

しかしこの本は、2007年にビデ倫が家宅捜査を受け、起訴された事からはじまる。日本の全てのポルノはグレーゾーン、「わいせつ」という言葉の定義がハッキリしていないため、ビデ倫のような民間の団体で自主的に審査しているだけなのだ。
そんな事さえ、インターネットによって簡単に無修正映像が見ることが出来る、実質的には解禁されてしまっている現在では改めて驚かされる。

そして、AVの定義、VTR機器の進化から話ははじまる。
ぶっちゃけ「何の本だっけ?」と思うほど機材の話がしばらくあったりする事が、今までの凡百のAV史みたいなものとの違いを生んでいる。
有名なAV作品や女優、監督の名前が山ほど出てきて、それをノスタルジーとして懐かしむような本を求めていると肩透かしを喰らうかもしれないが、私はとても興味深く読んだ。
有名な作品より、むしろその後のAVに通じる部分の多い「裏名作」というようなビデオの事を詳しく書いてある部分などもとても良い。ただの作品紹介にとどまらず、分析がしっかりなされ、どこがその後に繋がるのかが書かれている。
けっこうアダルトメディアについての本を読んでいる私にとっても完全に初めて知るような事も多く、「まだこんなにあったのか!」と驚かされた。

人々の欲望によって物凄いスピードで移り変わっていくアダルトメディアのレポートを切り取り続けた『アダルトメディア・ランダムノート』に対し、遡り、検証していくこの本は全く違う方向性のものだった。
見事としか言いようがない。
興味本位で手に取った人も知的好奇心が満たされるような本だと思う。

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ジェーン・スー 「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」



『私たちがプロポーズされないのには108の理由があってだな』で一躍有名になったジェーン・スーの2冊目。
ラジオで知って興味を持ったのだが、「古本でみつけたらでいーやー」などと思っていたら、2冊目が出て、そっちを先に見つけて買ってしまった。
まぁガールズトークみたいなのも好き(作品として、ならね)というだけで、私は男なのでまぁいいんです。

と言う事で読んだのだが、予想通り、ラジオで聞ける通りの感じのコラム集。
男女関係に絞っていた(であろう。未読なんで)前作より、より自身の生活全般に寄せていった感じなんだろうな、と思う。だからまんま「たまむすび」の「スー刊現代」だよね、と。
なので、ラジオから入った私は当然面白かったのだけど、なんというか、月1回の15分程度のワンコーナーを聞くのと、1冊の本としてまとめて読むのとは違うもんで、途中でけっこうしんどくなっちゃったのも本当。
先述したように、私は男で、世代的にも一回りくらい下なのでしょうがないとはいえ、2冊目ですでにこの感じかぁ、とも思ってしまったのも確か。

あと、これは言ってイイやら悪いやらなんだけどさぁ、ぶっちゃけさぁ、あの合コンの話どうよ?って思うわけ・・・って急に砕けた感じで書いてるけどさ、硬く書くとジェンダー論とか出てきそうで面倒だからごまかしてるんすけど、勿論。どんな話かっていうと、エビちゃんもどきの格好して、普通の男との合コンでは大人しくして男の機嫌とって、頭が良くて社交性のない男との合コンではガツガツ喋り倒したと。これは自分の見た目に問題があるのか、それとも中身に問題があるのかの検証だと。で結果は普通の男からは「エエ女や!」と褒められて連絡先を聞かれた、喋りまくったは男が引いて大人しい女友達のテーブルに行っちゃったと。そういう話で、私のいたテーブルは「北朝鮮」なんて言われてたらしい、と。
なんだけどさ、本当に面白く盛り上げてたら「北朝鮮」って言われないよね?って話。
ラジオでも気になってたんだけどさ、ドヤって出すフレーズに対しての博多大吉の反応の薄さったらないじゃん?解ってる?っていう。
自分なりの用意してきたパンチラインが不発で、その後の赤江珠緒の「あー、そういえば私もですね・・・」に続く感覚のズレた体験談に大吉先生嬉々として突っ込んだり反応したりしてるじゃん。それって「可愛い子がどう」とか「癒し系がどう」ではないわな。
さすが作詞家として活動しているだけあって、詩情というか、情感あふれる文章だし、読ませる文章ではあるのよ。実際面白いとは思う。
でもさ、その「面白い」は「興味深い」でしかなくて、あくまで紙の上でなわけ。ベシャリで場をロックするとかではないわけさ。まして、現役バリバリ、最近賞まで取ったベテラン漫才師にブツけるようなもんではないと思うのさ。嫌いな言葉だけどさ、要は「空気読めてない」ってやつなのさ。
だからこその評価だと思うわけさ。
なんか、これ決定的な所だと思うんだけどね。男社会の中で働くには、とかもあるんだけど、自己評価と実際って随分違うからねぇ。
よく言うとさ、そこまで世間の価値観と違ってるからこその作家/コラムニストとしての成功なんじゃないかな?と思うんですよ。
うーん・・・・・・・でも難しいんだよな。はっきり言って、九死に一生クラスの話じゃないと、素人の話って面白くなくて当然なんですよ。
芸人さんのエピソードトークって言うのは作ってるから面白いんです。それは単に嘘をついているわけではなく、話をスンナリ流すために状況を整理し、足りない部分を追加し、説明を省くために無駄な部分を削り、弱いところは強調し、その全てを上手く編集し、さらにその場の雰囲気を見て即興を入れる。それではじめて成り立つわけです。
だからさ、そんなに意気込まずに、「天気いいねー」とか「これおいしいねー」とかでいいと思うんですよ。ここぞ!という時があったら入れてみるのもいいと思うんだけど。
でもそんな老夫婦みたいな会話だけではどうもならんわな。難しいもんだ。


面白かったし、為になった。今後の十数年で出てきそうな問題を先に知れもしたし、対応策も興味深かった。
でもやっぱり、対世間(恋人を含む他人)という所では、ちょっと頷けない所もあったかな。

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「テレクラキャノンボール」



ずっと気になっていたが、意外と観れていなかったのがAV。アダルトビデオ。

長らくエロ写真派だったってのもあるが、遅れてきたサブカルっ子の私はいかんせん中学時代には既に2000年代。
1人暮らししてバイトして自由にお金が使えることになった時にはCD-ROMやDVDの時代で、まだAVはあったが既にもう業界にはそんな余裕はなかった。
で、またね、雑誌とかと同じで再販とかめったにされないのよ。DVD化とかね。
そもそもがアダルトビデオなのに抜けない、私の大好きだったエロ本の白黒ページ的な、好景気でエロ業界が豊潤であったからこそ許されたパトロンが付いているかのような幸福な時間だったわけだから。
村西とおるとも違う方向で、V&Rプランニングとかはやはり一種のブランドなんですな。

はい、ということで、たまに検索しては「まーねーわなー・・・ビデオデッキはもう捨てちゃったから、中古ビデオってのも・・・つーかそれすら既にねーわなー」とガックリしていた訳なんですが、はい、発見。あったよー。

最近は劇場版も制作されて話題になった『テレクラキャノンボール』。
第1回のビデオがDVDで復刻されてたんですな。
いまだに続編が制作される、カンパニー松尾監督の名作です。

5日間かけて、バイクで東京→仙台→青森→東京を走破し、そのタイムと、現地のテレクラで女の子を見つけてAV出演してもらうまでのタイムを競うという企画。

ロードムービーであり、素人がAVに出演するまでのドキュメンタリーでもあり、そこにゲーム性が追加された、AVではあるが絡みはわりとどうでもいいという、いかにもな、あの時のサブカルAV。
いやー、いいよ。
第1回だからまだグダる所もあるし、監督ではなくAV男優が一人(花岡じった)いるので、そこの立場の違いもあって上手くいかないところもあるのだけど、たった5日間で、いきなりけっこうな雨だったり、スピード違反で捕まったり、中継者が事故ったり、テレクラで捕まえた子に交際を迫られたり、もちろん名物の牛タン食ったり、夜はねぶた祭り見たり。いいですよ、凄く。

なんかさー、せっかく真っ当なサラリーマンって道から外れたわけじゃない?じゃあこうやって、ずっと修学旅行みたいな事をしてたいよね。うわー、今自分の事言ってる。30を目前にして最近こんな事ばっか言ってるよ。気持ち悪。

ということで、男の憧れですよ。うん。

アマゾンで値引きされて1000円しませんでした。はい、名作。買ったほうがいい。
あーこのシリーズ全部観たいな。まずは2013買うかな。

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「悪魔を見た」



韓国映画3本目。「これ前に高橋ヨシキが紹介してたな」と思って借りた。
結構なバイオレンス映画らしいけど、イ・ビョンホンって韓流に疎い俺でも知ってる
大スターじゃん、ハリウッド映画も出てるっしょ、と思いつつ鑑賞。

これトンでもねーわ。

毎回そんなのばっか、というか私が観たいのがそれだってだけなのだが、連続猟奇殺人犯と最愛の人を殺された国家情報院捜査官というパターン。
しかし、捕まえるのではなくGPSと盗聴器入りのカプセルを飲ませて、追跡しながら何度も現れては痛めつけるという。

とにかく殺人犯役が強烈で、中年のオッサンのイヤーな感じを濃縮したような、もう一見してコイツヤバイ!ってなる存在感。それに間違いのない演技。
楽しむときにはゆっくりジワジワと、殺すときにはめんどくさそうに一気に。自宅での後処理は丁寧に、外ではやりっぱなし。
そんな殺人犯を何度も痛めつけるのがイ・ビョンホンっていう。これもクールでね、いいですよ。しかも、韓国映画の特徴のひとつに暴力描写があると思うんですけど、これもまた凄まじい。スプラッターとかみたいに派手にドカー血がビューではなく、その辺の硬いもので急所をゴンゴン殴るし、手首を折ったりアキレス腱を切るという地味でキツイやつ。

『セブン』や『悪魔のいけにえ』なんかも頭に浮かぶんだけど、これはちょっとそれに張るくらいいいんじゃないでしょうか。
やっぱあの殺人犯のオッサンが、とにかくリアルなイヤーな中年で素晴らしいんだよね。
それでいてラスト近く、コートの下は下着のみで全身血まみれ銜えタバコ片手に包丁という姿で車から出てくる姿があまりに超人的でキマッているっていう。なんかもう自然っていう感じ。

しかし殺人犯役の中年太りの役者さんが、あの『オールドボーイ』の主人公役の人だとはビックリしたなぁ・・・パッケージだけ見たことあって、原作は読んだしスルーしようと思っていたんだけど、『オールドボーイ』も観ないとな。

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「スライ・ストーン」



音楽ドキュメンタリー映画好きなので、それなりの本数を観ていると思うのだが、なんだか変な気分になった1本。
元々そんなに大ファンと言うわけではない、というか『暴動』というのが代表作だと聞いて、血気盛んな若かりし頃にてっきりもっとヘヴィーでハードコアか真っ黒な作品かと思ったらロックとかポップス寄りのファンクで肩透かしを食らって、「まぁいい曲だよね」くらいの温度だった。
ただ数年前に、「あのスライがホームレスになって車上暮らしをしている」みたいなネットニュースを見たりはして、気には
なっていた。

そんなスライ&ファミリーストーンの中心人物のスライ・ストーンの映画だ。
『シュガーマンを探して』という音楽ドキュメンタリー映画(あ、まだ観てねーや。そういえば)があったが、これを観て思う
事は、「『スライ・ストーンを探して』ってタイトルでもいいな、これ」ということ。
スライは10年ほど表舞台で活躍し、その後友人やバンドメンバーとも連絡を絶ち、姿を消していたのだ。


なんというか変な感じなのは、まず、バンドの歴史を語るのがオランダ人の双子のスライのコレクター(というかオタク)で、英語のアクセントが気になるとかもそうだが、「ただいまスライの伝記を執筆中」って「名前・椎名桜子 職業・作家 ただ今処女作執筆中」じゃねんだから、もっと詳しいジャーナリストとかいるんじゃ・・・?」という気分になる事。
そして、いわゆるバンドの成り立ちと違っていて、スライは元々若くしてゴスペルグループの一員として音楽活動を始めた後に、プロデューサーやラジオDJとして裏方にまわり、そこから改めてリーダーとしてバンドをはじめるという経緯だったため、いわゆる「ガキの頃からつるんでて・・・」とか「下積み時代に一緒に貧乏暮らしを・・・」とかがなく、「誘われて入った」からの「クラブにブッキングされ、やがてレコードを出し」「最初はあまり売れなかったけど、ある時期から大ヒット、そしてまたキャリアは下降線に」というのがあまりにあっさりといってしまうのだ。

なんというか、バンドメンバー(であって友人ではない)とオタク、そして監督(画面にほとんど出てこない)というのが、
主な登場人物で、「これ誰視点なんだ?」という感じ。
絶対的なリーダー/作詞作曲家/シンガー/キーボーディストのスライを語るにしては弱いような気がするのだ。
監督のスライの映画を作る、そしてスライを探し出すというモチベーションがどこから来るのか?というのがよくわからなかったし、歴史を語るのがファンなので評論家的な視点もあまりないし、探し出した!というが普通に音楽活動再開しちゃうし・・・。
いや、貴重な証言もあったし、歴史もある程度わかって、改めて曲を聴こうと思ったんだけど、なんだか劇場で公開された映画に思えないというか、そんなに上手くいっていないように思えた。

ちゃんとスライ御大も登場しインタビューを受けるし、車上生活になるほど困窮していた生活も、オタクの双子が契約書のコピーを持っていた(マニアって恐ろしいものまでコレクトしてるよね)ために裁判に勝訴してまともにお金が入ってくるようになるし、万々歳なんだけど、なーんか映画としてはそんなにいいものでは無かったと思うな。

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「殺人の告白」





『殺人の追憶』で韓国映画に興味を持ったので、今更ながらに観ていっている。
次はこれにしてみた。

時効まで逃げ切った殺人犯が暴露本出版、という最近日本でもあったような(こっちはバッチリ捕まって出てきた後ですが)つかみから始まるこの映画。
アメリカにはサムの息子法案ってのがあったよな?とか思ってみたりはするが、どの国でもけっこうあることだ。
出てきてみたらハンサムで、反省のそぶりを見せて謝罪行脚とかするからアイドルになっちゃって、という筋も、あーはいはいと。
そこまでの粗筋を読んで、てっきり頭脳戦重視のクライムサスペンスかと思ったら、冒頭からがっちりアクションが入る。アクションが苦手な私には、アクション長くて派手だな、と思ってしまうほどちゃんとアクション映画張りのもの。
その後は、いわゆる頭の良い殺人鬼との化かしあいからのまた派手なアクション、って感じ。

観終わって思うのは、もうこれハリウッド映画だな、ということ。
一昔前の韓国の歌謡曲と最近のK-POPとかを考えるとわかりやすいが、もう完全にUS仕様なのだ。
画面を見ると日本人と顔が似ていて、オリエンタルな香りはチラッとするが、完全にアメリカ型。ハリウッドでのリメイクされる作品が多いのも頷ける。

ハイクオリティでおもしろい。ハリウッド顔負け、しかしやはり暴力描写は重めで、恋愛描写はもっさり感。
『殺人の追憶』ほどだとは思わなかったけど、これも主演級の1人は明らかにアイドル的な人気であろうイケメンだろうし、そういう人が出ていて明らかにけっこうなお金も掛かっている映画が、このテーマでこの話なんだよなぁ・・・凄いわ。

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「殺人の追憶」





音楽に関してはそれなりに最低限は網羅していたいと思って、そうあるためだけに狂ったようにCDを買っていた時期があったので(あぁ、youtube以前だなぁ・・・)、それなりではあるのだけど、映画に関しては本当にずっぽし
抜けている。
よく考えたら韓国映画をちゃんと観るのははじめてだ。

韓流ブーム真っ盛りのときに20歳前後で、チャイニーズ/コリアンの女の子と付き合っていたので、なんか観たような気もするのだが覚えていない。
というか彼女は留学生だったので、むしろそういうのより2歩くらいディープだったわけで、日本語より韓国語の方が通じる韓国料理屋とか、現地の番組をブートとしてビデオにダビングして売るお店(youtube以前だわー・・・)とかに行くわけで、日本版が出て字幕の入ってるのは「もう何年も前に観たよ」という世界なわけで。
ジャッキー・チェンの映画観に行ったら「あ、北京語じゃなくて広東語だからわかんない・・・日本語字幕読もう」とかね。まぁ思い出話はもういいですな。

というわけで、ほとんど知らないながらも、耳にしたことのあるタイトルをとりあえず借りてみた。
そしたらこれがねぇ、凄くおもしろいんだね。びっくりした。そりゃ世界でも評価されるわっていう。

当然、違和感というか、邦画やハリウッド映画を観る感じとは違うし、最初はそこを単純におもしろいなーとかこの時代の韓国ってこんな感じだったのか、とか思うだけだったのだけど、どんどん引き込まれて、最後まで素晴らしかったなぁ。

基本的にはとても典型的な話で、猟奇的な連続殺人事件、狭い村、怪しまれる知的障害の青年、怪しいけどただの変態の奴、いかにも真犯人なクールで挑発的な容疑者、拷問で自白をとろうとする粗暴な田舎刑事と、書類を読み込む都会の刑事、反発しあうも次第に協力し、最後の最後に激高する都会の刑事、が・・・・という。
昭和初期の日本にも似た世界の中、時にコントにギリギリならないくらいの微妙な線での演出があり、それがアクセントになっている。
しかしリアルなところはめちゃリアル。やっぱ徴兵制があるせいかな?乱暴な刑事の得意技が軍靴で
ひたすら踏みつけるっていう、スタイリッシュでも派手でもない、ただただ効率的にダメージを与えられる攻撃で、致命傷を避けるために靴に布のカバーをするとかのディティールも恐ろしい。
「暴力」という側面1つとっても、リアルとコント、軍靴踏み付けと飛び蹴りカンフー両方あるんだもんな。でちゃんと映画の中に同時に入ってる、緩急をつけられる。うーん、凄い。
勿論ベーシックとはいえストーリーもとてもよく出来ているし、俳優の演技も素晴らしいので目を離せない状態で進んでいく。

「邦画はたけし以外ダメね」などという暴論をドヤ顔で語るアホは大嫌いなのだけど、いやー、韓国ってこんな映画を撮ってるんだー、ってなんだかグッタリしてしまった。
いや、もちろんどの国も一番は美女美男スターの出る恋愛映画が大ヒットなんだろうし、そこは韓国もたいして変わらないだろうしそれを観る気はないんだけど、こんな凄くベーシックな話で、最後まで飽きさせない、かつちゃんとお国の個性も出ている、そして外国人が観ても面白い、輸出に耐える映画ってなかなか・・・。
そりゃ10年に1本とかならあるかもだけど、このクラスがコンスタントにあるからこその現在の評価なんだろうから、いやー、おそろしいな。

はじめてちゃんと韓国映画観た、ってのもあるんだろうけど、衝撃だったな。

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「アウトレイジ ビヨンド」





なとなくバランスを取る為に『TKESHI'S』と同時に借りた。

いやー、面白いね、やっぱり。俺はこっち路線の方が好き。
でもあれだ、数日前に見たのに内容全然思えてないや。
それでいいとは思うんだけどね、エンタメは。
全員かっこいい。OK。

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「TAKESHIS' 」





菊地成孔の『ユングのサウンドトラック』で、日本人にとっては「最もわかりやすく、最も面白くなってしまった」と書かれていたので興味を持った1本。

ブランクがほとんど無く、定期的に映画を撮っている北野武なので作品はけっこうな数になる。
しかしほとんどテレビを見ない私にとっては、『BROTHER』の次は『アウトレイジ』だと錯覚するほど、話題作として取り上げられるものとそうでないものがある。
芸術映画っぽい地味な映画はあまり話題にならない、紹介しづらいし、ってことなんだろうけど、まぁ私としても別にそれでいいし、世間的にもそうだろう。
一個前の記事で「タケシ以外の邦画はダメね!」とドヤ顔で言う人が嫌いだと書いたが、その人たちも『BROTHER』と『アウトレイジ』の間に撮られた作品はなかなか答えられないだろうと思う。
観れば興味深いとは思うんだけど、そこまで・・・という感じで、避けていた作品の1つがこの『TAKESHI'S』。

観てみると、たしかにこんなにわかりやすい作品はないというか、どの場面もいままでの北野武の歴史を感じさせるもので、「あー、これは『戦メリ』だ」とか「『BROTHER』だよなぁ」「『ソナチネ』だよなぁ」とか「タップダンス本当に好きだな」とか、いちいち思いながら観てしまう。
予告版を観て、実験的で前衛的な芸術映画で「武が2人!?」みたいな感じの映画だと思って、「見なくていい方の映画か・・・」とスルーしていたのが完全に間違ってたな、と。
ただその分、映画として普通に観られなかったかなぁーとも思う。「なんだこれは?気になる、引き込まれる」というのではなく、「あー、あったねー」とダラダラとブツ切りに観てしまったので。
高木淳也が妙に面白かったってのくらい。

なんか私は北野武も出演していた『コミック雑誌なんかいらない』を思い出しちゃったなぁ。
梨元さんっぽいキャラの芸能レポーターの内田裕也が、山一抗争とか豊田商事会長刺殺事件(殺害犯を武が演じた)とかを取材するというモキュメンタリーのような映画なんだけど。

うーん、やっぱり、芸術映画路線のは観なくていいかな、と思っちゃったな。

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