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ひろゆき 「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」





今更感バリバリです。出た時にすぐ買って読んでその後売ってしまっていたのを、古本屋で最近見かけてなんとなく買い直してみました。
この時はまだ2ちゃんねるの管理人、今はアドバイザーで有名なひろゆきの本。
私らくらいの世代は、一度くらいは2ちゃんねる見てるだろうし、途中から見るメディアはそっちがメインになっている人も多い。
特にサブカル系はそうだと思う。御多分に洩れず私も、ニコニコ動画(これもひろゆきらが作った)で最近だと東浩紀×岡田斗司夫のニコ生対談なんかを観て、2ちゃんねるを見て、って感じの日があった。
元々サブカルっ子で、クイック・ジャパンとエロ本の白黒ページのサブカル記事が原点で、その後バンドやりながらロフトプラスワン行ったりしていた自分からすれば、「この2つがあれば全部家で済むじゃん」って感じになっている。完全にひろゆきの手のひらの上だ。
作品を好きになると作者を深く知りたくなる性質なので、当然ひろゆきにも興味を持ってイロイロ読んだり観たりしているのだが、やっぱりこの人も面白い。
よく言われることだが、「身も蓋もなさ過ぎる」のだ。ニヒリストって感じでも無く、飄々と「無理じゃないですか?」「それ必要っすか?」「僕はいらないですね」みたいな事を言ってしまうのだ。
それもちゃんと理論付けが出来ているので、論破も出来ないという。
ただ、まぁ卑怯というか、「家でゲームやってるのが好きで、元々学生時代は景気が悪かったので将来家も車も買えないだろうと思っていたし、今も欲しいとも思わない」という前提で、なおかつおそらく今はもう働かなくていいくらいお金を持っていて、完全に全てを他人事として語っているので、相手が当事者としてもがいている状態では端から相手にならないのだ。
とはいえ、雑誌の「本人」で語ってた通り、基本的にはただただ「世の中の仕組み」に興味があるんだろうな、という姿勢がとても共感を覚える。
違う言い方をすれば「構造」「フレーム」「理論」言い方はイロイロだが、これを物事の中から見出さないと、なにも語れないだろうと思うのだ。チャック・ベリーが「音楽は数学だ」と言ったように、町山智浩が「『感性で見ればいいんだ』じゃねぇよ、シナリオや発注書くらい当たれよ」と吐き捨てたように、花村萬月が好んで取り上げた「感性は馬鹿の言い草」という音楽学校のコピーのように。
そして、そんなにドライな感じなのに、酒も飲むし煙草も吸うし、世間的に最も無駄だと嫌われているゲームが好き、というのもおもしろい。
同じように捉えられている人に堀江貴文がいるが、彼は宇宙へのロマンがあるし、選挙に出たりもして、基本的に世に出て行って変えていこう、という気概があるのでこれもちょっと違う。この人もこの人で凄く面白いのだけど。
この2人の対談も面白いのだが、
堀 「海外だとなくさないようにパスポートとか財布は袋に入れて首からかけてるよ。俺財布よく無くすし」
ひ 「え、それはしないなぁ・・・・それカッコ悪いじゃないですか。財布にチェーンはつけてるけど」
堀 「そう?便利だよ」
みたいな会話があって、よりドライに見られるひろゆきが引いていて、あれだけ露出している堀江さんの方が無頓着だったりしていたのが面白かった覚えがある。

この本が出たのは2008年。センセーショナルな話題があまり無くなり、なんとなく、「あぁ、結局ひろゆきって捕まらないでこのままいくんだな」と思うようになってきた時期だ。「web2.0」とか「セカンドライフ」とかが話題に出ているので、その頃。
そういえば、当時バンドの練習でスタジオに行く時に電車で読んでて、ポケットに本を入れてるのを見たメンバーに「何の本?2ちゃんねる?あぁ。この人誰?え、ひろゆきってこんな顔してたんだ」って言ってたのを思い出した。その人も2ちゃんねるはよく見ていたのにだ。「僕は小物なんで。誰も僕の事知らないですよ」とひろゆきが語っていたのはけっこう当たってるんだな、と思ったんだよな。
出てる話題からしておそらく世間的に、ただただ「ネットは悪で敵」っていうのから「新しい可能性、パソコンは必須」っていう感じに完全に切り変わっていたのだと思うのだが、今となっては懐かしい、あったな、としか思わないような、一時期話題になったサービスやサイトを、ひろゆきがいつもの調子で「web2.0ってマイナスイオンと一緒だと思いますよ」とかいう感じでバッサリやっている。
ただ、この本自体はおそらく編集者が「今話題になっているこれについてはどう思いますか?」という質問をして、答えたものを文章にしただけのものだ。「インタビューをまとめて出来た本」「僕あとがきしか書いてないです」と書いたり言ってるし、いつも通り「訊かれたから答えるけど特別興味がないです」って感じだ。
なので、今や無いに等しいようなサービスについての話はどうでもいいし、おもしろく読ねる所というとやはり佐々木俊尚、小飼弾との対談だ。
特に小飼弾との対談は物凄く面白い。理系っぽい、スピーディーで直線的な対談だ。「僕らは思考を止めないことが自然」というのは大いに納得。

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<STUDIO COAST 10th Anniversary> 般若/The band apart 2マン 2013/1/27 at 新木場STUDIO COAST





B BOY PARK、昭和レコードツアーときて、次はワンマンで般若観るぞ!と思っていたのだが、今回見つけたのは何故かバンアパとの2マン。観たいけど、さすがに・・・と敬遠していたのだが、以前チケットと買うときに利用したe+からメールが来た。
『e+★STUDIO COAST 10th Anniversary 東京公演 10組20名様ご招待!』
メールが来たのが22日、ライブは27日なので、「日程ギリギリだし、これもしかしたら当たるかも」と思って応募。まぁメール送るだけだったし。
そしたら一昨日
『先日お申込みいただきました 「STUDIO COAST 10th Anniversary 東京公演」 ご招待にお客様が当選されました! 』
本当に当たりました。e+さん、ありがとうごうざいます!
タダで観させてもらったし、長めに感想書きます。

という事で急遽観られる事になったのだが、当たったら当たったでなかなか不安になるもんで。もしかしたら全然チケット売れてないのかもなー、とか思いつつ会場へ。
今回思わず何度も確認してしまったのだが、オープン4時/スタート5時なのだ。いくら日曜とはいえ早過ぎないか?2時間ずつやったりすんのかな?なんて思いながら15分前に到着。
住宅街の中にある箱に比べて、格段に待てるスペースがあるとはいえ、パラパラとしか人がいない・・・・。いつも見かけるコインロッカーの取り合いなんか全く無く、駐車場に集まった不良くらいの感じでバラバラに座ったりしてる。開場15分前ですよ?さらに不安になる。
少し待って開場。私は抽選で当たったので当日券売り場でメールのプリントアウトと免許証を見せて当日券を貰った。当選メールのみで会場に行くのもなかなか不安だったが実にスムーズ。
会場に入ってステージを見ると、ターンテーブルに昭和レコードの幕。そりゃ般若が先だよな。
今日はタダで観る、という事で後ろで邪魔にならないよう観ていようと思い、後ろの方で待機。しかし、ステージ前のゾーンですらスカスカだ。
開演までの1時間で客は増えたものの、結局座って開演を待てている人がいるくらい。真ん中の柵の後ろは踊れるくらいスカスカ。さらにその後ろの階段を上がったところのゾーンには逆にけっこう人がいるのが皮肉だ。
ほぼ定刻通りに般若スタート。
短いセットしか観た事が無いし、正直「HANNYA」以降は、アルバムとしては聴きこんではいないのでロングセットで新しい曲ばかりだと困るな、と思っていたが、サングラスと真っ黒いキャップに黒いTシャツというシンプルないでたちで最近の定番の「ボタンひとつ」でスタートし、新旧取り合わせたセットリストで、後ろで観ていても最高で1時間ほどのライブはあっというまでした。曲名まではポンと出てこないが、やっぱ曲全部知ってるし、ほとんど口ずさんでました。特に最近のアルバムだと、トラックがあんまり好きではないのが多かったが、やっぱライブで観ると違うね。いいわ。
かたくなに1MC1DJで、サイドMCを置かないスタイルなのに、不足を感じないし、最後まで疲れた様子も見せず、素晴らしいライブだった。
メモとかはしてないけど、あと「BLACK RAIN」「境界線」「はいしんだ」「土足厳禁」「カバディ」「最ッ低のMC」「夢の痕」「Beats&Rhyme」「やっちゃった」「猿」「ビルの向こう」「時代遅れ」「陽が昇れば 」「世界はお前が大っ嫌い」とかやったかな。順番はメチャクチャ。
「時代遅れ」で今日の唯一のゲスト晋平太登場。曲の後、しばらくフリースタイルをかまして「ヒップホップでも盛り上がってね」なんて言いながら帰っていく。嘲笑の対象となりがちなフリースタイルだが、晋平太ほどの磨いた技術を見せつけられると、バンアパ目当ての客からも素直に感嘆の声が漏れていた。
「関係あんの?」や「土足厳禁」では客が戸惑いつつ盛り上がる感じがおもしろかったな。やっぱり初めて聴いたんだなぁ、そりゃインパクトあるわなぁ。
「バンアパの前座だと思ってきたから」と般若も言っていたが、確かにここにはバンアパ目当ての客がほとんどだった。だが好き嫌いはともかく、いいライブをしたアーティストに対する拍手やMCへの反応は暖かかった。2列くらいしかいないのに、後ろにいる俺にも聴こえるくらいレスポンスしてたステージ前の般若ファンも尊敬。叫びすぎて俺みたいに喉壊さないようにね。
般若はインタビューやMCでは言葉少なでぶっきらぼうに、しかも天邪鬼な感じに話す事が多いので、たまに惑わされるのだが、今回、完全アウェイでやったことでイロイロ見えてきた。
正直、今回は大多数の観客はバンアパ目当てだった。手を上げたりレスポンスを返すのは、ステージ前の2列ほど。その他の多くの客は、バンアパ用の場所取りでしかなく。後ろの方は休憩タイムだった。とはいえ年齢層が高いせいか、大人な暖かい雰囲気ではあったので、拍手は多かったし、徐々に受け入れられている感じはあった。
そんな中で冗談交じりながらも、あくまでラッパーとして正対しようとする真摯な姿はやはり輝いていた。
昭和レコードツアーの時のようにまずサ上とロ吉がほぐして暖めて、とやればもっとレスポンスはよかっただろうし、MCで般若が喋ると毎回爆笑が起こっていたので、やろうと思えばそういう興味の持たれ方も出来たと思う。最初は、いつもの自重するような自分をも馬鹿にするような感じ以上に、アウェイだという事を意識したMCだったが、下ネタだったり、DJ FUMIRATCHは大学生で明日テストだと言った後「留年しやがれ」と毒ずくなど、そういうオモシロMCで盛り上がってしまったのを見て「あれ?こういう感じが盛り上がるの?でも俺そういう喋り好きじゃないから」「汚い言葉とか凄い抑えてるからね」とあくまで音楽を、ラップを聴いてくれという姿勢は融通が利かないようにも思えるが、これが一番の正解だと、私も思う。
「般若は昔と変わった」とはよく耳にする。私も、ここ2作くらいは少し敬遠していた。それは、こういう態度が作品にも出ているからだろう。でも私はこれが、正統な進化だと思っているからこうやってライブを観に行っている。次のアルバムは春頃らしい、楽しみだ。
しかし、こうヒップホップファン以外と観ると、ヒップホップの中では異端な般若が、やっぱり「いわゆる凄くヒップホップの人」に見えたのは意外だったな。キャラクター売りでは無く、ヒップホップ作品として世間に受け入れられるまでの道のりは険しい。
しかし、
「ここら辺あんま来ないし、ageHaも2回くらいしか出てないし、あんまりここにゆかりが無いんだけどさ」
「夜中のライブだと客が酔っ払ってるからさ、こういう風に会話が成立するの珍しいね」
「音楽が好きな人はどのくらいいますか?」イエー! 「以外に少ないね」
「スタジオコーストが好きな人どのくらいいます?」 ・・・ィェ-。
「あれ?俺訊いちゃいけないこときいた?」
はメチャ笑いました。

我ながら長いね。バンアパはあんまり詳しくないから手短に。先に言っておくけど、私は般若の大ファンで、バンアパはあまり好きではありません。この先はそれを解ってから読んで下さい。
6、7年前に、週8くらいで遊んでいた友達がバンアパ好きで、よく家で流していたので、曲は3rdアルバムくらいまでは知ってるのが多い。ただ、あまり好きでは無いのでそれ以降は一切聴いていない。
いいバンドだとは思うし、演奏力には定評があり、安定してヒットを飛ばしているので、期待していた。
でも・・・・うーん、最初の曲はクリムゾンの「Elephant Talk」の劣化版みたいでガッカリしてしまったし、その後、私も知っている人気曲が続き、この頃には少なくとも8割は客が入った会場で、前のゾーンなんかギュウギュウでイントロ弾くだけで大盛り上がりなんだけど・・・そんなに上手いとも音楽性が秀でてるとも思えないんだけどなぁ。音楽性やテクニックでいうと54-71とかザゼンとかほどあるわけでも無いし、英詩だという事も含めて唄の存在感が希薄に思えた。メロコアとAORの中間っぽかったかな。
過去の人気曲で大盛り上がりなのに、日本語詩だったのでおそらく最新であろう曲には反応が鈍い観客を見ていると、わりと高い年齢層や、小奇麗なカップルが多い事からも、「20代後半〜30代の懐メロ」という言葉が頭に浮かんでしまった。
マジメで実直そうなVo&Gを筆頭に、いいバンドだとは思うのだけど、1発でやられるようなキラーチューンや、スネア1発カッティング1発でのせられてしまうような事は、俺には無かったなぁ。
まぁでも大盛り上がりでしたよ。

というわけで、まぁバンアパのワンマンでいい感じはしたけど、こうやってヒップホップ広めていくのも大事だよな、とか思いました。
2マンで、両者ともに1時間ちょっとのステージ。5時スタートで終わったのは7時過ぎ。いや、健康的ではあるけどやっぱりさすがに早すぎるよ。さすがに物足りない。
なんだか、アニヴァーサリーというより、ショーケースライブみたいでした。
チケットに黒いマジックで塗りつぶされた所があったので透かして見たら「the band apart/他」と書かれてたので、けっこう急に決まったのかな?イロイロ勘ぐっちゃいますね。
なんにせよ、タダで観られたので文句は無いですが。
重ね重ねe+さん、ありがとうございました。

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黒井克行「工藤公康 -42歳で146km」の真実-」





古本屋に行くと、まず必ず105円コーナーを見る。ベストセラーはやっぱり売れた分売られる運命にあるので、少し前の気になっていたベストセラーを買ったり、その場でタイトルが気になった本をパッパッと掴んで買っていく。
105円コーナーは、いわゆる投げ売り品のワゴンみたいなもんで、ジャンルがごちゃごちゃに入ってたりするので普段自分が見ない棚の本もあって、趣味を広げられたり、元々興味のあった事とリンクできるモノが見つかったりするからだ。
一番の理由はやっぱり値段だけどね。105円ならポンポン買っても、持ち帰るのに重すぎると思うまでなら何千円もかからない。105円ならあんまり腹も立たないしね、これ以下の値付けされてる本なんてあんまりないし。
という事で、よくクズ本も掴むわけなんですが、今回もその内の1冊。やっぱり新書はキツイのが多いね。単行本より簡単に出来て文庫より目立つ、という機動性が売りなのか、話題になった時にすぐ、薄い内容だろうがなんだろうが話題になったキーワードをタイトルにぶち込んで売り抜けよう、という事しか考えていない本も多いので、仕方ない面もあるんだけど。というかそんな本をさらに何年かあとに買うのとか、ほぼ打率ゼロになるんだけどね、たまに余裕のある時に手を出してしまう。

うーん、「勝てば官軍」というかなんというか・・・・工藤選手自体は凄い選手だっていうのは解ってるんですけどね、というかその名前を使えば売れるって解ってるから使って、それを見て俺が買って、って事なんで、いいじゃんじゃあって話なんですけど・・・これは無いわ。
まず、この本には工藤選手自身の言葉はほとんど出てきません。2、3言のコメントくらいだけです。では誰が語るのか。それは工藤選手の奥さんです。工藤公康「42歳で146km」の真実」という本を買ったつもりが、何故か奥さんの「私はこう思う」「こうなはずだ」「こうに違いない」「私が頑張った」という話が最後まで続きます。
そしてそれを、工藤夫妻を「お父さん」「お母さん」と呼ぶスポーツライターが何の疑問も持たずに、何の検証もせずに、データも出さずに、活字化していきます。書きとばした感ありありで、ユーモアのセンスを一切感じない文章で。
わかりやすく言うと、水道橋博士の本を2万倍つまらなくした感じです。

「身土不二」という大正時代に作られた食養運動のスローガンや「栄養心理学」という聞きなれない言葉を大仰に持ち出してきてくるが、要は「日本人は日本食が一番ね」「おいしく食べるのが一番よ」と言っているに過ぎない。
それだけのはずが、「昔から肉やチーズを日常的に食べるのは外国人だけだ。日本人はご飯と味噌汁と野菜」といいながら、年間MVPを取った年はステーキばかり食べていたと言ったり、夏場は週2日は作るというカレーにバターやコンビーフを使い、しかもその後延々油について語るが油の塊であるバターについては一言も触れなかったりと、ずいぶんと矛盾している。謎の自分ルール「外で買ってきたトンカツは置いておくと油が酸化してしまうし味も落ちる、でもカツ丼用ならレンジでチンして使ってOK!」が出てきたり、「日本人は米をいっぱい食べるべき、炭水化物抜きダイエットなんか日本人に向いていないはず」というが米をモリモリ食う本人は太っていたりもして、もうただただ唖然とする。
外食や安物に対しては完全にバツを出し、水から野菜からなにから全て高級なお取り寄せで固める。「身土不二」の観点から水は「お父さん」の父の出身地である宮城の水らしい。

まぁ、素人である私がどうこう言うのもあれなんですけど、毎日六本木でボトル2本空ける生活を十年近く続けていれば、屈強なプロ野球選手でもボロボロになるし、その生活を止めて体にいいモノを金に糸目をつけず買いあされば、そりゃよくなるよ、って思うんだけどね。トレーニングが商売の一部なんだから。
当然内助の功ってのはあるんだろうけど、とにかくいろんな意味で気持ち悪い本でした。

「お父さん」「お母さん」とまで呼ぶ著者が、何の検証もしないどころか「よだれが出そうだ」「食べてみたいものだ」「きっと〜だろう」みたいな事しか書かないので不思議に思っていたが、どうやら夫人の手料理は1度食べただけ、工藤投手とも「これまでに何度も食事をともに〜」という書き方から、あまり親密に思えない。

「勝てば官軍」ですよ。結果的に47歳まで現役を続けたんだから。なんとでも言っていいんでしょう。



イチローやカズの話は、NUMBERの数ページの記事でも十分ためになったんだけどねぇ・・・・。

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At the Gates 「Slaughter of the Soul」





メロディック・デスメタル、というと私の中では、CARCASSの「HEARTWORK」とこれだ。
元々、ゴリゴリのデスメタラーだったので、基本的にメロデスはあまり好きじゃない。やっぱりハンパに聴こえる、というかデスメタルを聴きたい気分の時はゴリゴリのイカツイのを聴きたいし、メタルを日常的に聴かなくなった今ではいまいち聴くタイミングがわからない。
なので、結局、曲がいいバンドしか聴く気にならない。この後の世代だとIN FLAMESとSOILWORKも好きだけど、ここら辺になるとメロデスの進化系としてやっている感じなので、やはりメロデスといえば上記2作品だ。
なんとなく、この1作だけの名盤を残して伝説になった感じがしていたのだが、実はこれが4thアルバムだったんだな。

きっかけは「Blinded by Fear」のPVだった。あまり好きじゃないメロデスだけど、いいバンドいるかなー、とyoutubeを観ていたら発見したのだ。とにかくこのインパクトが凄かった。
金属が擦れるような音に「we are blind・・・」ではじまるセリフが重なり、軽いキメがあって一気に
メインリフに入っていく。お世辞にもマッチョとは言えない体をした北欧人らしい色白な肌にタトゥーが映える、ドレッドの長い髪を揺らした病的な男が泣き叫ぶようにマイクに向かう。バンドと一体で演奏する所より、1人だけバンドと離れた位置で叫ぶカットが多いのが印象的だ。デスボイスというかシャウト。リフは後にデスラッシュとして結実する手前なくらいメロデスとしては突進力を持ち、おそらく能力ギリギリと思われるシンプルで強引なドラムのビートと合わさると、物凄くスリリングに聴こえる。途中ミドルテンポになり、片方のギターがクリーンでアルペジオを奏でて、テクニカルではないが簡潔でいいメロをハモるギターソロに入る。そしてメインリフに戻り、ハイテンションで終わる。
この3分にも満たない曲のPVを何度観ただろう。完全にこのバンドのファンになってしまった。

まぁ、もう解散してしまっていた事や、ライブ映像を見たら大方の予想通り、他の北欧のバンド同様にあまり上手くなかったし、元AT THE GATESの3人によるTHE HAUNTEDがあまり好きではなかった事もあってハマるほどではなかったのだが、このCDは今でもたまに聴くし、「Blinded by Fear」のPVは頻繁に観る。
アルバム全体としても、基本的にはPVの印象と大きく変わらない。逆に言えば、この1曲に全部入っている。
メロデスといって嫌な顔をする人が思う、無理矢理バイオリンやオルガンを入れるような(昔は在籍していたけど)人口甘味料をぶち込まれたアマアマなメタルではなく、「V系かよ」と吐き捨ててしまうような大仰すぎる展開も無い、その後のメンバーの動向を考えてもらえばわかるように、基本はハードコア/グラインドコアも好きなゴリゴリのメタル野朗たちなのだ。偶然、この時がメロディックな部分が前面に出てきていただけ、それはCARCASSにも言える事で、やはり流行っているからとかファン層を広げようなんてこととは別次元のことだ。
メロディー+デスメタルどころか、盗難車のニコイチみたいなバンドに惹かれるはずがない。

という事で、久々に聴いたけどやっぱいいわ。次、CARCASS聴こうっと。



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「フィールド・オブ・ドリームス」





「ここは天国か?」
「いや、アイオワだ」
でお馴染み、「フィールド・オブ・ドリームス」。ここはアメリカ人的には笑う所なんだそうだ。まぁなんもねぇ田舎のアイオワのだだっ広い畑の真ん中で何言ってんだってことだろう。
アイオワで思い出されるのは、私にはSlipknotだ。初期の頃インタビューで「メンバーの皆は同じ街の出身なんだよね?どんな所?」と訊かれて、毎度のように「クソみたいな所だ!教会とトウモロコシ畑しかねぇんだよ!」と言っていたのを思い出す。セルフタイトルの1stに続く2ndのタイトルはまんま「IOWA」だし。

この映画は、そんなアイオワで「天の声」に導かれて自分で野球場を作っちゃった人の話。凄いよ、ナイター設備付きだぜ。
なんかたまに観たくなっては借りてくる映画だ。こんな言い方はどうかとも思うが、男の映画だと思うんだよね。村上龍の「テニスボーイの憂鬱」とかもそうだけど、これ男じゃないと分かんないんじゃないかな、とか思ったりする。
私は野球よりサッカーが好きな事もあって、観る前には、自分で野球場作るっていう話だけで喰いつけたりはしなかったし、日本だと個人で野球場作れるようなそんな土地無いし、江夏豊(比較対象としてなんとなくね)は分かるがジョー・ジャクソンは知らなかったし、「うわー、全然わかんねー。話に乗れねー」で終わってもおかしくないくらいアメリカ的だな、と思ってたのだが、この映画を観終わった後は「男なら皆解るはずだ」と思うようになった。
話としては、解りやすいといえば解りやす過ぎるくらいのアメリカ人のエディプス・コンプレックス話だ。それに、青春物の要素とか、ロードムービーの要素とかが入ってくる。主人公、ほとんどボールに触らないしね。
パッケージの裏なんかの話のあらすじを読むと「はぁ?」としか思えなかったりして、私も名作と知りながら、かなり観るのを後回しにしてしまっていたのだがこれは名作だわ。野球とか関係なく観た方がいいね。
基本全部「天の声だから」って事で話がすすむ事に抵抗があったりする人もいたりすると思うんだけど、まぁそれはそれとして、最後まで観て欲しい。
しかし、実際行くとなんもない退屈な所なんだろうけど、広ーいトウモロコシ畑の中に野球場があって、夕陽をあびてる画とか、やっぱりたまんないわ。
ふぅ、私はやっぱり今回も、アーチー・グラハムが野球場を出る所で泣いてしまった。

今回、観ながら思ったのだけど、よくありがちな昔からの風景として、祖父や祖母が縁側で庭のを眺めながらお茶を飲んでいる、というのがある。私はいつも、あれは何をしているんだろう?日なたぼっこにしても、本とか読まないのかな?なんて思ったもんだが、実はこういうものなのかもしれない、とふと思った。
この映画のように、見えているものがあるのかな、と。昨日書いた大槻ケンヂじゃないけどさ。
見えてるから、全然暇じゃないし、ニコニコ座ってられるんだと。もしそうなら、幸せだよなぁ。

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JAMES BROWN AND HIS FAMOUS FLAMES 「プリーズ・プリーズ・プリーズ」





はい、JBです。ゲロッパ!
「この人死なないんだろうな」と思ってた人1位でした。亡くなったのはもう7年前か。
私は自分でもはっきりとわかっているくらいファンキーじゃない人間で、それはもうギター云々音楽云々ではなく、人間的にそうだ。なので、基本的にこういう音楽は好んで聴かない、というかダンスをしない、夜遊びをしない人間にとっては、ブラックミュージックはけっこう遠いものだ。私は特にシャイだとされる日本人なわけだし。昔は、それこそ物心つく前はけっこう人前でも踊ったり唄ったりしてた気もするのだが、完全になくなったなぁ。
しかしだからこそ逆に、この前感想を書いた奥村恵子とか最近だと菊地成孔とかに興味をひかれるのだ。もっといえば、バカの言う「黒人になりたい」なんていう言葉にも「一理あるのかな?」などと思ってしまうくらいだ。ラップやグラフィティーは好きだが、ブレイキングはいまいちわからねぇし。
なんかブルースは昔からずっと好きなんだけどね。R&Bやファンクは自分に無いものという意味で憧れるばかりだ。
さて、そんなブラックミュージックのドン。JBです。
ブラックミュージックがどうとかではなく「ゲロッパ!」の人。といえばかなり「あー、はいはい」と理解されるくらい浸透している。よく考えればおそろしいけど。
最初に見たのはMTVビデオ・ミュージック・アウォーズの2002かな。当時、金の無い学生だったので、音楽と名の付く番組は全部録るくらいの勢いだったので、これも録って観たんだけど、凄かったんだよなこれ、ピンク、エミネム、スプリングスティーン、アシャンティ、ナズ、マイケルにガンズ。当時メタラーだったけど、その後に雑食になるのは今考えたらこれの影響かも。
それのオープニングに出ていたのがJB。やっぱりここでも倒れる司会に対して「ゲロッパ!」っていう役だったんでけど、その後軽く唄って、ステップ踏んでるのみて、「この爺さんハンパじゃねぇ!」ってなったんだよね。伝説として名前くらいは知ってたけど、ここまで現役なのかよって。
youtubeで今久々に観たけど、ハンパじゃねぇややっぱ。↓



というわけで、そんなJBの初期作品。59年発表の記念すべきファースト。
まだ、キレキレの、曲のキメの部分間違ったバックミュージシャンぶん殴るようなパキパキの時代のファンクに至る前、そのルーツとなるR&Bやブルースを歌っている。ちょっとゴスペルっぽかったりもするね。
しかしやっぱり濃い。濃いが、まだファンキー度0の私にも疲れずすんなり聴ける。にしてもBGMにはならない濃さだわなぁ。
まだバックの演奏も、ファンク黄金期の正確無比かつグルーヴィーなバックバンドとは違ってけっこう揺れているし、あくまでルーツとして聴いてしまうが、ライブでのマント・ショーでおなじみ『PLEASE, PLEASE, PLEASE』が流れる1曲目から最後まで、やっぱり聴いてしまう。

MTV Video Music Awardsの2000から2003まで見直したくなってきた。書いてて思い出したけど、あれも俺の原点の1つだ。

プリーズ・プリーズ・プリーズ

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「SHOXX SPECIAL 筋肉少女帯」





古本屋で偶然見つけた「SHOXX SPECIAL 筋肉少女帯」。1冊丸ごと筋肉少女帯でございます。初めて見た。
SHOXXってV系雑誌だったと思うんだけど、こんなの出てたのか。というかこの時代は筋少もV系扱いだったのか。
こりゃ古いレアなの見つけたなぁ、と思い発行年度確認。1991年5月27日発行ですよ。にじゅう・・・にねんまえか・・・22年前!
よくこんなん残ってたな・・・。久々に「掘った」って感じ。500円でした。

筋肉少女帯は昔から好きで・・・と言っても、世代的に活動休止中にファンになったんだよな。これもいつも通り、本が先行して好きになった。中1当時、ブックオフの105円の雑誌と音楽本、タレント本なんかのコーナーで面白そうなものを探すのが日課で、ある日大槻ケンヂのエッセイを買って、それからのファンだ。時期的にちょうど大槻が脱退を表明したくらい。
という事で、CDを買ったりしたもののもうバンドが無い状態。QJに連載していた「ナゴムの話-トンガッチャッタ奴らへの宣戦布告-」なんか読むと、どうしても筋少が気になる。運良く、当時廃盤になってしまっていたアルバムもライブビデオも中古で発見して聴けていたので、よけい幻想は膨らむばかり。
そしてその後はたまに大槻のエッセイを読みながらも、更に幅広くディープにサブカルの世界にはまっていき、平行してデスメタルバンドでも動き出していたので、特撮はもちろん好きだったが、少し離れていってしまった。
2006年に再結成が発表されてマイブームが再燃し、「筋肉少女帯自伝」や「のほほん学校」などの単行本やDVDなども買う。しかしライブには不参加という感じだ。
そういえばライブには行ったことがない。サラッと書いているが、実は大ファンなのに。なんとなく、ファンになった当時がちょうど休止(「凍結」か)中で、「ライブは無いもの」という意識があるのかも。元々出不精な上、後追いに慣れすぎてしまって、活動してるバンドでもほぼライブに行かない時期があったし。

私の中で特筆すべき事としては、誰がどう考えても大槻ケンヂは天才だと思うのだが、私の中で決定的になったのは大槻ケンヂ特集が載っている表紙もオーケンの「月刊カドカワ」だ。そこではロングインタビューだけではなく、各作品についてかなりつっ込んだセルフライナーノートというか、はっきり言って完全に愚痴が延々と語られていた。その中でたしか(手元に本が無いので不正確な上に要約)、「この時期は自分の中で作った空想上のキャラクターと戯れている方が、バンドメンバーと接しているより楽しかったし、リアルだった。電車の窓から河川敷なんかを眺めていると、そこに自分の空想上のキャラクターが楽しそうに遊んでいるのが見えていた」、という発言があり、『虚言癖』と冗談ぽく言うのとは別の、かなりマズイ状態でいたんだな、とわからされたのだ。
オーケンには「のほほん」というイメージがある。もちろん、いろいろつらい事があっての、処世術としての側面も多分にあるのだが、住むマンションも引越しさえもいまだに親任せ、しかもいまだに実家近くに住むという、いわゆるロッカーとは正反対の部分があり、メンヘラちっくな若い子を喰いながら、最近は固定ファン向けに昔作ったものの再生産で飯を食いつつ、なぜか今さらにアニメやニート問題などで時代にフィットしだすというミラクルもありーので、なんか「羨ましい」感じは凄くするのだ。
でもあれを読んで、やっぱりどう考えても「天才」の人生って羨ましくない、という凄みを思い知らされたのだ。
そこまで行ってしまうと、ファンとしてはもう今は、ヌルくていいから体と精神を大事にそこそこ仕事してくれ、という気になってしまうので、まぁ、最近のエッセイとかももクロの作詞とかはね・・・。

長々と書いてしまった。
この本は丸々1冊筋少の雑誌、しかもV系雑誌ということで若くて派手で綺麗な時期のメンバーの写真も満載、という事でかなり満足でした。
時期的には「月光蟲」のツアーを終え、次のアルバムを・・・という頃。
個々のロングインタビューも非常にシッカリとした聞き手がやっていて、メンバーも後々に起こる事の伏線となるような、崩壊の足音が聞こえているような事を既に語っており、やはり緊張感のあるバンドだったんだな、と思わされる。
巻末の方にある「筋少物語」は、後に「筋肉少女帯自伝」が出るまではあまりまとめては語られなかった事までけっこう載っていて、これもかなりいい資料となっていただろう。
これはいい本だなぁ。今まで話題に出てこなかったのが不思議なくらいだ。
今回これを読んで一番印象深かったのは橘高文彦のインタビューでの、今後について訊かれた時の

「ずっと上を見て、そこに向かっていくっていう、一番健康的な状態だと思うのね、バンドとすれば。でもね、B級バンドって好きで、UFOとかA級になれなかったバンドの魅力っていうのは筋少もけっこう持ってるから(笑)」

という発言だな。ナメてるわけでも、自己卑下してる訳でもない、素晴らしい自己認識だ。AROUGEから筋肉少女帯という経歴、彼のスタイル、好み、腹の括り方、全てを物語っている。
「筋肉少女帯自伝」を読んだ時も、橘高が大槻に対して加入当初に言った「俺をメタル馬鹿として扱ってくれていいから」という発言に、当時逆に体育会系なデスメタルバンドに在籍しながらも、やはりサブカルっ子として馴染めなかった私は思わず涙してしまったのだが、これもかなり素晴らしい発言だ。

つくづく、いい本掘った。

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鶴見済「無気力製造工場」




「最近どうしているんだろう?」なんて思っても当然知り合いではないのだが、昔好きだった作家やアーティストにはそんな気持ちになることがある。特に一時代を築いたというのは言い過ぎにしても、1つでもヒットがある人ならなおさらだ。
サブカル関連なんて、定期的に本を出せている人間なんてほとんどいない。「サブカル・スーパースター鬱伝」よろしく、やはり壊れてしまっている人が多い。しかも本が売れなくなってどんどん雑誌が無くなってしまい、当然単行本も出版するのが難しくなってる今、気がつくとプッツリと消息が途絶えてしまった感じになってる人も多い。
そんな中の1人の鶴見済。御多分に洩れず「完全自殺マニュアル」からはじまって、全作読んだ。松尾スズキの「第3の役立たず」も良かったな。最初に見たのはQJかなんかかな?これもありがちだ。ただ全部古本で買った後追いなんで、私より1世代上のサブカルっ子にありがちな感じだろう。当時実家の自分の部屋に引き篭もってた身からすると「檻のなかのダンス」が一番面白かった覚えがある。
そしてこの本もかなり好きだった。210円で売ってたので久々に読んだが、まぁ簡単に言えば、「完全自殺マニュアル」で一発当てた後にたくさん依頼された、それぞれだけでは1冊の本になりようのないコラムや対談の寄せ集めだ。
なのでまとまりはないし、軽く書きとばした感アリアリのモノもあったりするのだが、その分気軽に読めるし、人となりが出ていてけっこう好きだ。
こういう、今言っても通じない感じはあるが「バッドテイスト」、悪趣味系的な本の著者は、「あの衝撃の『完全自殺マニュアル』を書いた極悪な著者」みたいに語られているのと実像がかなり違ってたりする。青山正明しかり、当たり前だが基本的にGGアリンみたいな人は本書けないし。そもそも、そんな「バッドテイスト」物を笑う、皮肉る、ってスタンスなんだから、本気でしてるわけがない。
「完全自殺マニュアル」もその1つで、基本的には馬鹿話として笑ってただけなのに、エライ事になったなぁ、って感じが著者からするのだ。
それに、イロイロな問題で改訂版も文庫化も出来なかった単行本たちが、今となっては本人自体も「あれは間違いだった」と言ってる部分もあるくらい、間違った記述も多いので、1つのテーマに沿ってまとめられた本はかなり注意して読まないといけないし、ハッキリ言うと、じゃあ話変わってきちゃうジャン、ってなるので、今読んでどうなのか?という部分だと、この本が相対的に1番になっちゃうんじゃないかと思うのだ。
雑多な記事の中でも、GHOULのMASAMIさんについての記事とかは、伝説化するか馬鹿にするかのどちらかに偏りがちなものが多い中、抜群にいいバランスで書かれた素晴らしい記事だと思うし、岡崎京子との対談もいい。今でも興味深く読める部分がたくさんある本だ。
しかし今回ググッてみて驚いてしまったが、文庫に1冊もなってないのか。それどころかいまだに絶版になっていないのは「完全自殺マニュアル」だけなんだな。あと12年ぶりの新刊の「脱資本主義宣言」。

ブログとか見ても、左翼っぽい文化人になったんだな、と思ったが、気持ちはわからなくもない。
限界までやったら、やっぱり次は外に出るもんね。
何かの本で、拷問をしているのを見ることを強制された時に、それに耐える方法が1つあると言う話を聞いた事がある。「笑うんだ」という事だった。口を笑いの形に歪めるだけでいい、皮肉げに笑うといい、と。それだけで平気になる。
これは自分にもあった事なんだが、自称アングラ/サブカルでいたずらにネガティブな方面にばかり目を向けるのは、これに似ている気がしている。別にそれはタフでもなんでもないし、いい事でもない。結局無理をしているのだ。少しづつ、滓のようなものが溜まっていっていたのだな、と気がついた時には病んでしまっている。
そんな事とかを考えると、今の鶴見さんの姿もわかる気がするんだよね。

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石井裕之 「あるニセ占い師の告白」





コールドリーディングは前から興味があって、ちょこちょこ検索して解説サイトを読んでみたりもしていたのだが、本になっているものを読んでみよう、ということで買ってみました。適当に105円の棚から引っ張ってみたんですが、これが酷かった。

まず、1行目で「これは実は全部僕の書いたフィクションなんだよー」というネタバラシが行われます。まぁそこはどうでもいいというか、この本で儲けている作者自体がニセ占い師みたいなもんだろうと思ってたんで気にせず読み進める。
えーと、端的に言って酷いです。
「元々これが最初に書いた原稿だったのだが、犯罪を助長するような本は出せないと断られ〜」みたいに書いてるんですが、読むと分かりますがたぶん問題はそこじゃないです。単純にツマンナイから本出してもらえなかっただけです。本の設定は、大もうけしたニセ占い師のコールドリーディング術指南、みたいなやつなのだが、とにかく酷い。
安ーい翻訳ミステリー小説みたいな文で、自分がどうやってステップアップしたかや、都合よく反応するお客さんとの会話を解説まじりで書いたりするのだが、つまらないし先を急ぎすぎて無茶な進み方をする。
備品パクッたら会社クビになった。働くのダリー→ニセ占い師やろう→タロットかなやっぱ→手相の方がいいな→いや、筆跡分析でやるほうがいい、占いっちゅうかもうスピリチュアルやね→前世絡めんのが一番いいな。までが50ページくらいです。ちなみに、空白切り取ったら文庫にしてもいいくらいのスカスカな文章量+たまに格言っぽいので1ページ使ってです。しかも「詳しい解説は、僕の書いた他の本を読んでね」です。
薄すぎる内容とつまらないアマチュアレベルの作文にゲンナリする間もなく読み終わってしまう、という部分はいい所でしょうか。いや、なわけないわな。
まぁ金の無駄です。コールドリーディングで一発当てた著者のオナニー本ですね、要は。信者は買うのでしょう。

せっかくなんで私もこの本の著者をリーディングしてみました。
おそらく学歴コンプレックスや欧米コンプレックスを持った人間。元々は小説家志望とかかな、どうせ、村上春樹経由でアメリカ文学とかにかぶれたんだろう。出版社に原稿を持っていくがツマラナ過ぎて突っ返され、「なんかさー小説じゃなくてさー、あなたにも出来る的なハウツー本とかのがいいんじゃねぇの?コールドリーディングだっけ?それのさぁ」かなんか言われて出したら売れて、次のネタが思いつかなくて同じシリーズとして出せば勢いで売れるだろうという思惑で昔の原稿を加筆して出した。家は裕福だがあまり両親とうまくいっていない。そのせいかコンプレックスが強く、自分が騙せるような人間しか身近におかず、その人達と擬似家族を作ろうとしている。って感じかな?
どうでしょう、俺のリーディングは?当たってるかググッてみよっと。

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「ブラック・レイン」





これもヒップホップ関連で観た映画だ。ヒップホップというか般若だな。
もちろん高倉健、松田優作というレジェンドが出ている、リドリー・スコットが日本を「ブレードランナー」チックに撮った映画、というのは知っていたし、おおいに興味は持っていたが、内容的には名作とは言いがたいB級アクション映画だという評価なのも知っていたので、後回し後回しにしてたのだ。
いつまでも後回しにしててもしょうがないのでやっと最近観た。
うん、たしかにB級だねーこれ。ストーリーはもうなんとなく薄目で観る、というかそこはお察し下さい、みたいな。まぁアクション映画全盛期のあんまり有名じゃない映画ってこんなもんだったな、くらいの感じ。よくあるポリスアクションを日本を舞台にトレースしたものなんだろう。
なのだが、リドリー・スコットの描く近未来風の80年代の大阪の街を、30年後の今観るというのはなかなか倒錯した不思議な気分で、背景は観ていてかなり興味深い。
そしてやっぱり日本人俳優陣が濃くていいね。
2、3言喋るだけのヤクザ役が、ガッツ石松だったり内田裕也だったり島木譲二だったりするし。
この映画のオーディションでの逸話はいろいろあるのだが(ガッツが「何でボクサーが映画のオーディションに?」と訊かれて「事務所に言われたから」って答えたとか)、当たり前で書くのも馬鹿馬鹿しいが、「事務所がどこ」とか「スポンサーが」とかと関係無い、ちゃんとしたさすがの人選だ。バッチリはまっている。
「おぉ、英語で演技してる」とか「健さんも松田優作も海外の俳優にも存在感で負けて無いな」とか
言ってる時点で私も欧米コンプレックスがあるんだな、などと思ってしまったりするが、映画自体は面白いもんではないし、本気でツッコむ程でもないと思うので、そういう事くらいしか語る事が無いからなぁ。
まぁでもやっぱ観ておくべきかな、とは思うね。

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