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中村うさぎ 「狂人失格」





裁判沙汰にもなったので、そこそこ有名になったと思われる1冊。

小学生の頃から、親が週刊文春を毎週買っていたおかげで全盛期の「ショッピングの女王」時代の中村うさぎを連載時から読んでいて、単行本さえ買っていたくらい好きだった中村うさぎ。
そのままずっと読んでいたのだが、この本で本人も書いてある通り、買い物依存症→ホスト→整形→風俗という風に移っていくにつれどんどんツマラナくなっていき、だんだんと100円の古本でしか買わなくなり、そのうち完全に読むのをやめていた。風俗に至っては3日で辞めたのに、よく本1冊分に嵩増ししたもんだと、心底呆れた記憶さえある。
西原理恵子、岩井志麻子、倉田真由美、マツコデラックスなど、その周辺、というかサブカル女性作家は好きでよく読んでいたので、ちょいちょい話しには出てくるものの、たまーに雑誌で書いてるのを見ると、なんかテキトウで絶対取材ろくにしてないな、と思わせるものか、擦りきった自分語りで、なかなかしんどいものがあった。

この本は雑誌「hon-nin」での連載をタイトルを変えて書籍化したもので、たまに抜けはあるもののそこそこ買っていた雑誌だったのだが、連載時に読んでいてもあまり好きではなく、というかこの雑誌自体がサブカルの凋落を捉えているというか、こんなにサブカル界隈ってツマンナくなったんだな、って悲しくなった雑誌だった。町山智浩、吉田豪、安野モヨコくらいだったかな、おもしろかったの。
この本にも言えるのだが、後に町山智浩が吉田豪インタビューで語っていた通り、「『誰にも言いたくない、言ってない自分の事を書く』っていうテーマなのに、誰もちゃんと書いてないんだよ!」という事。ちゃんと書いた安野モヨコ「よみよま 黄泉夜間」は連載中断となってしまった。
まぁ、そこは続けて「でもまぁ書けないよね!浮気とかは相手があることだからね」という事を言っていた町山さんが最近愛人発覚でどうなったか、というオチまでついてしまうのだが。

ということで基本的にそんな身も蓋も無い、相手に迷惑までかけまくる作品なんてよっぽどの破綻者しか書けないし、そもそも商業誌に発表なんてされないので無理があり、結局は逆に「この作品には何が込められているか」という考察をするしかないのだ。

前置きが長くなったのだが、まぁこの本はそんな感じで、この時期の中村うさぎ作品として順当につまらない。
ネットウォッチされるようなイタイ作家志望を本当にデビューさせたら、という事なのだが、見積もりが甘過ぎて、一度対談したのみで即企画がポシャる、という有様。
で、結局それをまた風俗の時と同じく、薄めて薄めて嵩増して、自分語りと下手な推測をいれて1冊に、というわけです。
で、ここぞとばかりに訴えられる、という。
論壇への復讐だ何だと書くが、どんなに才能がないと自己卑下しようが、ラノベ作家〜ショッピングの女王時代は間違いなく才能のある作家だったわけだし、友達の女性作家(岩井志麻子だと言われている)の上から目線の発言に凄く反発を感じる、と書いた直後に「私はオリジナルの才能」みたいな事を平気で書いてしまう錯誤に、ずっと首をかしげっぱなしだった。
私は私にしか興味が無い!みんなもういいよ読まないで!もう辞めるよ!みたいな絶筆宣言とも取れる最後なのだが、かといって他に稼ぐ道があるわけでもないからその後も本は出し続けているし、有料メルマガみたいな、完全にファン向けで批判の来ない、同人誌じみたものまでやっている、という。

なんというか、悲しいなぁ、という感じ。
小説でも音楽でも絵でも、作品を表に出すというのはとても恐ろしい。しかも、自分が好き、小説より音楽より絵より、とにかく自分が好き、と言う人がほとんどだから、アーティスト志望というのはろくでもない。
自分は一応音楽畑なので、多くの自称ミュージシャンを見ているし、時には一緒にやったりしているのだが、ゴッドタンの「マジ歌選手権」以下の代物を聴かされ、感想を求められるような事ばかりだ。
怒りさえ覚える時間の無駄だが、その時に裏側に見えるのは「とにかく誰か相手をしてくれ」という欲望で、とてもとても、ひたすら悲しくなるのだ。

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STICKY 「ウェアズ・マイ・マネー」




amazonの表記に則って邦題というかカタカナでタイトル書いたら超変な感じ。「Where's My Money」っすね。
SCARSのSTICKYの1stソロアルバムです。

私はここ数年けっこう日本語ラップを掘ってきたと思うんですが、いわゆるレジェンド的な誰もが認めるラッパーを除いた場合、このSTICKYが一番好みです。
元々は例えば、この前書いたSEEDAの『花と雨』に収録の「ガキのタワ言」でのフィーチャリングなどで聴けるようにガラガラ声でイライラしているような勢いのあるフロウだったのですが、だんだんとダルそうなフロウで金の事ばかり言うキャラになっていき、私はこうなってからの大ファン。
最初はやはり多くの人と同じく「バイリンガルラッパーとかアメリカかぶれじゃんww」「Thugとかプッシャーとかなんだよ、中二病乙www」みたいな感じだった私ですが(そんな酷くないか)、だんだんとこう、ヒップホップマナーというかこれがどういうモノなのかが理解できていくにつれ、どんどんのめりこんで行き、ジャパニーズウェッサイとか、SCARSみたいなのも好きになっていったわけです。
ただ、これはメタルやハードコア好きで、自分自身もバンドをやっていたにもかかわらず「シーン」とか「クルー」みたいなモノを全くもって信用していなかったし関わる気もなく、今でもそんなものは幻想だと思っている私にとって、ヒップホップ的な「ファミリー」「ホーミー」も理解が出来なくて、そこは自分とは距離があるな、と思っていました。これまた、いわゆる世間の「日本のラップって感謝と仲間云々ばかり」みたいな偏見と似ています。

そこで聴いたのがSCARSの「My Block」でのSTICKYのこのリリック。後半の曲ですね。

”勘ぐり合い 友達でも 気を抜けないのが 川崎スタイル”



衝撃でした。あぁ、モロにハードコアなヒップホップに乗っけて、こういう事はっきり言う人がいるんだな、という。
SCARSというと、SEEDAとBESの圧倒的なスキルの高さが分かりやすい入り口だったのですが、A-ThugとSTICKYの圧倒的な違和感が物凄い事に徐々に気がついていきます。パッと見も、ラップの仕方も、おそらく世間的な偏見の目では一番「ラッパーぽい」彼らが、ヒップホップをある程度理解してからは強烈な違和感として引っ掛かる、というのがSCARSの一番の強みだと思います。
MSCにさえなかったクルーの中でのビーフ(揉め事)が入ってるんですよ、いやー、びっくりしました。
このアルバムの1曲目でも
”芸能系ならbay4k”
なんてラインがありますしね。

さて、このアルバムです。
大ファンである私には名作なのですが、ちょっと厳しいところもあるかな・・・という感じ。

先ほど書いたように1曲目から「きたきた!これこそSTICKY!」という感じで上がるのだが、最後まで通して聴いていくと、淡々としたフロウに変化しリリックが聴き取りやすくなった反面、抑揚がつきにくくなっているというのもあり、よく聴くとおもしろい事を言っているのだが、けっこうさらっと、少し単調に感じて聴き流してしまう曲がある。
はっきり言ってしまうと、フィーチャリングが入った曲と完全にソロでやっている曲では、特にフックの部分でやはりまだ差があり、まだ1stソロアルバムだからなぁ、という感想を持った。
ただそこは、漢、鬼、SEEDA、Bron-K、林鷹などの豪華なフィーチャリング陣によって補われており、いいアルバムであるという事は間違いない。当時のCONCRETE GREEN関連作が外れないのは、こういうメンツがフィーチャリングで必ず入るからだよなぁ、と感心する。

いいアルバムだけど、STICKYのファンじゃないとよく分からない部分も結構あるだろうから、やはりまずSCRAS、もしくは最近出たベスト的なMIX CDの『RE: BIRTH』を先に聴くのがいいかな、と思う。
ただ、ハマるとやはり当然ここまでくる事になる。

大ファンの私がこのアルバムで唯一不満なのは、音量がちょっと小さい、ということだけ。この、アルバムごとの音量の差ってさ、MP3プレーヤーを使うようになってからめっちゃ気になるようになったよね。私、ラジオ音源とかデモ音源とかもごっちゃに入れてるんで、たまに物凄い音量で鳴り出したりしてビビります。なんの話だ。

追記
その後、入手困難だったファースト・アルバムがリイシューされ、SCARS復活かと沸き立ったが色々あってやはりあまり名前を聞けないままの日々だが、磯部涼の『ルポ川崎』でバーの雇われ店長として登場し、しかし確実なパンチラインと共に去っていく感じが「まさにSTICKY!」とエキサイトしました。

やっぱコレだね!

追記の追記
そういえばフィリピン留学中に「ジャパニーズスタイルのラーメン屋があるから行こうぜ!」と誘われて行ったら、SCARSやSEEDAをはじめバキバキにジャパニーズ・ヒップホップが流れてて、なんか渋谷でラーメン食ってる気分になったの思い出しました。そしてそれをツイートしたらSCARSの公式アカウントがリツイートしてくれて嬉しかったのも。

追記の追記の追記
STICKY、亡くなったみたいですね。今日ツイッターで知りました。
...辛いですよねぇ、好きなミュージシャンが亡くなるというのは。結局ライブ一度も観れなかったなぁ。
まだそんな歳じゃないと思いつつも、訃報を聞くたびに、これから何度こんな気分になるんだろうと考えてしまいます。
ご冥福をお祈りします。R.I.P. STICKY.
scars.jpg

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VIOLENT ATTITUDE 2015 (DOOM / BAKI / CASBAH / JURASSIC JADE / セウ / SHELLSHOCK / SURVIVE / TRANSPARENTZ / ZENI GEVA) at CLUB CITTA'





「市平君!DOOM復活!しかもCASBAHとJURASSIC JADEも出るよ!!」
といつものごとく、朝礼前の出会い頭にいきなりトゥルースラッシュメタラーな上司に言われた事で知ったこのイベント。
まぁ正直、リアルタイムではブルータルデスメタルだった私にとっては、歴史の1ページとして軽く後追いしたくらいのバンドなのですが、このバイト先に入ってからというもの、この毎日スラッシュメタルTシャツ着用なスラッシャー上司に昔のメタルシーンの事を聞いたりCD貰ったりしているうちに影響され、かなりジャパニーズスラッシュメタル好きになっている私には朗報で、横フェス行けなかった事もあって行く事に決定。
しかもどんどん出演バンドが増えていき、本来自分が好きなノイズ/即興シーンのメンツまで揃ってきたので、これは最高や!とテンション馬鹿上がりで、全バンド観る気で開演15分前くらいに会場へ。
本当は開場前から並んでTシャツ買って・・・と思ったんですが、早いのよ時間が。1時半開場2時開演よ?寝坊しました。

はい、ということで物販を横目で見つつ、上着をロッカーに入れて開場へ!
うわー、人いねー!!
いやー、さすがに純粋なメタラーにはキツイであろうバンドも多いし、速攻で2階のイス席が売り切れたのからも解る通りの年齢層高めの客が見込まれるから、皆ゆっくりくるんだろうなぁ、とは思っていたが、にしても少ない。入って、そのまま誰ともぶつからずに真っ直ぐ最前列の柵に掴まれました。・・・いや、楽でいいけどさぁ・・・。
そんな事は微塵も関係なくまず個人的に1番の目当てのTRANSPARENTZ。初めて生で観る山本精一がまさかのメタルイベントという意外さ。
”2013年に結成した究極のグラインド・ノイズ・トランスユニット”ということだが、なんというか、ボアダムスの『スーパールーツ5』をよりハードコアに突き詰めたような感じ。
フロント3人の怒涛のノイズ/即興も凄いのだが、はじめっから終わりまで休み無しでミッド〜スローに逃げることなくファストにブッ叩き続けるHIKOさん(GAUZE)がさらに物凄い。
HIKOさんがドラムに座ると同時にスタート、40分ほどノンストップでグラインド・ノイズを叩き付け、フロント3人が一気に音を消し、しばらくドラムソロ状態になった後、終了。山本さん中心で観ていたが、この人はシールドを引き抜いてギターを置いてさっさとハケた。たぶんベースも同じ。日野繭子さんは機材を止め、優雅に去っていく。そしてドラムソロに、という劇的な最後にも大興奮。とにかく凄いインパクトだった。
終了直後に横にいたおネエさんが見ず知らずの俺に向かって「いやー!凄かっ・・・(誰?)」ってなったくらい。私も興奮して「凄かったッスねー!」って答えそうになったもん。その前にビックリして終わっちゃったけど。
いきなり最高過ぎた。あんなにグワーッとノイズ浴びて気持ちよくて時間忘れたのって久々だわ。うーん、やっぱさすが歴戦のメンバーだ、と思わされた。

これ、確実に長くなるから分けよう。この続きは追記で。

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