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スティーヴン・ウィット(著)関美和(翻訳) 「誰が音楽をタダにした? -巨大産業をぶっ潰した男たち-」





たまに、自分(30歳)くらいの世代から大きく変わった、というか一番変わったのを実感してるんだろうな、と思う事がある。
小学校低学年の時には黒電話、高学年でFAXとはじめてのパソコンが家に入ってきた。
14歳の時から、雑誌に載っていた楽器屋マップなんか見ながら御茶ノ水に買い物に行ったり、お年玉を握りしめて西新宿のブート屋に行っていたのだけど、そういう経験は私より下の世代には無いようだ。
エロサイトを見まくって、ダイヤルQ2経由で10万ほど電話代の請求がきて、親に怒られたのもその頃。まだADSLは無かった。ちなみに後に携帯で全く同じ事をする。
15歳で不登校になって2chにズブズブ。その後はパソコンから離れて16歳から音楽専門学校に行った。失恋を期にパソコンを買ったのが19歳、youtubeが出来ていて、P2Pソフト全盛だったので、1人暮らしになっていた私はまたズブズブにハマった。

『誰が音楽をタダにした?』というタイトルを目にしたときは、「はいはい、またか。っていうか今更?」という感じだったのだけど、パラッとめくったら、「CDの製造工場のバイトが弁当箱にCDを入れて警備を潜り抜け〜」みたいな文章に当たって、
え?社会学者がなにやら分析するやつじゃなく、そういう感じ?そこまで取材できたの?
と驚き、お正月用に購入した。が、もちろんすぐ読んだ。

帯に
「すでに知っている話だと思うなかれ」 −NYタイムズ
「まるでスリラー小説のように読ませる」 −テレグラフ

と書いてあるが、まさにその通り。それなりに知っていると思っていたはずなのだが、全くもって違う一面が見えてきた。
そして、なにより読み物としてとても面白い。本当に小説を読むような感じで、一気に楽しみながら読めた。

大筋としては、mp3の誕生、音楽業界とレコード会社の動き、ヒップホップの攻勢、そしてネット上のファイル共有、発売前のリークなどだ。

mp3の開発話から入るので、いささか退屈かと思いきやそれにも紆余曲折あり、その部分だけでも十二分に面白い。
そしてCDが一番売れていた時代があり、それは2000年をピークに劇的に減っていく。
同時期に技術の進歩やパソコンの価格の下落、回線速度のアップなどでファイル共有が盛んになっていく。
そんなわかっている筈の話でも、実際にレコード会社のトップにいた人や、CD1枚でパソコンの容量が7割使われてしまう様な時代からファイル共有をしていた、そして世界一のリークサイトの主要人物をキチンと取材しているので、そこで聞ける話は今までの薄っぺらい認識を完全に変えられてしまう。

「CD工場のバイトが弁当箱に詰めてCDを盗む」というとアホみたいだが、11年で約2万曲を発売前にリークした。という数字を聞くと、絶句してしまう。
ピンクパレスという、究極的にアーカイビングを進めたサイトには100万枚近いアルバムが無料でダウンロード出来る状態にあり、それは「日本盤限定ボーナストラック入り」なんかも各種揃っていたらしい。そんな時代があったのだ。

まぁこれも余談だけど、うちの従兄弟が昔CD工場に勤めてまして、やっぱりディスクのみのCDがゴロゴロ部屋にありましたからねぇ。20年ほど前のユルイ時代ですし、当然合法的に貰ってきたんでしょうけど、やっぱり自分が3000円とか出して買ってたもんが無造作に転がってると驚きますよね。
あと私が古本屋でバイトしてたときにも、買い取りに持ってきた本の発売日見たら2ヵ月後とか、付録すら開封していない同じ雑誌を何冊も買い取りに持ってくるとか、怪しいにも程があるものも沢山ありましたし。
これ、日本だったら更に2chとかWinnyの裁判とかも出てくるんだろうなぁ。日本にもリーク部隊がいたと本にも書かれていたし、そこら辺も読んでみたいなぁ。

音楽をやっている人間からすると「ユートピアかと思ったらディストピア」っていうよくあるSF小説の感じが現実になっていると思う現在なんだけど、一番CDが売れていた時から15年程度でこうなったわけで、この本を読んで理解を深めるってのは必要だと思います。
けっこうね、マーケティングって部分でも学ぶものがあったりする本なんだよね。レコード会社の重役しかり、リル・ウェインしかり。

なにより本として面白い。私の中で今年ナンバーワンだわ。

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「サドル・クリーク」





このレーベルの事は全く知らなかったのだけど、裏の説明を見ると13歳のコナー・オバーストのカセットを最初に発売したレーベルだという事だったので、買ってみた。基本的に音楽モノのドキュメンタリーは大好きだからね。
Bright Eyesことコナー・オバーストの事は、昔の友人がファンだったので知っているし、CDを借りたりした。そんなに好きじゃなかった記憶があるけど、俺そのときガチガチのメタラーだったし・・・くらいの感じで観はじめた。
私が疎いだけかも知れないが、ブライト・アイズ以外は知らないし、レーベル自体もモータウンやファクトリーやイヤーエイクのような知名度までは行かなかったと思う。
映像自体はストーンズスロウやファクトリーの映画ような、レーベルものの音楽ドキュメンタリーと同じような、まぁこんな感じだろうという作り。
コナー・オバースト。13歳。カセット300本。
というキャッチー過ぎるはじまりで、その後高い評価を受けた事を知っているので、個々のバンドや人物を知らなくても、それなりに楽しく観れた。
元々音楽ドキュメンタリーが好きだから、という事が大きいとは思うけど。

ぶっちゃけねぇ、これ、ユニオンで200円(しかも年末セール2割引で160円)で買ったのよ。どんだけ酷い、もしくは安ーい作りなんだろう?と覚悟して観たんだけど、まぁ安さはあるけど、ちゃんと作ってるし、ドキュメンタリーなんてインタビューメインで進む事が多いしねぇ。そう悪くないですよ。
出てきたバンドもいくつか興味深いのもあったし。所謂ポストロック/インディーロック的な価値観で、十代前半から出来る環境と仲間に恵まれてたと、そういう感じ。

こんなに安かったのって、今日本では人気無くなったって事なのかなぁ?
このドキュメンタリーに出てきたバンド聴いてて思ったのは、V系じゃない「日本のロックバンド」って大体こういう感じだよなぁ、っていう事で。そういう意味では、そりゃ日本で人気出るはずだって思ったんだけど、今は違うのかね?



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ロバート・B・パーカー 「初秋」





村上龍のエッセイかなんかで出てきた(対談もしていたと思う)ので、気になって買ってみたら、これがとても良い本だった。
意識しているわけじゃないんだけど、最近ハードボイルド小説が続いている。30歳過ぎて、そういう感じになってきたんだろうか?

ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズ、と言われても別にピンとこず、読むのは初めてだった。タフな私立探偵のスペンサーが、裏稼業の人間ともつるみながら事件を解決する、いわゆるハードボイルド小説。

特にこの『初秋』を褒めていたのでこれを買ったのだけど、ハードボイルド小説としては異色作として賛否ある感じになったらしいが、傑作であることは間違いないと思う。

放任というか無関心な両親の、離婚に関する駆け引きに使われるうちに心を閉ざした少年を、食事や服装から、ボクシング、ウェイトトレーニング、大工仕事などで自立に導きながら、依頼主でもある親の裏側を探り、ハードボイルドな見せ場もありながら、少年の成長を描く。
うん、素晴らしい小説でした。
「こんな父親が欲しかった」とかいうとちょっと違う感じもしますが、タフで、強くて、ユーモアがあって、アウトローな要素もある。主人公を自分と重ねると同時に、そこに父親像を見るというのもハードボイルド小説ファンの心理ではあると思うんですよね。

スペンサーシリーズ、しばらく追いかけよう。昨日2冊買ってきたし。

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タイラー・ザ・クリエイター「She feat. フランク・オーシャン」





昔は一切理解できなかったが、今なら嫌と言うほど理解できる事もある。
特に私はこの5、6年で思い知らされた。



1stバースは隣に引っ越してきた女の子を見ながら、中2病的な妄想を膨らませる。
そして「夜になるとオナニーしてるんだろ?」と決め付ける、更に妄想を進めた、ストーカーを連想させるフック。

2ndバースで
「俺は落ち着いた善良な男 でも俺を侮辱したらすぐ埋葬してやる」
「君の悩みを聞いてあげる 本当はどうだっていいんだけど」
と病的な内面が見えてくる。

そしてラストバース。

「君の事が欲しいのさ 俺を拒否したら撃ち殺すからな」
「君はあまりに美しいから、フラれたら耐えられない
 君は美しい 最高に美しい 君の死体を森の中まで引きずりたい
 そして君の事を愛しているから君の死体とセックスがしたい
 このアバズレ
 君と実際に会話をしてみたい いつもストーキングして、オナニーしてるだけだから」



この曲も似たようなテーマだ。
これは「仲がいいほどなんやら」とかでは無く、「愛憎半ば」ということですらない。

昔は、タイラーは極端な表現するアーティストで、アーティスト特有のクレイジーさを持っているのだと思っていた。
だけど、それは大きな間違いだと今は思う。
こういう考えの人間は無数にいる。多数派といって差し支えないだろう。考えているだけで今は偶然行動していない、もしくは出来ないだけだ。
逆に、無数にいるそういう人間の中で、飛びぬけて音楽の才能があったのがタイラーだと言うだけの話だと、今は思う。

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「リル・ウェイン ザ・カーター」





お正月用に買ったけど、もう観ちゃった。大ヒット作『カーターV』発売前後の日々に完全密着したドキュメンタリー。
『NWA キングオブコンプトン』のDVDの新作紹介に入ってて、興味は引かれたもののあのDVD自体がイマイチだったので、そこが若干ひっかかったものの、製作総指揮が『ビーフ』シリーズのクインシー・ジョーンズ3世(あのクインシー・ジョーンズの息子さんね)だったので買いました。

「リル・ウェインの大ファンか?」と訊かれれば、「そうでもない」としか言いようが無いが、好きな曲はあるし、やはりカリスマなんだろうな、カッコいいな、とは思っている。
で、そんな感じで観ていたのだけど、私自身バンドをやっていたし、ロックバンドに密着したDVDは数多く観ているものの、ラッパーのドキュメンタリーというと数はグッと少ない。しかも存命中のラッパー単体のものだと、ブルーハーブとJay-Zのものくらいしか観た記憶が無い。
アメリカでは、日本では考えられないくらいラップがチャートインし大ヒットしているが、単体でドキュメンタリーにするだけのカリスマというとやはり少ないのだろう。日本盤が出てないだけかもしれないけど・・・。
なので、出てくる映像は新鮮で、リル・ウェイン自体も75分間観ていても飽きないだけのカリスマ性はある。既に売れていたリル・ウェインのドキュメンタリーということで、映像も編集も巧く、安っぽさは微塵も無いし、キチンとヒップホップに理解のある人たちが制作した、良いドキュメンタリーだ。

でも、なーんかねぇ・・・・。全部予想通り、というか、歌詞やインタビューなんかから伺えていた、パブリック・イメージ通りの事しか感じなかったんですよ。
せっかく75分もドキュメンタリー観て、発見は特に無かったんだよね。
本作は『リル・ウェイン本人が公開差し止めの訴訟』をしたほど、『全部曝け出した』ドキュメンタリーのはずなんだけど、なんの衝撃も無かった。
正直、「どこを問題だと思ったんだ?全部イメージ通りだけど?」という疑問が出てきた。
映画冒頭に「約束に反して本人が度々取材を拒んだ為、我々は彼の音楽やリリックからその人生をあぶり出した」という文言が流れるのだけど、たぶんそういう事なんだろう。映像はそれなりに撮れたんだろうけど、あまりにも本人に迫れていない。インタビューすらあまり出来ていないんだろう。
クルーの一員になるくらい近いか、透明な傍観者たりえるか、ってくらいにならないと、なかなか『曝け出す』ところまでいかないだろうに。

リル・ウェインはカリスマなので、密着した映像は貴重だ。観ていて魅力的だし、面白い。良いドキュメンタリーだ、と、まぁ言える出来だとは思う。
でも、ちょっと期待はずれ感があるなぁ〜。よく出来ているだけに余計惜しい感じ。



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ニコラス・ぺタス 「最強の武道とは何か」





吉田豪の『吉田豪の空手★バカ一代』でのニコラス・ぺタスのインタビューが面白かったので、インタビュー中に興味深いエピソードの引用元になった本書も読んでみた。

この本はNHKで海外向けに作られた番組に出演し、色々な武道を体験した事をニコラス・ぺタスの視点から書いた本。
ニコラス・ぺタスは17歳で来日し、大山倍達の最後の内弟子となったデンマーク人。K-1や空手の世界で何度もチャンピオンになった、トップクラスの実力者だ。
そんなニコラス・ペタスが実際に、他の武道のトップクラスとの体験するというのは凄い事だ。極真、Kー1、空手、柔道、相撲、合気道、剣道、弓道と様々な体験をするが、やはりそれをタレントがやったりするのではなく、あのニコラス・ペタスがやり、自分で本を書いたのだ。

内弟子として暮らした極真での日々、K−1での挫折と再起なんかの本人のエピソードはとても興味深く、大山倍達のエピソード目当てで買った私からすると最初は「極真は本の一章だけか」と思ったものの、予想以上に内容が面白く、大満足だった。
スポーツマンではなく、あくまで『武道家』であろうとするペタスは、大きくなりスポーツ化した極真に疑問を持つ。当然お金の問題は誰にでも付きまとうが、ペタスは武道、格闘技とビジネスは分ける。K−1での最初の試合でTKO負けし、一時空手を辞めて渡米してボクシング、キックボクシング、ムエタイを本格的に学ぶ。
本人に強い信念があり、結果も伴わせてきたからこそ、こういう事をハッキリと言う。これがまず素晴らしい。
そしてそんなペタスが金メダリストの井上康生や、横綱の白鵬と実際に体を合わせ、他流派の空手も体験し、合気道、剣道、弓道も初体験する。
そして、実際に自分がどう感じたか、それを分析するとどうなるか、これはどういう信念があり、どういうシステムによって培われてきたものなのか、というところまで考える。

予想以上に文章が巧く、ただ体験して感想を書くだけではなく深く考えているので、格闘技本としてハイクオリティな上、そこにそれをニコラス・ペタスが書いているという説得力も加わるので、これ、けっこう凄い本なんじゃないかな?新書だし、サラッと読めるけど。

しかし、立川談春の本にも通じるんだけど、師匠と弟子って関係には憧れるなぁ。

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立川談春 「赤めだか」






『昭和元禄落語心中』を読んだのがキッカケで落語に興味が出てきた。というか、昔から興味はあったんだけど、どこから手を付けていいのかわからなかったのだ。
あの漫画のおかげで1つ2つ、噺のスジを覚えて、その噺をしている人を聴き比べていく、という事をやりはじめた。
そうすると、やはり名人といわれる人は凄いし、立川談志って天才だったんだな。と改めて気づかされた。
BURRN!誌に連載している『そこでだ若旦那』も面白かったし、もっと本も読みたいな、と思っていたら、この本が文庫で出ていたので、ちょうどいいと思って買った。
立川談春の事も情熱大陸で観て知ってはいたが、文才もあるとは知らなかった。この本自体、賞を貰うくらいだったのね。

17歳で立川談志に弟子入りした本人の若い頃の事を書いたエッセイ集なので、正直、立川談志のエピソードを読みたくて買ったような感じだったんだけど、それは当然ふんだんに入っている上に、談春本人も面白かったのでとても得した気分になった。
現代では珍しくなった「弟子入り」という制度が、落語家になるには必須であるという特殊な世界に若くして入り、若さゆえに疑問を持たずにいられた事もあれば、苦労した事もやらかした事もある、そしてそれを乗り越えて前座から二つ目(これになった時点から『落語家』と名乗れる)を目指す、というのが大まかな話。

立川談志も、兄弟弟子も、高田文夫をはじめとする周辺の人物も、それに付随するエピソードもとても興味深く面白い。
しかし、エッセイ集でありながら、入門〜前座〜二つ目というのを時系列順に並べている事で、自伝的にも読めるのだけど、そこがねぇ、いいです。凄くいいです。

現代では珍しくなった弟子入り、しかも立川談志という破天荒な天才に。そしてそこから落語家として認められるまでになる、という。談春の年齢的にも青春ストーリーとしても読めるというか、粋を感じさせる小気味よい文体で書かれる世界が、落語家のエッセイ集という枠を超えて素晴らしいです。

しかし、弟子入りしようと思えるくらいの存在が、同時代にいるって凄いよね。とにかく羨ましいのもあるし、でも俺は弟子とか無理だわーというのもあるし・・・。

赤めだか (扶桑社文庫)

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(日本語字幕付) Kendrick Lamar - Backseat Freestyle





昨日仕事を辞めた。
1年前から辞める事を決めていたので、精神的には準備が充分に出来ていたが、いかんせん金はうまい事貯められなかった。金を貯められないような仕事だから辞めたので当然だが、30過ぎて無職になると中々にキツイ。ガキの頃と違って貧乏にも慣れたし、有給の残りや雇用保険も足しにはなるので、まぁ慌てる事は無いくらいではある。
どうせ後は死ぬまで働くんだ。

中途半端な頭の良さと親の学歴コンプレックスがあってずっと私立だった事が、ロックやヒップホップのファンになり、自分でもやるようになると負い目のように感じて、ずっとあえてダレでも出来るような競争率の低いバイトをやってきた。
「音楽は金じゃない」とカッコつけて、週6日働きながらバンドをやった。中途半端な私でも、競争率の低いバイト先では重宝され、結局『私立』扱いだった。先述の負い目があったので、他のバイト以上の賃金に見合わない労働をしてきたが、限界だった。12年間、5つのバイト先。ストレスでボコボコになった顔面と、腰痛。

昔は、「働けば?」と不思議にしか思わなかったけど、今はハッキリと理解できる。

「All my life I want money and power
Respect my mind or die from lead shower」
「ずっと金と権力が欲しかった
 俺の思考をリスペクトできないなら、銃弾のシャワーで死んじまえ」



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深町秋生 「果てしなき渇き」





第3回『このミス』大賞受賞作品、というのを見て、「あぁ、そうか。そういうジャンルだったのか」と、まず思った。勝手に、若者の風俗を過激に描く的な、そういう作品だと思って映画を観て、「あれ?こんな話だったんだ」と思っていたからだ。

読んでみると、やはり思い出すのは馳星周。傷を抱えたアウトローな一匹狼の主人公が事件に巻き込まれ、奔走する。まぁ要はハードボイルドってことか。ありきたりと言えばありきたりな、ミステリー/サスペンス/ハードボイルド小説の定型に、現代的な風俗が混ざってくる。書けば書くほど、「ハードボイルド小説ってそうだよな、『ったく、最近のガキは・・・大人を舐めやがって!』的な激高っぷりとか」と思うのだが、面白かった。一気に最後まで読んだ。

デビュー作だけあって、とにかく勢いがある。
一人称と三人称が混ざってしまっていたり、不良グループや未成年売春、ドラッグ、パーティーなどの描写に苦笑してしまうような野暮ったさがあるのは確かなんだけど、それでも読ませ続けられる力があった。

映画観てから原作読むパターンはあんまり無いんだけど、今回はそれで大正解だったかも。これ、下手すりゃテキトーなVシネとかにも出来るよね。
だって基本的には「うちの娘に限ってそんなー!」「ヤクザの仲間になって、売春組織の元締めで、ドラッグも捌いてるだってー!」「ヤメデカになにが出来んだよー!」だもの。こう書いてたら2流アイドルちゃん主演で、スケ番とか出てきそうだもの、竹内力とか、濡れ場多めで。

映画のファンが読んで面白いとはあまり思えないんだけど、力のある作家のデビュー作で、秀作だとは思う。私がハードボイルド小説なのもあるけどね。

果てしなき渇き (宝島社文庫)

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「渇き。」





気になっていたが、いつも行くレンタル屋に無かったから。という理由でスルーしていたのをやっと観た。
でんぱ組.incのファンになったのと、『ブリングリング』や『スプリングブレイク』を観てて、「そういや邦画でもこんな感じのあったな」と思い出したので。

で、まぁなんだ、「こんな作品に似てる部分あるよねー」と知ったかで固有名詞を上げる、という汚いマネを先にさせてもらうと、『リリィ・シュシュの全て』『バージン・スーサイズ』『紀子の食卓』『私立探偵濱マイク』シリーズ、そして桜井亜美の小説なんかを思い出した。

で、観たんだけど、『ブリングリング』や『スプリングブレイク』みたいな「若者文化を過激に描く」的な作品かと思ったら、全然違って、サスペンス/ミステリーものっぽいのに驚いた。若者が出てくるのはほとんど回想シーンのみで、基本的には薄汚れたハードボイルドな役所公司が娘を探してドンドン深みにはまっていく様が描かれる。

スルーしていた理由のもう1つが『告白』が嫌いだったから、というのもある(高橋ヨシキのブログで超スッキリした)んだけど、今回はその「MV出身監督」な感じがいい方に転んでるんじゃないかな。とても面白かった。
そりゃ、いかにもな「CMやPVみたいなキレイゴト映像、からの衝撃映像」みたいなのも、ヘンリー・ダーガーの『非現実の王国で』を、わざわざ『不思議の国のアリス』の下に置いてチラッと見せる所や、選曲などで見せる「サブカル知ってます感」が鼻につくことはつくし、後半ダレた感じはあって2時間はちょっと冗長に感じたけど、それでも面白かった。

役者さんの力もあるんだろうなー、うん、娘さん役の子も、役所公司も凄くよかった。妻夫木聡のナメた感じとか。しかし、この3人観てるとすげー『私立探偵濱マイク』思い出すな。

しかし、なんか90年代感を凄く感じるんだよね。同世代よりちょっと上(私は古本屋育ちなので)の、そういう文化の中に居た人たちが作ったんだなぁって感じる。
それは良くも悪くもなのかな。私にはストライクだったけどさ。



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