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posted by fanblog

CHVRCHES 「Recover」





チャーチズ。

たしかにボーカルはかわいい。
しかしアーティストとして見るとライブの不安定さが気になる。
バックの2人がボーカル抜きで評価されるとは思えない。

雰囲気的にはデヴィッド・ギルモアが見出したKate Bushとかがちょっと近いかも。
形態はロックで言うと、ブッチ・ヴィグを中心にしたGarbageとかが近いかな。

90年代っぽさもあって30代も反応出来る感じ。
歌詞も含めて、この曲だけは物凄く好きでリピートしてるなぁ。でもアルバムを聴いてもこれ以上の驚きはないんだよな。
難しいよね。



Recover

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「ブルー・リベンジ」





まさに拾い物って感じ。

レンタル屋でボンヤリ棚の前にいて、なんとなく手に取ったら町山さんの推薦文が付いてたので、お、と思って借りたのだ。

話はシンプル。両親を殺された男が犯人の出所を知って復讐、それだけ。
しかも、登場人物はパッと思いつくだけだと10人に満たない。数分以上映っているのは3人くらいじゃないかな?ほぼ主人公1人が映っている映画だ。
セリフもあまりない。

こう考えていくと凄いな、おそらく低予算映画だ。
低予算映画で、話自体はシンプル。
なのにおもしろい。最後まで緊張感が続き、目を離せない魅力がある。
低予算からワザとこういう方向性にして、「芸術でござい」って誤魔化す事も多いんだろうけど、今考えていくとそういう要素が浮かぶんだけで、観ていた時はそんなことを全く感じさせられなかった。

丁寧に、リアルに、描いていく復讐劇はかっこ悪く、痛い。

復習を思い立つが金が無くて銃は買えず、盗んだものの掛かってるロックを壊そうとして銃自体が壊れてしまう。復讐を成し遂げたと思ったら、真犯人は別に。反撃にあえば車の鍵を落としてくるし、相手のタイヤをパンクさせようとナイフを振るえば自分が手のひらを切ってしまう。

主人公役の役者さんも絶妙だよな。パッケージを見たときには、ホームレスって設定でもイケメンな長髪髭面って感じだったんだけど、逃走のために髪を短くして髭を剃ったらトッツァン坊やみたいになるし。
住人が留守の家から拝借した微妙にサイズの合わないシャツを着て、その姿で姉に復讐を告白する所なんかもう切ないですよ・・・。
しいて言うと、その姉の言動がイマイチわからない部分もあるけど、ほとんど出番は無いしね。
細かいバックグラウンドは描かれないので、両親が殺害されたショックで誰にも言わずに地元から失踪し、ホームレスとして無為に生きていた、ということがなんとなく解る程度なのだけど、そこを想像させられつつのリアルすぎる復讐劇がねぇ・・・悲しいです。

原題が「BLUE RUIN」で、「青い破滅(廃墟)」って意味で、ボロボロの青い車に寝泊りしている所とか、青を常に画面に入れているところとか、主人公の行く末とかを表現しているんだと思うんだけど、邦題はわかり易いけどちょっと誤解させるかもね。

ノワールっていうのかな?こういうの。
いい映画でした。
こういう出会いがあるから、店に行くのは楽しいんだよな。



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美嘉 「恋空」





ケータイ小説。というのももはや懐かしい。
昔はバンドのホームページも魔法のiらんどが多かったよねぇ・・・(遠い目)。

はい、『恋空』ですね。名前だけ知ってたシリーズ、そして時間が有り余ってる今じゃなきゃ絶対読まないであろうシリーズ。しかも拾いました。タダじゃなきゃ読まなかったかな。

まぁいかにも本好きっぽい嫌味をまず書きましたが、実は興味はありました。
中学生の時に、新刊だったYoshiの『Deep Love』を偶然で書店で見かけて購入したので、わりと早くからケータイ小説には触れていたと思うし、中学生だったのでそれなりに面白く読めた。
同時に、それなりに面白く読んだ中学生の私でさえ、その文章の稚拙さ、語彙の少なさ、それに対する過剰な性描写や不幸てんこ盛りな上に都合のいい話の展開等に違和感を覚えた。

ただ、その前にしばらく桜井亜美(速水由紀子=宮台真司の元パートナー)にハマってた事もあり、「こういう商売の仕方もありか」と思っていたし、はっきりと「小説家Yoshi」の作品として出してる分いいのかな、と。
文章のクオリティの低さには辟易したが、「急速に普及したケータイで読む事に特化した」「普段本を読まない女子高生向け」に「オジサンが商売として書きとばした」と考えると、こんな感じだろう、と。それにしても上手くいったもんだ、と拍手を送りたい感じ。

なので、むしろそれを誰が買って、どう受容して、どのくらい広まっているのかという事に興味が湧いて、他のケータイ小説もいくつか読んでみたが、本田透の『なぜケータイ小説は売れるのか』の方が面白かった。

そんな感じで久々のケータイ小説でした。
もうこの本が出た頃には売れるモノとして「ケータイ小説」というジャンルは確立されてたし、ちゃんと売れて、漫画化、映画化、テレビドラマ化とポンポンいって、凄いけど、まぁパイオニアよりフォロワーが一番売れる的な感じにしか思えなくて、興味を持てなかったのだ。
今回偶然拾ったので読んでみたのだけど、これが中々ね、うん。

いわゆる論壇というか、文芸評論家に評価されるような代物ではもちろん無いですよ。
でもまぁ、はじめて『Deep Love』を読んだときの強烈な「こんなもん小説じゃねぇ」的な違和感もかなり薄くしているように感じたのよ。私が読んだのが何刷りか見てないけど、ある程度ちゃんと編集者が直しているんだろうし。

とりあえずそういうありがちな批判を除くと、これストーリーの配分おかしくね?というのがある。
彼氏出来て妊娠、元カノから嫌がらせレイプ流産、彼氏と別れるまでが最初の100ページくらい詰まってるのよ。おいおい、詰め込みすぎじゃね?っていう。単行本上下巻あるんだけどって。
で、まぁ彼氏は癌だってわかったので自ら身を引いてたって事に気がついて今彼と別れて元鞘に、そして闘病彼氏死去っていうのが終わりの200ページくらい。
それ以外は他の男と付き合ったり、大学行ったりがダラダラとモノローグ的なのが並ぶ文章で書かれるだけっていう。「でもまだ忘れられないよ・・・」みたいなのが延々と。
配分をもうちょっとさぁ・・・。
ガチャガチャってはじまってダラダラ延ばして、バタバタって終わる、そしてさらに亡くなった彼氏の日記発見で今までのダイジェスト版を再放送みたいな。
豊崎由美のいう「コンデンスライフ」だけど、1作にどころか、1作の3分の1くらいの部分にそれが凝縮されてるって言う。

でも、上手い事やったんだろうな。
作者は歳の近い女性のという事の方がいい、更にノンフィクションの方がいい、本田透のいう「ケータイ小説七つの大罪」の内、売春、薬物、自殺はメディア化を考えて入れないでおこう、みたいなさ。
あとがきで、小説の最後で彼の忘れ形見を身篭っていたが、亡くなりました、と書くところとか。

文芸評論家の福嶋亮大は「偽史的想像力」って評したみたいだけど、要は「オッサンが書いてるだろ」って事だと思うしねぇ。
2chでさ、「暇なJKだけど」ってスレたてて、言葉の使い方とか学校生活の描写の矛盾で「働けオッサン」って書かれてすぐ終了、みたいなのあるけどさ、あの感じが読んでてビンビンしたんだよね。

去年で書籍化10周年だったみたいだけど、その間も表に全く出てこないし、ノンフィクションのはずが「事実を元にしたフィクション」になるし、どうかなーと。


『Deep Love』や『リアル鬼ごっこ』のナチュラルな狂いっぷりに対して、あまりにあざといというか、作られた感が強かったかなぁ。
アウトサイダーアート的なおもしろさも感じられて好きだった部分はスポイルされて、うまく商品化される、そして大ヒット、っていうのはどのジャンルでも一緒ですな。

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「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン4」





暇に飽かせてシーズン4も一気観しました。
一応、いまのところ最新シーズンなのでネタバレ無しでいきます。

クオリティは物凄く高いし、面白いといえば面白いけど、なーんか・・・という感想だったシーズン3までですが、ここに来てドラマとして面白くなってきました。
壮大なネタ振りからの一気に面白く、って感じではなく、どうしようもなくなって在庫全部出した、という感じも無きにしも非ずですが、ドラマ的には単純に一番盛り上がりました。

前に書いた感想はココ↓
「ハウス・オブ・カード 野望の階段 SEASON 1」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/389/0
「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン2 」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/393/0
「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン3」
https://fanblogs.jp/gateofdoom/archive/588/0


「長いな、大統領選・・・でもこれが一番の見所なんだし・・・」と思っていたらフランクに大事件発生。
そこから、もう過去に出てきた人みんな出てきて、懐かしいやらなんやら。そしてついにフランクの悪事が暴かれるかも・・・。一時危うかったクレアとは共同戦線を張り、いなくなったキャラクターもいろんな事情で復活し・・・・。

という感じ。

シーズン4までくるとこういうことが出来るよね、って。まぁ盛り上がりますよ、オールスターみたいな感じで。大事件も起こるし、党大会っていうお祭り感溢れるものもあり、その裏でフランクの悪事を暴くために動く者もいる。いろんなところで摩擦が起こり、身内でさえ気が抜けない。
本当にいままでの事をギューッとまとめた感じ。
起こる事の規模が大きいので、交渉などの会話劇との緩急もつけられていて、ワンシーズン通しで観たときに、一番ワクワクして観られた。

ただ、やっぱり上手くいかないので在庫一掃、デッカク事を起こそう、って感じも否めない。流石の力量でバランスをとっているので、ちゃんと面白くて破綻していないように観えるけど。
次のシーズンから企画、そして多くの脚本を書いていたショーランナー、つまり製作現場のボスがその立場を外れる、というのもなんか邪推してしまうなぁ。
やっぱ思ったほど上手くいかなくて、やってきた事を総決算して次に渡そう的な。
シーズン5はあさって配信らしいけど、その次はあるのかなぁ・・・?なさそうな感じがするんだよね。

期待が膨らみ過ぎて、もう追いつけない感じになってただけなのかね?面白いけどさ、なんか「もっと面白くなるはずなんだろ!?」って思ってしまう。

次が早く観たい。って感じでも無いんだよな。あれば絶対観るけど。
面白くなって続いて欲しいなぁ。エミー賞獲ったドラマに何言ってんだ、って話だけど。

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WOOFIN'2017年2月号(休刊最終号)




久々に買って、読まないまま積んでて、やっと読んだらその号で休刊でびっくり。
そんな感じ。

なんか、ファッション誌だと思ってたんだよね、ずっと。でも最近の表紙見たら、音楽雑誌かな?みたいな。
で買ってみたら休刊と。

渡辺志保や二木信のコラムなんかでも触れられてたけど、やっと『高校生ラップ選手権』や『フリースタイルダンジョン』が流行って、KOHHが海外でも活躍し、宇多田ヒカルのアルバムにも参加して話題になって、今度こそ日本でもヒップホップがオーヴァーグラウンドになるのか?という今、休刊ってのがなんとも・・・。
『blast』や『bmr』が既に休刊してしまっていたりするので、その中では頑張っていたと思うのだけど、なんでこの時期に、と思わざるを得ない。

いや、自分も買ってなかったんで、理由はなんとなく解るんですけどね。
表紙アーカイブを見ても、ファッション情報もあるHIPHOP/R&B専門誌って感じからストリートファッション誌に、そしてここ3、4年はまたファッション寄りのレゲエ/HIPHOP雑誌に、って感じの印象でブレてる感じだし、いまいち誰が買うのかわからない。

私みたいに服に興味が無い、音楽雑誌が読みたい人間にしたら最近の号でさえ、「好きなラッパーが載ってるから読んだらインタビューほとんど無くてファッション写真ばっかり・・・次の号はレゲエばっかり・・・何の雑誌だ?」とかそんな感想だった。

今回は「HIPHOPのPAST AND FUTURE」って特集で、新旧のラッパーが多く載ってたから買っただけだしな。1冊丸ごとこの特集なら写真多くてもいいや、って。

うーん・・・とはいえ現存する月刊誌でブラックミュージックを扱ってるって意味では貴重だったんだけどなぁ。『Wax Poetics Japan』はちょっと手軽に買う感じでもないし。

今のブームはあくまで「ラップバトル」に限定されたもので、厳密にはヒップホップという文化の一部だけを拡大解釈したものってのは解るし、その弊害もあると思うんだけど・・・KEITH APEのインタビューで読んだら韓国でも同じような状況はあるみたいだし、「ラップバトル」ってコンテンツにしやすいんだろうな。

Amebreakやbmr.jp他、ネットで十分っちゃ十分だけど、紙の雑誌は残って欲しいなぁ。若いヒップホップファンの子に昔の『blast』とかあげるとメッチャ喜ばれたりするし、需要はあると思うんだけど・・・。でも買い取りに出すとユニオンでも捨て値だからなぁ、やっぱ需要無いのかな?
最近のアーティストは自分でネットに文章上げて、音源上げて、MV上げてって出来ちゃうけど、専門誌は1誌は必要だよなぁ・・・。


とかイロイロ思いながら読んでました。
最終号を読むと、やっぱり文字情報の少なさに不満はあるんだけど、新世代の注目ラッパーとかをまとめてくれてるのは私みたいなオッサンにとっては有り難かったし、この方向でずっと行くならたまには買ったのになぁ・・・なんて。

昔は専門誌が無くて、『Fine』をはじめファッション雑誌の中にだけ唯一ヒップホップの情報があって・・・みたいな事もよく聞くし、そういう風には残れなかったのかなぁ・・・でも、今オーバーサイズの服着てる人少なくなったもんなぁ・・・。


以上、オッサンでした。

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「ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン3」





困った。
シーズン4を借りてきて、「あ、シーズン3の感想書いていないや」なんて思ったんだけど、今思い返してみてもあまり感想が浮かばない。

惹かれていたキャラクターであるダグは生きていた。
シーズン1ではどのキャラクターにも感情移入できなかったが、シーズン2での娼婦への入れ込みっぷりとその孤独に引き込まれ、徐々に感情移入していっていたので、いかにも死んだっぽい描写だったような気もするのがちょっと気にはなるがこれは喜ばしいといえば喜ばしい。
そして、このシーズン3でさらにいろんなバックグラウンドや孤独な私生活が描かれ、そしてそれによって逆に冷酷さが際立ってきているので、結果は大成功だ。

ただ、そのダグくらいにしか印象に残ったところがないんだよねー。
シーズン2で主要キャラクターを何人も退場させ、メンツを絞っていざ大統領になって話を・・・という感じのはずなんだけど、なんかイマイチ盛り上がらない。
新しく主要キャラクターとしてプーチン大統領っぽいキャラクターやヒラリー的な女性大統領候補が登場して、けっこう出番が多いんだけど、そんなに・・・。
ダグに代わって側近になった2人も影が薄いしなぁ。

やっぱシーズン3はメインはダグといってもいいくらいの感じ。

大統領になってしまうとイチイチ話が大きくなっちゃうから、リアルに描くとドラマが作りにくくなっちゃうのかなぁ?なんだか話がイチイチ止まっているように感じて。夫婦喧嘩もずっとやってんな、みたいな。
そんな中ではダグが大怪我をしてもガツガツ動いているのがやっぱ目立つんだよね。

退場したと思われた、スペアリブでお馴染みの店のフレディが戻ってきたりして、登場人物を絞ったものの広がらない・・・って感じが見え隠れする感じだったかな。

海外ではシーズン5がそろそろ配信されるということで、まだ続くんだけど、うーん・・・。
シーズン1からイマイチだって言い続けながらも観ていて、これからも観続けるつもりなくらい、ストーリー以外には全く持って文句がないから、どうなってもいいといえばいいんだけど、なんかね。

そろそろ、「やっときたー!おもしれー!」って素直に言いたい。

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春日太一 「時代劇は死なず!京都太秦の『職人』たち ≪完全版≫」





ラジオなどでなんとなく知ってはいて、面白そうだな、とは思っていたものの、「時代劇」ってよく知らないしなぁ・・・と躊躇していた本が文庫になっていたので遅ればせながら購入。
京都太秦という、かつて多くの映画会社が時代劇映画の撮影所を置いていた場所の歴史、そしてそこで働いていた職人達、そして時代劇を彩ったスターの話。

読み物として、とても面白く読めました。
まぁ先ほども書いた通り時代劇には疎い私なので、固有名詞などは半分も解ればいい方という感じなのだけど、モノ作りという意味においては物凄く解る、というかどのジャンルも同じような歴史を辿ったりするし、裏方に素晴らしい職人さんがいらっしゃるもんだよな、という感じで共感しながら読んでいました。

なので、印象に残るのはプロデューサーや職人さんたちの意気のいい話だったり、啖呵を切るような口調で語られる覚悟でした。

そしてなんといっても丸々1章を使って書かれる勝新太郎の話。
俳優、監督、社長、そして脚本も演出も監督も実質全てが勝新太郎という状態で、そしてなおかつ誰よりもアーティストとして妥協を許さないまま突っ走り、どんどん研ぎ澄まされてはいくが、世間のニーズとは離れていってしまう・・・。
天才としか言いようの無い姿が描かれている。

全体としては、映画全盛からテレビ時代へ、時代劇全盛から任侠モノや現代劇へと世の中が動いていく中で、それを逆手に取ったり、出来る枠の中でクオリティを上げたり、新たなものを組み込んだり、それが飽和状態になるとあえて古き良き時代劇復興させたり、資金繰りが苦しくなって映画会社が撤退していくなら、東映太秦映画村として一般開放して観光地としてみたり、というように京都太秦の歴史と共に時代劇の趨勢を描いている。

例えばロックでも、プログレのカウンターとしてパンクが出てくるとか、そういう感じだね、たぶん。

で、それでも「時代劇は死なず!」って終わるのかと思いきや・・・。

2年後に書かれた「おわりに」、更に6年後に書かれた「文庫版あとがき」と、どんどん状況が変わっていく。
そして2014年に著者は『なぜ時代劇は滅びるのか』というこの本と逆のタイトルの本を出さざるをえなくなる。

それが一番衝撃的だったかな。
「凄いもんだな、やっぱり時代劇ってのは、やっぱりどの世代にもちゃんとファンはいて、続いていくんだな」と思ったところでコレだもの。
やっぱりどのジャンルも不況で・・・とかいらん部分の共感までついてきました・・・。

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長尾迪 「格闘写真集 FIGHTS」





格闘写真集の名の通り、K‐1やUFCではオフィシャル・フォトグラファーを務めた写真家の長尾迪の、格闘技の写真集。時期ごとにたまーに当時の格闘技界についてのコラムが挟まれるくらいで、ほとんどが試合中の格闘家の写真。

格闘家というのはやはり美しいと思う。自分が多少格闘技を齧ってからはなおの事そう思うようになった。
研ぎ澄まされた、闘う為に作った体には、それぞれの競技種目、それぞれの格闘技、流派、そしてそれぞれの人生が筋肉や傷となって刻み込まれている。
そんな格闘家の、それも「総合格闘技」というものがはじまった93年から、まだ完全に「スポーツ」となってしまう前の「異種格闘技戦」の香りを残していた98年までの記録なので、とても興味深かった。
写真としても美しく、迫力のある写真で素晴らしかった。

ちょっと残念だったのが何故か現在(まぁ98年だけど)から過去に向かって進む構成。
はじまりの98年に何かしら象徴的な出来事があったならそこから遡って行くのも解るのだけど、「総合系の格闘技は今も元気だ」という一文からはじまってしまうので、なんか拍子抜けというか・・・。
各国各団体で活発になってきて、そして世間にも広がってきた「総合格闘技」というものを切り取るのに、「UFC 1: The Beginning」が行われた93年がスタートなのはわかるのだけど、なんで98年までにしたかな?という。そして、まぁ今まで撮ったもので写真集を、という事なら素直に93年から順番でよかったんじゃないかな?と思ってしまった。

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アガサ・クリスティー/中村能三訳 「オリエント急行の殺人」





言うまでも無いくらいの推理小説の古典であり名作。
なのに読んでなかったパターン。
元々推理小説自体をほとんど読まないせいで、タイトルだけ知っていても内容を知らない事が多いので、今回読んでみた。そうだ、名探偵ポアロなんだよな、アガサ・クリスティーって。

正直、前半〜中盤までは淡々と進むテンポ感が理解は出来ても心地よくは無かったし、古典なのでしょうがないのだけど現在との文明的な剝離があるし、一昔二昔前の人のように「まだ見ぬ異国」のように文化的に惹かれなかったのもあるので、我慢して読む感じだった。ちょいちょい挟まれる各国に対するイギリス人っぽい皮肉なんかも今考えるとかわいいものだったり。
詳しい設定がわからないんだけど、ポアロはフランス語と英語が使える設定なんだな、文章にもちょいちょいフランス語のルビ(カタカナだけど)が振ってあったり、変な感じがした。原文はどんな感じなんだろう?

後半に入ると流石の盛り上がりで、畳み掛けるようにいろんな事実が判明していくので、やはりそれなりに高揚する。
「途中で読めた」とか推理小説で言ってもしょうがないし、まぁそれなりに不可解なところも残るけど、当時だと斬新なトリックを推理して、解決して、ラストは賛否ありますよ、と。
「当時だと」って言っても、推理小説を読まない私には今でも新鮮ではあったし、けっこう楽しめた。

魅力的なキャラクターが登場し、変わったシチュエーションで、斬新なトリックで、ラストに読者が語りたくなるようなオチをつける、うん、名作だわ。

ただまぁ、今の時代に必読か?と言われればそうでもない感じはする。

ちょっと前に、知り合いから無理矢理「是非読んでくれ」と古典SF小説を押し付けられて何冊か読んだ時も思ったんだけど、やっぱ古典は古典なんだよな。

もちろん面白いんだけど、当時のような驚きや興奮が持てるでもなし、「オリエント急行殺人事件か!」というツッコミが可能なほどに擦られたトリックを今更特別なものだと思うわけでもなし・・・。
そのまんまじゃなくても影響を受けた作品は無数にあって、それらを意識的にではなくても観てるわけだからね。

推理小説が好きなら、これを踏まえた上でのお話がたくさんあるだろうから読んでいたほうがいいだろうけど、別にそれ以外の人はいいかな・・・という感じ。


あ、今考えると、意外と名探偵ポアロの印象薄いかも。この本を読む限り、ヒゲ以外に特別特徴は無かったような・・・。
名探偵ポアロを描け、って言われたらホームズ描いちゃいそう。
映画とかはどう描かれてるんだろ?

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中村メイコ 「人生の終いじたく だって気になるじゃない、死んだ後のこと。」





ヒットした本なのでタイトルくらいは知っていたが、読んでいなかった本。拾ったので読みました。
2歳でデビュー、2016年で芸歴80年と言う途方も無い段階に来ている中村メイコさん。

と書いてみたものの、正直よく知らない。
画像検索して、「あー、見た事あるような・・・」くらいの感じ。
映画が強い時代の大御所だと、テレビではNHKか『徹子の部屋』くらいでしか観た事無かったりするんで、そんな感じ。

なので、なんの先入観もなく読み始めたんだけど、これが中々オモシロい。
両親ともに作家であり、芸能人という存在が今よりずっと雲の上の位置にいた時代に、2歳でデビューしながらも、ある種三枚目的な役割で、その上に23歳で結婚してからずっと夫と添い続けているので、浮世離れした部分と普通な部分が共存しているところが興味深かった。

もちろん、あくまで「大御所芸能人」という前提があっての事なのだけど、親友が美空ひばり、初恋が小説を書く前の吉行淳之介、榎本健一など有名な喜劇俳優との共演多数という交友関係をはじめ、夫は作曲家、長女は作家、次女は女優(夫は杉本哲太)、長男は画家という芸術一家、という事を考えると、ずいぶん地に足が着いているような気がするというか。
マコーレー・カルキン君とかパリス・ヒルトンとか比べるとね、幸せに人生を送ってきているんだな、と。

本人にいかにも昭和のスター!って感じのぶっとんだエピソードが無い分、やはり興味深いのは大物スターのエピソードや、芸能人として慰問に行っていたという事で他で聞けないような戦争の話なのだけど、これを語れるのはもはやこの人しかいないんだな、と考えるととても貴重だ。

しかしこういう大御所の本を読む度に、反射的に「吉田豪がインタビューしてねぇかな?/しねぇかな」と思ってしまうね。

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